7府省庁が主要SNSに対策を要請。自社ブランドを騙る広告を検知する仕組みをAXerで提供開始
他社アカウントから出るため自社の画面には現れない。広告ライブラリを横断して収集し、正規の出稿と突き合わせる
株式会社アイトリガーは、マーケティングAXのソリューション「AXer」に、自社ブランドを騙る広告出稿を検知するリソースを追加し、2026年9月より外部提供の受付を開始します。各媒体の広告ライブラリからブランド名を含む出稿を収集し、あらかじめ登録した正規の出稿アカウント一覧と突き合わせて、一覧に無いアカウントからの出稿を抽出します。使い捨てのアカウントで繰り返される手口に対応するため、定期実行して新たに出現した出稿者を差分で示します。社内運用を経て、ブランド名で広告を出している企業へ提供します。マーケティングAXの実践例です。

自社を騙る広告は、自社の管理画面には出てこない
広告運用の業務で、2026年に入って顕在化した課題を確認しました。2026年8月7日、警察庁・金融庁・消費者庁・デジタル庁・総務省・法務省・経済産業省の7府省庁が合同で、SNS等を提供する大規模事業者に対し、なりすまし詐欺広告への対策強化を文書で要請しました。対象はGoogle、LINEヤフー、Meta、TikTok、Xの5社です。要請の内容には、電子的な認証手段を含む広告主への本人確認と、広告主の名称・所在地・身元確認の有無などを確認できるようにする透明性向上の措置が含まれています。各社は2026年10月16日までに、取組の内容をデジタル庁へ報告することとされています。
これは媒体に向けられた要請であり、広告主に義務が生じるものではありません。しかし実害を受けるのは、騙られた側のブランドです。手口には共通点があります。AIで広告クリエイティブを大量に生成し、出稿アカウントを使い捨てで回すという形です。ひとつのアカウントが停止されても、同じ手口が別のアカウントから短期間で再開されます。つまり、一度確認して対処しても、それで終わりにはなりません。
そして構造的な問題があります。自社を騙る出稿は、自社の広告管理画面には一切現れません。他社のアカウントから出稿されているためです。自社の運用をどれだけ精査しても検知できず、気づく経路は顧客からの問い合わせか、偶然の発見に限られます。この状態を解消する仕組みを構築し、社内で運用したうえで外部提供を開始します。
定期的にアカウント外を巡回
マーケティングAXでは、自社の管理画面の内側だけを対象にするのではなく、外側で何が起きているかを取りに行く形で設計します。本リソースが行うのは、次の3つです。
① 媒体の広告ライブラリから、ブランド名を含む出稿を集める
各媒体が公開している広告ライブラリに対して、ブランド名とその表記ゆれ、および関連するキーワードで検索し、該当する出稿を収集します。英字表記、カナ表記、略称、旧社名まで含めて指定します。
収集の仕組みは、既に提供している競合クリエイティブの自動収集リソースと同じ基盤を使います。収集対象を競合企業から自社ブランド名に切り替えることで成立するため、新たに構築する範囲は限られます。
② 正規の出稿アカウント一覧と突き合わせる
収集した出稿を、あらかじめ登録した正規の出稿アカウント一覧と照合し、一覧に無いアカウントからの出稿を抽出します。あわせて、出稿者名にブランド名が含まれているか、広告本文に含まれているかという検知の理由も併記します。ここで重要なのは、抽出結果を一次判定として扱うことです。代理店や販売店が正規の許諾を得て出稿している場合も、一覧に登録されていなければ抽出されます。
最終的な判断は人が行う前提で設計しています。そのため一覧の整備は、この仕組みの精度をそのまま決める工程になります。代理店、販売店、海外法人をどう扱うかを最初に決めます。
③ 定期実行し、新たに出現した出稿者を差分で示す
使い捨てのアカウントで繰り返される手口に対しては、一度の確認は意味を持ちません。そのため定期的に実行し、前回の結果と比較して新たに出現した出稿者だけを抽出します。
すべての結果を毎回確認しようとすると運用が続きません。前回から増えた分だけを見る形にすることで、日次での運用に耐える負荷に収めます。確認後の削除要請は、媒体ごとの窓口へ出すことになります。本リソースが担うのは検知と記録までで、そこから先の申請は人の作業として残ります。
なお本リソースは、単体のSaaSツールとしての提供は行わず、AXerが提供するリソース(人・ツール・ノウハウ)の一部として実装します。ブランド名の表記ゆれの定義、正規アカウント一覧の整備、実行頻度、検知後に誰が確認して誰が申請を出すかという運用の設計から着手します。
自社の管理画面の外にも、自社の広告は存在する
今回実装したのは、なりすまし出稿を止めるための機能ではありません。止める権限は媒体側にあり、広告主にはありません。実装したのは、自社の管理画面の外で自社の名前が使われている状態を、把握できるようにするための組み替えです。
顧客からの問い合わせで初めて知るフローから、定期的に外側を見に行って新規の出現を検知するフローへ。今後は対応する媒体の範囲を広げるとともに、ロゴや商標画像の類似を検知する仕組みと、媒体ごとの申請様式に合わせた下書きの生成を進めていきます。
本リソースは完成パッケージではなく、各社のブランド構成と販売網の形に合わせて組み替えます。何を正規とするかの定義からご相談いただけます。
■ AXer サービスページ
https://aitrigger.co.jp/service/axer/
■株式会社アイトリガー(AITRIGGER Inc.)
本社:東京都新宿区西新宿6-11-3 Dタワー西新宿16階
事業内容:デジタルマーケティング支援(運用型広告・インハウス支援)、マーケティングリソース提供(MRM)、マーケティングAX事業
URL: https://aitrigger.co.jp/
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