<事後リリース>アカリク、『カゴメHRBPの事例から考える「戦略人事の最先端」』ウェビナーを開催!HRBPを含めた組織改革術に質問殺到

登壇者|カゴメ株式会社 常務執行役員CHO 有沢 正人 氏、法政大学 キャリアデザイン学部教授 田中 研之輔 氏

株式会社アカリク

 技術者・研究者のキャリア支援に特化した事業を15年にわたって続けている株式会社アカリク(本社:東京都渋谷区、代表取締役:山田諒、以下 アカリク)が主催するHR領域の課題・最新動向について、企業の皆さまと学びあいノウハウを共有する場「アカリクサミット」の取り組みとして、2022年2月24日にカゴメ株式会社 常務執行役員CHO 有沢氏と、法政大学教授の田中氏をゲストとしてお迎えし、『カゴメHRBPの事例から考える「戦略人事の最先端」』と題した戦略人事に関するウェビナーを開催いたしました。イベントには申込者333名が参加され、時間いっぱいまで質問が殺到した様子をイベントレポートとして抜粋して発表いたします。
  • カゴメHRBPの事例|登壇者 カゴメ株式会社 常務執行役員CHO(最高人事責任者)有沢 正人 氏

・人材戦略の中の人的資本について拡充するにあたってHRBPが必要だった
・カゴメにおけるHRBPの役割
 ー2025年の野菜の会社としての変革・成長に向け、人材の自律的成長は要
 ー人材・組織両面の成長を支え促進するため、2017年度よりHRBP機能を導入した
・カゴメの成長に資する個人の自律的成長を促進するとともに、現場人事課題を明確化し、経営や本部へ連携しながら着実に課題を解決していく
→個人が何をやりたいかを方向付け、会社がサポートする形式
・育成担当のプロファイル
 ー現場経験が豊富であり、人事課題の解決に資する問題解決能力と、本部・経営を繋ぐ人脈、個人の成長を心から支援できる人間性を備えた人材を登用。
・人的資本経営を目指したHRBPの今後の展望|HRBP機能を拡大、充実させ、より経営主体の人事へと転換していく
 
  •  新人材戦略から考えるHRBP論|登壇者 法政大学 キャリアデザイン学部教授 田中 研之輔 氏・2022年、企業が取り組むべき重要課題

・2022年、企業が取り組むべき重要課題
 ー生産性が低いのはなぜ?競争力が低いのはなぜ?心理的満足度も組織内エンゲージメントも低いのはなぜ?
・2022年、キャリア自律を促進させる2つのX(DX・CX)
・人的資源から人的資本への転換(今いる人材をどう伸ばすか)
◉人的資本の最大化:総合的かつ戦略的なキャリア開発
◉人的資本の情報開示:ISO 11項目の検討
・キャリア自律を促す人事諸制度の方向性
 ーHRM→HCM
 ー人的資源管理(現状の人的資源を活用する)
 →人的資本管理(人的資本をHRテクノロジーを導入して戦略的にグロース
 
  • トークセッション

Q:HRBPに参画されている人の中で、もともと労働組合にいた方もいらっしゃるのですか?
  • A:特に意識したわけではないですが、います。意識したことと言えば、人事部のキャリアがない人を選出しました。現場・経営の目線で見るためにはそれが必要でした。組合出身の方は、経営の目線と同じことが多いので、メンバーに入れています。

Q:HRBPの部門を作れない企業にはどんなアドバイスをしますか?
  • A:HRBPを無理に作らなくていいと思います。個人のキャリアを支えることに徹することができれば、母体が必ずしも人事じゃなくていいと思います。まずは、仕組みやカルチャーを育てることから始めた方がいいと思います。

Q:カゴメさんは、情報開示に向けて生産性を数値化する準備はできていますか?
  • A:労働生産性は情報開示している。コロナ禍になってからの方が労働生産性が最大化した。カゴメは在宅勤務になってからの方が生産性やエンゲージメントサーベイの結果はいいようです。誤解を恐れず申せば会社にいくことと生産性の向上は基本的に関係がないことが立証されたと思っています。情報開示できるか否かはインプットとアウトプットを何にするかを経営的に決めてしまえばいいだけです。

Q:キャリア自律をさせるべき、人的資本の最大化などというのは誰もが分かっており、言うは易しです。ではなぜできないのか?個人的には、雇用政策や労働法が非常に厳しいがゆえに、人材の流動化が進まないのが根本的要因にあると思っています。企業における健全な代謝を促すことが大きなキーであると思いますが、それについてはどのようにお考えですか?
  • A:透明性、納得性を持って実施することです。これからはアトラクト、いい人をいかに引っ張ってこれるかが大事だと思います。

Q:生産性の話がありましたが、HRBPの有効性を図るKPIの設定は行われるのでしょうか?
  • A:労働生産性、エンゲージサーベイの結果、個人の満足度、エンゲージメント、個人のニーズと経営のニーズのマッチングの比率などの項目に対し計測しています。

Q:長い歴史のある企業の場合、全く新しい組織を作る以上に組織文化の変革には難しさがあるのではないかと推測します。抜本的な改革を行われる際に、経営層や社員の納得を得るためにコミュニケーションで気をつけられていることがあればお教えいただけますでしょうか。なかなかエース的人材をHRBPに抜擢するのは難しいのではないでしょうか?
  • A:経営者にメッセージをたくさん出してもらっており、その際に「人事が一番大事だ。人的資本に大きく舵を切ったんだ。人はコスト(人件費)ではなくインベスト(投資)だ。」と発信してもらっています。

Q:当社は、組織マネージャーが、配下メンバーのキャリア構築に向けたコーチング等の役割を担って頂いています。カゴメでは、組織マネージャーの役割はどのように捉えていますか?
  • A:HRBPが組織マネージャーをサポートする仕組みにしています。HRBPとマネージャーの関係もよくないといけないですが、評価はラインのマネージャーが実施しています。

Q:上司は「個人が自律的にキャリアを考える」ということに対して、どちらかというと否定的なイメージを持っています。こういった意見を持つ上司や経営層を説得するためには、「生産性が上がるのか」がポイントだと思います。実際はいかがでしょうか?実例や研究結果などありますでしょうか?
  • A:議論を活発にすること、そしてその議論の過程をよく見ることが大切です。

Q:個人のキャリアパスを尊重することで、組織運営上、新たな課題等は出てこないのでしょうか?
  • A:経営のニーズと個人のニーズをどこでマッチングさせるかが大切です。原則はまずは個人の考え方を尊重します。ただどうしてもキャリア形成上、会社のニーズを優先する場合は、きちんと説明責任をはたすことが大切です。結果それが個人のエンゲージメントをあげることになることが重要です。

Q:当社の経営者は、管理人事⇒戦略人事になるべきだと表面上は発言しております。ですが、実際は、1人約3~5年の育成がかかり、その人材が4名いないと新店出店ができない業種です。3か月で1店舗の出店計画を作成と、あまり人事部の戦略に対して重要視していただけません。どのようにして、戦略人事としての立場を獲得していけばよいでしょうか。
  • A:その通り、経営陣に戦略人事をどのように考えているか聞くことが大事です。それが社員に腹落ちしていないと進みません。経営者が何を認識していて、それを社員に伝えることが大前提です。

Q:当社ではキャリアオーナーシップ人事がまだまだ難しく、玉突き異動のようになってしまい、個人のキャリア志向は二の次になってしまっているのが現状です。そもそも上層部が「本人がやりたいことより会社がやらせたいこと」と本人の意思に反した異動も普通にやってのけてしまう考え方なので、まずは有沢さんがおっしゃるような「個人のキャリア自律を会社が支援する」風土をつくるべきではないかと思います。キャリアオーナーシップを実現させるために、どのように働きかけたらよいでしょうか。
  • A:自分で言うのもなんですがCHROの存在が大きいと思います。そして会社と従業員のより良い関係性を探し出しながら人的資本ポテンシャルの最大化をすることが大切です。組織を変えるのは経営者、その経営者の閉じたマインドを開かせるために、気づきを与えるセミナーなどに参加してもらうことが良いのではないでしょうか。

Q:我が社は人件費生産性を指標として、動いてますが労働生産性を指標としてる背景を教えていただけるとありがたいです。
  • A:人件費という言葉を使っている時点でヒューマンリソース(資源=コスト)になってしまう。重ねて申し上げますが、人的資本ではインベストの概念で考えることが大切です。

Q:工場勤務や・研究職の方々は出社が基本だと思いますが、その方々の生産性も変化があったのでしょうか?
  • A:工場勤務者は在宅できませんが、カゴメはコロナの状況でも営業最高益を出したことが、作ったものがお客様に支持されていると捉えられ、工場勤務者のモチベーションにつながりました。また、流通の場面でも、しっかり商品を届けてくれるお互いの信頼感が、労働生産性の向上につながりました。営業〜工場までの連携が上手くいって、お客様に価値を届けるその意味を社員一人一人が理解したことが数字に現れたのだと思います。
 
  • 登壇者・モデレーター紹介
カゴメ株式会社 常務執行役員CHO(最高人事責任者)有沢 正人 氏
1984年に協和銀行(現りそな銀行)に入行。銀行派遣により米国でMBAを取得後、主に人事、経営企画に携わる。2004年にHOYA株式会社に入社。人事担当ディレクターとして全世界のHOYAグループの人事を統括。全世界共通の職務等級制度や評価制度の導入を行う。また委員会設置会社として指名委員会、報酬委員会の事務局長も兼任。グローバルサクセッションプランの導入等を通じて事業部の枠を超えたグローバルな人事制度を構築する。
2008年にAIU保険会社(現AIG損害保険)に人事担当執行役員として入社。ニューヨークの本社とともに日本独自のジョブグレーディング制度や評価体系を構築する。
2012年1月にカゴメ株式会社に特別顧問として入社。カゴメ株式会社の人事面でのグローバル化の統括責任者となり、全世界共通の人事制度の構築を行っている。同年10月より執行役員人事部長に就任。2018年4月より常務執行役員CHO(最高人事責任者)となり国内だけでなく全世界のカゴメの人事最高責任者に。

法政大学 キャリアデザイン学部教授 田中 研之輔 氏
UC. Berkeley元客員研究員 University of Melbourne元客員研究員 日本学術振興会特別研究員SPD 東京大学 /博士:社会学。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。専門はキャリア論、組織論。社外取締役・社外顧問を30社歴任。個人投資家。著書26冊。最新刊に『ビジトレ−今日から始めるミドルシニアのキャリア開発』日経ビジネス 日経STYLE他メディア多数連載 プログラム開発・新規事業開発を得意とする。

株式会社アカリク 代表取締役 山田 諒
1988年8月生まれ。神奈川県相模原市出身。
社員研修や人材育成、転職・就職支援等、HR経歴10年以上。
前職ではITエンジニアに特化した人材紹介事業を立ち上げ、100名規模に成長。
自身は事業部長として新卒・転職エージェントとヘッドハンティング領域を管轄。
2021年4月より株式会社アカリク代表取締役社長に就任。
 
お茶の水女子大学 大学院生 鳥山菜海子 氏(モデレーター)
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科理学専攻情報科学コースにて、気象学の研究室に所属。台風の眼の直径を決定するメカニズムを明らかにするため、衛星画像処理や数値シミュレーションを用いた研究に従事している。2021年6月、お茶の水女子大学の開発コミュニティTEAraを設立し、大学で学べる学術的知識と企業の求める実践的スキルのギャップを埋めるため、学内での勉強会やLT大会などを運営している。現在は株式会社メルカリにて、バックエンドエンジニアとしてインターンシッププログラムに参加中。
 
  • アカリクについて
 アカリクは「知恵の流通の最適化」というコーポレートミッションのもと、大学院生や研究者の方々のキャリア支援を行っています。高度研究機関である大学院・その他研究機関において日々産み出される「知恵」を広く社会・産業界につなぐことで価値を創出し、「知恵の流通」の最適化に貢献していくことを目指しています。研究に関わる事業を多方面で展開することで、日本の研究レベルが上がり、大学院生のキャリア選択肢が増え、さらには研究者を目指す人が増えることで優秀な研究者が増え、世の中の企業活動が活発化し、ユニークなサービスがたくさん産み出されていく…そんな世界のプラットフォームになることを目指しています。

会社名:株式会社アカリク(https://acaric.co.jp/
創業 :2006年11月
代表者:代表取締役 山田諒
所在地:東京都渋谷区渋谷2-1-5 青山第一田中ビル2階
資本金:1億1500万円
事業 :大学院生・ポスドク向け就活情報サイト「アカリク」の運営、研究分野・業種・職種別イベントの企画開催、大学等でのキャリアセミナーの実施、新卒大学院生・若手研究者・大学院出身者の人材紹介、オンラインLaTeXエディター「Cloud LaTeX」の運営など。

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ビジネスカテゴリ
経営・コンサルティング
関連リンク
https://acaric.co.jp/
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

株式会社アカリク

10フォロワー

RSS
URL
https://acaric.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区渋谷2-1-5 青山第一田中ビル2階
電話番号
03-5464-2125
代表者名
山田 諒
上場
未上場
資本金
1億1500万円
設立
2010年05月