2023年度グッドデザイン賞「シモキタハウス」「グランアセット赤堤」受賞!10年連続、累計25作品!
シモキタハウス
グッドデザイン賞ページ https://www.g-mark.org/gallery/winners/16579?companies=4817d55f-89a5-460f-8466-1094930ac4e9&years=2023
受賞対象の詳細
敷地周辺は、かなり近接して住宅が建っており、各階で日当たりや通風など室内環境がずいぶん異なることが予想された。それらを別の住戸とするよりも、適切に組み合わせて一つの住戸としたほうが、明/暗の両方を空間の質として同等に活かせると考えた。それぞれの住空間が豊かになるだけでなく、全体の賃貸価値を高められると考えた。
デザインのポイント
・1階を3階とつなぐなどして、暗い場所にも価値を与えることで、建物全体の価値を高めた。
・各住戸3方に窓を配置し、周辺建物が変化しても室内環境が大きく変わらぬよう配慮した。
・比率の同じ大小の窓を、内観では絵画のよう並べ、外観では奥行と独特な距離感をつくった。
背景
一般的に共同住宅の住戸は、日当たりと眺望、プライバシーなどでその価値を計られ、今回のような環境では3階の部屋は良い部屋として、1、2階の部屋は悪い部屋として評価される。これを組み合わせることで、明るい部屋で食事をして、暗い部屋で寝るなど生活のシーンに対応させることができ、明るさと暗さを等価な空間の質として捉えなおせると考えた。それによって、各住戸内部をより魅力的にすることができるだけでなく、建物全体の賃貸価値を高めることができる。1階から3階まで距離感を縮めるため、一度の折り返しで登れるよう各階は鉄砲階段とし、他の住戸の階段と上下に重ねることで平面的な効率化を図っている。
経緯とその成果
1、2階の室内には、視線の抜ける窓と、隣地建物のディテールが間近に見える窓が並んでいる。周囲の現状を考慮に入れつつも、それらが将来変化したとしても成立するような室内を目指して、窓を部屋の3方に等価に並べた。周囲は現時点までに建て替わり、駐車場にも住宅が建っているが、内部の居住性は極端に変わってはいない。斜線で決まる建物ボリュームを若干調整して、二つの単純な家型とし、外観のスケールを落とした。外部からは、複雑に入り組んだ各部屋の輪郭を知ることができないだけでなく、同じ形の大きさの異なる窓が並ぶファサードは、グラフィカルな奥行きを作り出す。建てこんだ中のシンプルな家型は、閉じているわけでも周囲と離れているでもないが、複雑な内部を包みながら、周囲から独特な距離感で浮かんでいる。
仕様
敷地面積:145.74m²(44.08坪) 建築面積: 72.42m²(21.90坪) 建ぺい率49.69% 延床面積:200.81m²(60.74坪) 容積率 137.79 % 構造・規模:木造地上3階建
審査委員の評価コメント
都心部に計画された3階建ての小規模共同住宅。密集した土地で極力内部面積を増やしたフルボリュームの建物を計画すると、1階と3階の空間性が異なることにより、通常であれば賃貸価値を生みにくい部屋を生み出してしまう場合がある。 このプロジェクトではそのデメリットを、むしろ「階ごとに異なる空間の特徴があることは個性である」とポジティブに捉え、異なる階をあえて組み合わせてひとつの住戸を構成することにチャレンジしている。 そのチャレンジが、計画する側の思いにとどまらず、住む人に独特な快適性を与えていることは高い評価に値する。
グランアセット赤堤
受賞対象の詳細
都心部の低層住宅街に建つワンルーム主体の全20戸賃貸共同住宅の計画。 横長の敷地形状で短辺が接道しており、四方を住宅とアパートに囲まれている。 明るく風通しのよい外部空間と、各住戸の居住性を確保する為、建物外殻をひだ状に折り曲げ、穿った。建物ボリュームを分節することで、周辺にも明るさを提供し、美しい街並みに寄与した。
デザインのポイント
・外部環境との関係を調整しつつ、各戸内部に個性的な表情を持たせるワンルーム主体の賃貸住宅を目指した。
・外殻をひだ状に折り曲げ、穿ち、ボリュームを分節し周辺スケールに馴染む、明るい街並み景観の向上に寄与。
・構造壁を「コンクリート現し」にすることで、表情豊かな永く親しまれる 「代えのきかない壁」を目指した。
背景
事業用共同住宅は、収益効率を追求するがゆえに、敷地に対してボリュームの最大化、経済性を重視した外壁材の採用が優先され、結果として画一的な建物計画に陥りがちである。 特にワンルームタイプ(15~25㎡)の共同住宅では顕著であり、短冊状の部屋を束ねたような建物計画に収束しやすい。 本計画は都市部の中規模低層ワンルームマンションで採用されることが多い壁式鉄筋コンクリート造の「壁」に注目し、構造としてだけでなく、環境の調整、長く愛される建物の特徴としての「外殻」として見直すことから始めた。
経緯とその成果
敷地の短辺が接道する横長の計画地に、明るく風通しのよい外部空間と、各住戸の居住性を確保する為には、建物外殻をひだ状に折り曲げた形態が効果的であると考えた。 角度のついた屋根、壁、開口の連続により、周囲から明るさを確保した開放的な場所及び、視線の抜けを調整した落ち着きのある場所を計画した。同時に折半形状により平面X,Y方向の構造要素にとらわれない住戸プランが可能となった。 外部壁仕上にはOSB型枠を採用。経年変化に耐えうる表情豊かな外観を目指し、内部壁はPコンフックが自由に取付できるようにしてある。 結果、分節された建物ボリュームは周囲への圧迫感を軽減し、明るく風通しのよい外部空間を提供。各室は個性的な表情を持ち、永く住み続けられるように計画した。
仕様
敷地面積:309.38㎡/建築面積:207.06㎡/延べ面積:479.90㎡ 構造:RC造(壁式鉄筋コンクリート造)/階数:地上3階建/戸数:20戸(共同住宅11戸、長屋9戸)
審査委員の評価コメント
敷地は中低層の集合住宅が多く建ち並ぶ東京都世田谷区。低層賃貸共同住宅として、画一的なワンルームの配置ではなく、外壁をひだ状に折り曲げ、玄関のアプローチスペースを確保したリズム感のある外観は、ヒューマンスケールな景観を生み出している優れた計画である。15~25㎡のワンルームの住戸は、住戸数の確保のため細長い空間となっているが、平面空間の一部で窓の高さの中間にFRPグレーチングの床を増床することで、天井高さは低くなるが、下部に光を入れながら、寝る空間と働く空間を分ける断面計画は、多様な暮らしの可能性を創出している見事な提案である。生活する人を中心に丁寧な計画をすることは、結果として都市の風景として現れてくるのでとても重要である。これからの展開も期待されるところである。
企業情報
シマダアセットパートナーズ株式会社は、1960年創業のシマダハウス株式会社より2007年に不動産開発・分譲部門が分離・独立して誕生しました。戸建て・共同住宅などの居住用建物からホテル、介護施設、保育園など幅広い建築をおこなっている総合不動産総合ディベロッパーです。
土地の仕入れから設計・建築を担い、その建物の運営は同じシマダグループが担当します。大切に考えているのは、住む人にとって、利用する人にとって、「いい時間(とき)」が流れること。そのために私たちは、建てて終わりではなく、土地の仕入れから、建築設計そして運営まで、その土地に「いい時間」が息づくまでをデザインします。
会社名:シマダアセットパートナーズ株式会社
設 立:2007年11月
資本金:1億円
売上高:59億(2022年10月実績)
従業員数:グループ連結1116名・単体30名
事 業:不動産開発事業
シマダアセットパートナーズ株式会社 WEBサイト :https://shimada-sap.co.jp
シマダグループについて
シマダグループは1952年、世田谷区にある一軒の精米店から始まりました。この「島田精米店」を礎に、日本の米食文化の変化に対応すべく、国産米麺(フォー)を主とした飲食店「コムフォー」を開店。その後、戸建事業・賃貸管理事業といった不動産・建築事業から、介護施設の展開・ホテル事業・保育事業・旅行事業・酒造事業など、社会のニーズにあわせ事業形態を変化させ、現在では7事業を展開しています。
シマダグループ WEBサイト
https://shimadahouse.co.jp/
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