「リモート元年世代」2020年新卒の入社半年間の心理的変化を、新入社員定着支援アプリ『テガラみる』を通して調査

【調査レポート:新型コロナウイルスの新卒採用への影響について】

新入社員定着支援アプリ『テガラみる』を手掛け、従業員定着支援及び人事コンサルティングサービスを展開する株式会社テガラミル(本社:東京都千代田区、代表取締役:上林 時久、以下テガラミル社)は、コロナ禍真只中の2020年4月に入社した新卒社員のコンディションとその変化に焦点をあて、入社半年間の心理的変化について調査結果をまとめました。
■調査結果ダイジェスト
レポート1:2020新卒者の入社直後(4月)のコンディションは「晴れ」「雨」が共に減少「ふつう」が増加
⇒オンラインのみの関わりは、感情の変化が起き難い状況と推察
レポート22020新卒者のコンディションは、緊急事態宣言が明けた7月に急激に変化
⇒リアルな人間関係が感情の変化を生む
レポート32020新卒者のコンディション報告率(コメント報告率)が前年比10.4ポイント増加
⇒会社との繋がり・結びつきを求める気持ちが表れた
レポート4:周囲との関わりを示す「先輩」「同期」という単語の表出が、前年より減少・遅延の傾向
⇒体調に関する単語が上位に、「在宅」「出社・出勤」「コロナ」「リモート」「zoom」等の特徴も
レポート5:2020新卒者の不安は「在宅勤務」「研修不安」が多く、その不安は会社からの連絡次第で変動する傾向⇒スケジュールや業務説明と先の見通しが立つ情報を与えることが重要に

■調査結果
▼レポート1
2020新卒者の入社直後(4月)のコンディションは「晴れ」「雨」が共に減少し、「ふつう」が増加(2019年比)オンラインのみの関わりは、感情の変化が起き難い状況と推察
 

 

図1図1

新入社員定着支援アプリ「テガラみる」では、新入社員が日々の勤務終了後に、その日のコンディションを6段階の天気に例え報告される。その報告から入社直後の4月のコンディションを見てみると(図1)、中間のコンディションを指す「ふつう」の割合が2020年4月は41.5%となっており、2019年の37.1%と比較し11.7ポイント増加した。
一方で、「雨(ややわるい、わるい、さいわく合算数値)」の割合は、2020年は7.5%と2019年の14.1%と比較し6.6ポイント減少、「晴れ(さいこう、よい合算数値)」の割合は、2020年4月は54.2%と2019年の59.4%と比較し5.2ポイント減少した。
これは新型コロナウイルスの影響により在宅勤務を余儀なくされ、五感を伴わないオンラインのみの関わりとなったことで、2020新卒者に感情の変化が起き難い状況だったことによるものだと推察される。

▼レポート2
2020新卒者のコンディションは、緊急事態宣言が明けた7月に急激に変化
リアルな人間関係が感情の変化を生む

レポート2では、4月~9月までの半年間でコンディション変化を調査した(図2)。晴れ(さいこう・よい)の割合は、2020年4月55%、5月54%、6月56%、7月50%、8月42%、9月42%と、新型コロナウイルスの影響がない2019年と比較すると(4月-4ポイント、5月±0ポイント、6月+7ポイント、7月+4ポイント、8月-6ポイント、9月-7ポイント)、8月以降のコンディションの悪化が目立つ結果となった。また、2019年卒者は入社直後の晴れの割合が4月に最高値となり、月の経過とともに微減していく傾向にあったが、2020年新卒者は、4・5・6月は高位安定し、7月以降に急激に悪化している。

 

図2図2

 

これは、新型コロナウイルスの流行がやや緩和され会社に出勤し始めた時期であり、本来は5月頃から見られる傾向が、単純に7月に後ろ倒しになったと考えられる。レポート1同様、リアルな人間関係が感情の変化を生むことがこのデータに表れている。

▼レポート3
2020新卒者のコンディション報告率(コメント報告率)が前年比10.4ポイント増加
会社との繋がり・結びつきを求める気持ちが表れた

「テガラみる」導入企業では、新卒社員に対し勤務終了時のコンディション報告を推奨している。レポート3では、このコンディション報告率について調査した。

 

図3図3

2019年新卒者の4-9月は72.2%のコンディション報告率であったのに対し、2020年新卒者は82.6%と、前年同時期比で10.4ポイント増加した(図3)。これは新型コロナウイルスの影響によるリモートワーク(在宅勤務)増加により、コンディション報告という形で会社との繋がり・結びつきを求める気持ちが表れた結果ではないかと推測する。実際に、学生から社会人へと大きく環境が変化する中、就職で一人暮らしを始めた学生も多く、周囲とのつながりが物理的に薄くなる中、会社に対して繋がりを求める学生の声も散見された。

▼レポート4
周囲との関わりを示す「先輩」「同期」という単語の表出が、前年より減少・遅延の傾向
体調に関する単語が上位に、「在宅」「出社・出勤」「コロナ」「リモート」「zoom」等の特徴も

レポート4では、2020年4月から9月の間に新入社員から報告された、3万2449個のコンディション報告のコメントに記載された「単語」の変化に着目した(図4)。 

図4:コンディション報告内の頻出単語ランキング(上位30位まで表示)図4:コンディション報告内の頻出単語ランキング(上位30位まで表示)

2019年は「先輩」というワードは、現場配属後のタイミングである5月・6月に頻出するが、2020年度は4~6月は50位以下で、7月に18位、8月に16位とランキングし、前年と比較し3カ月遅れて表出した。また「同期」というワードは例年月4月5月に上位ランキングし、入社直後のコミュニケーションの多くが同期入社同士で行われていることを示しているが、2020年度は4~9月を通じ50位以下となる結果となった。
一方、2020年の頻出語上位には、「体調」「対応」「咳」など、体調に関する単語が上位を占める結果となった。これは、日々のコンディション報告時に、新入社員に対し新型コロナウイルス影響の有無の報告を義務づけた企業の影響が大きく、社員の健康管理に非常に敏感になったことの表れと読み取れる。また、「在宅」「出社・出勤」「コロナ」「リモート」「zoom」などの単語が2020年に見られることも特徴的であった。

▼レポート5
2020新卒者の不安は「在宅勤務」「研修不安」、その不安は会社からの連絡次第で変動する傾向
⇒スケジュールや業務説明と先の見通しが立つ情報を与えることが重要に

レポート5では、2020新卒社のコンディション報告に含まれる「不安」というワードに着目したところ、月次別に特徴が見られた。
 ◉ 4月 「自宅待機」「出勤」
 ◉ 5月 「コロナウイルスの終息が見えない」「在宅勤務の長期化」
 ◉ 6月 「研修が始まることへの不安」
 ◉ 7月 「緊急事態宣言明けによる出勤開始」「出勤による感染」「研修への不安」
 ◉ 8月 「先輩・上司とのコミュニケーション」
 ◉ 9月 「業務習得への不安」
これを通年時の月次別不安傾向(4月「仕事」「配属」、5月「研修」「先輩」「上司」、6月「業務習得」)と比較すると、新型コロナウイルスの影響による出勤制限をきっかけとし、研修、同期など周囲とのコミュニケーションの希薄化、業務習得すべてが遅れていることへの不安が大きいことが読み取れる。また、研修日程や業務スケジュール、会社からの指示・周知に関し、会社側からの説明・連絡が少ないことが不安を増幅させてしまっている傾向が伺えた。このことから、コロナ禍での新卒者に安心感を抱かせるためには、コミュニケーションの品質よりも、スケジュールや業務説明といった、先の見通しが立つ情報を与えることが重要であることが読み取れる。

コメント例
・「4月後半5月は自宅待機が多く出勤日の連絡も遅く不安なことが多かった」(5/28、よい)
・「お給料の事や自宅勤務についての事など担当者から連絡がなくて不安です」(5/11、やや悪い)
・「〇さんは研修や支店出社の様子や、不安や聞きたいことはないか?とご連絡下さいます」(5/22、さいこう)
・「同じ職場の人は9月までの働き方の連絡があったようです。私の契約はどのようになっているのか不安です」(5/25、ややわるい)
・「今日は在宅勤務でした。前日に指示がなく少し不安でした」(6/26、よい)
・「交通費の件で連絡しても届いているかどうか返事が無いので不安です」(6/3、ふつう)
・「新しい人間関係ということで少し不安がありました。しかし本日上司と直接連絡を取ることができ、少し不安は解消されました」(6/26、よい)
・「指示が後手後手で不安になりました。またこれからずっとこの仕事になるのか連絡が無いのが不安です」(9/25、ややわるい)
※( )内はコンディション報告日、選択したコンディション 

■まとめ
2020年度は新型コロナウイルスの流行により、リモートワーク(在宅勤務)を余儀なくされた企業が多発した。人事担当者は、新卒入社者に対する在宅勤務の判断、勤怠管理方法の模索、リモートでの研修実施などの対応に追われ、新卒者の社内における人間関係構築に苦心した企業が多かったのではないだろうか。
2020年新卒者も例外ではない。オンライン上でのコミュニケーションは、物理的な距離の垣根を越え新しい働き方を構築した。一方で、彼らは五感を伴う体験を通した“感情的刺激”や“知識”を得る機会が少ないために、従来とは異なる“二年目”を迎えることになるであろう。また、例年新卒者の早期離職に頭を悩ませている人事担当者も多いと思われるが、オンライン上でのコミュニケーションによって与えた不安や不信感が、早期離職を促してしまう可能性も十分に考えられる。
本レポートでお伝えしたように、2020年新卒者に、先の見通しが立つ情報を与えることで不安を払拭することが大切である。また彼らが“二年目”となり初めて後輩を迎え入れる前に、人間関係を主体とした五感を伴う体験や学びの場を提供する等、リモートワーク期間中に養えなかったものを補う施策を導入することが重要だと思われる。

■調査概要
・調査方法:
新入社員定着支援アプリ「テガラみる」導入による、コンディション経過観察

 

新入社員から日々発信されるコンディション報告(さいこう、よい、ふつう、ややわるい、わるい、さいあく)と、添えられるコメント(日々の新入社員の〝つぶやき〟)から、コンディション変化の傾向と、その要因を分析した。

・調査期間:2020年4月~2020年9月
・対象新卒者数:589名(2020年4月新卒入社者)
・コンディション報告総数:3万2,449個

■会社概要
【株式会社テガラミル】
所在地:〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-2-1 X-PRESS有楽町3階
代表者:代表取締役社長 上林 時久
設立年月日:2013年4月8日
事業内容:離職防止ソフトウェアの開発・販売・コンサルティング、採用プロセス最適化、人事コンサルティング、人事業務支援
URL:https://tegaramill.co.jp/

【テガラミルについて】
新人定着支援アプリ『テガラみる』を通じ、企業の人材定着支援、生産性向上支援事業を行っております。日々変化する従業員のコンディションを可視化し、離職の芽を早期発見しタイムリーに対応するというモデルを軸に従業員の定着を支援するサービスです。従業員フォローそのものの受託など、企業の人事業務支援まで事業領域を拡大しております。『テガラみる』は、リモートワークなど対面での接触機会減少時の従業員フォローの効率化、想定外の労務問題を早期に察知できるなど、非接触マネジメントツールとして、今後幅広く展開してまいります。

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URL
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業種
サービス業
本社所在地
東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビル7・8階
電話番号
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代表者名
米田光宏
上場
東証スタンダード
資本金
-
設立
2007年02月