物価高騰で「全体矯正」は重い選択に。消費者の3人に1人が「前歯だけの矯正」を希望。“コスパ重視”の時代に求められる「透明性の高い診断」とは

～株式会社Oh my teethが「矯正治療の検討範囲」に関する実態調査を発表～

Oh my teeth

2025年12月18日 10時00分

マウスピース矯正ブランド「Oh my teeth」を展開する株式会社Oh my teeth(所在地：東京都新宿区、代表取締役CEO：西野誠)は、過去に歯列矯正治療を経験した457名を対象に、矯正治療の検討初期における希望治療範囲に関する実態調査を実施しました。

物価高騰が家計を圧迫するなか、調査では矯正治療においても「できるだけ費用を抑えたい」という意識が消費者の間で強まっていることが明らかになりました。

歯列全体や噛み合わせまで動かす全体矯正は、100万円を超えることもある高額な治療である一方、3人に1人(33.8%)は、見た目に直結する「前歯だけ」の矯正を希望。

しかし同時に、4人に1人(24.9%)は、自身の歯並びが部分矯正に適応できるのかを自己判断できず、治療範囲を決めないまま検討を進めている実態も浮かび上がりました。

調査名：歯並びに関する意識調査

調査期間：2025年11月27日

調査方法：オンライン調査

調査対象：過去に矯正治療を受けた経験のある男女 457名(10～70代)

エリア：全国

矯正治療を検討し始めた当初の希望範囲は、以下の結果となりました。これは、費用対効果を重視する現代の消費者が、「最小限の費用で、最大のコンプレックス(前歯)を解消したい」という切実なニーズの現れです。高額な全体矯正ではなく、費用負担を抑えた治療の「入り口」を求めていると考えられます。

合計約34%(3人に1人)が「前歯だけの部分矯正」を希望しており、見た目に直結する前歯へのニーズの高さがうかがえます。

「治療範囲を特に決めていなかった」と回答した人は24.9%にのぼりました。この層は、費用が高額になる可能性を意識しつつも、自身の歯並びが部分矯正の適応範囲に当てはまるのかを検討段階で判断しきれないまま、矯正治療の検討を進めていた層といえます。

その結果、歯科医師が提示する医学的な選択肢と、患者が想定していた費用感との間に、ギャップが生まれやすい状況があると考えられます。

SNSや広告などで矯正の情報が得られる一方で、

といった医療的判断を自力で行うのは簡単ではありません。

この “判断の迷路” が矯正治療開始のハードルとなっている可能性があります。

実際に行った治療範囲を確認すると、前歯を中心とした部分矯正に該当する割合は以下の合計44.9％でした。

一方で、奥歯を含む全体矯正を選択したのは55.14%となり、部分矯正と全体矯正はほぼ半々という結果になりました。

検討段階で「前歯だけを治したい」と考えていた33.9%という割合と比較しても、前歯に限定した治療ニーズの強さが裏付けられる結果となっています。

	部分矯正(前歯中心)	全体矯正(奥歯を含む)
治療範囲	前歯や限られた本数を対象とする	噛み合わせも含め歯列全体を動かす
目的の傾向	見た目の一部を整えたいケースで選ばれやすい	噛み合わせや将来の変化も含めて考えるケースが多い
治療計画の特徴	動かす歯が限定されるため、領域が明確	噛み合わせとのバランスを含めた計画が必要
費用帯の傾向(調査データより)	20〜40万円が多い	100万円以上かかることもある
治療方法の適応	歯並び・噛み合わせによって適応が異なる	広いケースで適応されることが多い
注意点	動かす範囲が限定されるため、希望部位だけでは難しい場合がある	治療期間や費用が相対的に大きくなる可能性がある