【企業の“DX化”に関する調査】DX=デジタルトランスフォーメーションの理解は「知らない」が50.8% 勤務している会社の“DX”導入率…「導入している」22.9%
導入している“DX”は?「AI・ML(機械学習)」「クラウド」「ビッグデータ解析」“DX化”の成果は?「あった」が65.0%。一方で、「専門知識の不足」や「コスト面」での懸念も
「識学」を使った経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する株式会社識学(本社:東京都品川区、代表取締役社長:安藤広大)は、2024年8月23日(金)~26日(月)「企業の“DX化”に関する調査」を行いました。
20代~50代の会社員に、お勤めの会社で “DX化”されているかどうかを聞いたところ、「導入している」が22.9%だった一方で、「わからない」という回答が52.1%と過半数を超えました。また実際に導入されている“DX”については、「人工知能(AI)・機械学習(ML)」が最も多く31.0%で、「クラウドコンピューティング」が30.7%、「ビッグデータ分析」が22.0%、「IoT(モノのインターネット)」が21.7%と続きました。
そしてその “DX化”の成果については、「成果はあった」が65.0%という結果でしたが、今後の課題として、「技術的な専門知識の不足」(43.4%)、「コストが高い」(35.7%)、「セキュリティリスク」(35.0%)といった事柄が上位に挙がりました。
■調査背景
昨今、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化は、重要な経営戦略となっており、DXを推進しなければ業務効率や競争力の低下は避けられないとまで言われています。
そんな、今最もホットなビジネスワードともいえる“DX化”とは…例えば、小売業における、顧客情報の変遷を追うビッグデータや購買行動を予測するAIの導入。また製造業におけるIoT(モノのインターネット)の駆使やリアルタイムでの稼働状況や品質管理を行うシステム等のことを指します。
その他、最近登場した身近なツールとしては、“ChatGPT”を用いた文章作成や情報収集なども指すでしょう。これらの“DX化”は、現在様々な企業において、様々な形で導入されています。
そこで今回は、20代~50代の会社員に、お勤めの会社で“DX化”は進んでいるかを調査するのはもちろんのこと、そもそもまだ耳なじみのない“DX化”について「あなたは説明できるか?」「DX化と聞いて何を思い浮かべるか?」など、企業の“DX化”について調査を行いました。
Q1.あなたはデジタルトランスフォーメーション(DX)について、どの程度理解していますか。
(単数回答、n=1920)
クラウドコンピューティングや、ビッグデータ、AIなどの技術が普及し、“DX”=デジタルトランスフォーメーションという言葉が使われるようになったのは2010年代以降と言われており、まだまだ世間にはあまり浸透していない、耳なじみのない言葉と言っていいでしょう。
そこでまず、20代~50代の会社員の方に、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」について、どの程度理解しているのかを聞いたところ、「知らない」が過半数を超え50.8%で、「名前を知っている程度」が36.0%、「理解しており、具体的に説明できる」は13.1%という結果でした。
Q2.あなたは企業のDX化(DX=デジタルトランスフォーメーション)と聞いて、どんなことを思い浮かべますか。
(自由回答、n=1920)
では、企業の“DX化”と聞いて、どんなこと・言葉を思い浮かべるのでしょうか。
自由回答にて聞いてみると、Q1の回答通り、ほとんどの方が「わからない」というものでしたが、以下のようなワードが挙がりました。
・IoT(※モノのインターネット)(27歳女性・ソフトウェア情報サービス業)
・ChatGPT(※対話型人工知能・AI)(36歳女性・医療業)
・AIやIoT(28歳女性・22:卸売り・小売業)
・Itmps(※富士通グループのシステムインテグレータ)(37歳男性・ソフトウェア情報サービス業)
・SaaS(※ネット等を経由して利用できるソフトウェア)(31歳女性・ソフトウェア情報サービス業)
・RPA化(※ロボットによるプロセスの自動化)(54歳男性・金融業)
・電子カルテ(25歳女性・医療業)
・請求書等の電子化(44歳女性・製造業)
やはり職業的に「ソフトウェア・情報サービス業」にお勤めの方がより具体的な、システムに関するワードが挙がりました。また、医療関係の方は「電子カルテ」、製造業の方は「請求書の電子化」など、実務の中で取り扱っているであろう事柄も挙がりました。
その他、「AIが人間の仕事を取り去ってしまう。人間全員、解雇。」(51歳男性・サービス業)といった、小説的な発想をされる方もいました。
Q3.あなたがお勤めの会社では、デジタルトランスフォーメーション(DX)を導入していますか。
(単数回答、n=1920)
続いて実際に“DX”を導入している企業はどの程度あるのでしょうか。
お勤めの会社で“DX”を導入しているのかどうかを聞いてみると、導入しているのか「わからない」という方が過半数を超え52.1%で、「導入している」は22.9%、「導入していない」は25.0%という結果でした。“DX”という言葉自体がまだ浸透しておらす、何が“DX”なのか理解していない方もおり、実は“DX”化されている業務があったとしても、働き手側にとってはまだ「わからない」という方が多いようでした。
【Q3でお勤めの企業のDX化について「わからない」以外を回答した方】
Q4.以下のDX関連技術やツールと呼ばれるもので、あなたの会社で導入・活用されているものをお答えください。
(複数回答、n=300)
ではどのような“DX”が導入されているのでしょうか。その具体的な内訳をみてみると、「人工知能(AI)・機械学習(ML)」が最も多く31.0%で、「クラウドコンピューティング」が30.7%、「ビッグデータ分析」が22.0%、「IoT(モノのインターネット)」が21.7%と続きました。
中でも「AI」を駆使した対話型回答システム“ChatGPT”などは、最近では情報収集や資料作り、文面作成などで用いられることもあるため、より身近な“DX化”と言えるのかもしれません。
【※Q3でお勤めの企業のDX化について「導入している」と回答した方】
Q5.DXを導入したことで、業務プロセスにどのような変化がありましたか。
(複数回答、n=143)
Q6.DXを導入したことによる、成功事例と失敗事例をそれぞれお答えください。
(自由回答、n=143)
次に、Q3でお勤めの企業の“DX化”について「導入している」と回答した方を対象に、“DX化”によって業務プロセスにどのような変化があったかを聞いてみると、「業務が効率化された」が70.6%と最も高く、「コスト削減できた」51.7%、「従業員の働き方が改善された」28.0%と続きました。
またその具体的なエピソードとして、成功事例と失敗事例のそれぞれを聞いてみると、下記のような意見が挙がりました。
【成功事例】
・申請業務をすべてシステム化したことで、ペーパーレスと業務効率化を実現した。(58歳金融業)
・ペーパーレス化が進んだり、リモート会議をするようになり、無駄な移動などに時間を使わなくなり効率的に仕事ができるようになった。(29歳男性)
・資材削減 データ管理がしやすくなり、営業の効率がアップした。(39歳男性・製造業)
・紙のデジタル化によるファイリングの手間がなくなった。(37歳女性・医療業)
・不良品の発生が低減した。(38歳女性・製造業)
【失敗事例】
・AI、ブロックチェーンを活かしきれておらず、投資効果を得られていない。(53歳女性・保険業)
・これまでよりもセキュリティ面での管理の難易度や手間が増えた。(27歳男性・サービス業)
・開発費用をペイできない。(37歳男性・ソフトウェア情報サービス業)
・コストが予想以上にかかった。(42歳女性・製造業)
・ついていけない高齢社員が多い。(44歳男性・サービス業)
・人が異動などすると制御できる人がいなくなり使い方がわかる人がいなくなった。(32歳女性・製造業)
・できる人とできない人の二極化がハッキリしました。(36歳女性・ソフトウェア情報サービス業)
【※Q3でお勤めの企業のDX化について「導入している」と回答した方】
Q7.DXを導入にしたことで、成果はあったと思いますか。
(複数回答、n=143)
ここまで“DX化”における様々な具体的事例を見てきましたが、業務全体を俯瞰してみたとき、“DX化”の成果についてはどのような評価がなされているのでしょうか。その内訳をみてみると、「成果があった」が65.0%で、「どちらとも言えない」30.8%、「成果はなかった」4.2%と続きました。
このことから、“DX化”による成果は概ねあったといえるでしょう。
【※Q3でお勤めの企業のDX化について「導入している」と回答した方】
Q8.DXの導入における課題を教えてください。
(複数回答、n=143)
【※Q3でお勤めの企業のDX化について「導入していない」と回答した方】
Q9.あなたがお勤めの会社で、DX化されていない課題として考えられることを教えてください。
(複数回答、n=157)
また“DX化”における課題について、導入している企業と導入していない企業のそれぞれに聞いたところ、導入している企業では、「技術的な専門知識の不足」43.4%、「コストが高い」35.7%、「セキュリティリスク」35.0%などが上位に挙がりました。
一方、導入していない企業の課題やその理由については、「コスト」によるものが最も高く33.8%、「経営層の理解不足」「技術的な専門知識の不足」が同率で20.4%でした。
Q9.以下の業務のデジタルツールで、あなたの会社で導入・活用されているものをお答えください。
(複数回答、n=300)
最後に、業務においてそれが“DX化”であるかどうかに関わらず、身近な“デジタルツール”の導入有無について聞いたところ、最も多かったのは「オンライン会議ツール」が50.3%で、「オンラインチャットツール」38.7%、「クラウドサービス」34.3%、「オンラインスケジュール管理システム」29.3%と続きました。
製造業などで用いられる“AI”を使った在庫管理など、「具体的に“DX化”された」といえるものはなくても、その前段階ともいえるであろう、“デジタルツール”の導入については、やはり多くの企業で活用されているようでした。
【調査結果まとめ】
今回の調査で、企業における“DX”化について22.9%の方が「導入している」と回答し、その中でも65%の方が“DX化”の「成果はあった」と感じていました。 “DX化”によって、多くの企業で業務の効率化やコストカットの実現ができているのかもしれません。しかし一方で、“DX化”の課題として挙げられたのは、開発費、コストに見合っているかどうかの検証、“DX化”されたものを扱える人の教育と継承でした。また、“DX”が一体何か?や、“DX”が導入されているか?について「わからない」という回答も多かったことから、そもそもの「“DX”に関する理解不足」という点も大きな課題と言えます。実際には“DX化”が進んでいるにも関わらず、それが具体的に何を指すのか、十分に把握していないケースもあるようです。
経済産業省は、2025年に起こるであろうレガシーシステム(※1980年代に多くの企業が導入した過去の技術や仕組みで構築されているシステム)の課題について、「2025年の崖」という言葉で示唆をしています。これは、2025年までに多くの企業が“DX化”を進めなければ、多大な経済損失が生まれるというものです。このように、今後の企業の発展において、“DX化”は最も重要かつ不可欠な要素ですので、“DX”の本質的な理解を深め、自社においてどのように“DX化”が活用でき、何をもたらすのか、検証と導入の検討が必要になってくるでしょう。
■調査概要
調査機関:株式会社識学
調査対象:20歳~59歳の会社員(正社員)
有効回答数:スクリーニング調査…1920サンプル/本調査…300サンプル
調査期間:2024年8月23日(金)~26日(月)
調査方法:インターネット調査
※本調査では、小数点第2位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が100%とならない場合があります。
■引用・転載時のクレジット表記のお願い
本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「株式会社識学が実施した調査結果によると……」
■識学について
【会社概要】
会社名:株式会社識学(SHIKIGAKU. Co., Ltd.)
本社所在地:〒141-0032 東京都品川区大崎2-9-3 大崎ウエストシティビル1階
電話番号:03-6821-7560
事業内容:「識学」を使った経営、組織コンサルティング
「識学」を使った従業員向け研修
「識学」をベースとしたwebサービスの開発、提供
「識学」関連書籍の出版
設立:2015年3月
代表者:代表取締役社長 安藤 広大
従業員数:224名(※役員・パートアルバイト除く) ※2024/8/31 時点
支店情報:
■大崎分室
〒141-0032 東京都品川区大崎2-11-1 大崎ウィズタワー8階、19階
電話番号:03-6821-7560
■大阪支店
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