【調査発表】6月から施行される「パワハラ防止法」、企業対応の一助となる「360度評価」中央省庁を始めとし、導入企業が増加!360度評価活用における実態調査 結果を発表

導入企業の意外な活用目的や、効果的に活用できている企業の工夫が明らかに

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤島 敬太郎)は、企業の人事担当者600名に「360度評価活用における実態調査」を実施し、「実際に企業ではどのように活用しているか」「効果的に活用できている企業の工夫」など、調査結果から見える実態について公表しました。 詳細は5月25日に公表した当社Webサイトの調査レポート(https://www.recruit-ms.co.jp/issue/inquiry_report/0000000855/)からもご参照いただけます。
1.調査実施の背景    
 「360度評価」を人事施策として導入する企業が増えています。導入率は、2007年は5.2%だったところが2018年には11.8%※1に、さらに今回弊社で行った調査では全体の31.4%という結果となりました。※2
 360度評価の導入企業が増えている背景として「働き方改革の浸透」が考えられています。昔ながらの「みんなが長時間隣り合って働く」という仕事のスタイルから、短時間勤務やリモートワーク、フリーアドレスなどの導入も進み、人事や上司からだけでは現場の様子が見えづらくなりました。そのため、評価の材料として、部下や周囲からの意見を収集する360度評価への注目が高まっているのです。
 また、ビジネス環境の変化も影響を及ぼしていると考えられます。変化が激しく先の読めないVUCA時代においては、トップダウンでの意思決定が通用しなくなっています。現場の意見を効果的に取り入れ、フィードバックにより学び合う「共創型の組織づくり」が必要になっているのです。
このように、360度評価への注目が高まっている中で、2019年秋から中央省庁のすべての課長級の人事評価にも、部下指導のマネジメント能力の向上やセクハラ・パワハラの防止を目的に導入が始まりました。一方で、「導入にあたって不安を感じている」という声も多くあります。
 本調査では、「実際に企業でどのように導入・活用されているか」「導入にあたって効果的に活用できている企業はどのような工夫をしているか」等を明らかにし、今後360度評価の導入を検討されている企業に向けて、参考になる情報をお伝えしたいと思います。
※1 出典 労政時報 第3956号 /18.8.10/8.25
※2 本調査 下記「図表1」参照

2.結果のポイント
  • 現在、31.4%の企業が「360度評価」を導入しており、今後も継続して実施/今後実施してみたい企業は、全体の半数(50.4%)【図表1】
  • 360度評価の対象として一番多いのは、課長層(62.5%)、次いで部長層(59.5%)。また、周囲から率直な評価やフィードバックが起こりにくい事業部長・役員層への導入をしている企業も56.0%ある。
    また、新人・若手層へ導入している企業は27.8%あり、そのような企業は、成果だけでなく仕事の進め
    方を身に付けていくことも重要と考え、業績評価に加えて仕事のプロセスを評価していることが伺えた
    【図表2】
  • 360度評価を導入した目的として最も多かった回答は「他社と比較した時の自社の人材レベルがわからないから」(37.5%)。次いで「現在の評価(上司評価)があてにならないと感じたから」(35.7%)、「現場の社員から導入を求められたから」(32.2%)【図表3】
  • 360度評価の活用方法について、「人事評価に反映している」の選択率は54.5%に留まった。
    他方、「対象者本人の気付き・育成に活用している」(35.3%)、「上司のマネジメント・コミュニケーションツールとして活用している」(20.2%)等、人事評価目的ではなく、育成や職場コミュニケーションの活性化を目的として導入する企業も多いことが明らかに【図表4】
  • 導入後の効果は、「本人の能力開発のため」「職場のコミュニケーションを活性化するため」といった導入目的をきちんと伝えた方が感じやすい【図表5】
  • 76%の企業が本人に評価結果を返却【図表6】
    返却している企業の返却方法については、多い回答順に、人事からの返却 34.0%、上司からの返却 
    18.5%、集合研修の場での返却 7.6%。

3.HRM事業開発部多面評価サービス開発チームのコメント      
■360度評価の活用で、現場で学び合う組織づくりを
リクルートマネジメントソリューションズ HRM事業開発部 研究員 川越 未紀


 近年、弊社にも360度評価に関するお問い合わせが増えており、世の中の企業において「多面的に人を見ること」のニーズが高まってきていることを実感しています。しかし、その利用実態に関する定量的な調査は多くなく、今回の調査で導入目的や活用方法について、改めて考察を得ることができました。
 調査結果からもわかるように「360度評価を有効に活用できている」という声がある一方で、実際に導入するにあたり難しさを感じている企業があることも事実です。元々「相互フィードバックの文化・風土」が根付いていないような組織では、定着させていくための丁寧なインストールや工夫が必要になるでしょう。
 しかし、360度評価というツール自体は、決して悪い目的のために用いられるものではありません。本人にとっては気付きとなり、周囲にとっては対象者の成長やチームのことを真剣に考え声を伝える機会となります。新たな働き方やマネジメント像が求められる中で、現場で相互に学び合う共創型の組織づくりに寄与するツールとして、今後もそのニーズは高まっていくでしょう。

4. 調査結果    
●360度評価の導入率
・現在、31.4%の企業が「360度評価」を導入している
・今後も継続して実施/今後実施してみたい企業は、全体の半数(50.4%)

「実施したことはないが、今後実施してみたい」(24.9%)、「現在実施しており、今後も継続していく予定」(23.2%)、「以前実施していたが、今は実施しておらず、今後実施する予定」(2.3%)という結果に。
・最も多かったのは、「実施したことはなく、今後も実施の予定はない」企業で全体の30.9%となったが、続いて多かったのが「実施したことはないが、今後実施してみたい」で24.9%、「現在実施しており、今後も継続していく予定」で23.2%。


●360度評価の対象者は誰か?
・360度評価を導入している対象として一番多いのは課長層(62.5%)、次いで部長層(59.5%)
・事業部長・役員層への導入をしている企業も一定数ある

事業部長層へ導入している企業は37.0%、役員層以上へ導入している企業は19.0%という結果に。
役職が上がると、周囲から率直な評価やフィードバックはもらいづらくなることもあり、360度評価という手法の価値が発揮されやすくなることが推測される。周囲への影響力が大きい階層であるからこそ、多面的なフィードバックから気づきを提供する重要性も高い。
・新人・若手層へ導入していると回答した企業は27.8%
新人・若手のうちは、成果だけでなく、仕事の進め方を身に付けていくことも重要である。業績評価に加えて仕事のプロセスを評価できる360度評価を導入することは人事評価の手法として役立つため、導入企業が一定数あることが推測される。


●360度評価を導入した目的
・最も多かった回答は「他社と比較した時の自社の人材レベルがわからないから」(37.5%)
社員に関する定量データを持っていない企業では、自社のレベルを判断するための材料としてアセスメントデータを取得するところから始めなければならない。その際に、360度評価であれば、本人の育成や上司のマネジメントツールとしても活用ができるため導入がしやすいということが考えられる。
・2番目、3番目に多く選択されたのは「現在の評価(上司評価)があてにならないと感じたから」(35.7%)、「現場の社員から導入を求められたから」(32.2%)
人事だけでなく現場の従業員自身も、誰か1人からの評価ではなく多角的な評価を求めており、その背景には一人一人が見えづらくなっている職場の変化がある可能性が伺えた。また、現場の社員が導入を求める背景としては、普段は上司へのフィードバックがしづらいが、360度評価が導入されていればのその機会にもなることが推測され、360度評価は、風通しの良い職場づくりへ繋がることが示唆された。

 


●360度評価はどのように活用されているのか
・「人事評価に反映している」の選択率が54.5%に留まり、「対象者本人の気付き・育成に活用している」(35.3%)、「上司のマネジメント・コミュニケーションツールとして活用している」(20.2%)等、人事評価目的ではなく、育成や職場コミュニケーションの活性化を目的として導入する企業も多い
近年では、「他者の目で見た自分」を受け止め理解することで、周囲とよりよい協働をするために必要な課題を上司との1on1で設定し、主体的にチームに貢献するような力を育む…といった活用の仕方が増えている。

 


●「360度評価」を導入したことによる効果
・導入目的を「本人の能力開発のため」「職場のコミュニケーションを活性化するため」と伝えている場合に、導入後の効果を感じることが明らかに
「本人の能力開発のため」と伝えた場合には71.8%、「職場のコミュニケーションを活性化するため」と
伝えた場合では62.4%の企業が導入効果を感じている。

 

【HRM事業開発部多面評価サービス開発チームからの導入に際してのアドバイス】
導入の際に否定的に受け止められないためには、実施前や実施時にきちんと広報していくことが重要です。
何のために導入して、何に反映されるものなのかをしっかりと伝えましょう。そうでないと「これで昇進が決まるのではないか?」のような憶測が広がり、低い評価を付けたのは誰か?と犯人探しにつながってしまう可能性もあります。


●360度評価をどのように返却するか
・本人に評価結果の報告書を返却している企業は76.0% 
返却している企業の返却方法については、多い回答順に、人事からの返却 34.0%、上司からの返却 
18.5%、集合研修の場での返却 7.6%  という結果となった。



【HRM事業開発部多面評価サービス開発チームからの本人返却時のアドバイス】
返却をする場合、返却の仕方は主に、以下3つのやり方があります。

①人事から返却 ②上司から返却 ③集合研修やコーチングの場で返却

人事から返却する場合、対象者の顔が見えないままメールなどで事務的に返却するといった方法では、適切なフィードバックにつながらない可能性があります。「日常の職務行動を振り返り、今後の課題と改善に向けて必要なサポートをすり合わせる」という目的に照らすと、上司から面談や1on1の場で返却することが有効だと考えられます。しかし、より効果的にフィードバックするためには、上司のコーチング力や結果を解釈する力が重要となります。上司の評価力・目標設定力を高める施策をあわせて実施することで、360度評価の効果を高めることができます。
また、結果について理解を深めるためにも、数値だけの評価ではなくフリーコメントを入れたり、報告書についてもわかりやすく工夫されているものを導入したりすることをおすすめします。
以上のように、上司が適切にフィードバックすることは能力開発にもつながりやすくておすすめなのですが、状況によって難しい場合は外部に依頼してフィードバックガイダンスなどを行うことも有効です。フィードバックガイダンスでは返却された結果を元に自己分析をし、今後の計画立案を行います。立てた計画を職場で実行していくためには、結果をしっかりと受け止められるようなファシリテーションの工夫や、実施後に上司や職場で共有して周囲のサポートを得ることが大切です。
また、組織に大きな影響力を持つ上位階層の対象者(経営幹部クラスなど)の場合は、より丁寧なフィードバックを意識しましょう。コーチングとセットでの返却など、自身の結果と向き合い今後の振る舞いを考えていくことができるような機会を提供することを特におすすめします。

5. 調査概要


6. リクルートマネジメントソリューションズ提供 360度評価システム            
■360°評価システムMOA(Multi-Observer-Assessment)

日常の職務行動を、上司だけでなく同僚や部下含めた複数名の観察者が多面的に(360度)評価することで、人材を客観的に把握する評価システムです。
詳細:https://www.recruit-ms.co.jp/service/service_detail/org_key/A005/

<特長>
1.客観性・納得性・科学性の高い評価
360゜評価(多面評価)システム「MOA」の特長として、複数名の観察結果を平均することで、観察者個人のパーソナリティや価値観による評価のばらつきを抑え、客観性・科学性を高めることができます。また、観察対象となるのは具体的な日常の職務行動ですので、被観察者の能力に対する価値判断が評価に含まれてしまうのを最小限にとどめることができ、被観察者にとっても納得性の高い評価が可能になります。

2. カスタマイズなしでも十分な活用が可能
被観察者の階層によって求められる能力は異なるため、MOAは中堅社員層(S)・管理職層(M)・経営職層(E)の3種類をご用意しています。各階層に期待される能力を押さえた内容であることから、オリジナル項目を設けるなどのカスタマイズをせずとも十分にご活用いただけることが、MOAの大きな特長です。

3. 一般的なレベルとの比較が可能
中堅社員層(S)・管理職層(M)・経営職層(E)それぞれに対し、結果を「標準得点」で表示しているため、世間一般の同階層とのレベル比較が可能です。

4. 豊富な導入実績170社・被観察者36,000名 (2017年度) ※MOAオリジナル版実施を含む
1993年よりサービスを開始、多くの企業・被観察者にご利用いただいています。豊富な実績に基づいたノウハウで、大量実施でも機密性が高く安定的に運用可能です。

<活用場面>
●能力開発・指導育成
:社員が自己理解を深め、能力開発ポイントを明確化する/上司の部下指導・育成をサポートする
実施目的として最も多いのは、社員の能力開発です。
MOAを活用することで上司や同僚、部下といった複数名からの評価と、自己認識とのギャップを認識してもらうことができます。周囲から見た、自分自身の強み・課題、行動特徴を知ることで、能力開発に向けて動き出すことができます。


また、MOAは、被観察者に対する上司の指導・育成を助ける材料となります。被観察者が弱点を克服できるようなプロジェクトにアサインしたり、被観察者の長所を活かせる業務を任せたりする、といったマネジメントに役立てることが可能です。

●昇進・昇格選考
人事考課の補完データ/公平性・納得性・客観性を高める評価手段

●適正配置・人材活用戦略
現管理者や中堅社員の職務遂行能力の発揮状況を客観的に把握することは、適正配置を検討するための材料になります。
また、昇進・昇格を判断する際に、人事考課の補完材料、公平性・納得性・客観性を高める手段の1つとして活用されることもあります。

<360゜評価(多面評価)システム「MOA」の活用メリット>
●充実したフィードバックツール
上司用/本人用解説書、自己啓発用シート

●世間一般との比較
標準得点で表示しているため、世間一般の同階層と比べて結果を解釈することができます。

●人的資源の把握
MOAの結果を部門別・階層別などに集計・分析することによって、人的資源の配置状況を把握することができます。


■経営人材360°評価システム  PRO-MOA
リーダーシップに関する国内外の研究、弊社の豊富な実績をもとに開発した、経営人材ならではの
360°評価システムです。
詳細:https://www.recruit-ms.co.jp/service/service_detail/org_key/A025/

<特長>

1.ポジティブ・ネガティブの両面から測定
リーダーシップの発揮を支えるポジティブな要素、発揮を阻害するネガティブな要素の両面からリーダーシップ発揮状況を把握できます。

2.「プロブスト法」の360°評価への応用に成功、印象評価が可能
提示されたキーワードの選択によって人物の印象を測定する「プロブスト法」により、周囲に与える印象を測定することが可能。印象によって周囲に間接的な影響を与えることをもマネジメントすることが求められる、経営人材に最適な手法です。

3.「リッカート法」の併用により測定の客観性を担保
提示された文に当てはまる程度を回答することによって職務遂行行動を測定する「リッカート法」も併用することにより、測定の客観性を担保し、能力開発につながりやすくしています。

4.一般的な水準との比較が可能
世の中のシニアマネジャークラスの中での相対的な位置を報告しています。

<活用場面>
●次世代リーダー選抜と育成
現状把握・開発課題の明確化のために、次世代リーダー選抜・育成プログラムの一環として。

●経営幹部の評価とリーダーシップ開発
会社の事業推進を阻害する可能性のある要因はないか、従業員から信頼を得ているかのチェックのために。エグゼクティブコーチングを併せて行なうこともおすすめです。

●多拠点展開企業の拠点長の定期モニタリング
目の届きづらい拠点長が適切にマネジメントを行なっているかのチェックとして。ネガティブな側面の評価が率直に表れやすいのはPRO-MOAならではです。


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