〈2025年度第3回 中小企業経営実態調査〉中小企業の伴走支援、約6割が活用 活用経験のある企業の半数超が「悪化防いだ」と評価する一方、約4割は成果実感なしと回答
成果を分けるのは“支援内容”と“関係性”
Green(グリーン)とDigital(デジタル)を活用した中小企業の変革を目指すフォーバル GDXリサーチ研究所(本社:東京都渋谷区、所長:平良学)は、中小企業を対象にした「2025年度第3回 中小企業経営実態調査」を実施しました。

日本の法人のうち、中小企業が占める割合は99.7%、全従業員数に占める割合も約7割と言われ、中小企業は日本経済を根幹から支える重要な存在です。一方で、物価高騰や人材不足、DX・GX対応など、中小企業を取り巻く経営環境は年々複雑化しています。こうした中、外部専門家が計画から実行・検証まで伴走する「伴走支援」は、経営改善の有力な選択肢として広がりを見せています。しかし、伴走支援が実際にどの程度成果につながっているのか、その実態は十分に可視化されているとはいえません。今回、こうした背景を踏まえ、中小企業の伴走支援の活用状況、また伴走支援を活用後の効果、そして実際に伴走支援に期待することなどに関する調査を実施しました。
【調査結果サマリー】
①伴走支援の活用経験がある企業は約6割。2年前と比べ約1割増加
※ 「現在受けている」、「過去に受けたことがあるが、現在は受けていない」の合計。
伴走支援は一部の先進企業に限らず、中小企業の一般的な経営支援手段として浸透しつつあることが明らかに。
②半数超が「経営悪化を防いだ」と評価。一方で約4割は「変化なし」と回答。
多くの経営者が経営に直結する課題への支援に期待するものの、成果実感にはばらつきが見られる。
③経営者が期待するのは“経営に直結する支援”
売上拡大・人材確保・業務効率改善への期待が高く、関係性や柔軟性が成果を左右することが示唆。
【アンケート概要】
・調査主体 :フォーバル GDXリサーチ研究所
・調査期間 :2025年11月11日~2025年12月12日
・調査対象者 :全国の中小企業経営者
・調査方法 :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
・有効回答数 :1,570人
本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【フォーバル GDXリサーチ研究所調べ】とご明記ください。

Q1.伴走支援の活用状況(n=1,570)
中小企業の経営者に、専門家による「伴走支援」の活用状況を問うと、「現在受けている」が45.7%、「過去に受けたことがあるが、現在は受けていない」が11.5%となり、伴走支援の活用経験がある企業は計57.2%と約6割という結果になりました。
また、同様の内容で実施した2023年8月調査では、「現在受けている」(37.1%)、「過去に受けたことがあるが、現在は受けていない」(9.8%)を合わせ伴走支援の活用経験がある企業は46.9%であったことから、2年前と比べて約1割増加しており、伴走支援が一過性ではなく中小企業の経営支援手段として普及しつつある実態が明らかになりました。
人材不足、原材料費高騰に伴う物価高、DX(デジタルトランスフォーメーション)・GX(グリーントランスフォーメーション)への対応など、経営者が単独で判断し実行まで担うには負荷の高い課題が増える中で、社外の専門家と共に走り、計画から実行・検証まで支援を受ける伴走型支援のニーズや活用は今後も高まっていくと考えられます。


Q2.伴走支援の効果はあったか(n=898)
Q3.「効果的だと思う伴走支援」の内容(n=1,570)※複数回答可
Q1で「現在受けている」「過去に受けたことがある」と回答した経営者に対し、もし伴走支援を受けていなかったら、現在抱えている経営課題はどのように変化していたと思うかを問うと、最も多かったのは「伴走支援を受けなかったら悪化していたと思う」の53.3%で、半数超が“経営悪化を防いだ”と捉えていることが分かりました。
一方で、「変化はないと思う」(37.8%)と「伴走支援を受けなくても改善していたと思う」(5.7%)を合わせると43.5%に及び、“一定の効果を実感する層”と“効果を実感しにくい層”が併存している状況も示されました。
この結果から、伴走支援の進め方におけるミスマッチが起きている可能性も考えられます。伴走支援とは、社外の専門家と共に走り、計画から実行・検証までの支援を受けることです。支援する側、支援を受ける側の双方に、課題解決に向けて共に取り組もうとする意識がなければ伴走支援の成立が難しくなるケースもあると考えられます。

また、伴走支援の経験有無を問わず、経営課題を解決するために「どのような伴走支援があれば効果的だと思うか」を問う設問では、最多は「売上の拡大」(46.5%)で突出しており、次いで「人材の採用・定着・教育」(29.4%)、「業務効率の改善」(28.2%)が続きました。
一方で、「経営者としてのマインドの向上」や「リスク回避(セキュリティ対策など)」、「経営リソースのデータ化、可視化」などの経営基盤整備に関する支援は相対的に低く、多くの経営者が売上の拡大や人材確保、業務効率改善など、経営に直結する課題への支援に期待していることが明らかになりました。しかし、本来ならば経営に直結する課題とともに、経営基盤の整備も重要な取り組みであり、伴走支援はその両者へのアプローチが可能な手法でもあります。伴走支援の効果を大きくするためにも、丁寧なコミュニケーションや効果測定を行い、支援を受ける側と、経営基盤の整備についての重要性を共有することが求められます。


Q4.伴走支援を利用する際、重視する点は何か(n=1,339)※複数回答可
Q3で「利用するつもりはない」を選択した企業は除外し、伴走支援を利用する際に重視する点は何かという設問では、最も多かったのは「相談のしやすさ」(49.1%)で約半数に及びました。
続いて「成果が出る可能性が高い」(48.3%)、「自社の課題や状況への理解」(46.9%)、「費用の妥当性」(44.3%)が上位となり、制度や肩書きよりも“関係性(相談しやすさ)”と“自社理解”、そして“成果への納得感”が重視されていることが分かりました。
それは一律どの企業でも行っているような支援内容ではなく、各社の事業・組織の特性に寄り添い、実情を共有しながら経営改善に取り組む、そうした伴走支援が期待されていることの表れといえます。特に中小企業の場合は社内リソースが限られていることが多いため、支援側には支援の内容を臨機応変に改善することができる応用力も重要です。中小企業向けの伴走支援には、こうした観点が欠かせないのではないでしょうか。


フォーバル GDXリサーチ研究所所長
平良 学(たいら・まなぶ)
■経歴
1992年、株式会社フォーバルに入社。九州支店での赤字経営の立て直し、コンサルティング事業の新規立ち上げ、全体統括を経て、2022年に新たに発足した中立の独立機関「フォーバルGDXリサーチ研究所」の初代所長に就任。
中小企業経営の実態をまとめた白書「ブルーレポート」の発刊、全国の自治体と連携し、地域の中小企業経営者に向けたDX、GXの講演、中小企業経営者向けのイベントの企画などを通じて、中小企業のGDXを世に発信している。

■コメント
本レポートでは、中小企業の次世代経営への対応戦略として、伴走支援や中小企業支援(補助金・助成金等)に関して調査しました。伴走支援はすでに多くの中小企業に活用されており、経営悪化を防ぐ“下支え”として一定の役割を果たしていることが分かりました。一方で、成果の実感には差があり、支援の進め方や関係性によって効果が左右される実態も見えてきました。
また、経営者が特に期待しているのは、売上拡大や人材確保、業務効率改善など、経営に直結する課題への支援です。同時に、「相談のしやすさ」や「自社理解」といった関係性の質も重視されています。伴走支援は単なるアドバイスではなく、企業と専門家が同じ方向を向いて取り組む“共創型の支援”であることが重要だといえるでしょう。
今後は、制度や支援メニューを増やすだけでなく、企業ごとの状況に合わせて柔軟に伴走できる体制づくりが、伴走支援の実効性を高める鍵になると考えられます。
■フォーバル GDXリサーチ研究所とは
日本に存在する法人の99%以上を占める中小企業。この中小企業1社1社が成長することこそが日本の活力につながります。中小企業が成長するための原動力の1つにGreen(グリーン)とDigital(デジタル)を活用し企業そのものを変革するGDX(Green Digital transformation)があります。
フォーバルGDXリサーチ研究所は、中小企業のGDXに関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめ、世に発信するための研究機関です。「中小企業のGDXにおける現状や実態を調査し、世に発信する」をミッションに「中小企業のGDXにおいてなくてはならない存在」を目指し活動していきます。
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