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株式会社AQ Group
会社概要

アキュラホームグループ・ジャーブネットシンポジウム開催

~多様化する価値観と暮らし方、新しい住まいの“かたち”を創造する~

株式会社AQ Group

 日本最大級の工務店ネットワーク「ジャーブネット」(主宰:株式会社アキュラホーム代表取締役社長・宮沢俊哉、本社:東京都新宿区)は、2018年7月2日、ホテルイースト21東京(東京都江東区)において、「第19回ジャーブネット全国大会」を開催、その後「アキュラホームグループ・ジャーブネット シンポジウム」を実施いたしました。住宅・建築関係のさまざまな分野から識者にご登壇いただき、「多様化する価値観と暮らし方、新しい住まいの“かたち”を創造する」についての議論が展開されました。
■基調講演 「生き方」の場としての住まい=まちへ
――松村秀一氏(東京大学大学院 工学系研究科建築学専攻 特任教授)

 近年住宅産業の様子が変化してきているように感じます。日本の住宅産業の第一世代は、世帯数より住宅の数の方が少ない時代でした。プレハブ化、工業化などはこの時代に出てきます。第二世代は、住宅の数は約2倍になり、世帯数をはるかに上回る数になりました。この時代には建替え需要が増え、住宅が多品種になってきました。注文住宅を前提としたプレカットという技術はこの時代にでてきています。第三世代では、住宅の数が世帯数より圧倒的に多く、ストックが充実してきました。これからは、建物や知識、技術のストックは十分にあります。それらを人々の豊かな生き方を実現するためのものとして、どのように利用するか
を考える構想力が求められる時代に入ってきているのです。

 廃校を利用してアートセンター(アーツ千代田3331)にするという千代田区のプロジェクトがあります。中心にいたのは、アーティストの中村政人氏で、このエリアにアートセンターのような場を実現したいということでプロジェクトが始まりました。2年ほど経った時には、年間80万人が訪れるほどの場となっていました。建物はほとんど同じです。空間を利用する構想力が重要で、建物自体はそれをサポートしているものに過ぎないと実感しました。

 カスタマイズ賃貸やセルフリノベーションも、流行ってきています。また、首都圏から地方へ移住したい人たちが増えています。どこに住むということよりも、どのような暮らしをするかが大きなテーマになっています。また、それらを実現するためのサービスや新たな流通も生まれ始めています。DIYのカリスマ主婦が注目されている他、寒い古民家を自分たちで安く断熱リノベーションをするワークショップなども人気を集めています。ストックが充実してきたことがこれらの大きな要因だと考えられます。古いものが嫌という時代ではなくなってきています。だからこそ、住まい手がどのように暮らすか、生きるか、またその主体性を発揮するためにどのようにサポートしていくかが新築住宅においても、大きなポイントになってくると思います。

 ジョン・ハブラーケン氏は、建築家は庭師のような仕事だと言っています。庭師は木そのものをつくるのではなく、木の育つ環境づくりをしています。住まいも同じで、つくり手は住まい手が豊かに暮らす環境を整え、それらが豊かに育つようにつくっているのです。私はその考え方が今後重要になってくると思います。住宅に対する考え方は変わってきており、それらをどういう形で構築するかを考える時代に入ってきているのです。

■基調講演 とくべつであたりまえな家
――原田真宏氏(MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO主宰建築家 芝浦工業大学建築学部建築学科 教授)

 私がいつも設計する上で考えていることは、なるべく”普通で当たり前”にしたいということです。色々な人がいて、生き方も多様化し、暮らす場所も違います。“標準”と“当たり前”は全く違うんですね。異なる状況の中で、どのようにすれば各々にとって一番当たり前な建築を見つけることができるのかを考えて、日々設計しています。

 ここで事例を紹介します。一つ目は、非常に小さな旗竿の敷地に建つ「near house」です。“小さい”と言うと残念なワードのように思いますが、言い換えれば“近い”ともとれます。“小ささ”を“近さ”へと読み替えることで生まれる価値や豊かさを求め計画を行いました。

 二つ目は、「mother's house(母の家)」です。近隣が周密で光や風景を取り込むことが難しい状況の中で、ラメラという架構形式を屋根の構造に採用することにより、一息に光、通風の問題を解決することができ、健康的な家が生まれました。

 三つ目は、「Shore House(海辺の家)」です。敷地は元々果樹園だったため、木々や岩があり、平らではありませんでした。ここでも自然環境を平らに造成して、無くしてしまうのではなく、場所の多様性を生かした建築としました。このように土地、環境の恵みにしたがって建築のデザインを考えていくことで、その建築ならではの価値を得ることができるのです。

 四つ目は、「立山の家」です。立山連峰に面しており、冬は晴天率が低く、1~1.5mほどの雪が積もる地域です。地域特性でもある湿度からなるべく木を守るために、1階はRC造とし、2階は積雪があっても十分に強度が保たれる大断面集成材を採用しました。風景に向かって開かれている土地の良さを生かしつつも、冬でも明るく開放的な住まいにすることを意識しました。

 五つ目は、「傘の家」です。ここでは近所の人、自然公園で遊ぶ子供達や生き物とのつながりを大切にしたいと考え、なるべく内と外を壁で区切られないような設計にしました。建物は名前の通り、真ん中の大黒柱により周囲の屋根を吊り下げる構造で、これにより地域社会や自然環境に対してもオープンであることを実現しています。

 最後に、アキュラホームと共に開発したCLT住宅「キラクノイエ」についてです。CLTは、精密に加工することができ、とても面白い材料です。構造であり、仕上げであり、断熱材でもある複合した材料としてCLTを使っています。極めてプレハブ工法に近く、工場でほとんどの工程が終わり、現場での工程が少ないため、工期も短くてすみます。CLTの誕生により、今までの木材ではできなかったことができる時代に入っています。それぞれの暮らし方や敷地に合わせ、暮らしの多様性に対応できる簡単な家が供給できないかと考え、アキュラホームと共につくったのが「キラクノイエ」です。従来の集成材を使った、精密、緻密な家ではなく、簡単、フランクで入りやすい家にしたかったのです。今はCLTの国内価格が高く、なかなか安くつくることができませんが、価格競争が進み、ヨーロッパ並みの価格となれば、より身近な建築となり、普及していくと思います。時代は日々変化してきており、全ての場所、人、暮らしの状況に、そんなに労力をかけずにつくることができる時代がすぐそこまできています。

 変わった家をつくろうとしているのではなくて、それぞれの状況に対して適応した家を探求しているのです。そうすることで、環境と調和した家となります。どこか他の場所の都合でつくられた家が、ぽんとそこに置かれるのではなく、未来に残したいと思われるようなそこにしかない家をつくることができるのです。残していきたいと思われる、つくる価値のある家をどれだけ増やしていけるかが、今私たちがやらなければいけない使命だと思っています。私はそう考えて、”いつもとくべつであたりまえな家”を設計しようとしています。

■パネルディスカッション 多様化する価値観と暮らし方、新しい住まいの“かたち”を創造する

[パネリスト] 加茂みどり氏(大阪ガス株式会社 エネルギー・文化研究所 主席研究員)
               井草健二(アキュラホーム常務執行役員・デザイン管掌役員)
[コメンテーター] 松村秀一氏(前掲)、原田真宏氏(前掲)
[司会]   アキュラホーム住生活研究所所長:伊藤圭子

――加茂みどり氏(大阪ガス株式会社 エネルギー・文化研究所 主席研究員)

加茂氏:私はNEXT21(ネクスト21:大阪ガスの実験集合住宅)で居住者の住まい方について研究しています。NEXT21は1993年にスケルトン&インフィル方式で建築された集合住宅で、5年きざみで居住者を入れ替えながら、人が実際に住まう居住実験を行ってきました。

 当時スケルトン&インフィル方式はめずらしく、外壁の移動や、住戸の分割等に関する技術的関心が高く、それに応えるべくリフォームの実験も行いました。また、少子高齢社会におけるライフスタイルに対応した住宅のあり方や、住まいにおける新たな環境配慮メニューの模索、地域居住文化の継承等の視点から研究を継続しています。家族のライフスタイルに対応するだけでなく、全く別の家族が住み継ぐことができる住宅の提案も行いました。

 そして現在は中間領域の提案を行っています。公的空間と私的空間、あるいは外部空間と内部空間の中間領域は、日本の家屋に昔からある土間や縁側のような空間です。ウチであり、ソトでもある空間は、外気の気持ち良さを室内に引き込み、コミュニケーションの場となるだけでなく、シェアハウスや住み開き、介護や育児等の外部サービスの受け入れや、家で働く等、今どきのライフスタイルを実現するためにも適しているのではないかと思います。

生きるということと住むということは同義語だと思いますし、家を考えるということは幸せを考えることでもあるように思います。家族が多様化する中で、皆が幸せに住める家をどのように再構築していくかを考えていきたいと思います。

――井草健二(アキュラホーム常務執行役員・デザイン管掌役員)

井草氏:私からは豊かな暮らしの創造について、ジャーブネットの取り組みを交えてお話します。ジャーブネットは住宅業界の縮図と捉えることができます。住宅メーカー、地域の工務店、設計事務所の良さを吸収した200社を超えるネットワークであり、累計で13万棟を超える住宅建築の実績があります。それらが互いに学びあい、連携することが評価され、2015年にはグッドデザイン賞未来づくりデザイン賞を受賞しました。我々の活動が未来を開く価値ある活動として社会的に認められたのだと思っています。

 今私たちは、会社の存続、経営を持続させるということをベースとしながら、日本の住環境をよくするために、様々な取り組みをしています。住宅にまつわるハード面、ソフト面の充実は当然ながら、その中で住まい手がどのように暮らすかまでも考え、提案しています。時には学識経験者の方々とも連携し、学び合いながら、未来に向けて木造建築をどうしていくか、変化する環境にどのように対応していくかなども検討しています。そのような中、ジャーブネットの全国の工務店の皆さんも、つくり手としてすばらしい住宅を建てられています。

 今後は、住宅や暮らしをとりまく変化する環境への対応が求められています。それに対して私たちは日々研鑽する必要があります。そして、つくり手と住まい手のコミュニケーションにより、未来の豊かな暮らしが実現できると思っています。

――パネルディスカッション 多様化する価値観と暮らし方、新しい住まいの“かたち”を創造する

 

伊藤氏:多様化の時代、選ばれ続ける住まいをつくるために、我々が考えるべきことは何でしょうか。

松村氏:キーワードとして浮かぶのは「愛」です。基調講演でカスタマイズ賃貸に触れましたが、これが支持された理由も一言で言えば「愛」。通常の賃貸住宅は、物件と住まい手の間に愛はなく、簡単に転居されてしまいます。しかし、住まい手みずから物件に手をかけることができれば、愛情、愛着が生まれ、住み続けられていくというわけです。

 

原田氏:私が考えるのは「関係」です。どこかから借りてきた「〇〇スタイル」「〇〇風」ではなく、その人や場所との関係をもとにつくられた建築では、「自分が大切にされている」と実感できます。そうやって関係がつながっていく建築は、今後も選ばれ、残っていくと思います。

伊藤氏:住まいと人との愛、関係は、重要なテーマになりそうですね。

井草氏:住まい手がライフステージや環境の変化に直面した時、暮らし方を変えられるだけの可変性がある家。そして、将来受け継ぐ人が愛着を抱ける家。そんな家なら、住まい手との愛ある関係が持続できると思います。
加茂氏:「暮らし方を変える」というのは、例えば「飾り変える」というレベルでも良いのかもしれません。「NEXT21」の居住者でも、住まいに満足されている方の家は、いつ行っても飾り棚や置物などが変わっているのです。一方、満足度が下がっている方は、入居時に飾ったものがホコリをかぶっているケースが多いです。

原田氏:つくり手としては、やはりその人・その場所にちょうどいい建築を追求することが大切だと考えています。また、住まいを工夫することをどれだけ楽しめる人なのかを見極め、工夫の余地を調整することも、我々の役割なのかもしれません。

伊藤氏:皆様のお話を伺い、人や家族、地域など様々なものとの関係を広げることができる、いわば“懐の深い建物”が選ばれ、残っていくのではないかと感じました。

松村氏:そのためには、つくり手が住まいをつくり込みすぎないことが大切なのかもしれません。さて、本日は全国から多彩な持ち味の工務店が集まっています。ここで議論されたようなことを、それぞれの立場でどう考え、実践されているのか情報交換できれば、今後さらに幅広い対応ができるのではないかと期待しています。

 


■ 第19回アキュラホームグループ・ジャーブネット全国大会 概要
 年に1度、全国各地のジャーブネット会員とアキュラホーム幹部社員が集い、1年間の活動実績と当年の方針を共有する場として開催。学識経験者、行政、住宅関連団体が講演をするシンポジウムも同時開催。

■ ジャーブネット(JAHBnet)とは
 ジャーブネットは全国206社の工務店・ビルダーなどが加盟する工務店ネットワーク組織。全国規模のネットワークによるスケールメリット、地域密着企業ならではのダイレクトサービスを併せ持つネットワークとして全国のユーザーに「良質な住宅を適性価格」で提供。


 

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本社所在地
東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビルディング34F
電話番号
03-6302-5001
代表者名
宮沢俊哉
上場
未上場
資本金
9314万円
設立
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