【SaaS is Deadは本当か?】約8割が成長の壁を実感する中、RevOps・AI・バーティカル化に活路を見出すSaaS企業の現在地

かつての「量の拡大」モデルは成熟期へ―顧客のビジネス成果にコミットする「成果創出型」SaaSの時代が到来

株式会社エムエム総研

「セールス、マーケティングのデジタルシフト」を支援するマーケティングカンパニー、株式会社エムエム総研(本社所在地:東京都新宿区、代表取締役CEO:萩原 張広 以下、「エムエム総研」)が運営するSaaSセールス特化型転職エージェント『マーキャリNEXT CAREER』は、SaaS事業を行う企業の経営層、管理職、事業戦略・推進に携わる方を対象に、「SaaS is Deadが示唆する従来型モデルの限界と次なる進化」に関する調査を実施しました。

本調査から、多くのSaaS企業が成長を維持しながらも、従来の画一的な拡大モデルからは脱却し、バーティカル展開やRevOps推進など次なる成長戦略が“多様化”していることが明らかになりました。

<調査背景>

「SaaSは死んだ(SaaS is Dead)」

近年、かつての急成長モデルの限界を指摘するこの言葉が、市場を騒がせています。

新規顧客獲得コスト(CAC)の高騰や、既存顧客の選別によるチャーンの加速。さらに、ビジネス環境を根本から変えるAIの登場。

これまでの「成功の方程式」が通用しなくなった今、SaaS業界は機能改善だけでなく、ビジネスモデルそのものの進化を求められています。

果たして、SaaS業界はこの「転換期」をどう捉え、どのような次なる成長戦略を描いているのでしょうか。

<調査結果サマリー>

・SaaS事業を行う半数以上の企業が年間10%以上の成長を維持

・約8割が「従来型SaaS成長モデルの限界」を実感

・高成長企業ほど「RevOps」構築率が高い傾向が明らかに

・AI活用、バーティカル展開、成果コミット型への進化が次なる成長の主軸へ

・SaaS市場は衰退ではなく、成熟に伴う「第二成長フェーズ」へ

調査結果の全容は下記よりご覧いただけます。

「SaaS is Dead」ではなく「従来型モデルの限界」。数字は順調でも、約8割が成長の壁を感じる理由とは

はじめに、「現在のSaaS事業の成長状況」について尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。

『年間30%以上の成長(12.1%)』

『年間10%〜30%未満の成長(43.3%)』

『年間1%〜10%未満の成長(29.2%)』

『横ばい(14.3%)』

『マイナス成長(1.1%)』

「SaaS is Dead」が囁かれる市場環境にあっても、半数以上の企業が「年間10%以上」の成長を維持しており、全体としては成長基調であることがうかがえます。

一方で、「10%未満」や「横ばい」にとどまる企業も一定数あり、成長を牽引して規模を拡大し続ける層と、伸び悩む層とで二極化が進んでいる可能性が考えられます。

次に、「自社のSaaS事業規模(ARR:年間経常収益)」について尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。

『ARR 1億円未満(15.3%)』

『ARR 1億円~10億円未満(34.5%)』

『ARR 10億円〜50億円未満(29.0%)』

『ARR 50億円~100億円未満(9.7%)』

『ARR 100億円以上(3.0%)』

『わからない(8.5%)』

全体の約6割が「ARR 1億円~50億円未満」の中堅ゾーンに集中する結果となりました。

この規模のSaaS企業は、初期のプロダクトマーケットフィット(PMF)をすでに達成し、事業として一定の顧客基盤を確立した段階にあると推測されます。

そのような中、これまでのような右肩上がりの成長に警鐘を鳴らす『SaaS is Dead』という風潮をどのように感じているのでしょうか。

「現在のSaaS市場において、成長の壁などを指摘する『SaaS is Dead』という風潮をどの程度実感しているか」と尋ねたところ、約8割が『非常に実感している(成長の壁や事業環境の厳しさを感じる)(22.8%)』『やや実感している(以前ほどの成長は難しいと感じる)(57.9%)』と回答しました。

大多数が、かつてのような「量の拡大」を前提とした従来型SaaS成長モデルは限界を迎えつつあると認識していることが明らかになりました。

先ほどの質問で、半数以上の企業が年間10%以上の成長を示している実態を踏まえると、業績と現場の意識には差があることがうかがえます。

では、その具体的な要因は何だと考えているのでしょうか。

「『SaaS is Dead』の要因として最も大きいと考えるもの」について尋ねたところ、『既存顧客の解約率(チャーンレート)の悪化やLTV(顧客生涯価値)の低下(28.4%)』と回答した方が最も多く、『新規顧客獲得コスト(CAC)の高騰(23.8%)』『AIなどの新技術による既存ビジネスモデルの破壊(18.7%)』と続きました。

「既存顧客の離脱やLTV(顧客生涯価値)の低下」といった収益基盤の揺らぎが、SaaS事業の成長を阻害する最大の要因として認識されていることがうかがえます。

次いで、「新規顧客獲得コスト(CAC)の高騰」が挙がり、マーケティング投資に依存した従来の顧客獲得モデルは限界を迎えつつある状況が浮き彫りになりました。

また、「AIなどの新技術の台頭による既存ビジネスモデルの破壊」が上位に挙がりました。AIの台頭は従来型のビジネスモデルにとっては脅威である反面、いち早く適応すれば強力な競争優位をもたらす変数ともなり得ます。

SaaS業界は今、外部環境の急激な変化に対応するスピードが試されていると考えられます。

こうした市場環境の変化に対し、事業運営では何が課題となっているのでしょうか。

「現在のSaaS事業運営において最も大きな課題」について尋ねたところ、『AIなど最新技術のプロダクトへの組み込み(26.6%)』と回答した方が最も多く、『マーケティング・営業の生産性向上(21.2%)』『カスタマーサクセスの強化とLTV(顧客生涯価値)の最大化(18.7%)』と続きました。

「AIなど最新技術の組み込み」が、事業運営上の最大の課題としても挙がりました。

AIを自社プロダクトにいかに早く組み込み、顧客への提供価値をアップデートできるかが、次なる成長を左右する重要なカギと捉えられているといえます。

次いで、マーケティングや営業、カスタマーサクセスといった顧客接点業務の生産性向上が並んでおり、プロダクトの進化と並行して、収益を生み出すプロセスの効率化が求められていることが明らかになりました。

高成長企業の約6割が導入済み。成長の分かれ道となる『RevOps』と成長を阻む組織のサイロ化

生産性向上やLTV(顧客生涯価値)の最大化が課題となる中、高成長を維持する企業はどのような組織体制を敷いているのでしょうか。

「現在、自社のマーケティング・営業・カスタマーサクセス(CS)部門の連携体制は、どのようになっているか」と尋ねたところ、現在のSaaS事業の成長状況別で以下のような回答結果になりました。

年間30%以上の成長を遂げている企業では、約6割が「RevOps体制」をすでに構築していることがわかりました。

高成長企業ほど、RevOpsの実装率が高いという傾向が表れています。

一方で、成長率が低い企業や横ばいの企業ほど、『一部の部門間でデータやプロセスの連携を始めている』や『各部門は独立して業務を行っており、連携・統合はしていない(従来の分業体制)』の割合が高くなっています。

この結果から、高成長企業ではマーケティング・営業・カスタマーサクセスを横断した全体最適の取り組みが進んでおり、従来の分業体制から脱却する動きが見られます。

各部門(マーケティング・営業・CS)の連携を進める上での課題、成長率ごとの今後最も注力する戦略とは…?

調査結果の全容は以下よりご覧いただけます。

【第二成長フェーズの戦略】AI活用、バーティカル化、RevOps。SaaS市場の「次なる一手」とは?

最後に、「5年後のSaaSの提供価値は、どのような形に進化すると考えるか」と尋ねたところ、『顧客の事業KPIに直接コミットするビジネス成果の提供(成果報酬型など)(28.8%)』と回答した方が最も多く、『特定業界や課題に深く入り込む専門的ノウハウ・コンサルティングの提供(28.2%)』『顧客の業務そのものを自律代行する労働力の提供(AIエージェント等)(17.9%)』と続きました。

これからは、ソフトウェアを「利用できる状態」にするだけではなく、顧客の「成果そのもの」を保証する形へとSaaSの提供価値がシフトしていくと予測されています。

また、「専門的ノウハウの提供」や「AIエージェントによる業務の自律代行」など、より深く顧客の事業に入り込むことが求められていることが明らかになりました。

SaaS事業者は今後、ツールの提供者という立ち位置を超え、顧客のビジネスパートナーとしての役割を担う必要性が高まっていくとみられます。

まとめ:従来の「量の拡大」モデルからの転換期―SaaS企業は次なるフェーズへ

今回の調査で、多くのSaaS企業が一定の成長を維持する一方で、従来型の事業モデルからの「脱却とアップデート」を見据えていることが明らかになりました。

解約率の悪化や顧客獲得コストの高騰といった要因を背景に、約8割の企業が「従来型SaaS成長モデルの限界」を実感していました。

かつてのような、マーケティング投資でリードを大量獲得し、単一のプロダクトを広く販売するだけの「量の拡大」モデルは、転換期を迎えているといえます。

また、年間30%以上の成長を遂げている企業では、すでに約6割が顧客接点のデータやプロセスを統合した「RevOps体制」を構築しているのに対し、成長率が低い企業ほど従来の分業体制にとどまる実態が浮き彫りになりました。

強固な連携体制という「実行力」の土台を築いた上で、次に求められるのは顧客への提供価値の進化です。

かつてSaaSは、業務を効率化する「ツールの提供」から始まり、その後、顧客の業務プロセス全体を支援する存在へと発展してきました。

そしてこれからのSaaS企業には、単に機能を提供するだけでなく、顧客の売上向上や生産性改善といった事業成果の創出にまで踏み込み、特定業界の課題解決や事業KPI達成により深くコミットする「成果創出型」への進化が求められています。

「SaaSは死んだ」のではなく、ツール提供型SaaSの時代が成熟し、新たな価値創造のフェーズへと移行しているのです。

自社の強みを再定義し、顧客に提供する価値を機能から成果へと拡張していくことが、これからのSaaS企業が第二成長曲線を描くための重要なテーマになるでしょう。

調査結果の全容は下記よりご覧いただけます。

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■株式会社エムエム総研:https://www.mmsouken.co.jp/

■お問い合わせURL:https://www.mmsouken.co.jp/contact/service/

■お問い合わせTEL:03-4530-4700(代表)

調査概要:「SaaS is Deadが示唆する従来型モデルの限界と次なる進化」に関する調査

【調査期間】2026年6月5日(金)~2026年6月8日(月)

【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査

【調査人数】504人

【調査対象】調査回答時にSaaS事業を行う企業の経営層、管理職、事業戦略・推進に携わると回答したモニター

【調査元】株式会社エムエム総研(https://www.mmsouken.co.jp/

【モニター提供元】サクリサ

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会社概要

株式会社エムエム総研

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URL
https://www.mmsouken.co.jp
業種
サービス業
本社所在地
東京都新宿区新宿6-27-56 新宿スクエア5F
電話番号
03-4530-4700
代表者名
萩原 張広
上場
未上場
資本金
1億円
設立
1989年03月