【国内での感染者数が過去最多を更新し拡大中】日本を含む世界で流行し子ども達の命を脅かす百日咳。ワクチン接種で守れる子ども達のちいさな命。

今年、日本国内で大流行を起こしている百日咳。全国の感染者数は、6月1日時点で累計2万5,037人と感染の拡大は止まらず、感染者数は、全数把握が始まって以降の過去最多を更新し続けています。

昨年には、世界でも百日咳の流行が広く見られました。途上国の子どもたちを感染症から守るためのワクチン支援を行う「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会」(東京都港区、以下JCV)は、感染が拡大する百日咳の危険性と、子ども達の命を守るためのワクチン接種の必要性を呼び掛けます。

【強い感染力を持ち、患者数が近年急増している百日咳】

百日咳は、百日咳菌が引き起こす細菌感染症で、特有の激しい痙攣性の咳を伴う発作が特徴です。生まれたばかりの赤ちゃんにとっては特に危険で、窒息したり、肺炎や脳炎を起こして命を落とすこともあります。厚生労働省の資料によると、1人が平均で何人に感染を広めるかを示す「基本再生産数」は16-21で、1.3のインフルエンザ(季節株)と比較しても、非常に強い感染力があることがわかります。感染者と接触した際、ワクチンを接種していなかったり、効果が切れてしまっていると、約80%(インフルエンザは約23%)の人が感染してしまいます。

また百日咳は、ワクチンで予防可能な感染症の中でも、近年患者数が急増している病気の1つであり、WHOによれば、世界全体で年間の感染者数1,600万人以上、死亡者数19万人以上とされていますが、感染者の95%は開発途上国の子どもたちです。先進国においては、小学生~大人の患者が増えており、感染した両親や兄弟姉妹から赤ちゃんに伝染り重篤な状態に陥るという、悲しい事例も多く発生しています。

百日咳菌

【日本を含む世界での感染拡大が子ども達の命を脅かす百日咳】

国立健康危機管理研究機構によると、2025年の日本の百日咳の感染者数は6月1日時点で累計2万5,037人。2018年に全数把握を開始して以来の年間最多感染者数を、たった5カ月で更新してしまいました。季節が移り替わり、他の感染症の流行が収まる中でも、百日咳の感染者の増加ペースは全く衰えていません。東京都と兵庫県では、百日咳に感染した赤ちゃんがわずか生後1か月で亡くなってしまいました。どちらも抗菌薬が効きにくい耐性菌に感染しており、発症してからの治療は困難だったようです。

また、百日咳は、昨年、世界でも大流行を起こしています。特に大きな流行が起きたフランスでは、13万人以上が感染し、35人もの死者が出ました。そのうち6割にあたる22人は子どもで、その大半が1歳未満の赤ちゃんでした。さらに、11月までにアメリカでは2万人以上が感染。韓国でも3万人以上が感染し、生後2か月の赤ちゃんも亡くなっています。百日咳の感染は、日本だけではなく世界でも流行が見られ、子ども達のちいさな命を脅かしています。

【百日咳の脅威から子ども達を守るために重要なワクチン接種】

百日咳の治療には通常、抗生物質の投与が行われますが、近年、治療に主に用いられるマクロライド系抗生物質に耐性を持つ百日咳菌がアジア圏で増加しています。このため、赤ちゃんが感染した場合、治療することが難しくなっています。そのような状況の中で、より重要性が高くなっているのがワクチン接種による感染予防です。

例えば、日本で使われている五種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ・Hibの混合)ならば、合計4回の接種で、約80~85%の人が十分な免疫を得ることができます。ただし、百日咳の免疫は、ワクチンを接種した場合でも感染した場合でも、4~5年で減衰が始まり、10~12年程度で消滅してしまいます。そのため、感染拡大を予防し、百日咳の脅威から子ども達のちいさな命を守るためには、子ども達はもちろん、大人も含めた多くの人が適宜追加接種を行い、集団免疫を維持することが重要になります。

【途上国における感染症の脅威とJCVの子どもワクチン支援の成果】

はしか、破傷風、百日咳などの感染症は、途上国においては日常の脅威として、日々、多くの子どもたちの命と笑顔を奪い続けています。その数は1日4,000人。20秒に1人の子どもたちがワクチンの接種をすれば防げるはずの病気で亡くなっています。

私たち、「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会」(JCV)は、途上国の子どもたちにワクチンを届け、彼らの命と未来を守る活動「子どもワクチン支援」を行う民間の国際支援団体です。感染症のワクチンの多くは1人分20円、高いものでも約280円ととても安価です。私たちはUNICEFや各国の保健省と協力し、1994年の創設以来、皆さまのご支援により、約1億3,377万3,465人の子どもたちにワクチンを届け、2024年は、ミャンマー、ラオス、ブータン、バヌアツの4カ国に1億2,348万9,371円分のワクチンやコールドチェーン機器を贈ることができました。

【JCV団体概要】

団体名

認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会

代表

理事長 剱持 睦子 (ケンモチ ムツコ)

創設者

細川 佳代子 (ホソカワ カヨコ、細川護煕元首相夫人)

本社所在地

東京都港区三田 4-1-9 三田ヒルサイドビル8F

URL

www.jcv-jp.org

設立

1994年1月29日

スペシャルサポーター

竹下景子(ワクチン大使・女優)、和田毅(元プロ野球選手)、早見優(歌手・女優)、三國清三(シェフ・株式会社ソシエテミクニ 代表取締役)、進藤奈邦子(WHO 健康危機管理プログラムシニアアドバイザー)、鏡リュウジ(翻訳家・心理占星術研究家)、安藤優子(ジャーナリスト)、キャップ革命 ボトルマン(株式会社タカラトミー)

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会社概要

URL
https://www.jcv-jp.org/
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都港区三田4-1-9 三田ヒルサイドビル8F
電話番号
03-5419-1081
代表者名
剱持 睦子
上場
未上場
資本金
-
設立
1994年01月