【中小零細企業の賃上げ・経営実態調査】賃上げを実施している企業と実施していない企業の差はどこに?継続的な賃上げを行うためには何が必要なのか?
2022年末以降、大手企業を中心に多くの賃上げが発表され、今後も賃上げの風潮は継続すると想定されます。
大企業のみならず中小企業においてもこの風潮は波及しつつあるものの、大企業に比べて相対的に経営体力の弱い中小企業にとっての障壁は高いでしょう。
就労者全体の約7割、就労者に支払われる賃金総額の約5割を占める中小企業の今後の動向が注目されます。
賃上げを行う中小企業が増える中、他方で賃上げを行わない企業が多数を占める現況において、それぞれの企業にはどのような特色があるのでしょうか。
人事・評価・採用といった「人に関わる方針」、財務や資金繰りなど「お金に関わる方針」、そして経営理念や経営計画などの根本的な「経営戦略に関わる方針」といった多くの要素が密接に関わってくるのではないでしょうか。
そこで今回、経営支援クラウド『bixid(ビサイド)』(https://bixid.net/)を提供する株式会社YKプランニングは、設立3年以上の中小零細企業の経営者(①直近1年以内で賃上げを行った経営者/②賃上げを行っていない経営者)を対象に、「中小零細企業の賃上げ・経営実態」に関する調査を実施しました。
<調査概要>
調査概要:「中小零細企業の賃上げ・経営実態」に関する調査
【調査日】2023年5月30日(火)
【調査方法】リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「RRP」によるインターネット調査
【調査人数】1,031人(①直近1年以内で賃上げを行った経営者:520人/②賃上げを行っていない経営者:511人)
【調査対象】調査回答時に設立3年以上の中小零細企業の経営者(①直近1年以内で賃上げを行った経営者/②賃上げを行っていない経営者)と回答したモニター
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ
中小企業における賃上げ実態
はじめに、賃上げを実施した経営者に、賃上げに踏み切った理由について伺っていきたいと思います。
■賃上げに踏み切ったのには、どのような理由が?
・業績は良くないが世間の機運から今年は上げないといけないと判断した(40代/男性/大阪府)
・業界自体が人材不足ということもあって、人材流出を防ぐため賃上げを行いました(40代/男性/広島県)
・コロナの影響で経営はかなり苦しいですが、物価上昇により据え置きでは従業員の士気が下がると考えたため(50代/男性/福岡県)
・インフラが進み会社の業績も安定しているため。また、賃上げすることで従業員の評価も高くなるため(50代/女性/静岡県)
コロナ禍の影響で経営は芳しくないものの、賃金引上げの機運もあって従業員の賃上げを行ったようです。
その他にも、人材確保のためや従業員のモチベーションを高めるためなどの理由があるようですが、中には社内インフラが進み、経営も安定しているため賃上げを行ったという経営者もいることがわかりました。
では、賃上げを行っていないのには、どのような理由があるのでしょうか。
賃上げを行っていない経営者に聞いてみました。
「賃上げができない理由はなぜですか?(複数回答可)」と質問したところ、『賃上げができる経営状況ではないため(60.3%)』と回答した方が最も多く、次いで『資金の蓄えが十分でないため(34.4%)』『原価が高騰したため(32.5%)』と続きました。
コロナ禍で繰り返された緊急事態宣言等は落ち着いたものの、経営状況はまだまだコロナ禍以前に戻ったわけではなく、加えて原材料費の高騰や電気料金の値上げなどの影響により、賃上げを行いたくても“できない”というのが実状のようです。
会社経営を行う上での人材面の方針について
賃上げを行った方と行っていない方、どちらにもコロナ禍による影響はまだまだ残っているといえそうですが、それでも賃上げに踏み切った方とそうでない方の差はどこにあるのでしょうか。
ここからは、賃上げを行った方と行わなかった方を比較していきたいと思います。
会社経営を行う上で疎かにできないものの1つに、従業員の評価や採用、育成といった人事に関することが挙げられるかと思います。
では、それらの人材に関することは、どのくらい整備されているのでしょうか。
賃上げを行った方に、「人材の育成や評価について明文化された仕組みによって運用されていますか?」と質問したところ、『仕組みがあり、運用されている(38.3%)』『仕組みはあるが、運用は形骸化されている(17.2%)』『仕組みはないが、なんとなく評価や育成を行っている(25.6%)』『仕組みはなく、特に運用はなされていない(18.9%)』という回答結果になりました。
賃上げを行っていない方に、同様の質問をしたところ、『仕組みがあり、運用されている(10.9%)』『仕組みはあるが、運用は形骸化されている(10.2%)』『仕組みはないが、なんとなく評価や育成を行っている(17.6%)』『仕組みはなく、特に運用はなされていない(61.3%)』という回答結果になりました。
賃上げを行った方の約4割が、『仕組みがあり、運営されている』と回答した一方で、賃上げを行っていない方の6割以上が『仕組みはなく、特に運用されていない』と回答しました。
では、採用は計画的、継続的に行われているのでしょうか。
賃上げを行った方に、「採用は計画的、継続的に行っていますか?」と質問したところ、『計画的、継続的に行っている(36.9%)』『人材不足になった際に都度、不定期に行っている(37.1%)』『募集は行っているが応募がない(8.9%)』『採用は行っていない(17.1%)』という回答結果になりました。
一方、賃上げを行っていない方は『計画的、継続的に行っている(9.0%)』『人材不足になった際に都度、不定期に行っている(18.0%)』『募集は行っているが応募がない(11.0%)』『採用は行っていない(62.0%)』という回答結果になりました。
賃上げを行った方は、計画的や継続的、あるいは不定期に採用を行っている方が多いようですが、賃上げを行っていない方の6割以上が採用は行っていないことが明らかになりました。
では、従業員のモチベーション向上のために労働環境や福利厚生を整備している方はどのくらいいるのでしょうか。
賃上げを行った方に、「従業員のモチベーション向上、離職防止などの目的から適切な労働環境や福利厚生を整備していますか?」と質問したところ、『整備されている(70.0%)』『整備されていない(30.0%)』という回答結果になりました。
一方、賃上げを行っていない方は『整備されている(32.3%)』『整備されていない(67.7%)』という回答結果になり、賃上げを行っていない方の方が労働環境や福利厚生を整備していないようです。
人事評価や福利厚生を疎かにしていると従業員の離職につながりかねず、その結果、会社経営もうまく立ち行かないという可能性が高くなるため、まだ整備が進んでいないという方は早急に対策を講じるべきではないでしょうか。
財務面の方針について調査
ここまでの調査で、人に関わる方針と賃上げの相関関係が明らかになってきました。
続いて財務面と賃上げに関する実態についての調査をみていきましょう。
資金繰りの管理体制はどのようになっているのでしょうか。
引き続き、賃上げを行った方、行っていない方を比較していきたいと思います。
賃上げを行った方に、「資金繰りの管理体制を整備していますか?」と質問したところ、『管理体制を整備し、適切に運用している(46.2%)』『専門家(税理士など)に任せている(32.7%)』『特に整備していない(21.1%)』という回答結果になりました。
一方、賃上げをしていない方は『管理体制を整備し、適切に運用している(23.9%)』『専門家(税理士など)に任せている(25.8%)』『特に整備していない(50.3%)』という回答結果になり、管理体制を整備していない方が半数以上いることがわかりました。
中長期的に経営を継続させていくためには、このような資金繰りだけでなく、最終利益から戦略的コスト(原価や人件費、減価償却費など)を決めるといった予算の策定や、定期的な変動費率や節約可能費の見直しといったことも重要です。
これらの実状は、どのようになっているのでしょうか。
賃上げを行った方に、「予算策定と定期的な見直しを行っていますか?」と質問したところ、『予算を策定し、月次単位で進捗を管理している(51.5%)』『予算は策定しているが、進捗は管理していない(17.3%)』『年次で目標はあるが月次の予算は策定されていない(13.5%)』『特に予算策定は行っていない(17.7%)』という回答結果になりました。
一方、賃上げを行っていない方は『予算を策定し、月次単位で進捗を管理している(22.9%)』『予算は策定しているが、進捗は管理していない(11.1%)』『年次で目標はあるが月次の予算は策定されていない(16.1%)』『特に予算策定は行っていない(49.9%)』という回答結果になり、賃上げを行っていない方のほうが予算策定などを行っていないようです。
経営理念・中長期ビジョンと戦略について
経営を行う上で欠かせない企業理念ですが、明確化され社内に浸透している割合はどのくらいなのでしょうか。
賃上げを行った方に、「企業理念が明確化され、社内に浸透されていますか?」と質問したところ、『明文化されており、社内に浸透している(43.7%)』『明文化されているが、社内に浸透していない(29.4%)』『明文化されていない(26.9%)』という回答結果になりました。
一方、賃上げを行っていない方は『明文化されており、社内に浸透している(22.9%)』『明文化されているが、社内に浸透していない(18.6%)』『明文化されていない(58.5%)』という回答結果になり、賃上げを行った方より、明文化されていないと回答した方が多いようです。
人事や財務以外では、各事業を達成するために経営戦略を策定・明文化することも欠かせないのではないでしょうか。
そこで、賃上げを行った方に「経営戦略(中長期ビジョンを含む)の策定・明文化と見直しを行っていますか?」と質問したところ、『策定・明文化され、都度状況に応じて戦略の見直しを行っている(47.7%)』『策定・明文化されているが見直しは行われておらず形骸化している(25.2%)』『策定・明文化されていない(27.1%)』という回答結果になりました。
賃上げを行っていない方は『策定・明文化され、都度状況に応じて戦略の見直しを行っている(20.7%)』『策定・明文化されているが見直しは行われておらず形骸化している(22.3%)』『策定・明文化されていない(57.0%)』と回答し、賃上げを行った方よりも策定・明文化されていない方の割合が多いことがわかりました。
【まとめ】人事や財務面、そして経営戦略を重視し対策を講じることと賃上げは密接に関わっている?
今回の調査で、賃上げを行っている企業と行っていない企業、それぞれの特色が見えてきました。
賃上げを行った企業は、人材の育成や労働環境、資金繰りの管理体制などを整備している一方で、賃上げを行っていない企業は、いずれも整備されていないといった回答が多く見られました。
単に賃上げを行っているかいないかではなく、その背景には組織として持続的に人事や財務面、そして経営戦略を重視し、対策を講じていることが明らかになりました。
経営状況を少しでも良くしたいと考えている方は今回の結果を参考に、まずは資金繰り対策や予算管理対策などから始めてみてはいかがでしょうか。
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