ファーメンステーションが2.3億円の資金調達を完了
バイオものづくり市場における発酵アップサイクル技術基盤をベースとした研究開発・事業開発を加速
独自の発酵技術で未利用資源を再生・循環させる社会の構築を目指すバイオものづくりスタートアップの株式会社ファーメンステーション(本社:東京都、代表取締役:酒井 里奈、以下ファーメンステーション)は、第三者割当増資により2.3億円の資金調達を完了したことをお知らせいたします。今回の資金調達を受け、独自の発酵アップサイクル技術基盤を用いた未利用バイオマスのアップサイクル、化粧品・食品原料等に展開可能なバイオ素材の開発を加速し、バイオものづくり市場における事業開発・研究開発をさらに強化してまいります。
今回の第三者割当増資において、下記の企業・個人より資金調達を実行しております。
・SXC投資事業有限責任組合(株式会社SXキャピタル) ※既存株主
・株式会社脱炭素化支援機構
・宝ホールディングス株式会社
・TBSイノベーション・パートナーズ合同会社
・ステージアップファンド投資事業有限責任組合(スパークル株式会社)
・吉松徹郎氏・山田メユミ氏(2名ともに株式会社アイスタイル共同創業者)等個人投資家複数名
■資金調達の背景と目的
ファーメンステーションは、創業以来一貫し、未利用資源(バイオマス)を独自の発酵技術で付加価値ある素材へとアップサイクルする研究開発・事業開発を実践してまいりました。焼却等の産廃処理や飼料等の利用に留まる食品残さ等の未利用資源を有効に活用することによる環境負荷軽減、バイオ素材へとアップサイクルすることを通じたサーキュラーエコノミー(循環経済)の実践など、脱炭素化社会に向けた社会課題解決を通じ、インパクトの創出を追求してまいりました。インパクトを追求するスタートアップとして、経済産業省に「J-Startup」「J-Startup Impact」に選定され、B Corp認証を取得するなど、事業性と社会性の両立と拡大を掲げ事業に取り組んでいます。
外部環境に目を向けると、グローバルレベルで、脱炭素化社会への移行は不可逆な潮流であり、ファーメンステーションが課題解決に取り組む食品廃棄物等の未利用資源(バイオマス)は大きな課題の一つとなっています。食品ロス等の廃棄による温室効果ガスの排出量は、世界の温室効果ガス排出量のうち8%から10%を占めているとの推計(UNEP)もあり、食品廃棄等の未利用資源の課題は気候変動に大きく影響を及ぼす課題と考えられています。国内においても、食品廃棄物は年間約2,530万トン(環境省)排出されており、その削減や利活用によって環境負荷を低減することが必要です。
また、近年、従来の化石資源(石油等)を原料とした様々な製造プロセスを置き換える持続可能なものづくりとして、バイオものづくりへの注目が高まっており、グローバルで2030年に約200兆円の市場規模に達するとの推計(OECD)も存在し、国内においても官民あげて投資や研究開発の取り組みが活発化しています。一方、バイオものづくりに欠かせないインプット資源であるバイオマスの生産に限りのある国内においては、その調達に課題があり、食品廃棄物等の未利用資源を有効に活用することが求められています。
このような大きな社会的潮流がある中、食品廃棄物等の未利用資源の廃棄に伴う環境負荷の軽減、および資源が限られる環境下において未利用資源由来でバイオものづくりを行うことの必要性の観点から、ファーメンステーションが強みとする、未使用バイオマスを独自の発酵アップサイクル技術でバイオ素材へ転換するソリューションへの需要が、高まっています。ファーメンステーションでは、今回の資金調達を受け、バイオものづくり市場における研究開発・事業開発をさらに強化します。具体的には、研究開発投資の拡大、独自技術を梃子とした食品メーカー・化粧品メーカー等との共同研究開発の強化、事業成長に伴う製造力の強化、それらに伴う研究開発・事業開発をはじめとした人材採用を進めてまいります。
■今後の事業展望
今後、ファーメンステーションは、食品・飲料メーカー等の製造業から出る製造副産物や規格外品等の未利用バイオマスをもとに、独自の発酵アップサイクル技術を活用し、化粧品や食品等の原料を開発・製造する事業を加速します。これまでにも、食品・飲料メーカーとの共同研究開発を通じた香り・風味・テクスチャー等の改善・強化に寄与する素材開発や、化粧品メーカーとの共同研究開発を通じた発酵アップサイクル素材の開発などに取り組む中で、100種を超える未利用バイオマス詳細データの蓄積や多岐に渡るバイオ生成物を実現するための酵素・微生物・パスウェイ等の選定が進んでおり、今回の資金調達でさらにそれらのノウハウ蓄積を加速いたします。
また、化粧品・食品市場ともに脱石油由来原料への課題意識は高く、従来化学合成由来で占められていた素材のバイオコンバージョン(発酵法等への転換)へのニーズも高まっています。いわゆるバイオものづくり領域においても、ファーメンステーションの未利用バイオマスに関する豊富なデータベースや微生物を含む発酵法に関する知見・開発体制への需要は高まっています。加えて、バイオものづくりにおいて課題とされる、製造設備・プレイヤーの不足や事業化事例の不足においても、ファーメンステーションは商用製造実績の豊富な自社工場を既に保有し、事業化まで一気通貫で対応できることから、水平分業が中心のバイオものづくり市場において稀有な一気通貫型での共創パートナーとしての新たな価値提供が可能であり、引き続き独自のソリューション体系を強化してまいります。
■第三者割当増資引受先からのコメント
・株式会社SXキャピタル 代表取締役社長 近藤 秀樹氏
未利用バイオマス由来のエタノール製造からさらに独自の発酵アップサイクル技術を基軸としたバイオものづくり企業への基盤が整ったことを評価し、2021年の投資に続いて今回の投資ラウンドにも参加しました。「社会性と事業性の両立」を目指す同社の理念が実現するように、新しい投資家の皆様とともに今後も最大限の支援をしてまいります。
・株式会社脱炭素化支援機構 取締役 専務執行役員(CIO) 上田 嘉紀氏
独自の発酵技術を用いて多様な高付加価値バイオ素材を生成し、温室効果ガスの抑制および未利用バイオマス資源の再生・循環に貢献する株式会社ファーメンステーションへ出資参画できたことを大変喜ばしく思います。今後、株式会社ファーメンステーションの事業が拡大し、廃棄物由来のGHG削減と未利用バイオマス資源の活用に伴う地域産業の活性化や雇用促進につながっていくことを期待しております。
・宝ホールディングス株式会社 事業管理部長 蓮實 薫氏
ファーメンステーション社のパーパス「Fermenting a Renewable Society(発酵で楽しい社会を!)」は、弊社の企業理念「自然との調和を大切に、発酵やバイオの技術を通じて人間の健康的な暮らしと生き生きとした社会づくりに貢献します。」と共鳴することから、今回の出資に至りました。今後は、未利用資源のアップサイクルにおいて協業を進め、事業性と社会性を両立させたビジネスをファーメンステーション社と共に創ってまいりたいと考えています。
・TBSイノベーション・パートナーズ合同会社 代表パートナー 西川 直樹氏
「従来捨てられてしまうものに対し、技術とアイデアで新たな価値を生み出す」というファーメンステーションの掲げる理念に強く共感し、今回出資を決断致しました。フードロスという地球規模の社会課題に取り組むファーメンステーションへのご支援を通じ、より良い未来へ繋がる挑戦が出来ることを大変嬉しく思います。
・スパークル株式会社 代表取締役 福留秀基氏
はじめてファーメンステーションさんを知った時、美しい明日を創る事業をされていることに感銘を受けました。今回、東北振興を行う目的として運用しているステージアップファンドの最後の新規投資先として、岩手・奥州発世界規模の取り組みを応援させていただくことになったことを、大変嬉しく思います。酒井さんが「東北こそがアップサイクルの先端地となる」と仰ったことを現実のものとするために、私も微力ながら尽力していきます。
・山田メユミ氏(アイスタイル共同創業者・取締役)
ファーメンステーション社の取組みは産業界において無くてはならないものであると確信しています。サステナブルな消費生活と未来世代への責任、これらを同時に果たしていける社会を目指して、よりいっそう邁進して頂けることを心から期待しております。
■株式会社ファーメンステーション 代表取締役 酒井 里奈からのコメント
地球温暖化が進み、脱炭素化社会の構築が求められる中で、世の中にあふれる未利用資源を再生・循環することの重要性は、ますます高まっています。
このような状況下、ファーメンステーションでは、ここ数年間、チームを増強し、未利用資源を用いた発酵アップサイクル技術や、原料化・事業化まで対応可能な一気通貫の体制を確立、これからの世の中に必要な技術・素材開発、事業開発を進めてまいりました。
今回の資金調達で、バイオものづくりスタートアップとして、事業開発・研究開発をさらに強化し、国内外市場でのバイオ素材のリーディングカンパニーを目指します。
Fermenting a Renewable Societyのパーパスに共感してくださった新たな投資家の皆さまとご一緒できることを心強く、大変嬉しく思っています。
既存株主さま、そして新たに加わってくださった株主の皆さまにもお力添えをいただき、ステークホルダーの皆さまとともに、そして力強いファーメンステーションのメンバーで事業性と社会性の両立、拡大、そして未利用資源が「未利用」でなくなる循環型社会の構築を進めます。
どうぞお力添え、よろしくお願いいたします!
【ファーメンステーションについて】
ファーメンステーションは「Fermenting a Renewable Society(発酵で楽しい社会を!)」をパーパスに、未利用資源を再生・循環させる社会の構築を目指すバイオものづくりスタートアップです。独自の未利用バイオマス・微生物データベースと発酵アップサイクル技術を活用し、フードロス/ウェイストおよびその他未利用バイオマス由来のバイオ素材を開発・製造しています。発酵アップサイクル技術の基盤と開発するアップサイクル原料をもとに複数の事業を展開しており、化粧品等の原料製造・販売を行う「原料事業」、パートナー企業と共創し食品・飲料工場の製造過程等で出る副産物・食品残さ等をアップサイクルしたバイオ素材等を開発する「共創事業」、アップサイクル原料を活用し原料提案から製品開発まで一貫して引き受けられる化粧品・ライフスタイル製品等の「OEM/ODM事業」、オーガニック化粧品を展開する「自社ブランド事業」を行っております。
岩手県奥州市に自社工場を持つことで、開発から製造まで一気通貫で対応可能であり、製造過程で生じる発酵副産物を最大限化粧品原料や地域の鶏や牛の飼料として利用することで、可能な限り廃棄物を少なくする循環型モデルを構築し、地域循環型社会の形成にも取り組んでおります。
また、地域社会、環境、カスタマー、従業員に対して多面的・包括的な利益を生む事業活動を実践する企業を認証する国際的な制度「B Corp 認証」を取得しており、経済産業省から「J-Startup」「J-Startup Impact」に選定されています。
会社名 : 株式会社ファーメンステーション
代表者 : 代表取締役 酒井 里奈
所在地 : 〒130-0005 東京都墨田区東駒形2丁目20-2
設立 : 2009年7月7日
事業内容 : 発酵アップサイクル技術を活用した未利用バイオマス(フードロス等)由来のバイオ素材の研究開発および製造販売、独自技術・ノウハウを活用した事業共創・共同研究開発、アップサイクル原料を活用した化粧品・雑貨OEM/ODM、自社オーガニックブランド事業
自社サイト :https://fermenstation.co.jp/
オンラインショップ :http://www.fermenstation.jp/
原料事業紹介 :https://fermenstation.co.jp/material/
共創事業紹介 :https://fermenstation.co.jp/collabo/
OEM/ODM事業紹介 :https://fermenstation.co.jp/oem/
技術紹介 :https://fermenstation.co.jp/technology/
このニュースに関するお問い合わせは、下記までお願いいたします。
株式会社ファーメンステーション 北畠 Tel:03-6206-9485 E-mail:info@fermenstation.jp
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