【開催レポート】パラリンピアン・高田朋枝講師の地元、北海道で再始動 視覚障がいのある選手がプレーするゴールボールを子どもたちが体験

パラスポーツ体験型出前授業「あすチャレ!スクール」 ゴールボールプログラム再開

公益財団法人日本財団パラスポーツサポートセンター(パラサポ、会長 山脇康)が主催する小・中・高・特別支援学校を対象としたパラスポーツ体験型出前授業「あすチャレ!スクール」において、視覚障がいのある選手がプレーするパラリンピック競技でもあるゴールボールを体験できるプログラムを10月6日に再開しました*。


再開後初の授業は、北海道の小樽市立桜町中学校の3年生66名の生徒が参加し、2008年の北京パラリンピックに女子ゴールボール日本代表として出場した高田朋枝(たかだ・ともえ)さんが講師を務めました。音を頼りにコミュニケーションを取りながら行うゴールボールを体験した後、高田講師が「障がいのあるなしに関わらず、困っている人がいたら手を差し伸べられる人になってほしい」と話すと、生徒たちは真剣に耳を傾けていました。

「あすチャレ!スクール」は、パラスポーツを通じ共生社会への気づきや学びの機会を提供する「あすチャレ!(明日へのチャレンジ)」プログラムの一つで、 2016年のプログラム開始から2021年度末まで、全国で1,300回、 18万人以上の児童生徒が受講しています。 90分間の出前授業はパラアスリートによるデモンストレーション・パラスポーツ体験・講話の3部から構成され、車いすバスケットボール、車いす陸上の2つに加え、視覚障がいのある選手がプレーするゴールボールを体験できるゴールボールプログラムが加わりました。

(*)ゴールボールプログラムは、2020年4月~2022年9月まで休止、10月より再開
 
  • 高田講師のコメント

2008年の北京パラリンピックに女子ゴールボール日本代表として出場した高田朋枝(たかだ・ともえ)講師2008年の北京パラリンピックに女子ゴールボール日本代表として出場した高田朋枝(たかだ・ともえ)講師

ゴールボールは、視覚に頼らない状態で、鈴の入ったボールの音や相手の動きを感じ、チームメイトとコミュニケーションをとりながらプレーします。周りの様子を目の見えない選手に伝えようとする中で、自分の気持ちをしっかりと言葉にして相手に伝えることを学ぶ機会になります。
今日は生徒の皆さんが積極的に声をかけてくださったり、互いに心を開き合いながら対話することができました。皆さんの楽しんでいる様子がすごく感じられましたし、子どもたちにも私の考えていることが伝わったと思います。未来をつくっていく子どもたちに、自分のありのままでいられる社会を残せるように、これからも想いを伝えていきたいです。

(講師プロフィール)
2008年北京パラリンピック女子ゴールボール日本代表
北海道旭川市出身。網膜色素変性症で、5 歳の頃から視力が低下し現在は明暗がわかる程度。高校 1 年生の時にゴールボールと出会う。 2008 年の北京パラリンピック出場後、 1 年間欧米 10 カ国を一人旅し、各国のゴールボール事情を視察。
2018 年のインドネシアアジアパラ競技大会では金メダルを獲得。現在はこれまでの経験を活かし、日本国内での普及活動に力を入れている。視覚以外の感覚を頼りにプレーするゴールボールという競技の特徴を通じて、他の人と協力することの大切さ、チャレンジすることの大切さを伝える。
  • 生徒のコメント
実際にゴールボールをやってみて、本当に楽しかったです。難しかったですが、思っていたのと違う場所にボールがあったりするのも面白くて、経験できてよかったです。今回初めてゴールボールのことを知って、パラリンピックのことももっと知りたくなりました。高田さんを誘導している人の姿を見て、僕もあんなふうに手助けができる人になりたいなと思いました。

ボールの速さがつかめなくて、ブロックするタイミング、投げる方向がわからなくて難しかったです。でも実際に見てやってみて、パラスポーツってすごく楽しいんだ、と印象がすごく変わりました。高田さんの話を聞いて、自分のなかで障がいのある人を特別扱いしてしまっていたことに気づきました。同じ人間として、友達のように接していきたいなと思います。
  • 先生のコメント
コロナ禍で学校行事の縮小が続いた学年だったため、広い世界を見せたい、キャリア教育の一環として何かできないかと思い、あすチャレ!スクールを申し込みました。今日、いつにも増して笑顔で明るい子どもたちの様子を見て、実施して本当によかったと感じています。
これからを生きていく子どもたちに差別のない社会をつくっていってほしいと思っているので、すごく合致した授業をしていただけて、私自身にとっても、とてもためになりました。さまざまな経験をされてきたパラアスリートの声を生で聞く経験は、他の教科教育やキャリア教育にもどこかでつながっていくような、とても意義のあることだと思います。
  • 当日の様子

高田講師とスタッフが、ゴールボールで用いる用具の工夫を解説しました。ボールの重さや仕組みを知った生徒は興味津々でした。高田講師とスタッフが、ゴールボールで用いる用具の工夫を解説しました。ボールの重さや仕組みを知った生徒は興味津々でした。

ディフェンスの練習。講師のお手本に合わせ、手足を大きく伸ばして、ディフェンスの基本を練習しました。ディフェンスの練習。講師のお手本に合わせ、手足を大きく伸ばして、ディフェンスの基本を練習しました。

パス練習では、7人ずつのグループに分かれ、ボールを投げ合います。身体を大きく使ったり、股の間から投げてみたり、自分なりの投げ方を試している生徒もいました。パス練習では、7人ずつのグループに分かれ、ボールを投げ合います。身体を大きく使ったり、股の間から投げてみたり、自分なりの投げ方を試している生徒もいました。

代表生徒による試合では、ボールに入っている鈴の音を頼りに、アイシェードをつけてプレー。選手のプレーを妨げないように、声を出さずに応援。見事なゴールの後はとても盛り上がりました。代表生徒による試合では、ボールに入っている鈴の音を頼りに、アイシェードをつけてプレー。選手のプレーを妨げないように、声を出さずに応援。見事なゴールの後はとても盛り上がりました。

試合の後に、高田講師が実際に投球を披露。躍動感のあるフォームから力強いボールを投げ込む姿に、生徒から感嘆の声が上がりました。試合の後に、高田講師が実際に投球を披露。躍動感のあるフォームから力強いボールを投げ込む姿に、生徒から感嘆の声が上がりました。

高田講師は講話で「障がいがあるからと特別扱いせず、同じ人間として接してほしい」と語りました。質疑応答では多数の質問が出て、子どもたちと笑顔で言葉を交わしました。高田講師は講話で「障がいがあるからと特別扱いせず、同じ人間として接してほしい」と語りました。質疑応答では多数の質問が出て、子どもたちと笑顔で言葉を交わしました。

  • 「あすチャレ!スクール」実績について
2016年のプログラム開始から2021年度末まで、全国で1,300回、 18万人以上の児童生徒が参加しています。
2016年度:116回(18,575人)  
2017年度:263回(42,741人)  
2018年度:296回(46,253人)
2019年度:287回(41,889人)  
2020年度:134回(12,559人)   
2021年度:277回(23,960人)
「あすチャレ!スクール」公式サイト https://www.parasapo.tokyo/asuchalle/school/
  • 教育・研修プログラム「あすチャレ!」について

日本財団パラスポーツサポートセンター(パラサポ)が提供する「あすチャレ!」は、小・中・高・特別支援学校向け教育プログラム、企業・団体、自治体、大学向けの研修プログラムがあり、子どもから大人まで全国で活用されています。

なお、2022年度は以下の協賛社とともに実施しています。
【GOLD PARTNER】
 株式会社JTB
 日本電気株式会社
 株式会社ブリヂストン
【OFFICIAL PARTNER】
 日本航空株式会社
 中外製薬株式会社
※教育・研修プログラム「あすチャレ!」  2022年度協賛については以下リリースをご参照ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000111.000023445.html
 
  • 日本財団パラスポーツサポートセンター(パラサポ)について
「SOCIAL CHANGE with SPORTS」をスローガンに、パラスポーツを通じて、一人ひとりの違いを認め、誰もが活躍できるダイバーシティ&インクルージョン(D&I)社会の実現を目指しています。
設立以来、パラリンピック競技団体の運営支援をはじめ、パラアスリートや障がいのある当事者と一緒に知る、学ぶ、体験する、パラスポーツを活用したD&Iプログラムを展開し、2019年にはスポーツ庁長官表彰を受賞しました。
パラサポ公式サイト https://www.parasapo.or.jp/
 

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会社概要

URL
https://www.parasapo.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル4F
電話番号
03-6229-3721
代表者名
山脇康
上場
未上場
資本金
-
設立
2015年05月