【2026年の生活者動向】不確実性の高い社会に適応するために 2026年の生活者の潮流を捉える

株式会社クレオ

混迷をきわめる国際情勢、物価高や円安の常態化、気候変動リスク、そして生成AIによる社会変革の兆しなど、生活者を取り巻く環境はより多面的かつ不安定な様相を強めています。では、不確実性の高い社会状況において、生活者の価値観の変化をどのように捉えていけばよいのでしょうか。

生活者マーケティングをベースに、マーケティング支援を行う株式会社クレオ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:横井 司)は、2026年がどのような年になるのか、生活者の価値観がどこへ向かっていくのかを、2025年8月26日にクレオが発行した『生活者マインド大全 2026』の主軸コンテンツである「生活TIDE」をもとに一部抜粋してご紹介し、2026年における生活者動向を予測いたします。

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(1)2026年の生活者潮流を構成する4つの環境要因

「生活TIDE」では、2026年の生活者潮流を構成する環境要因を、PESTを踏まえ以下の4つに定めています。それぞれについて紐解いていきます。

1.国際紛争・物価高・税負担

外圧的要素として組み入れている環境要因です。

国際社会においては、米中対立の激化や台湾有事リスクの高まり、ロシア・ウクライナ戦争の膠着、不透明な中東情勢など、地政学上の緊張が常態化。アメリカを中心とする保護主義による関税引き上げの動きは世界貿易の障壁となっています。日本国内では円安や物価高、実質賃金の伸び悩みが家計を圧迫。気候変動による農作物の供給リスクも深刻化し、日々の暮らしへの不安が高まっています。

2.人口動態・世帯構造・就業形態

この30年で大きく変化した国内の社会構造に起因する環境要因です。

単身世帯や共働き世帯の増加、超高齢社会の進行により、地域や家族のつながりが空疎化する中、社会保障や医療、子育てや介護といった制度基盤も大きな転換を迫られています。さらに雇用の流動化や住宅市場の二極化といった新たな課題も顕れています。

3.日本再評価

生活者の中で昨今芽生えつつある新たな環境要因です。

自給食料やエネルギーといった国内資源や先端技術、伝統文化、そして国民性といった日本の内発的価値を再評価する機運が高まっています。また近年は、知的財産(IP)産業が世界トップレベルの競争力を有し、新たな経済基盤を形成しています。これらの大元には、人口減少や地域の過疎化、産業承継や文化の持続可能性といったナショナルアイデンティティの危機に対する「失われる前に守る」という意識の高まりがあると推測されます。

4.AI・テクノロジー

技術革新・刷新に伴う生活者の暮らしの変化として組み入れている環境要因です。

デジタル技術や生成AI、自動化などのイノベーションは、生活者の暮らしに溶け込んだサービスとして日常的に活用され、また国のサポートのもと、さらなる技術開発が進められています。一方、これらイノベーションは、格差不安や雇用不安、既存の人間関係の希薄化といった課題を浮き彫りにしています。

 

(2)2026年の生活者潮流「共靭ライフ」

上記環境要因からも推測される通り、不確実性の高い今日の社会状況において個人の力によるライフコントロールは限界に来ています。その中で生活者は、冷静に現実を見つめ直し、理想とのギャップを受け入れ、ある意味開き直りの境地で他者そして自己に及第点を与え、緩やかながらも前向きに生きています。

この、緩やかな自己肯定は、混迷する社会状況における、「屈強さ」と「柔軟さ」を併せ持つ、「強靭さ」という現代的な生き方の表れです。自分の軸を持ってしっかりと立ち続けつつ、状況に応じて考え方や行動を柔軟に変化させられる適応力や逆境に耐える強さを持ち合わせた生き方、つまり、一見柔らかそうだけど折れない、一見硬そうだけど柔らかい、といった両義性が矛盾せずに同居する生き方です。分かりやすい例として、法隆寺五重塔とスカイツリーがあります。

これらの共通点は、どちらも「心柱(しんばしら)」という構造を採用していることです。この心柱は、揺れを吸収して建物の倒壊を防ぐ「制震」の役割を果たしています。東京スカイツリーはこの機能を応用し、最新の制振装置を機能させています。1300年以上昔の日本人の叡智が、現代の建築技術に活かされているように、温故知新の「強靭さ」という価値観が、生活者の中にも表れ始めています。

そしてこの「強靭さ」は今日、個々人にとどまらず地域、社会の強靭さへと広がりを見せています。

個人の「強靭さ」と地域、社会の「強靭さ」は連動しており、個人、地域、社会が一本の線で繋がった状態で「強くしなやかである」ことが社会を前進させていきます。そして、互いに認め合い赦し合い支え合うことで共に困難を乗り越えていく「共靭さ」という新たな生活価値観を生み出しています。

仕事や家庭、人間関係、健康といった現在地の制約を穏やかに受け入れ、常に互いがしなやかに変化し連帯していくことで結果的に人生を主体的に舵取りし、ささやかながらも充足した暮らしをデザインする――2026年の生活者は「共靭さ」を以て激動の時代を確かな足取りで歩んでいくと思われます。

2026年の生活者潮流「共靭ライフ」とは、生活者が互いにしなやかに変化し連帯しながら前向きに生きていくことで、結果的に人生を主体的に舵取りし、充足した暮らしをデザインしていくという潮流です。

 

(3)おわりに

本記事では、株式会社クレオが発信している2026年の生活者動向に関する最新レポート「不確実性の高い社会に適応するために 2026年の生活者の潮流を捉える」より、一部を抜粋しご紹介しました。

当記事の基となる『生活者マインド大全 2026』では、ご紹介した全体潮流から派生し“2026年の価値観・潮流”の外郭を構成する8つのキーワードについても提言しています。いずれも新しい時代の要素を掴み、2026年を捉えるために役立つ内容となっています。

下記のリンクよりご覧いただけます。

▶レポート「不確実性の高い社会に適応するために 2026年の生活者の潮流を捉える」全文

▶書籍『生活者マインド大全 2026』紹介ページ

 

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会社概要

企業名:株式会社クレオ

所在地:東京都千代田区丸の内2-5-1丸の内二丁目ビル5F

代表取締役社長:横井 司

事業内容:マーケティングおよび、広告・プロモーションのトータルソリューション

設立:1968年12月

資本金:8,284万円

TEL:03‐4213‐2223(代表)

 https://kreo.jp/

 

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本社所在地
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代表者名
横井 司
上場
未上場
資本金
8284万円
設立
1968年12月