BlueMemeと九州大学、量子AIを用いた大規模言語モデル構築のための共同研究を開始
従来AI技術の運用コストを低減する量子AIを、バイオメディカル言語モデルに応用
IT企業であるBlueMemeが、なぜバイオメディカル情報解析に取り組むのか
バイオメディカル情報解析[※1]は、AIをはじめとするコンピューティング技術の活用により大量の生物学的データを効率的に処理し、医療研究や臨床治療に活用できる有用な知見を提供します。
一方BlueMemeは、最新コンピューティング技術を用いた企業のDXに先進的に取り組んでまいりました。そのため、バイオメディカル情報解析分野は、当社が直接課題解決に寄与できる対象領域であると捉えています。
共同研究の取り組み
医療研究や臨床治療に活用できるバイオメディカル言語モデル[※2]を共同開発
量子AI[※3]の活用により大規模言語モデルの学習・推論に係るパラメータ数[※4]を大幅に削減
大規模言語モデルとバイオメディカル情報解析
近年、ChatGPTに代表されるような、大規模言語モデルの開発と普及が急速に進展しています。大規模言語モデルは自然言語データを大量に学習することで、AIと利用者との自然な対話や数学計算やコーディングなどの知的生産タスクの実行を可能にします。
大規模言語モデルで用いられているAI技術は、すでにバイオメディカル情報解析においても活用され始めています。BlueMemeは、バイオメディカル情報解析で扱われる生物学的データは自然言語と非常に類似しているため、自然言語を解釈するために作られた大規模言語モデルとの相性が良いと考えています。
そのため、バイオメディカル領域の膨大な生物学的データを学習させた大規模言語モデルは、いわば「バイオメディカル言語モデル」として疾患原因探索や薬剤設計において活用できるツールの一つとなると考えています。
量子AIにより、バイオメディカル言語モデル運用に係るコストを大幅低減
大規模言語モデルの開発と運用には、大量の計算リソースと高いコストが必要です。その経済的負担から、事実上、中小企業や自治体・研究機関は大規模言語モデルを開発・運用することが困難であるという課題があります。この課題を解決するために、BlueMemeは、今後発展が期待される量子AI に注目しました。
量子AIは、量子コンピュータを用いた人工知能技術であり、大規模言語モデルの運用コストを大幅に削減できると考えられています。具体的には、量子AIにより、これまで古典コンピュータ(現在のコンピュータ)上で学習されていた大規模言語モデルを、量子コンピュータ上で学習・推論させます。これにより、理論的にはモデルのパラメータ数を大幅に削減できると考えられており、将来、モデルの運用に係るコストも大幅に低減すると予想されます。バイオメディカル言語モデルの開発が従来に比べ安価になることで、より多くの研究機関や企業がその運用を通じて、臨床応用に貢献できる道筋が拓けると考えられます。
これを受けてBlueMemeは九州大学 長﨑正朗教授と連携し、量子AIを活用したバイオメディカル領域の言語モデルの開発と、社会実装に向けた性能検証を推進していきます。
両者の役割
BlueMeme
○ 量子AIのバイオメディカル言語モデルのためのアルゴリズム提案・構築
○ GPUシミュレータを含む量子計算プラットフォーム上での量子計算
「ChatGPT等に代表される高性能な生成AIを開発するためには、膨大な計算量を短時間に処理可能なコンピューティング技術が必要であり、計算速度を飛躍的に向上させることができる量子コンピューティング技術の活用が不可欠です。この九州大学とのバイオメディカル分野での共同研究は、量子コンピューティング技術とAIを融合させた量子AIを確立し、社会実装を実現するための非常に重要なステップであると考えています。本研究における量子AIの成果は、ライフサイエンス以外の様々な分野の大規模言語モデルの開発においても、量子コンピューティング技術の活用をさらに促進できるものと期待しております。」BlueMeme代表取締役社長
松岡 真功
九州大学
○ メディカルインフォマティクスの専門知識に基づく、ゲノム情報解析をはじめとしたオミクス解析技術の実応用
○ 量子計算プラットフォームに応用可能なアルゴリズムの提案、試験評価計画策定
「大規模言語モデルには、各知識ドメインの正確な情報を活用することが求められると考えています。バイオメディカル情報にはさまざまなレイヤーの情報が存在します。そのため、バイオメディカル言語モデルの開発には、プライマリ情報の適切な選択が必要であり、その選択には、バイオメディカルの領域の専門家が不可欠と考えています。将来的な大規模言語モデルへの量子技術の活用も示唆されており、量子AIに大変期待をしています。」九州大学 生体防御医学研究所
高深度オミクスサイエンスセンター バイオメディカル情報解析分野
長﨑 正朗 教授
本研究の詳細:
https://www.bluememe.jp/research-and-development/
[※1]バイオメディカル情報解析:ゲノムデータなどの生物学的データや患者の医療記録などの臨床情報を、機械学習や統計学などの計算科学的手法で解析すること。
[※2]バイオメディカル言語モデル:バイオメディカル情報解析に特化するために、DNAなどの膨大な生物学的データや臨床情報を学習させて開発する人工知能モデル。
[※3]量子AI:人工知能と量子コンピュータを融合させた研究分野。量子コンピュータによる演算の特徴を機械学習・深層学習に応用する研究が行われている。
[※4]パラメータ数:人工知能モデルがデータから学習するための調整可能な変数。パラメータ数の大小によりモデルの性能が決定される。
株式会社BlueMemeについて
BlueMemeは、2012年にローコード開発基盤「OutSystems」を日本で初めて導入し、日本のローコード開発市場を第一線でけん引してきました。また、当社独自の開発方法論「AGILE-DX」を用いて、アジャイルとローコード手法の効果的な運用を実現しています。今後も、最新技術を活用した次世代型の情報システム開発を通じて、破壊的な変革を乗り切るためのDXを実現し、日本企業の国際的な競争力を向上させていきます。
社名 :株式会社BlueMeme
代表者 :代表取締役社長 松岡 真功
所在地 :東京都千代田区神田錦町3-20
資本金 :970,644,531円(2023年3月31日時点)
事業開始 :2009年8月(設立2006年12月・資産管理会社として設立後、現代表にて事業開始)
上場市場 :東証グロース(証券番号:4069)
九州大学担当
九州大学 生体防御医学研究所 高深度オミクスサイエンスセンター バイオメディカル情報解析分野 長﨑 正朗
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