【Z世代就活生1,000名調査】イマドキ就活生に広がる「安定志向」 キャリア選択で重視すること 第1位は「安定性」
調査の背景
2025年卒の就活も、早期選考を受ける学生が増える時期となりました。就活が本格化し、企業選びの軸やキャリア観が形成され始めるこの時期に、学生たちがどのような志向性を持ち、就職活動に臨んでいるのかを調査。
2024年卒の学生に向けて実施した同時期のアンケート調査結果との比較も踏まえ、どのような新動向が見られるのか、調査結果をまとめました。
調査の主な結果
今回の調査で特徴的だったのは以下の3点。本リリースでは、この3点に関する考察をまとめました。より詳しい調査結果を知りたい方は、下記よりご覧になれます。
URL:https://blog.reccoo.com/blog/whitepaper691
・6割超がキャリア選択で「安定性」を重視。24卒から18.8ポイント増加
・就活におけるタイパ、約6割が「就活で意識している」と回答
・就活開始時期、6割弱が「大学3年4月」までに開始。就活早期化が続く
各結果の詳細(1):6割超がキャリア選択で「安定性」を重視
25卒学生1,027名にキャリア選択で重視することを聞いたところ、62.2%が「業界/企業の安定性が高い」を選択するという結果に。24卒と比較すると18.8ポイントと大幅に増加しました。
また、志望する企業規模について聞くと、83.0%が第一志望として「大手企業」を選択。大手企業を志望する理由として、「安定」を挙げた学生は半数以上にのぼりました。
その理由としては「日々生活していくため」「老後の生活に備えるため」といった現実的なものが多く見られます。人生のすべての時間を、バルブ崩壊後の「失われた30年」の中で過ごしてきた就活生ならではの堅実な理由から、その企業の財務基盤がしっかりしていることが必須だと考えているようです。
また、25卒学生はコロナ禍の他、ウクライナや中東地域での戦争など、社会情勢の変化による経済的影響を目の当たりにした世代です。こうした影響を軽減する意味でも、多地域で幅広い事業展開をしている大手企業に安定性を感じていると想定されます。
各調査結果の詳細(2):就活におけるタイパ、約6割が「就活で意識している」と回答
続いて、就活において「タイパ(タイムパフォーマンス)」を意識しているかを聞いたところ、61.1%が「意識している」と回答しました。
【学生の声】タイパに関するエピソード ・自分が重視する情報の収集には時間をかけるが、あまり重視していないものについては 必要以上に時間をかけない ・就活のためだけにやらなくてはいけないことには時間をかけない ・時間がかかるES作成を効率的に進めるため、汎用性の高い項目は使い回せるようにまとめておく |
学生の回答から、「タイパを意識する」とは、就活の全プロセスに関して満遍なく効率化を図っていくのではなく、時間をかける領域とかけない領域の線引きを明確にすることを指していることがわかります。
また、「タイパ意識」は夏インターン参加の意思決定にも影響しているようです。
非志望業界/企業の夏インターンへの参加について聞くと、実際に参加したのは55.7%にとどまりました。24卒(89.2%)と比較すると、33.5ポイントも減少しています。
志望していない業界や企業には、見切りをつけて時間をかけない学生が増えていることが見て取れます。
なお、「参加した」と回答した55.7%の学生に参加理由を聞いたところ、「選考の対策になりそう(42.1%)」が最多という結果に。このほか、「スキルが身につきそう/成長できそう(23.3%)」や「本選考に直結している(13.0%)」なども上位にランクインしています。
自分の成長にとってポジティブな影響がある、優遇が受けられるなど、何かしらメリットがあることを重視しているようです。
「自分にとって意味があるものであれば時間をかける」というタイパ意識が、参加理由からも読み取れます。
各調査結果の詳細(3):就活開始時期、6割弱が「大学3年4月」までに開始
最後に、就活を開始した時期について聞きました。結果、56.9%が「大学3年4月」までに開始したと回答。24卒と比較すると6.5ポイント増加しており、早期に始める学生が増えています。
6月には9割以上の学生が就活を開始していることから、夏インターンのエントリーが増える時期に合わせて、ほとんどの学生が就活を開始していると言えます。
また、2023年10月現在の就活の状況を聞いたところ、「まだ企業と接点を持っていない」と回答した割合は、24卒(16.3%)から半減して8.9%という結果に。
内定/内々定をもらった学生は5.6%にのぼり、24卒(2.4%)と比較して就活の進捗も早いことがわかります。
【学生の声】就活開始のタイミング ・明確に早く動き出そうと思って始めたわけではなかったが、先輩のアドバイスを受けて始めたら、 結果的に早めの動き出しになった ・就活を開始するタイミングは、早いに越したことはないと思う。元々のスペックに関わらず、 早く動いている方がノウハウも蓄積でき、上手く進められると思う ・LINEオープンチャットで、外資コンサル志望者など、すでに多くの学生が就活を始めていることを知り、 自分は遅れていると思って焦った |
先輩の経験談の他、外資系コンサル志望で動き出しの早い学生の影響を受けて、就活を始める動きが見られます。外資コンサルなど、選考時期が早い企業に合わせて動く学生が一定数いることにより、他の学生もその影響を受けて早めに就活を始めるという構図ができているようです。
考察(新卒採用の専門家より)
以前より「大手企業志向」や「安定性重視」の傾向はあったものの、最近はこれらの傾向がより顕著になってきているのがポイントです。大規模な災害や戦争、コロナ禍などを目の当たりにすることで、漠然とした「未来への不安」から安定をより強く希求するのは致し方ないことだと思います。もったいないのは、「タイパ」を意識するあまり、自らの可能性に「挑戦する」というよりは、手近な選択肢の中で効率よく「こなす」就職活動になってしまっている点です。将来への不安に対し、身を守るだけではなく、自ら打破するような前向きな働き方、そして生き方を若い世代が求められるような、そんな助言と応援を企業側には強く期待したいと思います。
株式会社RECCOO CHRO
草深 生馬(くさぶか いくま)
2011 年 IBM Japan に入社。人事部にて新卒採用と部門担当人事(HRBP)を経験。2014 年に Google 採用チームへ転職。国内新卒採用プログラムのリード、MBA 採用プログラムのアジア太平洋地域リードを兼任。
2020年春より株式会社RECCOOにてCHROを務める。
調査概要
【25卒学生10月就活動向調査概要】
調査対象者 :2025年度卒業予定学生
対象エリア :全国
有効回答数 :1,027件
調査手法 :Webアンケート
調査時期 :2023年10月1日〜10月17日
調査機関 :株式会社RECCOO
*本調査を引用される際は【 RECCOO「25卒学生10月就活動向調査」】と明記ください
*構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がございます
▼詳細な調査レポートをダウンロードする
URL:https://blog.reccoo.com/blog/whitepaper691
株式会社RECCOOについて
RECCOOは、「国内トップレベルの『新卒』で、事業成長を加速する」をコンセプトに、採用・育成の戦略策定から施策実施までを支援し、新卒の早期戦力化を実現します。新卒採用支援では、日本最大級のキャリア教育支援NPO エンカレッジと包括的業務提携を結び、イベント・面談・メディアなど網羅的なチャネルでターゲット学生との接点を創出します。
提供サービス
・新卒採用コンサルティング
・母集団形成(採用イベント/メディア掲載/ダイレクトリクルーティング)
・RPO(採用代行)
・各種育成プログラム
・組織文化の構築/浸透
社名 :株式会社RECCOO
本社所在地:東京都渋谷区恵比寿1-23-23 恵比寿スクエア3階
設立 :2014年8月
代表者 :代表取締役社長 出谷 昌裕
事業内容 :新卒採用支援/人材育成支援
企業/サービスサイト:https://reccoo.com/
採用お役立ちブログサイト:https://blog.reccoo.com/
問い合わせ先
株式会社RECCOO
メールアドレス:info@reccoo.com
電話:03-5725-0406
担当:関田
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