ナポリで開催された世界内視鏡連盟主催の国際ハンズオンワークショップにてジャパン・メディカル・カンパニー社製の医療用精密立体模型「KEZLEX」が使用されました

イタリア・ナポリで開催された世界神経内視鏡連盟主催の国際ハンズオンセミナー「脳・脳室・頭蓋底内視鏡ハンズオンワークショップ」において、株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(本社:東京都中央区、代表取締役CEO 大野秀晃、以下「当社」)が開発・製造・販売する医療用精密立体模型「KEZLEX」が採用されました。世界各国から集まった受講者より、その高い再現性と実践的な学習効果が高く評価されました。

 当社が開発した医療用精密立体模型「KEZLEX」は、先進的な3Dプリンティング技術と、当社が長年にわたり培ってきた医療分野におけるモノづくりのノウハウを結集した製品です。本製品は脳神経外科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科などの多岐にわたる専門分野において高い評価を得ており、30年近くにわたり、国内外のハンズオンセミナーにおいて外科手術技術の向上を目指した教育ツールとして広く活用されております。

 2024年2月12日から16日にイタリア・ナポリで開催された世界神経内視鏡連盟主催「IFNE-JSNE-GLEN-NESI-CSNE 脳・脳室・頭蓋底内視鏡ハンズオンワークショップ」は、IFNE(国際神経内視鏡連盟)や日本神経内視鏡学会(JSNE)、中南米神経内視鏡研究グループ(GLEN)、インド内視鏡神経外科学会(NESI)、中国神経内視鏡学会(CSNE)などの主要学会による協力のもと、イタリア神経外科学会(SINCH)、欧州神経外科学会(EANS)、世界神経外科学会連合(WFNS)の支援を得て開催されました。

 このワークショップでは、世界各国からの受講者が脳神経外科の各分野のエキスパートより直接指導を受けることができ、解剖モデルを使用したライブデモンストレーション、講演、ビデオプレゼンテーションなど、多彩なプログラムが組まれました。実践的な学習を通じて、参加者同士が知識や技術を共有し、交流を深める貴重な場となりました。

 知識や技術の共有を通じて参加者同士が交流を深められる場となっており、内視鏡下神経外科手術を実践している方や学びたい方にとって、最先端の情報と技能を身につける絶好の機会となります。

 日本からは、当社と共同でKEZLEX模型の開発を進めている脳神経外科医4名の医師も講師として参加。本製品の特性を最大限に活かしたトレーニングを行い、当社スタッフも講師・受講者のサポートを実施しました。参加者からは、「KEZLEXは人体と遜色ない再現性を備え、日本の医師による指導と相まって、非常に実践的で有意義な学びが得られた」との高い評価をいただきました。

 当社が世界で初めて開発した透明脳モデル(※注)についても、開発に携わった西山医師・三輪医師が世界各国の医師に向けたデモンストレーションを行いその有用性、先進性についての高い評価をいただきました。

 このようなハンズオンワークショップは、医師同士が互いに学び、技術を磨き合う場として、手術の安全性向上と医療の均てん化を推進する上で極めて重要な機会となります。当社製品が国内外で広く活用され、医療技術の発展に貢献していることを誇りに思うとともに、今後もグローバルな医療ニーズに応える製品開発に邁進してまいります。

 さらに、本ワークショップでは主催の世界内視鏡連盟ならびにハンズオンワークショップ責任者のProf. Giuseppe Cinalli(ジュゼッペ・シナリ教授)より、当社が表彰を受けるという栄誉にも預かりました。

 当社は、コーポレートミッションである「世界にまだない、選択肢をつくる。」を指針とし、製品力とサービス力を一層強化することで、医療業界の発展に寄与し続けます。そして、「世界最高」の医師とともに、「世界最高」のものづくりと「世界最高」のサービスを通じ、世界中の患者様に安心と健康を提供することを目指してまいります。

※注:

2023年11月:ジャパン・メディカル・カンパニーが「IFNE 10th World Congress of Neuroendoscopy(世界神経内視鏡連盟 第10回世界神経内視鏡学会)」にてランチョンセミナーを共催(透明脳モデルの発表)

2024年11月:ジャパン・メディカル・カンパニーが世界初となる透明脳モデルを日本神経内視鏡学会イブニングセミナーにて公開しました

過去の国際ハンズオンワークショップの様子

ハンズオンワークショップに講師として参加した医師からのコメント

新潟医療センター脳神経外科 西山健一先生

【認定資格・所属学会】

●日本脳神経外科学会専門医

●日本神経内視鏡学会技術認定医(評議員)

●日本小児神経外科学会(評議員)

●International Federation of Neuroendoscopy

(President-elect)

●World Neurosurgery

(Section editor; Hydrocephalus and CSF disorders)

1.外視鏡下クリッピング・コースを担当して

 外視鏡を用いた手術手技の実践トレーニングとして、ジャパン・メディカル・カンパニー社の脳動脈瘤術中破裂モデルを使用したクリッピング・コースを担当しました。本モデルは、クリッピング時に動脈瘤が破裂するという画期的な特性を持ち、その際の適切な処置を hand and eye coordination を駆使して行う点が特徴です。

 外視鏡コースには血種や柔らかい腫瘍の除去など他のプログラムもありましたが、本モデルを用いたクリッピング・コースは実際の手術により近く、臨場感のあるトレーニングとなりました。一方で、初心者には難易度が高い側面もあります。しかし、hand and eye coordination は外視鏡でも内視鏡でも不可欠な技術であり、本コースの目標として適切です。実際、受講者からは有意義なトレーニングになったとの声が多く寄せられました。

 海外講師陣からも本モデルの革新性が高く評価され、大変優れたトレーニング機会であるとの意見をいただきました。すでに海外のいくつかの施設から導入の検討が進んでおり、今後さらなる発展が期待されています。

2.今後のIFNEの展望

 IFNEは、内視鏡・外視鏡手術のみならず、ロボット手術を含む次世代手術技術の発展にも取り組む構想を持っています。これにより、より安全で精密な手術が可能となり、脳神経外科領域のさらなる進歩が期待されます。

 その中で、ジャパン・メディカル・カンパニー社の脳動脈瘤術中破裂モデルをはじめとする高度な手術トレーニングモデルは、単なる技術習得の場にとどまらず、新たな手術手技や器具のバリデーションにも活用できる点が極めて重要です。こうした革新的なツールを積極的に導入し、実践的なトレーニングと検証を重ねることで、IFNEは未来の手術教育と技術開発を先導していく方針です。

慶應義塾大学医学部脳神経外科 三輪点先生

【認定資格・所属学会】

●日本脳神経外科学会・専門医

●日本神経内視鏡学会技術認定医・評議員

●日本小児神経外科学会認定医・評議員

●日本脳神経外科コングレス

●日本小児科学会

●日本脳卒中学会専門医・指導医

●日本頭蓋底外科学会

●日本小児血液がん学会

●日本脳腫瘍の外科学会

●日本脳腫瘍学会

●脳神経外科手術と機器学会

●日本整容脳神経外科学会

●日本水頭症脳脊髄液学会

●Craniosynostosis研究会

●東京脳腫瘍治療懇話会

●国際水頭症学会

●International Federation of Neuroendoscopy (IFNE)

 私は脳室内軟性鏡コースを担当させていただきました。ジャパン・メディカル・カンパニー社の脳室モデルを用い、日本から持参した軟性鏡を使用して、第3脳室底開窓術、また黒豆を用いた松果体部や側脳室内の腫瘍生検術をメインにトレーニングを行いました。受講者全員がこれまでに軟性鏡を使用したことがなく、初めて持つ軟性鏡操作の難しさに驚きつつ、脳室モデルが本物の人体と同じように精巧に作られていることに感動されておりました。

 また今回、同じくジャパン・メディカル・カンパニー社と共同開発した透明脳室モデルも海外の重鎮の先生方にも使用していただき、皆様食い入るように脳室内の内視鏡の動きを観察されていたのが印象的でした。今後もこのような精巧かつ内視鏡操作のトレーニングに極めて有用な脳室モデルが、世界中に普及することを願って止みません。

名古屋大学脳神経外科 竹内和人先生

【認定資格・所属学会】

●脳神経外科専門医、指導医

●神経内視鏡技術認定医

●日本内分泌学会内分泌代謝内科(脳神経外科)専門医

●日本脳神経外科学会

●日本間脳下垂体腫瘍学会

●日本内分泌学会

●日本神経内視鏡学会

●日本頭蓋底腫瘍学会

●日本脳腫瘍の外科学会

●脳神経外科手術と機器学会

 今回のIFNE Naples Hands-on Workshopでは、経鼻手術における内頚動脈損傷モデルが初めて導入されました。本モデルは、稀ではあるものの極めて重篤な合併症である内頚動脈損傷を、実症例に近い形で再現し、対処法を習得できる画期的な教育ツールとして、参加者から高い評価を得ました。

 ワークショップでは、国や文化の違いにより参加者の反応に差異が見られたものの、総じて非常に好評でした。内頚動脈損傷は発生頻度こそ低いものの、一度生じれば生命に関わる事態へと直結します。そのため、実際の臨床で遭遇する前に、適切な対応手順を学び、実践することは、災害訓練と同様に極めて重要です。

 本ワークショップを通じ、将来的に発生し得る「災害級」の合併症に対する備えが強化され、実臨床において救命に寄与する可能性があります。今後も、同様のトレーニング機会を世界各地で拡充し、より多くの脳神経外科医が適切な対応スキルを習得できる環境を整えていきたいと考えております。


KEZLEXについて

 当社が開発・製造・販売する医療用精密立体模型「KEZLEX」は人骨と同様の削り心地、人体の内部構造を再現しています。過去30年にわたり、脳神経外科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科等の先生方と共に幾度もの改良の末に開発に至りました。医師の経験と3Dプリンティングをベースにする当社のモノづくりのノウハウが組み合わされたモデルです。国内外のハンズオンセミナーや、術前・術野でのシミュレーションなど、幅広い用途で利用されています。アメリカ、ヨーロッパ、中国、東南アジアなど、世界50ヵ国以上での導入経験を有しています。

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーについて

 ジャパン・メディカル・カンパニーは、最先端の3Dプリンティング技術を活用し、医療の新たな可能性を切り拓くものづくりベンチャー企業です。1897年創業の鉄鋼メーカー「大野興業」を前身とし、130年以上にわたり培われた技術力とものづくり精神を基盤に、革新的な医療製品の開発を続けています。

 1999年には、積層造形技術(3Dプリント)を活用したリバースエンジニアリングを導入し、耳小骨などのヒト骨模型製法で特許を取得しました。この技術を基に、術前シミュレーション用3D模型や教育練習用模型の開発を数多く手がけ、脳神経外科や耳鼻咽喉科領域を中心に、手術前シミュレーションや認定医試験等の場面で当社製品が活用されています。2012年には、国内初の頭蓋矯正ヘルメット「Aimet(アイメット)」を脳神経外科医との共同開発により発表。2018年にジャパン・メディカル・カンパニーとして独立し、医療分野でのさらなる成長を遂げました。

 現在では、頭蓋矯正用ヘルメット「QurumFit(クルムフィット)」および「Qurum(クルム)」、乳児の頭蓋変形の程度を簡便に計測できる「赤ちゃんの頭のかたち測定アプリ」、ヘルメット治療を支援する「metto(メット)アプリ」などの製品を開発・製造・販売しています。当社は、医療分野における新たな価値の創出を目指し、革新を続けています。

 これまでに、当社の頭蓋矯正ヘルメットを用いた治療は累計17,000症例以上に達しており、ヘルメット治療の認知拡大や普及に努めています。また、頭蓋形状矯正という新しい概念を広めるとともに、疾病啓発活動を推進し、より良い医療環境の実現に貢献してまいります。

■社名:株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー

■設⽴:2018年5⽉

■代表取締役CEO:⼤野秀晃

■事業内容:医療機器の開発・製造・販売、医療雑品の開発・製造・販売

■URL:https://japanmedicalcompany.co.jp

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーのプレスリリース⼀覧

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/46445

本リリースに関するお問い合わせ・ご質問はこちらまで

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー コーポレイト・デザイン室 柳本 瑞穂

TEL:03-5829-8342 / choice@japanmedicalcompany.co.jp

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会社概要

URL
https://japanmedicalcompany.co.jp/
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都中央区東日本橋2-24-12 東日本橋槇町ビル2F
電話番号
03-5829-8342
代表者名
大野秀晃
上場
未上場
資本金
2323万円
設立
2018年05月