治安や犯罪「悪化すると思う」88%で過去最高
~第14回「日本人の不安に関する意識調査」~
セコム株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:吉田保幸)は、全国の20歳~69歳の男女500人を対象に、14回目となる「日本人の不安に関する意識調査」を実施しました。
ここ数年闇バイトによる強盗や特殊詐欺などが多発する中、警察庁が公表した「令和6年の犯罪情勢」によると、2024年の刑法犯認知件数は前年比4.9%増の73万7,679件で2022年から3年連続の増加となりました。生活者の体感治安や不安ごとに関する調査結果の公開および、セコムIS 研究所の研究員・濱田宏彰による分析と防犯対策を紹介します。
■サマリ
① 最近3年間の犯罪件数「増えていると思う」は86%。今後の治安や犯罪は88.4%が「悪化すると思う」と回答
② 不安を感じた事件・事故は交通トラブルと闇バイト強盗が上位。「トクリュウ」は65%が知らないと回答
③ 家の防犯の不安、長期の不在時は「鍵の閉め忘れ」、在宅時は「突然の来訪者」が1位
調査概要
■実施時期:2025年6月13日(金)~6月16日(月)
■調査手法:インターネット調査
■調査対象:全国の20歳以上、70歳未満の男女500人
■調査機関:セコム株式会社調べ【実務委託先:楽天インサイト(2025年6月)】
サマリ①最近3年間の犯罪件数「増えていると思う」は86%。今後の治安や犯罪は88.4%が「悪化すると思う」と回答
最近3年間の犯罪件数について「増えていると思う」という人は全体の86.0%(「増えていると思う」(47.8%)「どちらかといえば増えていると思う」(38.2%)の合計)になりました【図1】。さらに、今後の治安や犯罪に関して、「悪化すると思う」と回答した人は88.4%(「悪化すると思う」(34.8%)「どちらかといえば悪化すると思う」(53.6%)の合計)にも上り、2012年の調査開始から過去最高を更新したほか、4年連続で増加しました(2024年76.8%、2023年76.0%、2022年71.0%)【図2】。


サマリ②不安を感じた事件・事故は交通トラブルと闇バイト強盗が上位。「トクリュウ」は65%が知らないと回答
最近1年間で不安を感じた事件・事故のトップ3は、1位「あおり運転や逆走などの交通トラブル」(34.0%)、2位「闇バイトによる強盗」(33.8%)、3位「水道管など社会インフラの老朽化」(27.8%)でした【図3】。共に3割超の「あおり運転や逆走などの交通トラブル」「闇バイトによる強盗」は、2024年に1位だった「フィッシング詐欺」(26.4%)を上回り、体感治安が悪化する要因の1つになったとみてとれます。


なお、闇バイトによる強盗事件をきっかけに認知が広がった「トクリュウ」※という言葉について、「知らない」と回答した人は65.0%に上りました【図4】。
※トクリュウ:匿名・流動型犯罪グループの略。SNSを介して結びつき、実行犯を募集してさまざまな犯罪に関わる集団のこと。

体感治安が悪化する一方、犯罪被害にあわないために日常的に防犯対策を講じているか聞くと63.8%が「防犯対策をしていない」と回答し【図5】、その理由は1位「具体的な対策方法が分からないから」(36.7%)、2位「費用がかかるから」(20.4%)、3位「今まで危険を感じたことがないから」(16.6%)という結果でした【図6】。

サマリ③家の防犯の不安、長期の不在時は「鍵の閉め忘れ」、在宅時は「突然の来訪者」が1位
長期の帰省や旅行で家を無人にするときに家の防犯に不安があるか聞いたところ、全体の53.8%は「不安がある」と答えました【図7】。具体的な不安の内容は、「鍵の閉め忘れ」が66.9%で最も多いことが分かりました【図8】。


また、在宅時、家の防犯に不安があるか聞いたところ、43.4%は「不安がある」と答えました【図9】。具体的な不安の内容は、「突然の来訪者」(71.9%)が最も多く、次いで「知らない番号からの電話」(56.2%)となりました【図10】。


さらに全体で今後、自宅で導入したい防犯グッズは、 1位が「監視カメラ」(34.2%)、2位は同数で「窓ガラスの防犯フィルムや防犯ガラス」「モニター付インターホン」(23.6%)でした【図11】。

解説 セコムIS研究所の研究員・濱田宏彰が防犯対策を紹介
この1年で不安を感じた事件・事故は、「あおり運転や逆走などの交通トラブル」(34.0%)、「闇バイトによる強盗」(33.8%)が僅差で1位、2位となりました。逆走などの交通トラブルは自分が注意していても避けきれないほか、昨今の闇バイトによる強盗は指示役からの命令で手段を選ばない犯行が特徴的。どちらも自分ではコントロールできなく、緊迫性を伴う危険である点が共通していると言えます。
そのほか「フィッシング詐欺」(26.4%)、「特殊詐欺や投資詐欺、ロマンス詐欺」(17.6%)も認知件数や被害額が近年増加傾向にあり、今後、社会不安の主要因になると考えられるため注意が必要です。
さまざまな事件・事故の影響により、治安の悪化を不安視する人は、2012年の調査開始以来、過去最高の88.4%にも上り、社会全体の不安感が一層高まっていることが明らかになりました。
家の防犯に不安を感じてる人において、長期不在時の不安ごとは「鍵の閉め忘れ」(66.9%)が最多になりました。空き巣被害は財産を失うのみならず、「家は安心できる場所」という感覚が揺らぎ、精神的なダメージも大きいです。防犯の基本として外出時・在宅時を問わず、こまめな施錠の習慣化が重要です。補助錠の活用に加えて、最近ではオートロックや遠隔操作に対応したスマートロックも市販されており、手軽で効果的な防犯対策としておすすめです。
さらに、在宅時の不安で1位の「突然の来訪者」(71.9%)には、モニター付インターホンで用件を確認するほか、ドアチェーンをかけたまま対応するなど慎重に行動しましょう。点検商法や空き巣・強盗などの下見の可能性もあるため、安易に扉を開けたり、個人情報を話したりすることは絶対にやめましょう。
■夏休みは「走るカレー」で長期のお出かけも安全・安心に
セコムでは、2024年に長期不在時に実施しておきたい防犯対策をまとめた『走るカレー』を考案しました。この夏、帰省や旅行を予定されている方はぜひ「走るカレー」の対策を実施いただき安心してお出かけいただきたいと思います。

【は】ポストに新聞や郵便物などの配達物がたまっていると不在だとわかってしまうため、新聞は配達を止め、郵便物は不在留め置きの手続きを取ると良いです。
【し】夜間はタイマーなどで照明をつけて在宅を装ったり、門扉を常夜灯にすることも人の気配を感じさせることができるので効果的です。
【る】固定電話に電話をかけ、留守かどうかを確認する空き巣もいます。留守番電話の応答メッセージは「〇日まで留守にします」ではなく「ただいま手が離せません」などの内容にするか、自身のスマホに転送する設定にするのが良いでしょう。
【か】防犯の基本ですが、ドアの鍵は確実に掛けましょう。1ドア2ロックにすることで侵入に時間がかかり、犯行をあきらめさせることにつながります。窓は上部に補助錠を。防犯ガラス・防犯フィルムにしておけばなお安心です。
【れ】非常事態が起きた時に対応が後手に回ってしまう可能性もあるので、親しい隣近所、近くに住んでいる親族の方などに、不在期間や自身の連絡先を事前に連絡しておくのが良いです。
【え】空き巣狙いがターゲットを求めてSNSを検索するケースもあります。旅行先からリアルタイムで投稿をするのは不在を悟られるため、帰宅してから投稿しましょう。

セコムIS研究所
リスクインテリジェンスグループ 研究員・濱田宏彰
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事
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