気候変動ファイナンス・リーダーシップ・イニシアチブ、新興国の気候変動ファイナンスの普及に向けた対策の詳細を発表

COP26に先駆けて、立案者が民間資金による気候変動ファイナンスを加速できる機会を提示

ブルームバーグ エル・ピー

【ニューヨーク-2021年4月8日】 – 気候変動ファイナンス・リーダーシップ・イニシアチブ(CFLI)は、欧州開発金融機関協会(EDFI)およびグローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ(GIF)と共同で、「新興国における民間気候変動ファイナンスの活用:政策立案者が民間セクターにおいて考慮すべき事項(Unlocking Private Climate Finance in Emerging Markets: Private Sector Considerations for Policymakers)」(https://assets.bbhub.io/company/sites/55/2021/03/CFLI_Private-Sector-Considerations-for-Policymakers-April-2021.pdf)と題する報告書を発表しました。本報告書は、新興国において気候変動ファイナンスの格差是正に必要な官民連携を促進する上で、重要なポイントをまとめています。また、クリーンエネルギー、低炭素な公共交通機関、気候変動に配慮した水および廃棄物の処理システム、グリーンビルディング、持続可能な土地利用といった重要分野のプロジェクトへの投資を促進する上で、新興国の政府が推進できる政策を紹介しています。 なお、CFLIは、マイケル・R・ブルームバーグ国連気候変動対策特使が設立し、議長を務めています。

低炭素社会への移行に向けた投資を加速させ、パリ協定に基づく温室効果ガス排出削減の国別貢献目標NDC(Nationally Determined Contribution)の達成を後押しすることで、世界中の新興国は、新型コロナウイルスの感染拡大からの回復を目指しています。2020年にはエネルギー移行を目指すトランジション・ファイナンスが5,000億ドルに達しましたが、そのような中で、本報告書は、民間資金を得るための政策に関して考慮すべき事項を新興国に提示しています。これらの事項は、新興国でクリーンエネルギー事業に数十億ドルを投じた投資家たちの経験や、サステナブルな成長を支える投資の促進に関する世界各国の進展を反映しています。

CFLIの議長を務め、ブルームバーグL.P.およびブルームバーグ・フィランソロピーズの創設者であるマイケル・R・ブルームバーグは次のように述べています。「温室効果ガスの排出量を削減し、気候変動を対処するための投資は、経済成長も促進します。本報告書は、新興国市場が企業や国際コミュニティからの支援の上で実行できる対策を示し、グリーンプロジェクトへの民間資本の流入、新しい官民連携の創出、コロナ禍からの力強い回復の実現を目的としています」

政策立案者が民間セクターにおいて考慮すべき事項として、本報告書では、新興国における持続可能なインフラプロジェクトへの投資を評価する際に、投資家が考慮すべきポイントを示しています。ここで挙げられているポイント、すなわち政策面で考慮すべき事項は、各国の投資環境や低炭素かつ回復力のある経済の実現方法に関係なく、世界各国で適用可能な政策変更案を一覧で提示しています。また、多様な経済圏において、さまざまな環境整備の仕組みが低炭素社会への移行の促進に寄与した事例も紹介しています。

民間資本は、低炭素かつ気候変動に対応できる強靭で持続力のある市場を世界規模で構築するために、継続的なサポートをしており、重要な役割を担っています。今後、CFLIは、各国政府や国内外の主要民間金融機関と協力して、一連の「カントリー・パイロット」プロジェクトの設計、導入および連携に努めていきます。最初のパイロット・プロジェクトはインドとインドネシアで計画されており、今後、他の国々でもこのモデルを再現することを目指しています。この取り組みはエネルギー転換を促進する上で資本の結集を促し、今回発表された政策を基にパイロット国での政策変更を推進します。

政策面での考慮事項は、2ヶ月間におよぶ公開協議と、企業・政府・市民社会を代表する6,000人以上の国際的な専門家やステークホルダーへの直接対話を経て作成されました。

アリアンツ・グローバル・インベスターズのトビアス・プロスCEOは次のように述べています。「私たちは、アクティブ運用のアセットマネージャーとして、より持続可能な未来の創造に向けて尽力しております。アリアンツグループが、新興国市場における気候変動ファイナンスの調達を可能にする新しいアプローチの構築に貢献してきたことを誇りに思います。これは、より持続可能な未来への移行をサポートするために民間資本を動員するという当社のコミットメントを示すものでもあります。私たちは、現実に起きている問題に立ち向かうべく、公的資金と民間資金を組み合わせた金融面でのソリューションを積極的に構築しています」

アクサグループのトーマス・ブベルCEOは、次のように述べています。「アクサは、個人投資家が地域住民の生活を向上させる絶好の機会として、新興国市場におけるグリーンで低炭素な社会づくりに向けたインフラ事業の資金調達を目指すCFLIの目的に賛同しています。CFLIの最新報告書では、エネルギー転換を支援する資金をより効果的に集めるために、規模に応じて再現可能な政策案を紹介しています。資金ギャップを解消し、人びとの生活に大きな変革を促すインフラ事業を後押しするために、このような呼びかけを行ったCFLIに感謝いたします。パリ協定の目標を達成するためには、低炭素インフラはもはや先進国だけのトレンドではありません」

エネルのCEO兼ジェネラルマネージャーであるフランチェスコ・スタラーチェ氏は、次のように述べています。「新興国市場における開発は、民間資本によって完全にサステナブルにすることができます。そのためには、現在利用可能な資金調達のベスト・プラクティスを採用し、明確なビジョン、目的の完全な透明性、パートナーシップの姿勢をもって、民間企業を巻き込む必要があります」

ゴールドマン・サックスの会長兼CEOであるデービッド・ソロモン氏は次のように述べています。「低炭素経済への移行は、新興国において民間資本がより持続可能なインフラに資金を供給するまでは、非常に困難でしょう。本報告書では、新興国が必要とする民間資本を呼び込むために、公共セクターが利用できる多くの政策オプションを提案しています」

HSBCのノエル・​クインCEOは、次のように述べています。「パリ協定の目標の達成に十分な規模の資金を提供するには、民間資本が必要です。特に成長が著しい新興国市場では、現在のインフラ投資が今後数十年間の温室効果ガス排出量を左右するため、民間資本を要しています。本報告書で示されている政策は、新興国の政府が自国経済への気候変動ファイナンスの民間投資を促進するために活用できる確かなオプションの一覧を提供しています。持続可能な未来に向けて私たちが協力しながら歩んでいく行程にとって、本報告書は重要な役割を担っているのです」

マッコーリー・グループのシェマラ・ ウィクラマナヤケCEOは次のように述べています。「変革をもたらす気候変動対策を大規模に展開する上で、私たちは驚異的な進展を遂げてきました。しかし、進捗状況にもばらつきがあります。私たちの課題は、新興市場国がこれまで以上に野心的なNDCを達成できるよう、民間資本の導入を抜本的に増やすために、より効果的に協力することです」

EDFIのブルーノ・ウェン会長は、次のように述べています。「本報告書で取り上げられているような政策に関する考察は、エネルギーやその他の低炭素化に関連する主要セクターにおいて、気候変動ファイナンスを促進する上で、大きな役割を果たします。これらは、CFLI、GIF、EDFI、そして協議に参加した多くの機関とのパートナーシップの成果であり、政策立案者との対話において重要な情報を提供するものです。個人投資家とEDFIのような公的機関との協力関係は、新興国市場やフロンティア市場の改革のサポートにつながります。このモデルは、最も必要とされるエリアに気候変動ファイナンスを動員する大きな可能性を秘めていると考えています」

GIFのヘッドであるジェイソン・ルー氏は次のように述べています。「パリ協定のコミットメントに基づいて、新興国市場の低炭素で気候変動に強いインフラ構築に向けた民間資金の供給をさらに増やすためには、実現を促す確かな環境と、グリーン・リカバリーを前面に押し出した、融資可能でサステナブルなインフラ投資機会のパイプラインが必要です。今回の報告書の価値は、環境整備の優先順位を高め、民間の気候変動ファイナンスを大規模に活用するための政策を特定する方法について、民間金融の視点から優れたインサイトを提供している点にあります。GIFは、CFLIとEDFIと協力してこの重要なプロジェクトに取り組めることを誇りに思います」

英連邦開発公社CDCグループのニック・オドナヒューCEOは、次のように述べています。「気候変動による壊滅的な影響を回避することを目指すとすれば、世界が切実に希求しているゼロカーボンの未来を創造するために、民間資本は非常に重要な役割を担っています。本報告書では、後進国への持続可能なインフラの提供を妨げている資金ギャップを解消するために、民間と公共の投資機関が協力する必要があること、また、後進国の経済が回復力を持ち、気候変動の影響に適応できるようにする必要があることを強調しています」

CFLIに関する詳細やレポート全文は、こちら(https://www.bloomberg.com/cfli/?utm_medium=dotcom&utm_campaign=mktg&utm_source=Annoucement&utm_content=CFLIAnnouncement&mpam=21297)をご覧ください。

CFLIについて 
気候変動ファイナンス・リーダーシップ・イニシアチブ(The Climate Finance Leadership Initiative 、CFLI)は、気候変動ソリューションの提供を目的に、民間資本の動員と規模の拡大を実現すべく大手企業が結集しました。アントニオ・グテーレス国連事務総長の要請を受け、マイケル・R・ブルームバーグが、CFLIを設立。 CFLIのメンバーには、アリアンツ・グローバル・インベスターズ、 AXA、ブルームバーグ、エネル、ゴールドマン・サックス、日本年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、HSBC、マッコーリーなどが名を連ねています。詳細については、https://www.bloomberg.com/cfli/?utm_medium=dotcom&utm_campaign=mktg&utm_source=Annoucement&utm_content=CFLIAnnouncement&mpam=21297をご覧ください。

欧州開発金融機関協会(EDFI)について
欧州開発金融機関協会(EDFI)は国際開発金融機関15機関が加盟する団体であり、新興国およびフロンティア市場の民間部門に対し、雇用創出、成長促進、貧困撲滅、気候変動を目的とした投資の促進を行っています。1992年の設立以来、EDFI加盟機関が投資を行ったプロジェクトは合計で約1万5,000件に上り、現在は100カ国以上で、金融サービス、クリーンエネルギー、産業およびその他さまざまな分野において総額500億ドル相当の投資ポートフォリオを運用しており、これらのポートフォリオの大半は気候変動ファイナンスです。EDFIの取り組みの中で加盟組織間およびEU機関との資金協力は重要な部分であり、そのため、EDFIはEDFI Management Companyをはじめ、資金協力を目的とした金融ファシリティを創設しています。詳細についてはhttps://www.edfi.eu/をご覧ください。

グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ(GIF)について
グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ(GIF)は、新興国や開発途上国における持続可能なインフラへの民間投資の拡大を目標に掲げたG20のイニシアチブです。GIFは資金提供と実践的な技術的専門知識を組み合わせて、顧客である政府や連携先の多国籍開発銀行が民間資本にとって魅力的な、採算可能かつ持続可能なインフラ投資のパイプラインを構築するために、エンド・ツー・エンドの包括的な助言サービスを支援しています。民間投資のリスクを回避するため、一連の混合型ファイナンス・ソリューションの設計も進めています。GIFでは、グローバルな連携プラットフォームとして、資金提供者、開発金融機関、開発途上国政府、ならびに民間投資家や出資者を含む多様なパートナーの間でリソースと知識の双方を活用することにより、持続可能なインフラ・ファイナンスの課題に対する解決策を協働により導き出すことが可能です。現在、GIFはオーストラリア、カナダ、中国、デンマーク、ドイツ、日本、シンガポール、および世界銀行からの支援を受けています。詳細については、https://www.globalinfrafacility.org/をご覧ください。

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石橋 邦裕
上場
未上場
資本金
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設立
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