地域金融機関のサステナビリティに向けた取り組み
先日、当社は地域金融機関との初の取り組みとして、京都信用金庫と「京信ポイントBANK」をリリースしました。本協業を通じて、地域金融機関には時流に沿ったサービスを提供するだけでなく、地域社会との共生やサステナブルな取り組みが求められ、時には独自の視点で価値を創出する重要な役割があることを認識しました。
現在、金融機関はビジネスモデルやマインドセットを含め、サービス業への転換を求められているように思います。今回、私たちが協業した地域金融機関では、その流れが現実化しつつあると感じます。
私たちSTOCK POINTがその取り組みの一助になればと思いレポートにまとめました。

<地域金融機関が提供するポイントサービス>
金融機関のポイントサービスには、「ステージ制」と「マイレージ制」の2種類があります。
「ステージ制」は、取引状況に応じてランクを設定し、振込手数料の無料化など、主に金融機関内で利用できる特典を提供しています。一方「マイレージ制」は、取引ごとにポイントが貯まり、地域マネーや地元特産品、他社ポイントなどと交換でき、主に金融機関外での利用が可能なため、地域経済への貢献が期待されています。
近年、これらを併用する地域金融機関が増え、デジタル地域通貨や地域ポイントとの連携が進んでいることもあり、地域経済の活性化が期待されています。

広島銀行の「ひろぎんポイントサービス」
広島銀行の「ひろぎんポイントサービス」では、「ステージ制」と「マイレージ制」の両方を採用しています。利用者は「ひろぎんアプリ」に登録することで、取引内容に応じて「ひろぎんポイント」を獲得し、特典を受けられます。
貯まったポイントはアプリで確認でき、地域ポイントやdポイント、Pontaポイント、Vポイントなどに交換可能です。更に、取引状況に応じてステージが決定され、ATMの時間外手数料の優遇など、さまざまな特典が提供されます。

京都信用金庫の「京信ポイントBANK」
京都信用金庫は、従来の「ステージ制」に加え、2025年3月から「マイレージ制」のポイントサービス「京信ポイントBANK」を開始しました。「てのひら京信」アプリと連携することで、取引内容に応じて「京信ポイント」が貯まり、貯めたポイントを地元の上場企業の株価と連動して運用できる「地域応援コース」を通じ地元企業を応援することができます。更に、将来的には地域ポイントや地域通貨との連携も視野に入れ、地域社会に新たな価値を提供していくことを目指しています。
<自治体×地域金融機関が発行するデジタル地域通貨>
1990年代後半から2000年代前半にかけて一時ブームとなった地域通貨が、近年再び注目を集めています。Fintechの進化やコロナ禍による非接触ニーズの高まりを受け、デジタル化が進んだことで、「デジタル地域通貨」として地方創生を支えるツールとしての期待が高まっています。

飛騨信用組合が運営する「さるぼぼコイン」
「さるぼぼコイン」は、全国初の金融機関が発行するデジタル地域通貨として、2017年にサービスを開始。岐阜県高山市、飛騨市、白川村で流通しており、現金や飛騨信用組合の預金を「コイン」に変換しスマホにチャージして利用できます。チャージ額の1%がポイントとして付与され、1ポイント=1円として決済に利用可能です。さるぼぼコインは地元の約2,000店舗で利用でき、地元住民はもちろん、観光客にも便利で魅力的な決済手段となっています。24年3月時点で、さるぼぼコインの累計決済金額は約104億円に達しています。

トマト銀行が運営する「まにこいん」
「まにこいん」は、岡山県真庭市で利用できるデジタル通貨として2023年にサービスを開始。トマト銀行や中国銀行の口座からチャージが可能で、真庭市での暮らしや体験をより便利で豊かにするさまざまなサービスや機能を提供しています。更に、ポイント機能を備えたポータルアプリ「まにあぷり」として進化し、地域経済の循環を促進しています。24年7月時点で、まにこいんの総流通金額は1億7,478万円に達しています。
<地域金融機関が作る地域商社>
地域商社は、地元特産品の販路拡大、地域資源の有効活用、事業者支援などを通じて、持続可能な地域経済の発展を促す役割を担っています。特に、地域金融機関が経営することで、そのネットワークや信頼性を活かし、資金提供からマーケティング、流通支援まで総合的なサポートを行うことが可能となります。

阿波銀行、百十四銀行、伊予銀行、四国銀行が各々25%ずつ出資している「Shikokuブランド株式会社」
「Shikokuブランド株式会社」は、四国4県の地方銀行が志を一つにし、共同で設立した国内初の地域商社です。
四国が持つ知られざる魅力を磨き上げ、日本全国、そして世界へと発信し、四国の新たな懸け橋として、地域経済の発展に貢献しています。

京都中央信用金庫が100%出資している「京都アンプリチュード株式会社」
「京都アンプリチュード株式会社」は、京都の伝統的な文化に新しい光を当て、現代のライフスタイルに溶け込んだ豊かな価値を創出しています。更に、地域の新たな資源を世界へ発信し、地域経済の成長を支える役割を担っています。
最後に、地方の過疎化や高齢化といった課題はすぐに解決策を見いだすことは難しいですが、地域金融機関が「金融業からサービス業へ」という挑戦を掲げ、「脱・銀行」の発想をもとに、お客様目線に立った独自のサービスを展開し、地域経済の活性化に取り組んでいる事例は増えています。
すべての課題をテクノロジーだけで解決することはできませんが、地域金融機関のユニークな取り組みに私たちの持つFintech技術を組み合わせることで、新たなサービスを創出し、共に地域社会の発展に貢献していきたいと考えています。
※地域金融機関とは、特定地域を主要な営業基盤とする金融機関で、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合、農業協同組合、漁業協同組合、労働金庫などを指します。
◆STOCK POINTについて
“生活と投資がつながり、人と社会が結び付き発展する世界のインフラサービスになる” をミッションに掲げ、あらゆる金融商品の市場価格と連動してポイントが増減する『株価連動型ポイント運用システム』を開発。「投資体験」や「株主体験」ができるユニークなポイント運用サービスを提供。
地方の金融機関との連携強化や、脱炭素に向けたJ-クレジットの値動きとの連動など、フィンテック関連のソリューションにも積極的に取り組んでいます。
日本、米国、台湾で「株価連動型ポイント」のビジネスモデル特許を取得。
<会社概要>
会社名:STOCK POINT 株式会社
所在地:東京都港区西新橋1丁目1番1号 日比谷フォートタワー10階 WeWork
代表者:代表取締役社長 美好 琢磨
設立日:2016 年 9 月 12 日
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