理学療法士×ライフセーバーの新しいキャリア NPOでソーシャルベンチャーが新卒採用をした理由

みんなの“できない”を“できた!”に変えるチームに!

障がいがある人もない人も、誰もが一緒に楽しめるビーチづくりを目指すソーシャルベンチャーであるNPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクトは、2025年4月付で大学新卒社員1名を正規雇用しました。NPO法人として新卒採用を行う例は多くないものの、「”できない”を”できた!”に変える」を掲げ、ユニバーサルビーチを普及していきます。

NPOでソーシャルベンチャーの新卒採用は非常に少ない

NPOの規模と財政基盤 - 小規模組織が多数を占める実態

内閣府「令和2年度特定非営利活動法人に関する実態調査」によると、認定・特例認定NPO法人の平均経常収益は約9,599万円、一般のNPO法人(認証法人)では約2,198万円。さらに、年間収益1,000万円以下の法人が、認定・特例認定NPOのうち32%、一般NPOのうち63.6%に上ることが分かっています。

同調査では、有給常勤職員が0人のNPO法人が3割強を占めるというデータも示され、人材確保の脆弱さが顕在化しています。これらの数値は、NPO法人が正規雇用の枠を広げ、特に新卒を継続的に採用していくには高いハードルがあることを物語っています。


新卒就職先としてのNPO - 人気ランキングに現れない選択肢

株式会社学情の「2024年卒就職人気企業ランキング」上位50社にNPO法人が1社もランクインしていません。また、「リクルートキャリア 就職白書2023」によれば、就職先に求める要素の上位は「安定」「給与」「キャリア形成」であり、「社会貢献性が高い」と答える学生は全体の10%未満にとどまっています。

こうした背景から、新卒が最初のキャリアとしてNPOを選ぶケースは、いまだ少数派です。社会課題に取り組む魅力がある一方で、上記のようなイメージや給与・待遇面の不安から、NPOが就職先の主流にはなりにくいという構造的課題です。


非営利セクターの国際比較 - 日本はまだ“伸びしろ”の段階

厚生労働省の「非営利セクター・社会的企業の雇用等について」 によると、NPO等の非営利セクターが労働力人口に占める比率を国際比較すると、日本は4.2%とされるのに対し、アメリカは約9%、イギリスやフランス、ドイツも5~6%超で推移しています。

こうした規模差は、新卒の進路選択にも影響を及ぼし、海外に比べてNPOをキャリアの出発点とする人材が少ない要因のひとつになっていると考えられます。結果として日本では、NPO法人で働き始める若者が海外よりも限られる構造になっており、社会課題解決の手段としてNPOセクターを活用できる余地がまだ十分に認知されていません。

NPOでソーシャルベンチャーが新卒を採用する意味とは?

社会課題に挑む“はじめの一歩”を、もっと身近にしたい。日本では、上記のようにNPOやソーシャルベンチャーが新卒を正規採用するケースは極めて少数です。しかし私たちは今回、あえてその道を選びました。その背景にあるのは、「キャリアの多様化を促進したい」「社会課題に挑むことを、若者の“職業選択肢”としたい」という想いです。

現状、日本においてNPOや社会的企業は就職先として一般的ではなく、若者が最初のキャリアとして選ぶには“壁”が多いのが実情です。安定や待遇が重視されがちな今の就職市場において、社会貢献性の高い仕事が「憧れ」にとどまり、選択肢として現実味を持ちづらいという構造的な課題があります。

だからこそ、私たちは覚悟を決めました。「社会を地元をよくしたい」という夢や気持ちを、“仕事”にしていい。それを証明し、応援し、仲間を迎え入れることが、今回の新卒採用に込めた私たちの決意です。

「全国の海をユニバーサルビーチに!」 須磨ユニバーサルビーチプロジェクトが目指すもの

2017年に日本で初めてビーチマットを設置した須磨ユニバーサルビーチプロジェクトは、障がいの有無や年齢・性別を問わず、あらゆる人々がビーチを楽しめる環境をつくるソーシャルベンチャーとして活動しています。

私たちが何より大切にしているのは、アイテムではなく「人の想い」です。海は、障がいのある方やそのご家族にとって大きなバリアとなる場所ですが、そこにあえてチャレンジし、成功体験を得ることで自己肯定感が生まれます。ひとつの体験が新たな自信を生み、さらに次のチャレンジへとつながっていく。「大きな世界は、小さなチャレンジから始まる」という信念のもと、ユニバーサルビーチを普及し続けてきました。

こうした取り組みを通じて、海辺だけでなく、あらゆる場所で誰もが自分らしく挑戦できる社会を実現し、「チャレンジする文化」を育んでいきたいと考えています。

なぜ今、新卒採用? 若い力が“できない”を”できた!”に変えるを加速させる

・若い世代のアイデアと情熱を取り込む

SNSやデジタル技術を活用した新たな広報など、若年層ならではの創造力が期待

・共に夢を実現する人材育成

中長期的に組織をけん引するスタッフを育てることで、より多様な事業展開を可能に

・キャリアの多様化を後押し

大手企業がまだまだ主流となりがちな新卒採用市場において、NPOでソーシャルベンチャーが新たな選択肢になりうることを示したい

新卒採用メンバーの柴田祐希の声

「海は誰にとっても、自由で楽しい場所であってほしい。」

この強い想いを胸に、私は理学療法士として、そしてライフセーバーとして、地元・山口県下関市の海に“ユニバーサルビーチ”をつくることを目指しています。

これまでライフセーバーとして活動し、理学療法士として学ぶなかで、障がいや病気、高齢などを理由に、海に行くことを諦めてしまう方々が多くいる現実に、何度も直面してきました。

「本当は行きたい」「楽しみたい」

そんな思いを抱えながらも、海から遠ざかってしまう人々の存在に、私は強い課題意識を持つようになりました。

だからこそ私は、誰もが安心して、笑顔で海を楽しめる環境を本気でつくりたいと考えています。

ユニバーサルビーチは、その実現に向けた大切な第一歩です。

このビジョンを形にするために、須磨ユニバーサルビーチプロジェクトの一員として、多くを学び、挑戦し続けたい。

そして、“すべての人の海”を実現する未来を、仲間たちと共につくっていきたいと思い、入社を決めました。

全国制覇への道筋 チャレンジする文化を醸成する

現在、障がいを持っている方やお年寄り、小さなお子さんまで、誰もが楽しめるユニバーサルデザインなビーチを普及していく活動である出張ユニバーサルビーチを日本最多の31都道府県56ヶ所で実施(2023年10月時点)。きょうだいプロジェクトは20プロジェクトに発展しています。


2025年度

日本最大級のユニバーサルビーチサミットの開催

ユニバーサルビーチの全国普及に向けた専門チームを立ち上げ、調査・連携を強化


2035年度ビジョン

ユニバーサルビーチのきょうだいプロジェクトを全都道府県47プロジェクトに発展


2050年度ビジョン

障がいの有無や年齢・性別を問わず、あらゆる人々があらゆる場所で誰もが自分らしく挑戦できる社会を実現し、「チャレンジする文化」を醸成

みんなのできないをできた!に変えるユニバーサルビーチ

<法人概要>

法人名:NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト

所在地:兵庫県神戸市長田区駒ヶ林町1丁目14-10ドルフ21-102

代表者:木戸俊介

設立:2017年11月2日

URL:https://sumauniversalbeach.com/

事業内容:みんなの”できない”を”できた!”に変えるを合言葉に、障がいを持っている方やお年寄り、小さなお子さんまで、誰もが楽しめるユニバーサルデザインなビーチを普及していく活動をしています。令和3年度より、中学社会公民の教科書に「持続可能な未来を目指す人々」と題し、SDGs達成に向けた先進事例として掲載されています。

<主な受賞歴>

・政府広報公式SNS掲載(2025年度)

・ブルーフラッグベストプラクティス賞世界2位(2023年度)

・観光庁ブルーフラッグ認証事例(2022年度・2023年度 )

・教育出版中学公民の教科書掲載(2021年度 )

・観光庁持続可能な観光の実現に向けた先進事例(2020年度)

・IAUD国際ユニバーサルデザイン賞金賞(2019年)

・ひょうごユニバーサル社会づくり賞(2018年)

<問い合わせ先>

須磨ユニバーサルビーチプロジェクトPR事務局

事務局長 土原翔吾

HP:https://sumauniversalbeach.com/ のフォームより

TEL:080-3782-4405

e-mail:sumauniversalbeach@gmail.com

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会社概要

URL
https://sumauniversalbeach.com/
業種
医療・福祉
本社所在地
神戸市長田区 駒ヶ林町1丁目14-10 ドルフ21-102
電話番号
080-1181-7002
代表者名
木戸俊介
上場
未上場
資本金
-
設立
2017年11月