タイガー魔法瓶の技術が再び宇宙へ 当社が開発に携わった「真空二重構造断熱・保温輸送容器」が搭載されたSpaceXの宇宙船「ドラゴン22号機」が6月4日に打ち上げられました
熱制御テクノロジーで世界をリードするタイガー魔法瓶株式会社(社長:菊池嘉聡、本社:大阪府門真市)は、たんぱく質の結晶などの貴重な宇宙実験サンプルを保冷状態で格納する「真空二重構造断熱・保温輸送容器」を、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)、(株)テクノソルバと共同開発いたしました。本容器を搭載したSpaceXの宇宙船「ドラゴン22号機」は日本時間6月4日2時29分(米国東部夏時間3日13時29分)、米フロリダ州のNASAケネディ宇宙センターより打ち上げられ、打ち上げは無事成功しました。
今回、第二のフェーズの更なる挑戦として、新たな保冷性能条件や容器再利用という要求事項を満たした真空二重断熱容器の開発をJAXAより依頼されました。ISSとの往復時に、恒温での輸送が必要なタンパク質サンプルを12日間以上に渡って、20度±2度に保つという厳しい条件を求められましたが、JAXAや(株)テクノソルバと共に、長時間保温できる構造の議論を重ね、複数回にわたる温度実験を経て、完成にいたりました。
①厳格なまでの保冷温度管理
打ち上げからISSまでの実験試料の温度維持のため、保冷剤を同梱することで20℃±2℃を12日間以上保つ。ISSから地上に回収するまでの期間も、20℃±2℃で7.5日以上保つ。
②複数回利用に耐え得る設計
長期的な利用を想定し、1回限りの使い切りではなく、3年以上または6回以上の再利用を可能にする。
③大幅な軽量化・サイズダウン
真空断熱技術による高性能な保冷機能を保ちながら、容器の質量を3.16キロ以下と容器サイズをコンパクトに製作する。
▼2018年納品の真空二重断熱容器(右)との比較
・合計質量 約2.9kg
・外径 約130mm
NPL-A100(右)
・合計質量 約10kg
・外径 約290mm
http://www.tiger.jp/feature/space/
・宇宙物理学者Paul Sutterからのコメント
宇宙物理学者
アメリカ・ニューヨーク州にあるストーニーブルック大学高度計算科学研究所で宇宙物理学研究教授を務める一方、ニューヨーク市のフラットアイアン研究所で客員研究員の責務も任ずる。2011年、イリノイ大学で物理学の博士号を修得。
「真空断熱ボトルの製造を専門とする企業が、最先端の科学を支えることもできるテクノロジーをもっているなんて驚くべきことだ、というのが第一印象です。これまで私は宇宙におけるミッションの困難さについて『完璧な精度ときめ細やかなエンジニアリングが不可欠だ』とイメージ的に理解していましたが、まさにタイガーのような企業がこれまで開発した技術と知見を生かして優れた(宇宙実験用の)機器を製造しているのです。
しかしその彼らにとってもこのJAXAとのプロジェクトは難題の連続だったことでしょう。前述の通り、宇宙空間は地球上で我々が直面するどんな環境よりも圧倒的に過酷なものだからです。彼らがこうした課題を克服して期待以上の成果を出したこと、つまり特殊な真空二重断熱容器を開発することで幅広い分野での基礎科学の発展に寄与しただけでなく、そのスピードすらも加速したという事実は、まさに驚異的としかいいようがありません。」
それ以来、真空断熱ボトルや保温ポットに代表される「真空断熱技術」と、1970年に誕生した電子ジャーを初めとする炊飯器などの「熱コントロール技術」を用いた製品づくりで、さまざまな暮らしのシーンに快適さと便利さを提供しています。
当社のコア技術である「真空断熱技術」と「熱コントロール技術」を応用し、民間向け製品以外に、宇宙でのミッションをはじめ、シビアな温度管理が要求される検体・試薬などの医療輸送、ハイブリッド車のエンジン冷却水蓄熱システム、南極などの過酷な気象条件でも性能劣化せず高断熱住宅を実現する次世代建材の開発など、時代をリードする最先端産業分野においても、チャレンジを続けています。
タイガー魔法瓶の技術が再び宇宙へ
http://www.tiger.jp/feature/space/
- 真空二重断熱容器の開発経緯について
今回、第二のフェーズの更なる挑戦として、新たな保冷性能条件や容器再利用という要求事項を満たした真空二重断熱容器の開発をJAXAより依頼されました。ISSとの往復時に、恒温での輸送が必要なタンパク質サンプルを12日間以上に渡って、20度±2度に保つという厳しい条件を求められましたが、JAXAや(株)テクノソルバと共に、長時間保温できる構造の議論を重ね、複数回にわたる温度実験を経て、完成にいたりました。
- 第二フェーズで新たに設定された3つの要求事項
①厳格なまでの保冷温度管理
打ち上げからISSまでの実験試料の温度維持のため、保冷剤を同梱することで20℃±2℃を12日間以上保つ。ISSから地上に回収するまでの期間も、20℃±2℃で7.5日以上保つ。
②複数回利用に耐え得る設計
長期的な利用を想定し、1回限りの使い切りではなく、3年以上または6回以上の再利用を可能にする。
③大幅な軽量化・サイズダウン
真空断熱技術による高性能な保冷機能を保ちながら、容器の質量を3.16キロ以下と容器サイズをコンパクトに製作する。
▼2018年納品の真空二重断熱容器(右)との比較
NPS-A100(左)
・合計質量 約2.9kg
・外径 約130mm
NPL-A100(右)
・合計質量 約10kg
・外径 約290mm
- 本プロジェクトの特設サイト公開中
特設サイトURL
http://www.tiger.jp/feature/space/
・宇宙物理学者Paul Sutterからのコメント
Paul Sutter
宇宙物理学者
アメリカ・ニューヨーク州にあるストーニーブルック大学高度計算科学研究所で宇宙物理学研究教授を務める一方、ニューヨーク市のフラットアイアン研究所で客員研究員の責務も任ずる。2011年、イリノイ大学で物理学の博士号を修得。
「真空断熱ボトルの製造を専門とする企業が、最先端の科学を支えることもできるテクノロジーをもっているなんて驚くべきことだ、というのが第一印象です。これまで私は宇宙におけるミッションの困難さについて『完璧な精度ときめ細やかなエンジニアリングが不可欠だ』とイメージ的に理解していましたが、まさにタイガーのような企業がこれまで開発した技術と知見を生かして優れた(宇宙実験用の)機器を製造しているのです。
しかしその彼らにとってもこのJAXAとのプロジェクトは難題の連続だったことでしょう。前述の通り、宇宙空間は地球上で我々が直面するどんな環境よりも圧倒的に過酷なものだからです。彼らがこうした課題を克服して期待以上の成果を出したこと、つまり特殊な真空二重断熱容器を開発することで幅広い分野での基礎科学の発展に寄与しただけでなく、そのスピードすらも加速したという事実は、まさに驚異的としかいいようがありません。」
- 参考情報 | タイガー魔法瓶
それ以来、真空断熱ボトルや保温ポットに代表される「真空断熱技術」と、1970年に誕生した電子ジャーを初めとする炊飯器などの「熱コントロール技術」を用いた製品づくりで、さまざまな暮らしのシーンに快適さと便利さを提供しています。
当社のコア技術である「真空断熱技術」と「熱コントロール技術」を応用し、民間向け製品以外に、宇宙でのミッションをはじめ、シビアな温度管理が要求される検体・試薬などの医療輸送、ハイブリッド車のエンジン冷却水蓄熱システム、南極などの過酷な気象条件でも性能劣化せず高断熱住宅を実現する次世代建材の開発など、時代をリードする最先端産業分野においても、チャレンジを続けています。
タイガー魔法瓶の技術が再び宇宙へ
特設サイトURL
http://www.tiger.jp/feature/space/
タイガー魔法瓶NEXT100年ステートメントムービー
「Do Hot! Do Cool!」公開中!
100年を、あたたかく。100年を、カッコよく。
https://youtu.be/MQe_G1aveuM/
タイガー魔法瓶は2023年に創立100周年を迎えます。
創立以来、「真空断熱技術」と「熱コントロール技術」を用いた、高次元の熱制御にこだわり続けてきました。
次の100年も変わらずこの技術を活かして、「世界中に幸せな団らんを広める。」ことを実現してまいります。
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