IBM、世界初の2 nmのチップ・テクノロジーを発表し、半導体における未知の領域を開拓
パフォーマンスとエネルギー効率の大きな飛躍を推進する新たなチップのマイルストーン
[米国ニューヨーク州アルバニー – 2021年5月6日(現地時間)発]
IBM(NYSE:IBM)は本日、2ナノメートル(nm, ナノは10億分の1)のナノシート・テクノロジーによる世界初のチップの開発をもたらした半導体の設計とプロセスにおける飛躍的な進歩を発表しました。半導体は、コンピューティングから電気製品、通信装置、交通システム、重要なインフラまで、あらゆる分野で重要な役割を果たしています。
チップのパフォーマンスとエネルギー効率の向上に対する需要は、特にハイブリッドクラウド、AI、IoTの時代に高まる一方です。IBMの新しい2nmチップ・テクノロジーは、半導体業界の最先端技術を進歩させ、この増大する需要への対応に役立ちます。これにより、現在最も先進的な7 nmのノード・チップに比べて、45%高いパフォーマンスまたは、75%少ないエネルギー消費量を達成すると予測されています*1。
先進的な2nmチップの期待されるメリットは次の通りです。
「この新しい2nmチップに反映されたIBMのイノベーションは、半導体およびIT業界全体にとって重要です」とIBMリサーチのSVP兼ディレクターであるダリオ・ギル(Darío Gil)は述べています。 「これは、ハードテクノロジーの課題に取り組むIBMのアプローチの成果であり、持続的な投資と共同研究型のR&Dエコシステムのアプローチによる飛躍的な進歩がどのようにもたらされるかを示しています」
半導体イノベーションの最前線に立つIBM
この最新の飛躍的進歩は、半導体の技術革新における数十年にわたるIBMのリーダーシップに基づいています。IBMの半導体開発の取り組みは、ニューヨーク州アルバニーのAlbany Nanotech Complexにある研究所を拠点として行われています。そこでは、IBMの研究員たちが、公共機関や民間企業のパートナーと緊密にコラボレーションし、ロジック・スケーリングや半導体の能力の限界を超えるために働いています。
イノベーションのためのこのコラボレーションのアプローチにより、アルバニーのIBM リサーチは、半導体研究で世界をリードするエコシステムとなり、強固なイノベーションのパイプラインが生まれ、それにより、製造の要求に応え、全世界のチップ産業の成長に貢献しています。
IBMの半導体における飛躍的進歩の実績には、7 nmおよび5 nmのプロセス・テクノロジー、シングル・セルDRAM、デナード・スケーリング則、化学的に増幅されたフォトレジスト、銅配線、Silicon on Insulatorテクノロジー、マルチコア・マイクロプロセッサー、High-kゲート絶縁体、混載DRAM、3Dチップ・スタッキングなどもあります。IBM リサーチの7 nmの画期的技術に基づいて商品化されるIBM初の製品は、IBM POWER10ベースのIBM Power Systems内で今年後半に登場します。
爪の先程のチップ上に500億個のトランジスター
1チップあたりのトランジスターの数を増やすと、より小さくて速い、信頼性が高く、かつより効率的なチップを作ることができます。IBMの2 nmのデザインは、IBM リサーチのナノシート・テクノロジーを使用した、半導体の高度なスケーリングを実証しています。そのアーキテクチャーは業界初です。今回の最新かつ飛躍的な進歩は、マイルストーンとなる5nmのデザインをIBMが発表してから4年経たずに開発され、2nmチップは指の爪のサイズのチップに最大500億個のトランジスターを搭載できるようになります。
チップ上により多くのトランジスターを搭載することは、プロセッサーの設計者にとって、AIやクラウド・コンピューティングのような最先端のワークロードの能力を向上させるためのコアレベルのイノベーションを投入する多くの選択肢が与えられることであり、ハードウェアによって強化されたセキュリティーや暗号化への新たな道筋を手に入れることを意味します。IBMではこれ以外にもすでに、IBM POWER10やIBM z15など、最新世代のIBMハードウェアにおいて、革新的なコアレベルの機能強化を実装しています。
IBMについて
IBMは、世界をリードするハイブリッドクラウドとAI、およびビジネス・サービスを提供しています。世界175カ国以上のお客様の、データからの洞察の活用、ビジネス・プロセス効率化、コスト削減、そして業界における競争力向上を支援しています。金融サービス、通信、ヘルスケアなどの重要な社会インフラ領域における約3,000の政府や企業が、IBMのハイブリッドクラウド・プラットフォームとRed Hat OpenShiftによって、迅速に、効率良く、かつセキュアにデジタル変革を推進しています。IBMは、AI、量子コンピューティング、業界別のクラウド・ソリューションおよびビジネス・サービスなどの画期的なイノベーションを通じて、オープンで柔軟な選択肢をお客様に提供します。これらはすべて、信頼性、透明性、責任、包括性、ならびにサービスに対するIBMのコミットメントに裏付けられています。詳しくは、https://www.ibm.comを参照してください。
<注釈>
*1 -- 予測業界標準スケーリング・ロードマップに基づく
*2 -- https://science.sciencemag.org/content/367/6481/984
*3 -- 7 nmベースの携帯電話に関する現行の利用統計に基づく
当報道資料は、2021年5月6日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。https://newsroom.ibm.com/2021-05-06-IBM-Unveils-Worlds-First-2-Nanometer-Chip-Technology,-Opening-a-New-Frontier-for-Semiconductors (英語)
IBM、IBM ロゴ、ibm.comは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、https://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml (US)をご覧ください。
IBM(NYSE:IBM)は本日、2ナノメートル(nm, ナノは10億分の1)のナノシート・テクノロジーによる世界初のチップの開発をもたらした半導体の設計とプロセスにおける飛躍的な進歩を発表しました。半導体は、コンピューティングから電気製品、通信装置、交通システム、重要なインフラまで、あらゆる分野で重要な役割を果たしています。
チップのパフォーマンスとエネルギー効率の向上に対する需要は、特にハイブリッドクラウド、AI、IoTの時代に高まる一方です。IBMの新しい2nmチップ・テクノロジーは、半導体業界の最先端技術を進歩させ、この増大する需要への対応に役立ちます。これにより、現在最も先進的な7 nmのノード・チップに比べて、45%高いパフォーマンスまたは、75%少ないエネルギー消費量を達成すると予測されています*1。
先進的な2nmチップの期待されるメリットは次の通りです。
- 携帯電話のバッテリー寿命が4倍。ユーザーは4日ごとにデバイスを充電するだけで済みます*2。
- データセンターの二酸化炭素排出量を削減。データセンターは世界のエネルギー消費量の1%を占めています*3。 すべてのサーバーを2nmベースのプロセッサーに変更すると、エネルギー消費量が大幅に減少する可能性があります。
- ラップトップの機能を大幅に高速化。アプリケーション処理の高速化から、言語翻訳をさらに容易に支援することやインターネットへのアクセスの高速化まで、ラップトップの機能を大幅に高速化します。
- 物体の発見の高速化に貢献。自動運転車のような自律型の車両について、物体の発見や反応時間の高速化に貢献します。
「この新しい2nmチップに反映されたIBMのイノベーションは、半導体およびIT業界全体にとって重要です」とIBMリサーチのSVP兼ディレクターであるダリオ・ギル(Darío Gil)は述べています。 「これは、ハードテクノロジーの課題に取り組むIBMのアプローチの成果であり、持続的な投資と共同研究型のR&Dエコシステムのアプローチによる飛躍的な進歩がどのようにもたらされるかを示しています」
半導体イノベーションの最前線に立つIBM
この最新の飛躍的進歩は、半導体の技術革新における数十年にわたるIBMのリーダーシップに基づいています。IBMの半導体開発の取り組みは、ニューヨーク州アルバニーのAlbany Nanotech Complexにある研究所を拠点として行われています。そこでは、IBMの研究員たちが、公共機関や民間企業のパートナーと緊密にコラボレーションし、ロジック・スケーリングや半導体の能力の限界を超えるために働いています。
イノベーションのためのこのコラボレーションのアプローチにより、アルバニーのIBM リサーチは、半導体研究で世界をリードするエコシステムとなり、強固なイノベーションのパイプラインが生まれ、それにより、製造の要求に応え、全世界のチップ産業の成長に貢献しています。
IBMの半導体における飛躍的進歩の実績には、7 nmおよび5 nmのプロセス・テクノロジー、シングル・セルDRAM、デナード・スケーリング則、化学的に増幅されたフォトレジスト、銅配線、Silicon on Insulatorテクノロジー、マルチコア・マイクロプロセッサー、High-kゲート絶縁体、混載DRAM、3Dチップ・スタッキングなどもあります。IBM リサーチの7 nmの画期的技術に基づいて商品化されるIBM初の製品は、IBM POWER10ベースのIBM Power Systems内で今年後半に登場します。
爪の先程のチップ上に500億個のトランジスター
1チップあたりのトランジスターの数を増やすと、より小さくて速い、信頼性が高く、かつより効率的なチップを作ることができます。IBMの2 nmのデザインは、IBM リサーチのナノシート・テクノロジーを使用した、半導体の高度なスケーリングを実証しています。そのアーキテクチャーは業界初です。今回の最新かつ飛躍的な進歩は、マイルストーンとなる5nmのデザインをIBMが発表してから4年経たずに開発され、2nmチップは指の爪のサイズのチップに最大500億個のトランジスターを搭載できるようになります。
チップ上により多くのトランジスターを搭載することは、プロセッサーの設計者にとって、AIやクラウド・コンピューティングのような最先端のワークロードの能力を向上させるためのコアレベルのイノベーションを投入する多くの選択肢が与えられることであり、ハードウェアによって強化されたセキュリティーや暗号化への新たな道筋を手に入れることを意味します。IBMではこれ以外にもすでに、IBM POWER10やIBM z15など、最新世代のIBMハードウェアにおいて、革新的なコアレベルの機能強化を実装しています。
IBMについて
IBMは、世界をリードするハイブリッドクラウドとAI、およびビジネス・サービスを提供しています。世界175カ国以上のお客様の、データからの洞察の活用、ビジネス・プロセス効率化、コスト削減、そして業界における競争力向上を支援しています。金融サービス、通信、ヘルスケアなどの重要な社会インフラ領域における約3,000の政府や企業が、IBMのハイブリッドクラウド・プラットフォームとRed Hat OpenShiftによって、迅速に、効率良く、かつセキュアにデジタル変革を推進しています。IBMは、AI、量子コンピューティング、業界別のクラウド・ソリューションおよびビジネス・サービスなどの画期的なイノベーションを通じて、オープンで柔軟な選択肢をお客様に提供します。これらはすべて、信頼性、透明性、責任、包括性、ならびにサービスに対するIBMのコミットメントに裏付けられています。詳しくは、https://www.ibm.comを参照してください。
<注釈>
*1 -- 予測業界標準スケーリング・ロードマップに基づく
*2 -- https://science.sciencemag.org/content/367/6481/984
*3 -- 7 nmベースの携帯電話に関する現行の利用統計に基づく
当報道資料は、2021年5月6日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。https://newsroom.ibm.com/2021-05-06-IBM-Unveils-Worlds-First-2-Nanometer-Chip-Technology,-Opening-a-New-Frontier-for-Semiconductors (英語)
IBM、IBM ロゴ、ibm.comは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、https://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml (US)をご覧ください。