KIIが量子インターコネクト開発のNanofiber Quantum Technologiesに追加出資
スケーラブルな量子コンピューティングの基盤を構築
慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)は、量子インターコネクトハードウェアを開発するNanofiber Quantum Technologiesに対して追加出資をいたしました。Nanofiber Quantum Technologiesは今回の増資により総額14 million USDの資金調達を実施し、スケーラブルな量子コンピューティングの基盤構築に向けて開発を加速させてまいります。
慶應イノベーション・イニシアティブ(本社:東京都港区、代表取締役社長 山岸広太郎、以下 KII)は、超低損失のナノファイバー共振器QED(量子電気力学)をコア技術とした、量子インターコネクタハードウェアを開発するNanofiber Quantum Technologies, Inc.(本社:Palo Alto, CA, USA、President & CEO Masashi Hirose、以下 NanoQT)に対して追加出資をいたしました。他の出資者からの調達も含め今回のNanoQTの調達額は総額14 million USDとなります。
◆スケーラブルな量子コンピュータ技術による誤り耐性量子コンピュータを実現
NanoQTは、共同創業者である早稲田大学理工学術院の青木隆朗教授が研究してきた成果を元に、独自で超低損失なナノファイバー共振器を開発し、中性原子方式の量子コンピュータ向けに、量子インターコネクトハードウェアを開発する、量子科学分野のグローバルトップ人材が集結した米国及び日本で活動するアカデミア発スタートアップです。
量子コンピュータは、単一の独立した量子コンピュータユニットでは将来的に最大10万ビット程度しか扱うことができず、100万量子ビット以上必要と言われている、エラー訂正しながら計算を続けることのできる誤り耐性量子コンピュータを実現することが不可能という課題があります。NanoQTはその課題に対し、超低損失なナノファイバー共振器を、中性原子方式の量子コンピュータユニット間を繋ぐ量子インターコネクトハードウェアとして適用し、多数の量子コンピュータユニットを接続しネットワーク化することで、スケーラブルな量子コンピューティング基盤を構築し、誤り耐性量子コンピュータの実現を達成します。今回の増資により、人材採用を含め量子インターコネクタハードウェアの研究開発を加速させてまいります。
また、我が国のポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業において、次世代量子計算基盤を支える中性原子方式向け光量子インターフェースの技術開発のテーマで採択されており、我が国の量子コンピュータ分野におけるプレゼンス獲得に寄与すると共に、グローバル規模での量子コンピュータの産業化の実現を目指します。
■会社概要
会社名 :Nanofiber Quantum Technologies, Inc.
所在地 :PALO ALTO, CA, USA
代表者 :President & CEO Masashi Hirose
設立 :2022年4月27日
事業内容:量子コンピュータ、その他量子科学に関連する技術開発、設計、製造及び販売等

◆慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)について
KIIは、2015年12月に、主に慶應義塾大学の研究成果を活用したスタートアップを支援するため創設されました。また、2020年1月からは、「その研究が、その発明が、そのイノベーションが、社会を変えるまで。」をミッションに、シード・アーリーステージからのリード投資を中心とした、デジタル・テクノロジーによる社会の革新や、医療・健康などの課題解決に取組むすべてのアカデミア発スタートアップに対して、研究の社会実装と社会課題の解決を支援してきました。
2023年10月には、大学VC初のインパクトファンド「KII3号インパクトファンド」を設立し、「すべての人が、健康で、幸福な人生を達成出来る社会(生涯現役社会)の実現」を目指すと同時に、アカデミア発スタートアップにインパクト投資を行うことにより、金銭的なリターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的・環境的インパクトの創出を目指します。
<KIIの概要>
商号 :株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ(Keio Innovation Initiative, Inc.)
事業内容:大学発技術系ベンチャー企業の育成、ベンチャーキャピタルファンドの運営
資本金等:1億円(資本準備金5000万円を含む)
代表者 :代表取締役社長 山岸広太郎
URL :https://www.keio-innovation.co.jp
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