日本コクレア、アップグレード可能な次世代の人工内耳システムを販売開始 超高齢社会の「聴こえ」をサポート
〜聴覚障害の専門家とGoogleを迎えてメディアイベントを開催〜
<本プレスリリースは報道関係者の皆様を対象としています>
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新規承認されたコクレアのスマートインプラント人工内耳システム、アップグレード可能なファームウェアを搭載、将来登場する新機能や技術革新へのアクセスを広げ、高齢社会の「聴こえ」をサポート[1,+]
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コクレアは30年以上にわたり日本で事業を展開、人工内耳の提供を通じて、これまでに日本国内で10,000人以上の「聴こえ」を支援
⼈⼯内⽿システムを世界的に展開する豪コクレア社の⽇本法⼈、株式会社 ⽇本コクレア(本社:東京都⽂京区、執行役員社⻑:上中茂弘)は本日、聴覚障害の専門家およびテクノロジーパートナーであるGoogle社よりスピーカーを招いたメディアイベントを開催し、超高齢社会の日本における聴覚医療のニーズや、次世代のスマートインプラント人工内耳システムに関する技術革新を紹介しました。

日本における難聴課題の拡大
日本では人口の約11%が難聴を抱えていると推計されていますが、多くの人が難聴について医師に相談しておらず、十分に対処されていないのが現状です。[2] 日本では、人工内耳適応基準を満たす方100人のうち、わずか1~2人しか人工内耳を装用していませんが、米国では100人中約5~10人、オーストラリアでは100人中約25人が人工内耳を装用しています。[3] 世界保健機関(WHO)は、2050年までに世界人口の4人に1人が難聴を抱えると予測しており、[6] 生活の質やコミュニケーション、社会参加を維持するために、早期介入の重要性がますます高まっています。
「超高齢社会の日本において、難聴は健康寿命に大きく関わる重要な健康課題です。難聴は『年齢のせいだから仕方がない』と考えられがちですが、適切な対策によって改善が期待できます。聞こえに不安を感じたら、まずは耳鼻咽喉科で聴力検査を受けていただきたいと思います。」と、独立行政法人国立病院機構東京医療センター耳鼻咽喉科科長・人工内耳センター長の南 修司郎医師は述べています。
次世代の聴覚テクノロジー
人工内耳は、高度から重度の感音難聴患者に適応される電子医療機器です。聴き取りやすい音量まで音を増幅する補聴器とは異なり、人工内耳は耳の罹患部位を迂回し、聴神経を直接刺激することで音を明瞭に伝達します。音の明瞭度を向上させることで、日常生活のコミュニケーションの向上をサポートします。[6,7]
新たに承認されたコクレアのスマートインプラント人工内耳システムは、コクレア初のアップグレード可能なファームウェアを搭載した人工内耳で、将来的な機能拡張を見据えて設計されています。[1+] 従来のコクレアの人工内耳は、インプラント本体の機能が植え込み時のまま固定されるため、機能向上は体外装置であるサウンドプロセッサのアップグレードのみに限定されていました。一方、スマートインプラントを備えた人工内耳システムでは、体内に植え込まれたインプラント本体のファームウェア更新を可能とするよう設計されています。サウンドプロセッサのアップグレードと組み合わせることで、将来登場する新機能や技術革新により包括的に対応できるよう設計されています。
新システムにはコクレアにおいて約20年ぶりに刷新されたチップセットが内蔵され、従来のコクレアのチップセット処理能力が向上し、内蔵メモリとアップグレード可能なファームウェアを備えています。これにより、コクレア従来の人工内耳にはない機能を実現しています。
コクレアの最高技術責任者ヤン・ヤンセンは、次のように述べています。
「新システムは、アップグレード可能なファームウェアを備えたコクレア初の人工内耳システムです。スマートフォンがファームウェア更新によって新しい機能を追加するように、人工内耳の装用者が、シームレスに技術の進化につながり続けることを目指しています。」
また、新システムは装用者一人ひとりの聴取ニーズや周囲の環境を学習することでより明瞭な聴こえをサポートし、一日の中で変化する状況に応じて聴取設定や電力消費を自動的に至適化します。[1,6-9-10]
AIの活用による聴覚ソリューションの向上
コクレアは、難聴を抱える方々を中心に据えた技術革新に継続して取り組んでおり、聴こえを改善するための包括的なアプローチをおこなう中でAIは重要な要素のひとつです。当社は、聴覚におけるシンクタンクのオーストラリア・ヒアリング・ハブおよびGoogle社と連携し、装用者の聴取ニーズを予測して音声調整を自動化するツールの開発に取り組んでいます。
Google社のシニア・リサーチ・サイエンティストであるサイモン・カーライル教授は、メディアイベントに登壇し、次のように述べました。
「聴覚テクノロジーは、難聴者が他者や周囲とつながることをサポートする重要な役割を果たしています。しかし、まだ多くの人がそのテクノロジーの恩恵を受けられずにいます。Googleのデジタル・フューチャー・イニシアチブの一環として、Googleはコクレアと協力し、雑音環境下でも装用者一人ひとりのニーズにより的確に対応できるよう、内耳のコンピューターモデリングと機械学習を駆使し、コーディングの至適化に取り組んでいます。」
治療選択肢に関する認知の課題
多くの人が難聴を抱える一方で、対処の選択肢に対する認知は低く、適切な介入につながらない要因となっています。日本では、78%の人が人工内耳を知らないと報告されています。2 南 修司郎医師は、メディアイベントに登壇し、次のように述べました。
「難聴は単に音が聞こえにくくなるだけでなく、人との会話や社会とのつながりにも影響を及ぼします。しかし、現在は補聴器や人工内耳など有効な選択肢があります。聞こえにくさを感じたら一人で悩まず、早めに専門医へ相談していただきたいと思います。」
また、株式会社 日本コクレアの執行役員社長 上中茂弘は、次のように述べています。
「次世代の人工内耳技術を日本でお届けできることを大変うれしく思います。このイノベーションは、医療従事者と難聴とともに生きる方々の双方にさまざまな利点を提供する可能性を持ち、より多くの方が周囲の世界とつながり続けることを支援します。日本において健康寿命がさらに重要視される中、私共は聴覚機器を通じて、大切な聴こえを支援してまいります。」
日本における難聴の現状について
日本では人口の約11%の人が難聴を抱えていると推計されています。2
高齢化が進行しつづける日本では65歳以上の高齢者の42〜44%、75歳以上では70%以上が難聴を抱えているとされています。[10,11,12]
多くの人が難聴を抱えているにもかかわらず、75歳以上の高齢者で難聴を自覚している人は33.6%に過ぎません。[2]
先天性難聴の割合は出生1,000人あたり1.6人と報告されています。新生児スクリーニングの普及により、早期診断が可能となり、高度から重度の難聴に対して、補聴器の早期装用や人工内耳の導入が、音声言語や会話能力の発達支援に重要な役割を果たしています。[12-14]
日本における人工内耳の適応について
日本における人工内耳の適応は、裸耳での平均聴力レベルが90dB以上の重度感音難聴か、70dB以上90dB未満で補聴器装用下の言葉の聴き取りの検査(語音明瞭度検査)が50%以下の高度感音難聴です。また、70dB未満の残存聴力のある患者に対し、特定の条件を満たすことにより人工内耳の適応となる基準もあります。
日本における小児の人工内耳の適応は、裸耳での平均聴力レベルが90dB以上の重度感音難聴で、適応時期は原則として体重8kg以上または1歳以上となっています。
コクレア社;Cochlear Limited (ASX: COH) について
オーストラリア人の耳鼻科医グレアム・クラーク教授は、重度難聴の父親とのかかわりの中で、マルチチャネル人工内耳の開発に取り組みました。コクレア社は常に人々への貢献を中心に据え、1981年以降、180以上の国々で75万人以上の人々に「聴こえ」を届けてきました。
コクレア社は人工内耳、骨固定型補聴器などの植え込み型聴覚ソリューションを世界的に提供しています。幅広い年齢層の中等度から重度の難聴者が聴こえの改善によって充実した生活を送ることができるよう、現在、世界中で5,000人以上の従業員が働き、30億豪ドル以上を研究開発に投資しています。
参考文献・免責事項
コクレアのスマートインプラント人工内耳システムは、日本において高度から重度の感音難聴を有する適応基準を満たした小児および成人を対象に提供されます。詳細については、kikoenowa.jpをご覧ください。
難聴の治療については、医療従事者にご相談ください。聴こえや結果は装用者によって異なりますので、医療従事者が装用結果に影響を及ぼす可能性のある要因についてアドバイスします。使用については必ず取扱説明書をお読みください。国によっては販売されていない製品があります。
1. D1509691 CI1000 Implant Product Specification. Cochlear Limited; 2023 Aug
2. Japan Hearing Instruments Manufacturers Association. JapanTrack 2025. (https://hochouki.com/files/japan_trak_2025.pdf)
3. D'Haese P, Van de Heyning P, Gavilan J, Zernotti ME, Greenham P. Trends in Adult Cochlear Implant Access and Uptake Across Ten Years of Reported Data.Audiol Res. 2026;16(1):19. Published 2026 Jan 29. doi:10.3390/audiolres16010019
4. World Health Organization. World Report on Hearing. 3 March 2021. (https://www.who.int/teams/noncommunicable-diseases/sensory-functions-disability-and-rehabilitation/highlighting-priorities-for-ear-and-hearing-care)
5. Dillon H. Hearing aids. Thieme Medical Publishers; 2012.
6. Wolfe J, Schafer EC. Programming cochlear implants. Plural publishing; 2025 Aug 6
7. Mauger SJ, Warren CD, Knight MR, Goorevich M, Nel E. Clinical evaluation of the Nucleus®6 cochlear implant system: Performance improvements with SmartSound iQ. International Journal of Audiology. 2014 Jul 9;53(8):564–76.
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9. Wolfe J, Neumann S, Marsh M, Schafer E, Lianos L, Gilden J, et al. Benefits of Adaptive Signal Processing in a Commercially Available Cochlear Implant Sound Processor. Otology & Neurotology. 2015 Aug;36(7):1181–90.
10. Wasano K, Nakagawa T, Ogawa K. Prevalence of hearing impairment by age: 2nd to 10th decades of life. Biomedicines. 2022;10(6):1431. doi:10.3390/biomedicines10061431.
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14. Oliver J. New expectations: pediatric cochlear implantation in Japan. Cochlear Implants Int. 2013;14(Suppl 1):S13–S17. doi:10.1179/1467010013Z.00000000079.
+ スマートインプラント人工内耳システムとは、インプラントおよびサウンドプロセッサの双方に、プログラム可能なマイクロプロセッサ、内蔵メモリ、アップグレード可能なファームウェアを搭載した、人工内耳を指します。
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