三菱電機の配電用変圧器事業を日立産機システムに譲渡
株式会社日立産機システム(本社:東京都千代田区、取締役社長:竹内 康浩、以下「日立産機システム」)と三菱電機株式会社(本社:東京都千代田区、執行役社長:漆間 啓、以下「三菱電機」)は、三菱電機のFA制御機器などの開発・生産を行う名古屋製作所で製造する配電用変圧器事業を日立産機システムに譲渡し、両社の事業を統合することに合意しました(以下「本事業譲渡」)。今後、関係当局からの認可取得を経て、三菱電機の名古屋製作所における配電用変圧器事業(開発、設計、製造、販売、保守)に関する資産などを、2024年10月より段階的に日立産機システムに譲渡し、2026年4月1日を目途に完了させる予定です。なお、本事業譲渡においては、三菱電機の系統変電システム製作所 赤穂工場で製造している変圧器は対象外となります。
本事業譲渡により、日立産機システムは、省エネ性能が高く環境に配慮した変圧器の製品ラインアップとサービスを拡充し、国内市場を中心に受変電システムを核としたグリッドエッジソリューション(※1)の成長を加速し、日立グループのIT、OT、プロダクトとの連携を通じ、日本の送配電網のサステナブルな進化に貢献していきます。三菱電機は、重点成長事業に集中的に投資するポートフォリオ戦略に基づき、FAシステム事業の拡大に注力していきます。
配電用変圧器は、発電所が発電した高圧電力を、変電所や公共施設、事業や商用施設などの中継点で、利用側のニーズに合わせた電圧に降圧する役割を担っています。再生可能エネルギーの普及による発電源の多様化、ならびに生成AIやDXの普及に伴うデータセンターおよび半導体製造の拡大に伴い電力需要が世界的に拡大する中、配電用変圧器は長期的な需要拡大が見込まれています。国内では、省エネ法におけるトップランナー方式に基づき、2026年度に配電用変圧器のエネルギー消費効率を2019年度に比べ11.4%向上する目標が掲げられるなど、環境性能の改善が求められている事もあり、2026年には2022年比で10%以上の市場拡大が予測されています。(※2)
日立グループでは、カーボンニュートラルを実現するための重要プロダクトとして、変圧器をグローバルに事業展開しています。国内では、日立産機システムが配電用変圧器のトップメーカーとして、電力損失が少ない「アモルファス合金」を鉄心に採用し圧倒的なエネルギー消費効率を実現した製品や、植物油(エステル油)を採用し高い環境性能と安全性を実現した製品などを提供しています。世界では、グローバルリーダーである日立エナジーが、液体封入型や乾式変圧器、ライフサイクルサポートをユーティリティーや産業、運輸分野向けにグローバルに提供しており、ライフサイクルコストと環境影響を低減しながら、高い信頼性と最適な性能を実現しています。
三菱電機の名古屋製作所における配電用変圧器事業は、長年の実績で培われた技術を進化・継承し、トップランナー油入変圧器Rシリーズを中心に省エネ性能を追求した豊富なラインアップを備え、日本国内の充実した販売網により配電用変圧器事業を推進してきましたが、安定した製品の供給と事業のより一層の強化に向けて本事業譲渡を決定しました。
日立産機システムと三菱電機は、両社の保有する技術・資産の統合により、エネルギー効率の改善や、より環境にやさしいプロダクトの開発と提供を通じ事業価値を高めることが、日本に求められる高度な送配電網の実現や、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」への貢献に最適である、との両社の経営判断に基づき、今回の合意に至りました。
株式会社日立産機システム 取締役社長兼CEO 竹内 康浩
「2050年、日本のカーボンニュートラルに貢献する、その想いが今回の統合の背景にあります。日立産機は、社会インフラや製造業を支える産業機器をグローバルに提供していますが、変圧器は、よりグリーンでインテリジェントな国内送配電網を構築していく上で欠かせないプロダクトであり、着実な統合プロセスを通じ、日立グループが掲げる『プラネタリーバウンダリー』を超えない社会の維持にも貢献できると確信しています。」
三菱電機株式会社 上席執行役(FAシステム事業本部長) 竹内 敏惠
「名古屋製作所の配電用変圧器事業は1952年より生産を開始し、約70年の歴史があります。長年の実績で培われた技術を日立産機システム様に継承することで、配電用変圧器業界の発展に貢献すると確信しています。移行期間は当社として供給を継続しながら、事業譲渡を順次進めていき、今後はFAシステム事業や循環型 デジタル・エンジニアリング事業の拡大に向け注力していく方針です。」
■株式会社日立産機システムの概要
所在地 |
東京都千代田区外神田一丁目5番1号 住友不動産秋葉原ファーストビル |
設立日 |
2002年4月1日 |
事業内容 |
受変電機器・配電システム事業、空気圧縮機・関連機器事業、 マーキング機器・システム事業、ポンプ事業、クリーンエア装置事業、 クレーンシステム関連機器事業、ドライブ・IoT機器事業など |
URL |
■三菱電機株式会社の概要
所在地 |
東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 |
設立日 |
1921年1月15日 |
事業内容 |
インフラ、インダストリー・モビリティ、ライフ、 ビジネスプラットフォームなどの製品の開発、生産、販売、サービス |
URL |
※1 送配電系統と需要家側のデバイスが接続する場所で稼働する各種ソリューション
※2 出典:富士経済グループ「2023年版 国内受配電システム関連市場の現状と将来予測」
<お客様からのお問い合わせ先>
株式会社日立産機システム
〒101-0021 東京都千代田区外神田一丁目5番1号 住友不動産秋葉原ファーストビル
営業統括本部 受変電・配電営業統括部 [担当:奥村]TEL 03-6271-7121
受変電・配電システム事業本部 戦略企画部 [担当:天兒]TEL 070-7027-4246
三菱電機株式会社 FAシステム事業本部
〒100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
https://www.MitsubishiElectric.co.jp/contact/ssl/php/1430/inquiryform.php?fid=1430
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