高感度・高スループットを両立したウェーハ表面検査装置「LS9600」を発売
歩留まり向上、検査コスト削減に貢献するインラインウェーハ表面検査装置
株式会社日立ハイテク(以下、日立ハイテク)は、このたびパターンなしウェーハ表面における異物や欠陥を検査する「LS9600」(以下、本製品)を発売します。本製品は、新規採用の高出力・短波長レーザーなどを搭載することにより、最先端半導体デバイス量産に必要な感度におけるスループット性能が、従来製品と比較して約2.6倍向上しました。日立ハイテクは、本製品の提供を通して、お客さまの半導体デバイス量産における歩留まり向上、および検査コスト削減に貢献していきます。
■新製品開発の背景
パターンなしウェーハ検査装置は、半導体デバイス製造装置の異物や欠陥の管理のために、パターンなしウェーハを使った状態管理(清浄度)などで使用されます。半導体の微細化に伴い、製造工程の歩留まりに影響を与えるキラー欠陥(Defect of Interest、以下DOI)のサイズも、より微小になっています。それに伴い、パターンなしのウェーハ全面で20nm以下のDOIを検出することが可能な高感度検査の必要性が高まっています。さらには、歩留まり向上のための高感度検査に加えて、検査コスト低減につながる高スループット化も強く求められています。
■主な新技術
本製品では、以下の新技術を搭載することにより、高感度・高スループット化の両立を実現しました。
(1) 高出力・短波長レーザーの搭載
従来製品よりも高出力・短波長な深紫外レーザーを搭載することにより、微小欠陥からの散乱光量を増加し、高感度化を実現しました。
(2) 新型検出光学システムの採用
新型検出光学システムでは、従来製品よりもDOIからの散乱光を捕捉する面積を拡大しました。また、新規に開発した高感度センサーにより微弱散乱光検出率が約20%向上しました。
(3) 新データ処理システムの採用
DOIからの散乱光データ処理アルゴリズム改善による高感度化、および高速リアルタイムデータ処理による高スループット化を実現しました。
日立ハイテクは、本製品をはじめとする光学技術を用いたウェーハ検査装置や電子線技術を用いた測長SEM(CD-SEM*1)などの製品を通して、お客さまの半導体製造プロセスにおける加工・計測・検査工程での多様なニーズに対応してまいります。
今後も、プロダクトにデジタルを加えた革新的なソリューションをタイムリーに提供し続けるとともに、お客さまとともに新たな価値を創造し、最先端のモノづくりに貢献いたします。
*1 CD-SEM(Critical Dimension-Scanning Electron Microscope):ウェーハ上に形成された半導体の微細な回路パターンの線幅や穴径等の寸法を高精度に計測する装置
■LSシリーズ製品紹介ウェブサイト
https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/products/semiconductor-manufacturing/cd-sem/inspection-solution/ls.html
■日立ハイテクについて
日立ハイテクは、2001年、株式会社日立製作所 計測器グループ、同半導体製造装置グループと、先端産業分野における専門商社である日製産業株式会社が統合し、誕生しました。2020年、日立製作所の完全子会社となり連携を強化していくことで、社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現をめざしています。
医用分析装置、バイオ関連製品、分析機器、半導体製造装置、解析装置の製造・販売に加え、社会・産業インフラ、モビリティなどの分野における高付加価値ソリューションの提供を通して、グローバルな事業展開を行っています(2022年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は5,768億円)。
詳しくは、日立ハイテクのウェブサイト(https://www.hitachi-hightech.com/jp/ )をご覧ください。
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