明日香、保育士配置基準見直しと保育の質向上に関する調査およびレポートを発表 約6割の保育士が、配置基準見直しによって『保育の質が向上する』と回答
〜子どもたちを見る「目」の増加で、保育者同士の「コミュニケーション」の増加と「保育の質」向上のポジティブ連鎖に期待も〜
子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」を運営する株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)は、「保育士配置基準見直しと保育の質向上に関する調査およびレポート」を発表いたしましたので、お知らせいたします。
- 保育士1人あたりが見る子どもの数が圧倒的に多い日本
保育士などの団体 “配置基準の改善を” 国に要請書を提出
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230301/k10013995261000.html
海外の保育状況と比べると、日本の場合は、3歳児20人に対して保育士が1人、4〜5歳児30人に対して保育士が1人という基準になっていますが、アメリカニューヨーク州では、3歳児は7人に保育士が1人、4歳児8人に対して保育士が1人、5歳児9人に対して保育士が1人となっています。ドイツでも、3歳以上は13人に保育士が1人と、大きく開きがあるのが実態です。
特に、日本の4〜5歳児の配置基準に関しては、戦後70年以上という長い間、変更されていません。社会的状況や環境、生活スタイルや働き方、育児の方法は大きく変わり、発達障害を抱えている子どもの増加という実態もある中で、もはや現代の子どもにマッチした保育を行うことが困難な配置状況、配置基準になっています。このような状況に追い打ちをかけるように、保育士の不十分な処遇賃金の問題が重なり、厳しい労働環境の中で多発している事故事件を防ぐためには、早急に増員が必要であり、そのための条件を見直すよう要請が出されたという流れです。
ただし、保育の現場では、このような事故・事件発生のかなり前から、配置基準の改善を求める声が挙がっていました。実際に、当社が行った調査(※)によれば、政府の保育士の配置基準見直しに関する発表に対して、6割以上の保育士が「期待している」と回答しており、配置基準が見直しされることによって、59.4%が「保育の質が向上する」との声があがっています。改善が期待できることとして、「今以上に子どもに寄り添うことができるようになる」や、「ゲガを減らし、安全性を確保できる」といった声も挙げられ、より良い保育実現への期待が高まっています。
調査からもわかる通り保育の質向上を目指す上で、子どもたちを見る「目」を増やし、保育者同士のコミュニケーションや「ノンコンタクトタイム(保育士が子どもから離れて、事務作業を行ったり、保育者同士が情報交換をする時間のこと)」を増やすことは非常に重要です。今回の要請が起点となり、改善がされれば、保育士ひとり当たりの負担を軽減させるだけでなく、保護者への支援を強める足がかりになることでしょう。
(※)
調査概要:保育士配置基準見直しと保育の質向上に関する調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年4月7日〜同年4月10日
有効回答:現役保育士106名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
- 配置基準見直しの実現は財源の確保がカギ
・1歳児 6人に1人→5人に1人
・4・5歳児 30人に1人→25人に1人
この改善は運営費加算となることが4月4日の参議院内閣委員会での答弁にて明らかになりましたが、改善後の配置を着実に行える園とそれが困難な園との間に、様々な点で差が生じることは想像できます。
実際に、配置基準以上の保育士を配置することによって、良質な保育を行っているという施設も存在しています。このような園が広まることによって、保育士にとって働きやすい環境が増えれば、理想とする保育の実現にも繋がっていくでしょう。
ただし、「財源」という壁が立ちはだかっているのも事実です。今回の改善案では運営費加算での対応に留まることになりそうですが、国レベルでの質向上を目指す上では基準改定が欠かせないという声もあります。それが実現すれば、国内の全保育施設において職員配置の見直しが生じ、莫大な財源が必要となります。保育士一人ひとりの賃金を引き上げ、なおかつ人員を増やすためにどこまで財源が確保できるか。大きな鍵となっています。
- 独自の配置基準を設けている保育園は32%
(※)株式会社コドモン【調査レポート】保育士の配置基準問題 80%が「配置基準の改善は不適切保育の減少に寄与」と回答
https://www.codmon.co.jp/pressrelease/7711/
- コロナ禍で現場の保育士が実感した「保育の質」
- 配置基準が改善されても人手不足の課題が残る
- 配置基準改善によって、利用者は園の比較検討ポイントが増える
- ノンコンタクトタイムが増えれば、保育者同士の質の高め合いにもつながる
また、日本は他国と比較して保育者間同士でのフィードバックが少ないことも課題として挙げられます。OECD(経済協力開発機構)の保育従事者調査2018報告書によると、保育者間の協働に関する調査で、「他の保育者の実践についてのフィードバックを与えること」を毎日行っている日本の保育者は10%以下、週に1回行っている保育者も20%以下でした。この項目において、日本は9カ国で最下位となっています。これは保育業界に限らず、他人に対して直接意見をしにくい国民性の現れかもしれませんが、人員の配置条件が妨げになり事務作業に追われている結果、保育をした後、保育者同士で「これはどうだった」、「次はこうやっていこう」などの話し合いをする時間が持てていないという可能性もあります。フィードバックの時間を設けることは、指摘をし合うだけでなく、お互いの良いところを称賛し合い、真似をし、全体としての質を高める効果があります。配置基準の改善が実現されれば、ノンコンタクトタイムが増え、保育者同士が双方をより高め合うといった動きにつながることも期待できるでしょう。
- 「子ねくとラボ」について
「子ねくとラボ」は、「子ども+Nursery(保育)+Education(教育)・Entertainment(エンターテインメント)+Creation(創造)+Trend(トレンド)」の要素から構成された、子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクトです。子育てや保育に関する「調査レポート」や「ニュース/記事」、また「子ねくとラボ」が提供しているサービスについて発信しております。
事業名 :子ねくとラボ
事業責任者 :末廣 剛
URL :https://konnect-labo.jp/
サービス内容:・選ばれる園づくりコンサルティングサービス
・保育施設向け研修&巡回サービス
・保育専門実証実験 コーディネートサービス
・スタートアップ支援サービス
- 会社概要
設立 :1994年8月30日
代表取締役 :萩野 吉俗
所在地 :東京都文京区小石川5丁目2番2号 明日香ビル3F
事業内容 :■保育室の設置・運営(院内保育室、企業内保育室、認可保育所)
■自治体と連携した子育て支援事業
(児童館、放課後児童クラブ、子育て支援拠点、こども広場等の運営)
■保育に関わる人材の派遣・紹介(保育士・幼稚園教諭・看護師・栄養士など)
■居宅訪問型子育て支援
(ベビー・キッズシッターサービス、家事代行サービス、自治体の委託業務)
■臨時保育室の設置・運営(イベント時保育サービス)
■保育に関わる人材の教育(研修会、講演会、各種セミナーの開催)
■新規保育事業の開発及びコンサルティング
URL :https://www.g-asuka.co.jp/index.htm
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