捺染方式を刷新!環境と人に優しい次世代捺染システム「TRAPIS(トラピス)」を発表
従来から廃水約90%削減の捺染方式を提案
「TRAPIS」は、Transfer(転写)・Pigment(顔料)・System(装置)を名称の由来とした当社の顔料転写方式の捺染プリントシステムです。システムは当社のインクジェットプリンタ、専用インク、専用転写紙、及び当社推奨の欧州メーカー製の専用転写機で構成されます(図1)。
これまでの捺染方式(図2)においては、染色の前後処理による化学物質混合排水を大量に発生(染料デジタル捺染の場合、1平米当たり約14.5リットル*1)させ、環境問題とされています。また染色加工の工程が複雑であるため専門技術と知識を必要とし、さらに大規模な排水処理設備が必要など、導入場所の制限もあります。
*1 染料デジタル捺染ではプリンタの布搬送用ベルトの洗浄水と染料定着(スチーム)後の生地の洗浄により大半の廃水が発生する(当社調べ)
この度当社が製品化したTRAPISは専用の転写紙にプリントしたデザインを熱転写装置を使用して生地に転写し捺染が完了します。そのため捺染工程における廃水がほぼゼロ(プリンタの自動メンテナンスにより発生する廃インクのみ)で、転写紙の製造工程において発生する廃水を含めても、従来の捺染プリント方式と比較し廃水を約90%削減します。従来の捺染システムのような大規模なスペースや排水処理設備も不要のため、少ないスペースで導入でき、布製品の流通の先端(店舗やデザインオフィスなど)で捺染ビジネスができます(図3)。
また、捺染がプリントと転写で完了する簡単な工程であり、染色の専門技術と知識が無くとも簡単にオペレーションを始められます。
さらに、従来の捺染では、繊維の種類ごとに異なる染料(インク種)及び捺染設備が必要でした。しかしTRAPISは1種類のインクで幅広い種類の生地にプリントができます(図4)。よって、捺染を専門とする染色工場に限らず、様々な場所で様々な生地に、必要な時に必要な分だけ、小回りの利いた染色事業が可能となり、世界的にサステナブル化が求められる染色業界の照準に適合します。
TRAPISは各繊維素材のプリントに対応した上で2024年6月の販売開始を予定しており、ファッションアパレル及びホームテキスタイル用途をはじめとするテキスタイル・アパレル市場で年間100台(全世界)の販売を見込んでいます。
ミマキエンジニアリングでは、『新しさと違い』を経営ビジョンに掲げ、常に新たな技術革新を目指し、お客様が求める「美しさと速さ」の実現を追求し続けてまいります。
◎TRAPISの主な特長
プリントと転写で完了する簡単な捺染工程のため、従来のシステムのような専門技術や知識が無くとも簡単にオペレーションが可能
省スペースで導入でき、布製品の流通の先端(店舗やデザインオフィスなど)で捺染ビジネスが可能
捺染工程での廃水がほぼゼロ。転写紙の製造時の廃水を含めても従来の捺染プリント方式と比較し廃水約90%削減
1種類のインクで様々な種類の繊維生地にプリントが可能
転写紙へのプリントのため、従来の捺染方式のような生地の搬送ベルトの煩わしいメンテナンスが不要
従来の捺染に劣らない発色、プリントした生地の耐光性も実用レベル
インクはZDHC MRSL Lv.3*2に適合。作業者と消費者の安全性と環境に配慮された製品
*2 ZDHCはオランダのアムステルダムに本部を置く、繊維・皮革産業において有害物質の排出をゼロにするための活動をしている非営利団体。MRSL(製造時時制物質リスト)適合レベルがあり最高がLevel 3です
◎展示会出展概要
名称:FESPA Global Sign Expo 2024
会期:2024年3月19日(火)~3月22日(金)
会場:Amsterdam RAI (オランダ・アムステルダム)
ブース:Hall 12 / Stand F10
株式会社ミマキエンジニアリングについて
ミマキエンジニアリングは、産業⽤インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタおよびそのインク、ソフトウェアの開発・製造・販売・保守を⾏っています。サイングラフィックス、インダストリアルプロダクツ、テキスタイルアパレルの市場に向け、プリント工程のトータルソリューションを提供することにより、お客様に常に「新しさと違い」をお届けするイノベーターを目指しています。
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