NetAppが「2024年クラウドの複雑性に関するレポート」を発表 AI格差により、「変革か没落」の時代が世界規模で到来することが明らかに
~AI先進国のトップはインド、日本は最下位~
今年度のレポートでは、昨年のレポートからの進展、企業のAIに対するレディネス、AIの課題と成長スピード、AI先進国とAI後進国から学べること、AIを成功に導くための統合データインフラストラクチャの重要な役割についての世界的な洞察などを紹介しています。
AI先進国とAI後進国の企業間にある大きな格差
レポートにより、いくつかの分野において、AI先進国とAI後進国の企業間に明らかな格差があることが判明しました。
地域:AIのプロジェクトの進行度を示す「AIジャーニー」においてトップはインド(70%)、最下位は日本(19%)であることがわかりました。AI先進国(インド、シンガポール、英国、米国)は、平均すると60%がAIプロジェクトを進行中または試験導入中で、対照的であるAI後進国(スペイン、オーストラリア/ニュージーランド、ドイツ、日本)は、平均すると36%がAIプロジェクトを進行、または試験導入しています。
業界:テクノロジ業界では、AIプロジェクトの70%が進行中、または試験導入されており、銀行や金融サービスが55%、製造業が50%と続きます。しかし、ヘルスケア(38%)とメディア、エンターテイメント(25%)などの業界は遅れを取っています。
企業規模:大企業(従業員が250名以上)の方がAIプロジェクトを進めている傾向が高く、62%がプロジェクト稼働中と報告されています。それに対し、中小企業(従業員250名未満)は36%となっています。
NetApp クラウドストレージ部門 ゼネラルマネジャー兼シニアバイスプレジデント Pravjit Tiwanaは次のように述べています。「幅広い構造化および非構造化データセットをインテリジェント データ インフラストラクチャに接続、統合するデータ対応ができている企業は、AI時代を勝ち抜くのに優位な立ち位置にあります。AIは、その燃料であるデータに依存しています。一般的なハイブリッドIT環境では、AI先進国もAI後進国も、データがより統合的で信頼できるほどAIの取り組みが成功する可能性が高まることが示されています」
AI先進国とAI後進国の企業間のAIへのアプローチの違い
世界的に、AI先進国の企業の67%がハイブリッドのIT環境を有しています。インドがAI先進国のトップ(70%)となっており、日本は遅れを取っています。(24%)
AI先駆者はAIによるメリットを報告する傾向が高く、50%の生産率向上、46%のルーチン業務自動化、45%の顧客体験改善などの報告が挙げられています。
NetApp最高マーケティング責任者(CMO)のGabie Bokoは次のように述べています。「AIの到来は、時代に変革をもたらすか、もしくは没落する時代をもたらします。広範な構造および非構造データセットをインテリジェント データ インフラストラクチャに接続・統合するデータ対応ができている企業は、AI時代を勝ち抜きやすいでしょう」
AIに後れを取る企業は、競争力維持のために迅速なイノベーションが不可欠である
格差があるにも関わらず、AI後進国のAI向けのIT環境の準備は著しく進んでいます。しかし、AI先進国に追いつくことは急激に難しくなりつつあります。
ドイツ(67%)やスペイン(59%)など、AI後進国のかなりの数の企業(42%)が、AI向けにIT環境を最適化しています。
一部のAI後進国の企業では既に統合データ インフラストラクチャが配置され、下記のようなメリットが見られるとの報告があります。
より簡単なデータ共有:スペイン(45%)、オーストラリア/ニュージーランド(43%)、ドイツ(44%)
可視化性の向上:スペイン(54%)、ドイツ(46%)
日本では、組織のデータに対する可視性の向上(33%)の割合がもっとも高く、次いでクラウドとオンプレミスのシステム間でのデータ共有の容易さ(25%)、データがどこにあっても同じツールとオペレーティング システムでデータの制御と管理が簡素化される(24%)、となっています。
アジア太平洋地域のNetApp CTO クラウド アーキテクチャ Matthew Swinbourneは、次のように述べています。「APACのリーダーたちは、AIがもたらす効率性と革新性の向上を認識しています。AI先進国であろうとAI後進国の企業であろうと、AIへの投資から最高のベネフィットを得るためには、AIを導入する前にIT環境を最適化することが最も重要です」
ITコストとデータセキュリティが最大の課題として浮上―しかしそれはAIの進展に支障をきたさないことが明らかに
ITコストとデータセキュリティの確保は、AI時代における2つの最大の課題となっています。しかし、それらがAIの進化を妨げることはありません。その代わりに、AIリーダーは規模を縮小したり、その他IT業務のコストを削減、また、事業の他の部分からコストを再分配することで、AIイニシアチブに資金を出すことになるでしょう。
AIリーダーはまた、2024年を通じてクラウド運用(CloudOps)、データセキュリティ、AI投資を増やすとされており、大企業の40%はAIプロジェクトにより既にITコストが上がっていると回答しています。
前年比で、「増加するサイバーセキュリティリスク」は45%から61%へと16%増加し、その他の懸念は全て減少しています。
AIプロジェクトのコスト管理のため、世界の企業の31%は他の事業領域からコストを再分配しており、インド(48%)、英国(40%)、米国(35%)が先導しています。
日本では、16%の企業がAIプロジェクトによってITコストがすでに増加していると回答しました。日本の回答者の35%は「サイバーセキュリティリスクの増加」を最大の懸念事項として挙げ、9%はAIプロジェクトのコストを管理するために他の事業領域から資金を再配分していると回答しています。
セキュリティ、AI、CloudOpsが2024年のクラウド投資を推進
AI先進国かAI後進国かに関わらず、世界の企業は投資拡大につれ、企業の目標達成のためにクラウドに頼っています。
AI主導のクラウド導入を増やす企業は、2024年から2030年にかけて19%増加する見込みです。
AIリーダーの85%は、今後1年間でCloudOpsの自動化を強化する予定です。
データセキュリティへの投資の増加は、2023年の33%から2024年の58%に、25%増加するなど、世界的に優先事項となっています。
日本では、クラウド展開の50%以上をAI主導のアプリケーションでサポートする企業の割合が、2024年から2030年の間に7%増加するとされています。また、AIリーダーの約22%が、今後1年間でCloudOpsの自動化を強化する予定です。2024年には、データ セキュリティへの投資が重要になると予想され、多くの回答者(64%)が2024年のクラウド投資の意思決定を促すビジネスニーズのトップ3に挙げています。
調査方法
2024年3月、NetAppはSavantaと提携し、10の市場(米国、EMEA(英国、フランス、ドイツ、スペイン)、およびAPAC(オーストラリア、ニュージーランド、インド、シンガポール、日本)の企業で、1,300人以上のテクノロジおよびデータエグゼクティブに対する数量調査を実施しました。
レポートの全文と解説画像の詳細については、https://www.netapp.com/netapp-intelligence/cloud-complexity-report/をご覧ください。
関連情報
2024 CLOUD COMPLEXITY REPORT: THE AI DEVIDE(https://www.netapp.com/pdf.html?item=/media/106150-2024-netapp-cloud-complexity-report.pdf)
2024 Cloud Complexity Report - The AI Divide Infographics(https://www.netapp.com/pdf.html?item=/media/106251-2024-netapp-cloud-complexity-infographic.pdf)
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