盛岡セイコー工業が岩手県立大学と共同で水資源循環機構を備えたビオトープ「わくわくトープ」を開設
セイコーホールディングス株式会社(代表取締役会長 兼 グループCEO 兼 グループCCO: 服部 真二、東京都中央区、以下、セイコーホールディングス)のグループ会社であるセイコーウオッチ株式会社の腕時計製造を担う盛岡セイコー工業株式会社(代表取締役社長:林 義明、本社:岩手県岩手郡雫石町、以下、盛岡セイコー工業)は、公立大学法人 岩手県立大学(学長:鈴木 厚人、岩手県滝沢市巣子、以下、岩手県立大学)の協力を得て、自社敷地内に、水資源循環機構を備えたビオトープを8月10日より開設します。
ビオトープとは「ビオ(生物・生きる)」と「トープ(空間・場所)」を合わせた言葉で、生物の生息環境を自然に近い状態で人工的に復元した空間のことで、今回開設するビオトープを「わくわくトープ」と名付けています。
「わくわくトープ」は、地域の植生に加えて、水辺を含む新たな生態系の創出を目指す生物多様性保全活動の一環として創設されたもので、水源には敷地内の雨水を自然環境の力で質調整しながら活用する水資源循環機構が備えられています。
水辺には、地元雫石に自生する山野草や樹木52種を植栽し、「わくわくトープ」内の散策を楽しんでいただけるようバリアフリーの遊歩道を設置。その舗装には、環境に配慮した土系舗装を使用しています。
「わくわくトープ」の実現にあたっては、2022年3月に岩手県立大学と共同研究契約を締結し、設計および施工管理の協力を得て完成に至りました。
<全体図>
<わくわくトープの概要>
総面積総面積 : 2,833平方メートル
池の面積 : 200平方メートル
湿地の面積 : 130平方メートル
レインガーデンの面積 : 25平方メートル
<水資源循環機構について>
(1) レインガーデンと脱窒(だっちつ)の丘による雨水の浄化
雨水には、酸性成分(硫黄酸化物、窒素酸化物)や不純物(有機物やナトリウム、塩素など)が含まれます。窒素は植物にとって肥料となり、富栄養化が進み、植物プランクトンが増殖、その死骸が水底にたまり水中の酸素を消費してしまうことで水生生物が棲みにくい環境になってしまいます。「わくわくトープ」では、工場の屋根から落ちる雨水を収集枡に集め、埋設配管で「レインガーデン」に流入します。レインガーデンと池との間に設けた「脱窒の丘」は、数種類の砂を多層に堆積した自然のろ過装置です。ここでは不純物のろ過および嫌気性微生物によって 硝酸成分の脱窒を行い、雨水を連続的に浄化して活用します。
(2) コンテナ人工湿地を利用した池の水質改善
閉鎖性の池は、植物プランクトンの増加による富栄養化が課題になり、景観や生態系に悪影響を与えることが知られています。「わくわくトープ」では、池の水の循環経路に植栽と、ろ材を備えた人工の湿地「コンテナ人工湿地」を設置しています。コンテナ人工湿地では、好気性微生物の酸化分解作用により植物性プランクトンなどの有機物を除去することで、池の水質維持、改善を行います。
盛岡セイコー工業は、今後も岩手県立大学と共同研究を続け、将来的には工場内の排水も水源の一部として利用する水資源循環に挑戦し、同時に水辺環境を活かした地域絶滅危惧種の保全にも取り組む計画です。「わくわくトープ」は、環境学習の場として、また社員の憩いの場として活用し、将来的には一般開放も検討しております。
<盛岡セイコー工業株式会社について>
盛岡セイコー工業は、1970年、セイコーのウオッチ製造施設として設立。現在はセイコーホールディングスのグループ会社であるセイコーウオッチ(株)の傘下で、高級機械式腕時計とアナログクオーツムーブメントの製造を担う。2020年、隈研吾氏設計のグランドセイコースタジオ 雫石を設置。また、工場敷地内の森林および工場が所在する雫石町七ツ森の森林保全にも協力するなど周辺地域を含む生物多様性の保全を推進してきており、岩手県・雫石町との『企業の森づくり活動』協定締結など環境保全の取り組みに力を入れる。
公式Webサイト: https://www.morioka-seiko.co.jp/
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