経済産業省、初開催の「ゼロイチファイナルピッチ 2024」アワードを発表
社会課題解決につながる社会性と事業性を兼ね備えた、有望な事業プラン3チームを表彰
「最優秀賞」には防犯カメラにおけるプライバシー問題に取り組む佐藤大稀さん・樋口大将さんと、ルワンダの雇用問題に取り組む西郡琴音さんが選出されました。「オーディエンス賞」にはギフテッドの孤独問題に取り組む渡邊眞雪さんが選出されました。※
ゼロイチファイナルピッチ2024とは?
ゼロイチファイナルピッチ2024は、「ゼロイチ」参加者10組12名(以下ゼロイチ生)が解決に挑む社会課題に関する事業プランを発表する場として、2024年2月28日(水)にSHIBUYA QWSで開催されました。ゼロイチ生は、2023年8月のプログラム開始から約7カ月間にわたり専任メンターの起業家総勢10名と、誰の何の課題を解決するのかというソーシャルコンセプトの設計や顧客の見極めなどビジネスプランの構想、そのプランにおけるサービスやプロダクトのβ版開発などに取り組んできました。その集大成としてゼロイチ生から事業プランのピッチが行われ、中でも特に有望な事業プランに、「最優秀賞※」や参加者からの投票で決まる「オーディエンス賞」が贈られました。
※「審査員賞」を「最優秀賞」に変更。審査員の総評による受賞という選定方法に変更はないですが、賞の位置づけをより明確にするため、名称を変更しました。
アワード結果
受賞者
「最優秀賞」受賞(2組)/佐藤大稀さん・樋口大将さん(取り組む社会課題:防犯カメラにおけるプライバシー問題)、西郡琴音さん(取り組む社会課題:ルワンダの雇用問題)
「オーディエンス賞」受賞/渡邊眞雪さん(取り組む社会課題:ギフテッドの孤独問題)
審査項目
最優秀賞:4つの観点(社会性・事業性・共感性・起業家力)から6人の審査員が採点し、その得票数が一番高かった事業プランが選出されました。
オーディエンス賞:会場およびオンライン視聴の参加者が「最も社会を変える期待感を感じた事業プラン」に投票し、その得票数が一番多かった事業プランが選出されました。
●アワード受賞者のコメント(一部抜粋)
「最優秀賞」受賞(2組)/
佐藤 大稀さん・樋口 大将さんのコメント(取り組む社会課題:防犯カメラにおけるプライバシー問題)
「7ヶ月間、色々な人に支えられてきました。ただ、ここからが始まり。実行力をもって課題解決のため社会に還元していきたいと思っています。(佐藤さん)」
「これまで多くの人に支えられてきました。ここから実行力をもって社会に実装されるまで頑張ることが次の目標です。(樋口さん)」
西郡 琴音さんのコメント(取り組む社会課題:ルワンダの雇用問題)
「最優秀賞に選ばれて嬉しいです。毎日、ゼロイチ生の仲間に揉まれて経験を積むことができたから、この内容でピッチができたと思っています。今年の6月からルワンダに移住する準備をしているのですが、今回の受賞が現地でビジネスを進める前のよい起爆剤になったと思っています。」
審査員を代表して、五常・アンド・カンパニー株式会社 経営企画部長、一般社団法人インパクトスタートアップ協会 理事 田中 はる奈氏のコメント
「みなさん素晴らしいピッチだったので、差を付けられず、審査員でも議論が白熱しました。その中でも、2組を選んだ理由として、防犯カメラにおけるプライバシー問題(佐藤大稀さん・樋口大将さん)については、ビジネスモデルや課題の解決方法が革新的で期待が持てる点を評価しました。ルワンダの雇用問題(西郡琴音さん)については、課題に直接アプローチしていてビジネスモデルもできあがっているという点を評価しました。実行していく中で課題を諦めずにどう乗り越えていくかが起業家の質としてとても大事なことなので、皆さんに是非頑張っていただきたいと思いました。」
「オーディエンス賞」受賞/渡邊 眞雪さんのコメント(取り組む社会課題:ギフテッドの孤独問題)
「このプログラムの7ヶ月間、長いようで長くは感じず、あっという間でした。スタート地点にやっと立てた気がしています。オーディエンス賞に選んでいただきありがとうございました。」
審査員を代表して、経済産業省 大臣官房参事/中小企業基盤整備機構 審議役 石井 芳明氏のコメント
「ケアを必要としているギフテッドの子供という、今までアクセスできていなかった部分に焦点を当ててプランを作ったことが、オーディエンスに響いたのだと思っています。ぜひ実行してほしいと思っています。」
ゼロイチファイナルピッチ2024 レポート
イベントは、経済産業省/「ゼロイチ」担当の荒川氏の挨拶から始まりました。その後、開催されたトークセッションには、株式会社ヘラルボニーの松田氏と株式会社ビビッドガーデン(食べチョク)の秋元氏、RICEMEDIAのトム氏が登壇しました。トークセッションでは「私のゼロイチストーリー」をテーマに、社会課題解決のために起業を決意した瞬間、事業立ち上げ時の困難やその乗り越え方など、それぞれの登壇者がゼロからイチを創り出した経験をもとに話しました。
その後、10組12名のゼロイチ生が、プログラムを通じてつくりあげてきた事業プランを発表するピッチが行われ、その事業プランに対し審査員がフィードバックを行いました。
10人12組の事業プラン発表後には、アワード結果を発表し計3チームが表彰されました。「最優秀賞」を受賞した佐藤大稀さん、樋口大将さん、西郡琴音さんには、世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン「IDEAS FOR GOOD」における取材と記事掲載が授与されました。「オーディエンス賞」を受賞した渡邊眞雪さんには、イベント会場であるSHIBUYA QWSのワークスペースを3か月間自由に使用できる使用権が授与されました。
最後に、ゼロイチ主催者の経済産業省 経済産業政策局 新規事業創造推進室長 富原早夏氏から
「昨今、社会課題と経済成長をともに実現するいわゆる社会起業が増えています。今日のファイナルピッチでは、これからの社会をけん引していく若い世代ならではの新鮮な視点で、社会課題解決に資する事業案を聞くことができました。このような社会起業に挑戦できるきっかけ作りや環境づくりが重要であり、経済産業省としても、引き続き産官学民で連携して支援に取り組んでいきたいです。」というプログラム全体への総評コメントがあり、閉会となりました。
■発表者と発表内容
【各コンテンツの登壇者および審査員紹介】
プロフィール詳細は、こちら( https://zeroichi-final-240228.peatix.com )をご覧下さい
トークセッション 「私のゼロイチストーリー」登壇者
(左から順に)
株式会社ビビッドガーデン(食べチョク) 代表取締役社長 秋元 里奈氏
株式会社ヘラルボニー 代表取締役Co-CEO 松田 文登氏
RICE MEDIA 代表 トム氏(モデレーター)
閉会の挨拶
経済産業省 経済産業政策局 新規事業創造推進室長 富原早夏氏
審査員
(左から順に)
社会起業家/新公益連盟 代表理事 白井 智子氏
五常・アンド・カンパニー株式会社 経営企画部長、一般社団法人インパクトスタートアップ協会 理事 田中 はる奈氏
レオス・キャピタルワークス株式会社 代表取締役会長兼社長 CE0 & CIO 藤野 英人氏
経済産業省 大臣官房参事/中小企業基盤整備機構 審議役 石井 芳明氏
株式会社ボーダレス・ジャパン 代表取締役社長 田口 一成氏
株式会社Ridilover 代表取締役 安部 敏樹氏
「ゼロイチ」とは?
「ゼロイチ」は、次世代を担う社会起業家を育成する官民連携のプログラムで、2023年4月に発足しました。主な対象者は、「社会課題の解決のために何かしら行動をしてきたが、もっと大きく社会を変えたい、『ゼロ』の中から社会を変える『イチ』を生み出したい」などの社会課題の解決に志を持つ、日本居住の学生です。現在、日本社会、特に若い世代では、社会課題を解決するために社会課題解決を目的とした起業の広がりが強く感じられます。学生の社会的起業への志を絶やさないために、社会的起業の土壌づくりから事業開発までをハンズオン支援を行うプログラムです。
· Webサイト:https://01zeroichi.jp/
· X(旧Twitter)アカウント:https://twitter.com/01_acceleration
· LINEオープンチャット:https://x.gd/Y5lZz
「ゼロイチ」プログラム運営事務局について
株式会社ボーダレス・ジャパンと株式会社Ridilover(リディラバ)の協働で事務局を運営しています。
■ 株式会社ボーダレス・ジャパン 「ソーシャル・ビジネスで世界を変える」ことを目指し、社会起業家が集うプラットフォームカンパニーとして2007年3月設立。貧困・環境問題など社会問題の壁を超える51の事業を世界13カ国で展開。2022年度の売上高は75.0億円を超えています。社会起業家を次々と生み出すビジネスモデルを評価され、「グッドデザイン賞 ビジネスモデル部門(2019)」「大切にしたい会社大賞・審査員特別賞(2019)」「CSA賞〜20代に薦めたい「次世代型⼈材」創出企業〜」を受賞。 所在地:東京都新宿区市谷田町2-17 八重洲市谷ビル10F 設立 :2007年 代表者:代表取締役社長 田口一成 事業内容:社会問題の解決を目的とした事業展開(ハーブティー事業、革製品事業、クラウドファンディング事業、ソーシャルビジネススクール事業、自然エネルギー事業) |
■ 株式会社Ridilover(リディラバ) 「社会の無関心の打破」をミッションとして、2009 年に事業を開始し、2013 年に法人化。現在は、教育旅行事業、企業研修事業、メディア・コミュニティ事業を実施。社会課題解決に向けた資源投入を行なう事業開発や政策立案事業も手掛けます。設立以来 14 年間、400 種類以上の社会課題を各事業で扱ってきました。2022年からは、機関投資家向けファンド「コモンズ・インパクトファンド」(当初設定金額100億円)において、社会的インパクトの設定、評価にも取り組んでいます。 所在地:東京都文京区本郷3-9-1 井口ビル2階 設立 :2013年 代表者:代表 安部敏樹 事業内容:社会問題を扱うウェブメディア・コミュニティ事業、社会問題に関する教育・研修事業、 カンファレンス事業、教育事業、企業・官公庁との協働事業 |
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