パワーエレクトロニクス用焼結型銀ナノ接合材を開発
~無加圧と高放熱性を両立した画期的な接合材でパワー半導体の製造工程のコスト削減に寄与~
電気自動車の拡大に伴い半導体の需要が拡大していますが、中でも電流や電圧の調整時に発生するエネルギー損失の少ないSiC半導体の採用が進んでいます。一方でSiC半導体は従来のSi半導体と比較して動作温度が高く、より高い耐熱性と放熱特性が求められることから、これまでの鉛フリーはんだに代わる接合材が求められています。
この度東洋インキSCホールディングスが開発した焼結型銀ナノ接合材は、無加圧での焼結と高い放熱性を両立する、これまでにないパワー半導体用接合材です。本製品は、銅基版と直接接合が可能で熱伝導率300W/mk以上、接合強度40MPa以上※1を示し、薄膜チップや特殊形状のチップにも対応可能です。
はんだリフロー炉等の既存設備も使用可能で、大量のチップを同時に焼結でき、従来品と比べ5~30分と短時間での焼結が可能なことから、設備投資コストだけでなく、パワー半導体の製造工程における時間・エネルギーの低減にも貢献いたします。本製品は高放熱性を必要とする車載・電鉄用インバーターモジュールや車載ECU、高周波デバイス、パワーIC、高出力LEDなどの接合に適しています。無加圧タイプのほか、均一かつ低圧力で接合することでチップや基材へのダメージを抑制可能な加圧タイプもラインナップしています。
電力効率の高いパワー半導体は、脱炭素社会実現のためのキーマテリアルの一つです。東洋インキグループは、独自の技術から生まれた製品やサービスの提供を通じて社会課題を解決することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※1 当社評価設備における測定限界値
※2 TOYO INK、およびTOYO INKロゴは、東洋インキSCホールディングス株式会社の登録商標です。
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