宇治山田商業高校生徒が伊勢志摩の郷土料理『手こね寿司』のこれまでとこれからを考える

6月18日は持続可能な食文化の日

IXホールディングス株式会社

IXホールディングス株式会社(本社:三重県伊勢市 代表取締役社長 浜田吉司)は、伊勢市内の県立高校である宇治山田商業高校の課題研究を支援しています。生徒たちが立ち上げた、地域の文化を次世代につなぐ「はしわたしプロジェクト」の一環で、『手こね寿司』づくりを通して伊勢志摩地域の郷土料理への理解を深めるとともに、地域食材の変化や食文化の未来について考えました。

■持続可能な食文化の日とは?

6月18日は「持続可能な食文化の日」です。食の未来を守るための行動を促す大切な国際デーとして、2016年に国連(国際連合)によって制定されました。農業、漁業、あるいは料理などが天然資源を無駄にしない方法で行われ、環境や健康に悪影響を与えることなく、食料の開発や保全、食文化の継承を含む持続可能な食文化に対して、人々の意識を高めていくことを目的としています。

■はしわたしプロジェクトとは?

はしわたしプロジェクトは、三重県の昔ながらの文化が時代の流れとともに失われてしまわないように次の世代に伝え、"はしわたし"したい——そんな思いで三重県立宇治山田商業高校3年生の岩本朱夏さん、澤山莉子さん、平石凜乃さん、三宅優依さんが立ち上げたプロジェクトです。より深く知るために地域の方々にお話しを伺いながら、三重県の文化を再発見し、インスタグラム等で三重県の魅力や「こんなのあったんだ!」と驚いてもらえるような情報を発信していきます。特に食文化に着目しており、環境の変化や後継者不足などの問題と向き合っていきます。

■講師

伊勢創作ビストロmirepoix(ミルポワ) オーナーシェフ 岡田新太朗氏

伊勢市出身。宇治山田高校、大阪あべの辻調理専門学校卒業。

うましくに伊勢シェフクラブ所属。

使用する食材は、伊勢志摩の豊かな自然環境が育んだ食材を生産者の元を訪れて厳選。生産者達と地域の環境保全や、食の未来について意見交換を重ね、地域の食の未来、環境保護に取り組んでいます。

IXグループとは、おかげさまダイニングプロジェクトを共同運営し、環境啓発を兼ねた「おかげさまマルシェ」や勉強会等を実施。「森を守りたい」「豊かな食を未来に残したい」というコンセプトのもと、限りある豊かな自然の恵みを未来に残したいという強い想いを持って活動しています。

■伊勢志摩の郷土料理『てこね寿司』のこれまでとこれからを考える

 1日目(5月22日):岡田シェフを訪問し、てこね寿司についてインタビュー

Q:手こね寿司はいつ頃から作られているのでしょうか?

A:手こね寿司の起源は江戸時代かそれより前からあるとされ、船上で食べる漁師飯として始まったそうです。

 

Q:手こね寿司の名前の由来は何ですか?

A:船上で酢飯と魚を混ぜ合わせるために「手でこねる」という調理法からだと思いますが、現代において観光地で郷土料理が提供されるにあたり、見た目や衛生面を重視するようになったことから、手でこねなくなったり、刺身を酢飯の上に乗せて提供したりするのが一般的になっています。

 

Q:伊勢神宮との関係はありますか?

A:江戸時代には伊勢神宮の魅力を伝える「御師(おんし)」と呼ばれる人々がおり、全国からの参拝客をもてなす役割と共に、地元の食文化も伝えていたとされています。

 

Q:手こね寿司に使われる魚は何ですか?

A:主にカツオやマグロなどの赤身の魚で、これは保存性や見た目の良さから選ばれたと考えられています。醤油に漬けることで鮮度が保たれます。また、赤い色が「ハレ」の料理として見栄えが良いこと、そして柔らかく食べやすいことも理由だと思います。

 

Q:伝統的な郷土料理が直面している課題は何ですか?

A:漁業従事者の減少や、伝統的な調理法を知る人が少なくなっていることも課題として挙げられます。食材自体も環境変化により入手が難しくなっています。伊勢海老や鮑などの伊勢志摩の高級食材は減少傾向にあります。イタリアやフランスではチーズ職人の技術と文化が守られる仕組みがあり、特定の地域で伝統的な製法で作られたチーズを保護し、ブランド価値が高められていますが、日本ではその点がまだまだ弱いのでは。

 2日目(6月11日):市場の見学・魚の仕入れ、魚をさばく

訪問した鳥羽磯部漁協直販センターには、いつも鳥羽市の離島から多くの魚が集まるそうです。この日は天候が悪く、種類も量も多くはありませんでしたが、マダイ、コショウダイ、クロダイを調達し、今、地域で獲れる魚で作る手こね寿司をイメージして仕入れを行いました。学校の調理室にて、岡田シェフのご指導のもと、生徒たちは初めて魚をさばく体験をしました。

3日目(6月12日):手こね寿司づくり

マダイ、コショウダイ、クロダイの食べ比べに始まった3日目。クロダイとマダイでは約4倍もキロ単価が異なることを聞き、味の違いも実感しつつ、獲れた魚がおいしく有効活用されるべきではと話をしながら調理が進みます。今回は、岡田シェフに持参いただいたカツオを使用して赤身魚で手こね寿司を作ったほか、市場で仕入れ、生徒自身でさばいたタイ3種を使ってレモンでさっぱりと仕上げた白身魚の手こね寿司が完成しました。来年度も後輩に引き継ぎたいプロジェクトであるとのことで、2年生の城山日歩さんにも参加いただきました。

■今後の展望

今回の取組を通して、郷土料理の保存には単に料理法を記録するだけでなく、その背景にある歴史や生活様式を知ることで、理解が深まることを生徒たちは実感した様子でした。現代の食材確保の状況や生活に合わせた新しい形での郷土料理の提案も、伝統を守りながら進化させる一つの方法かもしれません。地域の農家や漁師との連携を強化し、地産地消を促進することで、食文化の持続可能性を高めることも考えられます。

生徒たちは、地元で獲れる魚を使用した家庭でも作りやすいレシピの提案や、若い世代に郷土料理を伝えるためにSNSなどを活用して興味を持ってもらえるように発信していくほか、絵本を作り子どもの頃から親しめるようにしていきたいと考えています。

また、さらに多くの方に伊勢志摩の郷土料理である『手こね寿司』を知っていただき、その背景にある食文化や食に関わる現状について考えていただけるよう、今回のように地域で獲れる魚を活かした手こね寿司の商品化についてもミルポワの岡田シェフや高校生と共に検討しています。引き続き地域と連携しながら若者の挑戦を支援してまいります。

【会社概要】IXホールディングス株式会社

IXホールディングスは、2023年1月1日(日)に「株式会社マスヤグループ本社」から「IXホールディングス株式会社」に社名変更。社名には地元である三重県伊勢志摩地域(I)を、新しい時代に向けて力強くトランスフォーム(X)させたいという思いが込められております。社名に込めた思いのとおり、今後も伊勢志摩の課題と向き合い、解決に向けた仕組みづくりに取り組んでまいります。

■所在地:〒519-0502 三重県伊勢市小俣町相合1306

■URL:https://ix-holdings.jp/

■電話番号:0596-22-0297

■グループ企業

<マスヤグループ>

・株式会社 マスヤ

・株式会社 日乃本米菓製造

 <IXグループ>

・株式会社 伊勢萬

・株式会社 伊勢萬トレーディング

・株式会社 エムケイ・コーポレーション

・株式会社 志摩地中海村

・オランジェ 株式会社

・株式会社 伊勢志摩ツーリズム

・IXデジタル株式会社

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会社概要

IXホールディングス株式会社

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URL
https://ix-holdings.jp/
業種
サービス業
本社所在地
三重県伊勢市小俣町相合 1306
電話番号
0596-22-0297
代表者名
浜田 吉司
上場
未上場
資本金
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設立
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