【調査発表】今の時代にあった採用コミュニケーションとは?「大学生の就職活動調査2021」の結果を発表
定着・活躍と、内定辞退・早期退職・メンタル不全の最初の分かれ道
企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都品川区 代表取締役社長:山﨑 淳 以下、当社)は、2022年卒に向けて就職活動を行った全国の大学4年生、修士2年生1,287名に対し、「大学生の就職活動調査2021」を実施しました。学生の仕事に対する価値観変化などの調査結果をもとに、入社後も社員がいきいきと働き、職場に定着・活躍するための採用・就職活動のポイントなど、調査結果から見える実態について公表しました。
1. 調査の背景
22歳人口は2022年以降急速に減少する見込みであることから、企業にとって今後の人材獲得は熾烈となることが予想されます。企業にとっては、いかに自社に合った人材を採用できるかはもちろん、採用した人材の定着・活躍支援がますます重要な課題になっていくと考えられます。
学生にとっても、企業とのさまざまなタッチポイントがオンライン化するなど、就職活動の時期・手段が変化していることから、自分に合った企業をどう見極めたらいいか不安を感じている方も多いでしょう。就職活動の実態や学生の価値観はどのように変化していて、採用・就職活動をめぐる、企業と学生のコミュニケーションはどうあるべきかを明らかにすべく、本調査を実施しました。
2. 調査のポイント
● インターンシップは企業と学生が最初に接点をもつ機会として定着しており、学生は企業理解の場として活用する場合が多い(図表1・2)
22卒でインターンシップに参加した学生の割合は約70%で、17卒からおよそ20%の上昇。
インターンシップ・1day仕事体験の参加目的TOP5を見ると、1位は業種理解が圧倒的であるが、次いでその企業の社風・職場の雰囲気、業務理解、企業の深い理解を目的としている人も多く、会社説明の場としても機能していることがわかる。
図表1 インターンシップ・1day仕事体験参加率
Q あなたがインターンシップ・1day仕事体験に参加した時期を教えてください。当てはまる時期を全て選択してください。 ※「参加したことがない」を選択していない回答者を「参加したことがある」として集計
図表2 インターンシップ・1day仕事体験に応募したきっかけ
Q どのような目的でインターンシップに参加しましたか。当てはまるものをすべて選択してください。
● 学生の約9割がWEB面接を経験。最終面接でも6割以上が経験(図表3)
22卒の学生の87.2%がWEB面接を経験しており、最終面接でも63.6%がWEB面接を経験していた。
図表3 選考でのWEB面接経験
Q 本選考で面接がWEB形式の企業は何社ありましたか? ※「0社」と選択した回答者を「WEB面接経験なし」として集計
Q 面接の各フェーズで、あなたが実際に経験した面接形式をお答えください
● 半数以上の学生が、1社は辞退することになる(図表4)
内(々)定を得ている学生のうち、2021年7月時点で2社以上から内(々)定を得ている学生は57.1%。面接での動機づけをはじめとして、内(々)定出し後まで含めた継続的なフォローが必要であることがわかる。
図表4 内(々)定の有無と社数
Q 就職活動を始めてから現在までに、内(々)定をもらった企業数を教えてください。
※「1社」以上を選択した回答者を「内定をもらった」として集計
● 「協調/親和」の社風を好む志向が強まっていることがわかる(図表5・6)
重視したい社風を比較すると、「協調/親和」のカテゴリにある「相互の思いやりとあたたかさ」「オープンなコミュニケーション」の方向へと、徐々にグラフが大きく張り出していっている。
就職活動の手法や響く価値が変化する中でも学生が企業に応募する動機は大きくは変わらず、業界、勤務地、製品・サービスに対する親近感がきっかけとなっている。近年では「知名度やステータス」の選択率が高まる傾向も見られる。
図表5 働くうえで重視したい社風(上位3つまで選択)
Q 働く上で重視したい社風について、以下の中からお気持ちに近いもの位を3つまでお答えください。
図表6 内(々)定企業に応募したきかっけ
Q 4月から働く予定の会社に応募したきっかけは何ですか。
● 企業との直接接点が企業理解・志望度の向上に大きく影響することは変わらず。一方で、非対面の選考の増加により社風や社員の魅力が意思決定の要因となる比率は低下(図表7・8)
近年では「インターンシップ」の影響が大きくなっているが、依然として1位は「面接」。21卒・22卒では非対面で選考が進むことが多くなったため、社員との接点よりも、決定のための材料や不安解消の場が多い、自分に時間を割いてくれる、選考が速やかに進むという点で、自分が大事にされていると感じられることが重視される傾向が見られた。
図表7 内(々)定企業への志望度向上に特に影響が大きかったこと
Q 就職活動のどの過程で、最も志望度が高まりましたか。
図表8 内(々)定企業への志望度向上に特に影響が大きかったこと
Q 企業への志望度の向上に特に影響が大きかったものを上位3つまで選択してください。(1~3つ選択、3位までの選択率の合計)
● 学生は働く自分をイメージできるような情報を求めている(図表9)
学生は、社内の人間関係・職場の雰囲気、具体的な仕事内容や進め方、勤務時間といった働く自分をイメージできるような情報を求めている。「採否の基準や理由」「社員の会社への不満・会社の弱み」なども気になる情報だが、実際には得にくいようである。
図表9 就職活動中に強く知りたいと思っていた情報・知ることができた情報
Q 就職活動中に、強く知りたいと思っていた情報を教えてください。そのうち、知ることができた情報を教えてください。(複数選択。()内の数字は、知りたいと思っていた人の中で、知ることができた人の割合)
3. 研究員のコメント
主任研究員 飯塚 彩(写真左)
研究員 角田 瑞樹(写真右)
今回調査対象とした2022年卒予定の方々は、大学・大学院時代の大半をコロナ禍で過ごされています。その中での就職活動の進め方や、働くことに対する価値観はどのようなものであったかを知るため、経年での集計・考察を行いました。
最も興味深い結果は、非対面での選考が一気に進んだことによって、応募者がこれまで以上に「自分が大事にされているか」を敏感に感じ取っているということでした。企業にとっては、さまざまな採用手法を活用するとともに、各タッチポイントでのコミュニケーションの目的や方法を見直し、進化させるタイミングといえるかもしれません。
たとえば、コミュニケーションの目的のひとつとして、応募者の「就業レディネス」を高めるという視点がより重要になってくると考えられます。就業レディネスとは社会人になるにあたっての心の準備状態を指す概念で、「社会人としての自覚」と「自己理解の促進」から構成されます。就職活動の充実にかかわるとともに、入社後の仕事や組織への適応行動を促進する要素です。
弊社では、就業レディネスの向上施策をはじめとして、企業と応募者のこれからの採用コミュニケーションのあり方を今後もご提案してまいります。
4. 調査概要
リクルートマネジメントソリューションズについて
ブランドスローガンに「個と組織を生かす」を掲げ、クライアントの経営・人事課題の解決と、事業・戦略推進する、リクルートグループのプロフェッショナルファームです。日本における業界のリーディングカンパニーとして、1963年の創業以来、領域の広さと知見の深さを強みに、人と組織のさまざまな課題に向き合い続けています。
●事業領域:人材採用、人材開発、組織開発、制度構築
●ソリューション手法:アセスメント、トレーニング、コンサルティング、HRアナリティクス
また、社内に専門機関である「組織行動研究所」「測定技術研究所」を有し、理論と実践を元にした研究・開発・情報発信を行っております。
※WEBサイト:https://www.recruit-ms.co.jp
22歳人口は2022年以降急速に減少する見込みであることから、企業にとって今後の人材獲得は熾烈となることが予想されます。企業にとっては、いかに自社に合った人材を採用できるかはもちろん、採用した人材の定着・活躍支援がますます重要な課題になっていくと考えられます。
学生にとっても、企業とのさまざまなタッチポイントがオンライン化するなど、就職活動の時期・手段が変化していることから、自分に合った企業をどう見極めたらいいか不安を感じている方も多いでしょう。就職活動の実態や学生の価値観はどのように変化していて、採用・就職活動をめぐる、企業と学生のコミュニケーションはどうあるべきかを明らかにすべく、本調査を実施しました。
2. 調査のポイント
● インターンシップは企業と学生が最初に接点をもつ機会として定着しており、学生は企業理解の場として活用する場合が多い(図表1・2)
22卒でインターンシップに参加した学生の割合は約70%で、17卒からおよそ20%の上昇。
インターンシップ・1day仕事体験の参加目的TOP5を見ると、1位は業種理解が圧倒的であるが、次いでその企業の社風・職場の雰囲気、業務理解、企業の深い理解を目的としている人も多く、会社説明の場としても機能していることがわかる。
図表1 インターンシップ・1day仕事体験参加率
Q あなたがインターンシップ・1day仕事体験に参加した時期を教えてください。当てはまる時期を全て選択してください。 ※「参加したことがない」を選択していない回答者を「参加したことがある」として集計
図表2 インターンシップ・1day仕事体験に応募したきっかけ
Q どのような目的でインターンシップに参加しましたか。当てはまるものをすべて選択してください。
● 学生の約9割がWEB面接を経験。最終面接でも6割以上が経験(図表3)
22卒の学生の87.2%がWEB面接を経験しており、最終面接でも63.6%がWEB面接を経験していた。
図表3 選考でのWEB面接経験
Q 本選考で面接がWEB形式の企業は何社ありましたか? ※「0社」と選択した回答者を「WEB面接経験なし」として集計
Q 面接の各フェーズで、あなたが実際に経験した面接形式をお答えください
● 半数以上の学生が、1社は辞退することになる(図表4)
内(々)定を得ている学生のうち、2021年7月時点で2社以上から内(々)定を得ている学生は57.1%。面接での動機づけをはじめとして、内(々)定出し後まで含めた継続的なフォローが必要であることがわかる。
図表4 内(々)定の有無と社数
Q 就職活動を始めてから現在までに、内(々)定をもらった企業数を教えてください。
※「1社」以上を選択した回答者を「内定をもらった」として集計
● 「協調/親和」の社風を好む志向が強まっていることがわかる(図表5・6)
重視したい社風を比較すると、「協調/親和」のカテゴリにある「相互の思いやりとあたたかさ」「オープンなコミュニケーション」の方向へと、徐々にグラフが大きく張り出していっている。
就職活動の手法や響く価値が変化する中でも学生が企業に応募する動機は大きくは変わらず、業界、勤務地、製品・サービスに対する親近感がきっかけとなっている。近年では「知名度やステータス」の選択率が高まる傾向も見られる。
図表5 働くうえで重視したい社風(上位3つまで選択)
Q 働く上で重視したい社風について、以下の中からお気持ちに近いもの位を3つまでお答えください。
図表6 内(々)定企業に応募したきかっけ
Q 4月から働く予定の会社に応募したきっかけは何ですか。
● 企業との直接接点が企業理解・志望度の向上に大きく影響することは変わらず。一方で、非対面の選考の増加により社風や社員の魅力が意思決定の要因となる比率は低下(図表7・8)
近年では「インターンシップ」の影響が大きくなっているが、依然として1位は「面接」。21卒・22卒では非対面で選考が進むことが多くなったため、社員との接点よりも、決定のための材料や不安解消の場が多い、自分に時間を割いてくれる、選考が速やかに進むという点で、自分が大事にされていると感じられることが重視される傾向が見られた。
図表7 内(々)定企業への志望度向上に特に影響が大きかったこと
Q 就職活動のどの過程で、最も志望度が高まりましたか。
図表8 内(々)定企業への志望度向上に特に影響が大きかったこと
Q 企業への志望度の向上に特に影響が大きかったものを上位3つまで選択してください。(1~3つ選択、3位までの選択率の合計)
● 学生は働く自分をイメージできるような情報を求めている(図表9)
学生は、社内の人間関係・職場の雰囲気、具体的な仕事内容や進め方、勤務時間といった働く自分をイメージできるような情報を求めている。「採否の基準や理由」「社員の会社への不満・会社の弱み」なども気になる情報だが、実際には得にくいようである。
図表9 就職活動中に強く知りたいと思っていた情報・知ることができた情報
Q 就職活動中に、強く知りたいと思っていた情報を教えてください。そのうち、知ることができた情報を教えてください。(複数選択。()内の数字は、知りたいと思っていた人の中で、知ることができた人の割合)
3. 研究員のコメント
■株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
HRアセスメントソリューション統括部主任研究員 飯塚 彩(写真左)
研究員 角田 瑞樹(写真右)
今回調査対象とした2022年卒予定の方々は、大学・大学院時代の大半をコロナ禍で過ごされています。その中での就職活動の進め方や、働くことに対する価値観はどのようなものであったかを知るため、経年での集計・考察を行いました。
最も興味深い結果は、非対面での選考が一気に進んだことによって、応募者がこれまで以上に「自分が大事にされているか」を敏感に感じ取っているということでした。企業にとっては、さまざまな採用手法を活用するとともに、各タッチポイントでのコミュニケーションの目的や方法を見直し、進化させるタイミングといえるかもしれません。
たとえば、コミュニケーションの目的のひとつとして、応募者の「就業レディネス」を高めるという視点がより重要になってくると考えられます。就業レディネスとは社会人になるにあたっての心の準備状態を指す概念で、「社会人としての自覚」と「自己理解の促進」から構成されます。就職活動の充実にかかわるとともに、入社後の仕事や組織への適応行動を促進する要素です。
弊社では、就業レディネスの向上施策をはじめとして、企業と応募者のこれからの採用コミュニケーションのあり方を今後もご提案してまいります。
4. 調査概要
リクルートマネジメントソリューションズについて
ブランドスローガンに「個と組織を生かす」を掲げ、クライアントの経営・人事課題の解決と、事業・戦略推進する、リクルートグループのプロフェッショナルファームです。日本における業界のリーディングカンパニーとして、1963年の創業以来、領域の広さと知見の深さを強みに、人と組織のさまざまな課題に向き合い続けています。
●事業領域:人材採用、人材開発、組織開発、制度構築
●ソリューション手法:アセスメント、トレーニング、コンサルティング、HRアナリティクス
また、社内に専門機関である「組織行動研究所」「測定技術研究所」を有し、理論と実践を元にした研究・開発・情報発信を行っております。
※WEBサイト:https://www.recruit-ms.co.jp
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