新型コロナウイルスは、SIMフリーやiPadにも影響 通信料金値下げで回線と端末の分離化が顕著に 〜主要4市場より抽出された中古スマホ相場データより分析〜
2020年10月~12月の中古スマホ取引数ランキング発表
株式会社マーケットエンタープライズ(東京都中央区、代表取締役社長:小林 泰士、東証マザーズ・証券コード3135)は、当社が運営するウェブメディア「iPhone 格安SIM 通信」(https://www.kashi-mo.com/media/)にて提供している、フリマアプリやインターネットオークション等主要4市場を総括した中古スマートフォン相場比較サービスより抽出した中古スマホ取引データの分析を行いましたので発表します。
- 分析結果概要
1. 人気は変わらずiPhone 8 新型コロナウイルスの影響はSIMフリーにも
2. Androidは大幅に順位変動 値下げによる新古品取引が増加
3. 緊急事態宣言による巣篭もりでiPadは価格高騰も、勢いは下火に
- 1. 人気は変わらずiPhone 8 新型コロナウイルスの影響はSIMフリーにも
2020年10月〜12月のiPhone全体取引数は、2020年7月〜9月と比べて16.1%増加し、トップ3には、2020年4月〜6月・2020年7月〜9月と変わらず、3キャリアのiPhone 8 64GBがランクインしました。
ランク外だったものの、iPhone 11は、取引数の増加が見られました。
これは、2020年10月より順次発売されたiPhone 12シリーズの発売によって、機種変更をしたユーザーが多かったからだと考えられます。
また、上位ではありませんが、8位のiPhone 8 64GBや、9位のiPhone 7 128GBといったSIMフリー版の取引数増加も顕著でした。
SIMフリー版のiPhone 8とiPhone 7は、主にフリマ市場で取引されており、iPhone 8取引数は、2020年7月〜9月と比べて184%増、2019年10月〜12月比較で280%増。
iPhone 7取引数は、2020年7月〜9月と比べて156%増、2019年10月〜12月比較で171%増となっています。
この背景には、新型コロナウイルス感染拡大の勢いが止まらないことを理由に、実店舗を避け、フリマ市場を利用して端末を転売・販売するユーザーや事業者が、増加していると推測されます。
- 2. Androidは大幅に順位変動 値下げによる新古品取引が増加
Android市場は、10位までの半分以上をランク初登場の機種が占めるなど、大幅な順位変動が見られました。
その中でも、3位と4位の機種は、新古品の取引量増加が顕著でした。
3位のAQUOS zero2(ソフトバンク)は、2020年3月に発売された9万円台のハイエンドモデルで、ゲーミングスマホとして人気の端末ですが、2020年9月にソフトバンクオンラインショップで実施された95,040円から21,984円の大幅値下げをきっかけに、転売目的で購入したユーザーが増加したと考えられます。
続く4位のAQUOS sense3 basic(au)も、値下げの影響を大きく受けた機種です。
2020年8月に、auオンラインショップで27,830円から22,000円に値下げされたことをきっかけに、9月から取引数を伸ばしていました。
さらに、この機種はauの残価設定型プログラム「かえトクプログラム」対象端末である為、プログラムを適用すると、実質17,710円で購入できるとあって、購入者が増えていました。
その後、2020年11月に新作秋冬モデル「AQUOS sense4」が発売され、旧モデルから機種変更した下取り端末が市場に流通したと考えられます。
しかし、Android市場全体で見ると、取引数は減少しています。
キャリア各社の商戦期に当たる4月〜6月には、取引数の増加傾向が見られますが、10月〜12月の取引数は、例年、減少傾向にあり、昨対で見ても減少しています。
この傾向が続けば、2021年4月〜6月には、Android市場全体の取引数は増加するでしょう。
- 3. 緊急事態宣言による巣篭もりでiPadは価格高騰も、勢いは下火に
例年、iPad市場は、新モデル発売のタイミングで取引価格のピークを迎える傾向がありますが、それまで上昇していたiPadの取引価格は、9月の最新端末の発売を待たず、4月〜6月にピークを迎えました。
前年7月〜9月と比較すると、端末取引数は、概ね同じだったものの、2020年4月〜6月の取引価格が大きく上昇しているのがわかります。
これは、2020年4月に新型コロナウイルス感染拡大防止を目的に発出された緊急事態宣言により、在宅勤務やオンライン授業の需要が増えたことに起因しています。
供給量よりも需要が増加したために、中古市場の取引価格も高騰しました。
しかし、緊急事態宣言が解除された2020年7月〜9月には、テレワークの実施率が下がったり、学校が再開されたため、端末の価格高騰は見られませんでした。
- 分析:中古モバイル市場アナリスト 菅野 辰則
これらのブランドは全て、実店舗では契約できないオンライン専用のブランドで、携帯通信料金の見直し提言を受けたシンプルで安いプランが特徴です。
また、MNP転出手数料の無料化や、5Gの料金プランにも対応しており、今後は、自分にあった通信会社と料金プランを考えて選択する消費者が、増えてくるのではないかと推測しています。
この流れは、2020年10月〜12月にiPhone市場の新古品増加要因で見られた「SIMロック解除品の取引」という点にも繋がっています。
今後は、電気事業法改正後の規制緩和によって、SIMロック解除がしやすくなったこともあり、回線と端末の分離化がより顕在化し、中古スマホの取引がさらに増加していくことが予想されます。
取引数増加が見込まれるのは、スマホだけではありません。
今年に入ってから、さらなる新型コロナウイルス感染拡大を受け、1都2府8県を対象に2度目の緊急事態宣言が発出されました。
これにより、今後は、テレワークやオンラインでの授業導入が増えていくことが予想されます。
これまで導入していなかった企業や学校が、オンライン化していけば、iPad導入の流れは、1度目の緊急事態宣言発出時同様に、加速していき、需要の高まりと共に、iPadの取引数も増加していくことが予想されます。
~詳細の分析に関してはhttps://www.kashi-mo.com/media/88015/をご覧ください~
株式会社マーケットエンタープライズ メディア・プラットフォーム事業本部
執行役員 菅野 辰則
ソフトウェア開発会社にて、開発業務からスタートし、新会社設立時のWebマーケティング全般の業務を担った後、2010年にマーケットエンタープライズに入社。当社でWebマーケティングの責任者や経営企画を担当後、現在は、メディア・プラットフォーム事業の責任者に従事する。膨大なデータの分析・管理能力を活かして、中古モバイル市場の動向を分析する中古モバイル市場アナリストも兼任する。
■調査概要
調査方法:株式会社マーケットエンタープライズが運営するウェブメディア「iPhone格安SIM通信」で提供している中古スマートフォン相場比較サービスを通じて集積されたデータベースより抽出した中古スマートフォンの取引数・価格を集計
調査対象期間:2020年10月1日から2020年12月31日
調査対象市場:ヤフオク!、ムスビー、メルカリ、ラクマ
■運営メディア
iPhone・Wi-Fi・WiMAXの情報をわかりやすく解説
・iPhone 格安SIM通信: https://www.kashi-mo.com/media/
格安SIM・スマホの通信速度や選び方を解説
・SIMチェンジ:https://simchange.jp/
■株式会社マーケットエンタープライズ
マーケットエンタープライズは、ネット型リユース事業を中心に、メディア事業、モバイル通信事業などを展開しています。「持続可能な社会を実現する最適化商社」をビジョンに掲げ、 2006年の設立以来、成長を続けています。2015年6月には東証マザーズに上場、ネット型リユース事業のサービス利用者は延べ430万人を達成しました。
ウェブサイト: https://www.marketenterprise.co.jp/
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