〈2026年度第1回 中小企業経営実態調査〉骨太方針2026で注目される中小企業の価格転嫁 中小企業の約7割が物価高の悪影響を受ける一方、価格転嫁実施企業の約8割が十分な転嫁に至らず

フォーバル GDXリサーチ研究所

 Green(グリーン)とDigital(デジタル)を活用した中小企業の変革を目指すフォーバル GDXリサーチ研究所(本社:東京都渋谷区、所長:平良学)は、中小企業を対象にした「2026年度第1回 中小企業経営実態調査」を実施しました。

 2026年7月21日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太方針2026)」では、分野横断的課題のTHEME 07として「賃上げ環境整備」が掲げられています。物価上昇を上回る賃上げや最低賃金の引上げが政策上の重要テーマとなるなか、原材料費・エネルギーコスト・輸送費などの上昇を自社だけで抱え込まず、価格転嫁や取引適正化によって事業を継続しやすい環境を整えることが重要です。

 今回のレポートでは、全国の中小企業経営者1,653人を対象に、原油価格高騰等による物価高の影響と、物価高への対策としての価格転嫁の実態を調査しました。調査では69.3%の企業が物価高により経営に悪影響を受けており、価格転嫁を行っている企業でも、コスト上昇分の8割以上を転嫁できている企業は20.5%にとどまりました。物価高への対策として価格転嫁に取り組む企業は多いものの、十分な価格転嫁には至っていない企業が多く、取引環境整備の必要性がうかがえます。

URL:http://gdx-research.com/wp-content/uploads/2026/07/bluereport_202608.pdf

【調査結果サマリー】

①中小企業の約7割が物価高の影響を受けていると回答 事業コスト上昇が経営余力を圧迫

②物価高への対策は「価格転嫁」が最多、実施企業の約7割が効果を実感

③取適法の認知は49.8%にとどまり、制度周知と取引環境整備が課題

【アンケート概要】

・調査主体   :フォーバル GDXリサーチ研究所

・調査期間   :2026年6月1日~2026年6月30日

・調査対象者  :全国の中小企業経営者

・調査方法   :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析

・有効回答数  :1,653人

本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【フォーバル GDXリサーチ研究所調べ】とご明記ください。

Q1. 原油価格高騰等による物価高の影響度合い(n=1,653)

Q2. 原油価格高騰等による物価高の影響度合い(業種別)(n=1,653)

 原油価格高騰等による物価高について、「大きく悪影響を及ぼしている」が16.5%、「ある程度悪影響を及ぼしている」が52.8%となり、合計で69.3%の企業が経営に悪影響を受けていることがわかりました。特に建設業、製造業、卸売業、小売業、運輸業・郵便業では、悪影響を受けている企業の割合が8割を超えています。仕入価格や原材料費、エネルギーコスト、輸送費などが事業活動に直結する業種ほど、物価高の影響を強く受けている傾向が見られました。

 骨太方針2026で「賃上げ環境整備」が掲げられるなか、企業が収益を確保しやすい取引環境づくりが重要になっています。今回の結果からは、仕入価格や原材料費、エネルギーコスト、輸送費などの上昇が、業種を問わず中小企業の経営余力を圧迫している実態がうかがえます。

Q3. 原油価格高騰等による物価高への対策(n=1,145)※複数回答可

Q4. 原油価格高騰等による物価高への対策の効果(n=1,101)

 物価高への対策として最も多かったのは「製品・サービスへの価格転嫁の実施(値上げ)」の36.1%でした。次いで「経費・固定費の削減」28.3%、「光熱費・燃料費の節約」20.7%、「仕入価格の見直し」19.7%となり、コストを抑える対応も多く見られます。

 価格転嫁は、物価高によるコスト上昇を事業者だけで抱え込まないための主要な対策といえます。一方で、約2割(18.4%)の企業は特に対策を行っておらず、物価高への対応状況には差があります。価格転嫁を実施している企業では、「とても効果が出ている」と「やや効果が出ている」を合わせて69.4%が効果を実感しています。

Q5. 物価高への対応における価格転嫁の実態(n=458)

Q6. 価格転嫁を十分にできていない理由(n=308)※複数回答可

 価格転嫁を行っている企業に、コスト上昇分の転嫁度合いを聞くと、「80%以上」は20.5%にとどまり、十分な転嫁に至らない企業が多数を占めました。50%未満または「まったく転嫁できていない」は49.6%と約半数です。理由では「顧客・取引先の離反懸念」(48.1%)、「取引先・発注元との価格交渉の難しさ」(46.8%)が上位となり、顧客離れへの懸念や交渉の難しさが大きなハードルになっています。

Q7. 中小受託取引適正化法(取適法)の認知度(n=458)

 中小受託取引適正化法(通称:取適法)については、「知っており、他の人に説明できる」が9.8%、「知っているが、説明できるほどではない」が40.0%となり、認知している企業は49.8%でした。一方、「聞いたことはあるが、よく知らない」は27.1%、「知らない」は23.1%となりました。

 骨太方針2026の「賃上げ環境整備」を現場で機能させるためには、価格交渉や適正な価格転嫁が円滑に行われる取引環境が必要です。特に、物価高によるコスト上昇分を中小企業だけが抱え込む状況を避けるには、発注側を含めた制度理解と取引適正化の浸透が欠かせません。取適法に関する情報を中小企業へ十分に周知・浸透させるとともに、社会全体での理解促進や支援体制の構築が重要と考えられます。

フォーバル GDXリサーチ研究所所長

平良 学(たいら・まなぶ)

 

■経歴

 1992年、株式会社フォーバルに入社。九州支店での赤字経営の立て直し、コンサルティング事業の新規立ち上げを経て、

2022年に新たに発足した中立の独立機関「フォーバルGDXリサーチ研究所」の初代所長に就任。

 中小企業経営の実態をまとめた白書「ブルーレポート」の発刊、独自・共同研究、GDXやESGの講演、中小企業経営者向けイベントなどを通じて、中小企業のGDXを発信している。

■コメント

 本レポートでは、原油価格高騰等による物価高が中小企業経営に及ぼす影響と、価格転嫁の実態を調査しました。約7割の企業が物価高の悪影響を受けており、原材料費・燃料費・物流費などの上昇が、業種を問わず経営を圧迫しています。価格転嫁を実施している企業でも、コスト上昇分の8割以上を転嫁できている企業は20.5%にとどまり、十分な価格転嫁に至っている企業は約2割に限られます。

 物価高への対応は、事業継続や人材確保、将来投資のための経営余力をどう守るかという課題にもつながっています。骨太方針2026で掲げられた「賃上げ環境整備」を中小企業の現場で進めるには、取適法の周知や支援策の拡充に加え、発注側を含めた取引環境の改善を進めることが重要です。

■フォーバル GDXリサーチ研究所とは

 日本に存在する法人の99%以上を占める中小企業。この中小企業1社1社が成長することこそが日本の活力につながります。中小企業が成長するための原動力の1つにGreen(グリーン)とDigital(デジタル)を活用し企業そのものを変革するGDX(Green Digital transformation)があります。

 フォーバルGDXリサーチ研究所は、中小企業のGDXに関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめ、世に発信するための研究機関です。「中小企業のGDXにおける現状や実態を調査し、世に発信する」をミッションに「中小企業のGDXにおいてなくてはならない存在」を目指し活動していきます。

HP:https://gdx-research.com/

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

株式会社フォーバル

5フォロワー

RSS
URL
https://www.forval.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区神宮前 五丁目52番地2号 青山オーバルビル14階
電話番号
03-3498-1541
代表者名
中島 將典
上場
東証スタンダード
資本金
41億円
設立
-