大人気自社製品『ユビタマゴ』の進化を追え!足立ブランドの具現化系企業「ミツワ株式会社」が、あなたの発明やアイデアをプラスチック製品にします♪
優れた製品・技術を広く認定し、区内外へPRする「足立ブランド」。2025年3月にHPをリニューアルしました。認定企業である「ミツワ株式会社」が個社紹介ページのメインビジュアルを刷新しました。
日暮里・舎人ライナー「舎人」駅の目と鼻の先にある『ミツワ』はプラスチック成形の会社。 オリジナル商品「ユビタマゴ」に代表される、“ひらめき”を種に、設計・開発から試作、量産までを一貫して作り上げ、広告施策まで担う、発明家には強い味方。その仕事を同社の伊東 健一氏に伺いました。

◆「足立ブランド」への参加は令和 4 年。その思いとは
昭和42年に『ミツワ』は、現在の舎人の地で先代によって創業された58年の歴史を有する会社。足立に数多くある樹脂関連の加工業者の中でも、同社はプラスチックの射出成形を得意としてきました。
「3年前に、葛飾区のラヤマ・パックという真空成形を得意とする会社とM&Aを締結しました。それによってラヤマ・パックグループ 5社のひとつとなりました」
そう語るのは『ミツワ』の広報グループリーダーの伊東健一氏。広報とは言えども、設計・デザインから開発、 営業まで八面六臂の活躍をしている方です。

プラスチック成形は、ペットボトルなどを作る「ブロー成形」、パッケージなどによく使われる「真空成形」、金型に樹脂を流し込む「射出成形」と、大まかに3種類ありますが、グループ会社のひとつとなることで全ての成形をまかなえることになったそうです。
「うちは射出成形が主体ですが、グループでは全ての成形を網羅することができます。射出成形には金型が必須ですが、グループ内には川口の『大成金型(有)』もあり、金型も調達することができるので、一貫したもの作りをすることができるようになりました」

そもそも『ミツワ』の創業当時は、コンロのつまみ部分やモデルガンのグリップやバレル (弾道のための筒状のパーツ)など商品を組み立てる前の部品などから始まり、下請けという形で様々な商品を作っていたそうです。
「大きなピンチが訪れたのは、平成20年のリーマンショックでした。取引先も安価な海外生産に切り替えるなど売上は減少の一途。時同じくして開発されたのが、マッサージローラーを兼ね備えた美顔ローラー、オリジナル商品『ユビタマゴ』です。会社の情勢を考えると、社内ではもうこのプロジェクトを進めるしかない! という雰囲気でした。」

「足立ブランド」への参加については「今は退任した二代目社長と常々、足立で創業した舎人の会社なのに、何故足立の事業に関与できないのだろうかと話をしていました。そんな時、ご縁があって足立区役所1階のショーケースに弊社商品を置かせていただく機会に恵まれました。区役所のご担当とやり取りしていくうちに『足立ブランド』の存在を知ることになりました。一番は自社の『ユビタマゴ』をもっと広めたいというのが応募したきっかけです。令和4年の認定ですから、つい3年ほど前のことですね」
◆オリジナルへの挑戦が、大ヒット商品を生む
「『ユビタマゴ』は、整形サロン「POWWOW」を主宰する伊藤賢治氏と共同開発した卵型の美顔ローラーです。手動で360度回転するステンレス球が3つあり、顔の表面や深部にある筋肉をもみほぐします。使用感は、施術する整体師の“指”をイメージしています」

「販売し始めた平成 20 年当時、樹脂成形や金型製作はコスト面で国外生産を希望する傾向が増加していました。製造業は受け身の企業が多い中、自社独自の商品がなければ生き残れないと思い、整体師の先生との共同開発を考えたわけです」と語る伊東氏。

「二代目社⻑は、発明学会に所属している発明家でもあるんです。金型の製作に600万円くらいかかる見積もりを伝えると、整体師の先生は諦めて一度は手を引いたんですが、発明家でもある二代目がこのアイデアがどうしても気になると言うんです。最終的にハード面は弊社、ソフト面は伊藤さんということで協業、弊社が金型代などコスト面をフォローして設計、広告、販売促進をすることになりました」
とはいえ、現在のスタイルになるまでには紆余曲折があったといいます。まず開発には伊東さんも所属する「みつわ発明部」を社内に発足。自社での商品開発に取り組み始めます。
「みつわ発明部」は、「生活を便利にするグッズを思いついたけれど、実際に作れるかどうかわからない」「アイデアは頭にあるけれど企画としてまとめる作業は苦手」「開発・製造のハードルが高い」「作った後に売れるかどうか心配」といった悩みや課題を持つ個人の方や企業と一緒に、図面を描く段階から試作品の制作、量産、販売まで、相談しながら一緒に商品を作り上げるセクション。

「ユビタマゴの企画が持ち込まれた時の原案では、棒状の先に3つの球が取り付けてあるデザインだったんです。それだと力が分散してしまうということで私が設計し、手に収まるタマゴ形にしました。
サイズ感も課題になりましたが、女性が力を入れやすく、気持ちよくマッサージができる大きさを模索し、切削加工ですぐに試作を製作、検討することができました。」
◆製作した完成品は、営業から販売まで責任を持って管理
⻑年の実績からの製造ノウハウを駆使して「ユビタマゴ」を完成させたものの、この商品をどのように消費者の手に取ってもらうかが最大の課題でした。
「それこそ、金型代だけでもペイしなくてはという思いがありましたから、自ら普段利用している会社の裏の床屋さんに置いて委託販売してもらったり、まずはウェブ展開と思い『楽天市場』に出店し、1個売れただけで大喜びして発送するのにバタバタしたり......。今は百貨店のギフトカタログなどにも掲載していますが、基本的にネット販売です。広告費なども2,000万円くらいかけています。」

設計やデザインのみならず、“草の根営業”まですべてを行う伊東氏。ですが、それによってむしろ見えてくるものもあり、マーケティング面でも大きく役立っているといいます。

「ユビタマゴ」で始まった商品は、お客様の声や購買層などを鑑み「HOGU シリーズ」として派生した商品が続々登場しています。

「今、最新のユビタマゴは第4世代で 9,460円と少し価格もアップしましたが、ネオジム磁石を使ってステンレス球の動きをスムーズにしたり、肌にあたる樹脂部分をソフトでクッション性のある素材にしたことで、頭皮やデコルテなどにもより使いやすくしました。また、シックな配色の男性用、お風呂で使えるタイプ、若い世代へ訴求するサンリオの『ぐでたま』とのコラボなど数多くのラインを発表しています。」
そのほか、「HOGU シリーズ」には、ふくらはぎのむくみをほぐすリング状の「モンデリング」や、背中のこりをほぐす「背・BONE(セボーン)」なども登場しています。(ちなみにユニークなネーミングは、発明学会にも所属している二代目社長の三輪⽒によるもの)
◆『ミツワ』が見据える、グループ会社が協働するもの作り
「数年前、M&Aが結ばれましたが、元の会社の個性はそのまま残すという親会社の方針で、社風はそのままに、以前より活気があり大変有難いことです。一方、グループ会社はそれぞれ得意とする樹脂成形があり、例えばうちに射出成形以外の案件が来るとすると、その成形が得意な別のグループ会社にそのまま投げてしまうということがあります。そうなってくると、それまでのお客様と遠くなってしまい、商品作りにおいて齟齬が生じてきてしまうことも。もっとグループ内の会社同士でも風通しが良くなれば」と話します。

今、開発しているのは、チョコレートのモールド(流し込む型)。これまでは金型製でしたが、開発しているのは真空成形のシートのイメージだとか。コスト面も下がり、もっと型のバリエーションを増やすこともできるそうです。
『ミツワ』は、そんな発想豊かなアイデアで、これからも人を幸せにするオリジナル製品を作り続ける会社でありたいと、伊東氏は締め括りました。

■ 足立ブランド認定企業紹介冊子・送付希望の方へ
足立ブランド認定企業であるミツワ株式会社も掲載される「足立ブランド認定企業紹介冊子」を10名様に送付させていただきます。送付ご希望の方は下記の応募フォームをご利用ください。
※ 部数に限りがございますので、ご希望者多数の場合はPDF送付になる旨をご了承ください。
足立ブランド認定企業紹介冊子 / 応募フォーム
https://forms.gle/C6wTHxEBce7vzqAx5

企業情報
ミツワ株式会社
会社名:ミツワ株式会社
住 所:東京都足立区舎人 1-16-12
電話番号:03-3899-1477
代表取締役:羅山 能弘
創 業:1967年
事業内容:下記プラスチック製品及び商品ディスプレー什器の設計及び製造
自動車・工業機械等の部品、建築資材用部品、家電・PC・OA 用部品、 厨房用部品、医療機器用部品、文具・玩具用部品、これらに類する部品
「足立ブランド」は、区内企業の優れた製品・技術を認定して、その素晴らしさを全国に広く発信することで、区内産業のより一層の発展と足立区のイメージアップを図ることを目的とした事業です。
『ミツワ株式会社』は、この「足立ブランド」認定企業です。
取材など掲載情報に関するお問い合わせは、「足立ブランド」の運営事務局でもある足立区役所産業経済部産業振興課ものづくり振興係でも受け付けております。
足立区役所産業経済部 産業振興課 ものづくり振興係
電話番号:03-3880-5869
ファクス:03-3880-5605
足立ブランド公式Webサイト
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