人的資本価値最大化に向けて人事制度を刷新
成長に繋がる適正評価の実現と自律的キャリア開発を支援
三菱電機株式会社は、人的資本価値の最大化に向けて、2024年度から新しい人事制度(以下、新制度)を導入します。
「成長に繋がる適正評価の実現」と「自律的キャリア開発支援」をコンセプトに、等級・評価・報酬制度を20年ぶりに刷新し、従業員のキャリアオーナーシップに基づく自律的な成長を促すとともに、マネジメント層にはグローバル基準でのジョブグレード制度を新たに適用し、ジョブ型人財マネジメントへの転換を図ります。
当社は、サステナビリティの実現を経営の根幹に位置づけ、グループ内外の知見の融合と共創により新たな価値を生み出し、社会課題の解決に貢献する「循環型 デジタル・エンジニアリング企業」への変革を目指しています。この実現の原動力は従業員であり、人財こそが全ての事業の基盤・競争力の源泉という考えのもと、「人と共に成長し、人財の力で未来を拓く」を人財戦略の基本理念として、人的資本の価値を最大化することで中長期的な企業価値向上に繋げる「人的資本経営」を推進しています。
2023年4月には「キャリア開発コンセプト」を策定し、従業員一人ひとりが自分のキャリアについてより主体的・積極的に考え、行動することを促すとともに、会社が個々人の成長実現に伴走・支援していく姿勢を改めて明確化しました。今回導入する新制度によって、これまで以上に従業員のキャリアオーナーシップを尊重した自律的な挑戦・成長を支援するとともに、年功的要素を廃し、実際に発揮されたパフォーマンスに直結した透明性・納得性の高い人事評価を徹底することで、従業員のエンゲージメントを高め、人と組織が共に成長する最適な人財マネジメントを実現します。
また、新制度の導入と併せ、研修施策の充実や各種経済的支援の拡充など、従業員のキャリア開発支援強化とウェルビーイング向上に向けた人への投資も積極的に進めていきます。
当社は、多様・多才な人財が自律的にキャリアを構築しながら能力を存分に発揮し、活躍できる環境を整備することで、従業員と会社のさらなる成長を実現し、事業を通じた社会課題解決に貢献していきます。
■新制度の概要およびポイント
1.等級制度
グローバルでの最適な人財マネジメントを叶えるジョブグレード(職務起点)とミッショングレード(人起点)のハイブリット型等級制度の構築、複線的キャリアパスの拡充
・「マネジメントコース」の創設とジョブ型人財マネジメントへの転換
管理職を対象とした「マネジメントコース」では、5,000を超えるポジションを職務価値・職責等を基準として6段階で評価し、それに適う人財を配置する職務起点のジョブグレード制を導入。経営幹部候補者育成プログラムや海外拠点のナショナルスタッフのサクセッションマネジメントとの連動により、グローバルでの人的資源の戦略的育成・配置転換を実現。
・「プロフェッショナルコース」の創設とミッショングレード再定義、試験制度の廃止
一般従業員を対象とした「プロフェッショナルコース」では、人(能力を踏まえた役割の価値)を起点として、それに応じた役割・職務を付与する従来の考え方を踏襲しながら、役割の価値(ミッショングレード)を再定義して今日的な等級体系を整備。早期抜擢の阻害要因となっていた試験制度を完全撤廃し、年功的要素を払拭した優秀人財の早期抜擢を志向。
・キャリア複線化に向けた高度専門・技能職「エキスパートコース」「匠コース」の創設
高度専門性(知識・スキル・経験)を活かして経営に貢献するための複線的キャリアパス「エキスパートコース」「匠コース」を新たに設置し、キャリア選択機会を充実。「エキスパートコース」は「マネジメントコース」と同一のジョブグレード制を導入し、同一の報酬体系で処遇。
2.評価制度
評価基準をより明確化することで評価の透明性・納得性を向上させ、従業員一人ひとりの成長・挑戦に繋げる評価運営を強化
・評価基準を「成果評価」と「行動評価」の2軸へ明確化
従来の目標達成度に応じた成果評価に加え、変革や挑戦、連携、支援など当社として大切にするコアバリュー(「かえる」「つながる」「ささえる」)を明確化し、その実践度を行動評価として新たに導入。さらに、マネジメントコース・エキスパートコースには、人財育成やチームビルディング、DE&I(多様性推進)への取り組みを行動評価要素に追加。評価軸を成果評価、行動評価の2軸へ明確化し、評価の透明性・納得性を向上させることで、協働性の高い、オープンな組織風土醸成を促進。
・自律的なキャリア開発・挑戦を後押しする「ME Time」導入
従来の目標管理面談を抜本的に見直し、「ME Time」(ミ―タイム、わたしが成長するための時間)と位置づけ。従業員のキャリアや目標の実現・成長に向けて、会社と上司が伴走し、自律的キャリア開発を支援。やる気と納得性を向上させるための育成的フィードバックを重視した仕組みへ見直し。
3.報酬制度
評価を報酬へダイレクトに連動させることで、わかりやすく、脱年功のメリハリ運営を叶える報酬体系を整備
・個人の業績評価をよりダイレクトに反映する報酬体系へ見直し
前年度の成果・行動評価によって決定した総合評価をそのまま賃金・賞与に反映。賞与においては、従来、等級毎に設定されていた定額部分や所属する部門の事業業績に基づき支給されていた加算部分を廃止し、個人の総合評価のみで賞与額が決定する仕組みに見直すことにより、事業や部門間の格差を是正し、個人の業績に応じたメリハリある処遇を実現。
■キャリア開発支援・人への投資の概要
新制度の導入と併せ、2023年4月に策定した「キャリア開発コンセプト」を軸に、研修施策の充実や各種経済的支援の拡充など、従業員のキャリア開発支援強化とウェルビーイング向上に向けた人への投資も積極的に進めていきます。
■参考情報
等級制度の全体像
行動評価(コアバリュー評価)項目
キャリア開発コンセプト
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