【中小企業の脱炭素経営について調査】脱炭素経営について十分取り組めている中小企業はわずか4.0% 取り組む上での課題の1位は「効果がわからない」
~BLUE REPORT mini 12月号を発行~
今回のレポートの目的
近年、世界規模の気候変動にともなう自然災害が多発しており、要因である温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みが世界的に広がっています。日本では、2020年に「2050年カーボンニュートラル宣言」が行われ、政府が主導となって脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進められています。また、企業においても気候変動対策の視点を取り入れた「脱炭素経営」に注目が集まっております。
従来の気候変動対策は、企業の社会的責任(CSR)の一部として取り組まれる傾向にありましたが、近年は環境変化がさらに加速していることから、企業の気候変動対策が欠かせなくなっており、対策を行わないことが経営リスクとして位置づけられるようになりました。
このような背景から、中小企業の脱炭素経営に対する理解状況、意識を明らかにし、脱炭素経営の実態や今後の課題を検討していくため、本調査を実施いたしました。
●本レポートの詳細は、こちらをご参照ください。
https://www.forval.co.jp/consulting/pdf/bluereport_mini_202312.pdf
サマリ―
脱炭素経営に対する認知・理解
・中小企業経営者のうち、カーボンニュートラル実施に向けた政府の取り組みを知っているのは約7割、
気候変動についての情報収集をしているのは約半数
・「脱炭素経営」について、詳細に理解している中小企業経営者は8.3%
脱炭素経営の取り組み意欲・状況
・脱炭素経営経営に取り組みたい中小企業経営者は約3割、十分取り組めている企業は4.0%
・脱炭素経営に取り組む理由1位は「企業としての責任のため」
すでに脱炭素経営に取り組んでいる経営者のうち、今後さらに取り組むべきと半数以上が回答する一方、
現在取り組んでいない経営者のうち、すぐにでも取り組むべきという回答は6.9%
・脱炭素経営に取り組む上での課題の1位は「効果がわからない」
次いで「取り組み方が分からず手探りの状態である」「費用がかかる」が上位に
調査結果 (抜粋)
■脱炭素経営の認知度について
中小企業経営者に「脱炭素経営」についてどの程度認知、理解しているか聞いたところ、「知っており、他の人に説明できる」は8.3%となりました。「知っているが、説明できるほどではない」は48.3%で両方合わせても、脱炭素経営経営を知っている経営者は56.6%という結果になりました。
調査期間:2023年10月16日~11月15日
回答企業数:600
■脱炭素経営の取り組み状況
中小企業経営者に「脱炭素経営」の取り組み状況を聞いたところ、「十分取り組めている」と回答したのは4.0%となりました。「ある程度取り組めている」は42.8%となり、「十分取り組めている」と合わせても半数以下の結果になりました。
調査期間:2023年10月16日~11月15日
回答企業数:201
■脱炭素経営に取り組んでいない経営者の声
「脱炭素経営」に取り組んでいない中小企業経営者に、今後の取り組みに関する考えを聞いたところ、約7割が「いずれは取り組むべきである」と回答するも、「すぐにでも取り組むべきである」という回答は6.9%に留まりました。このような「いずれは取り組むべきである」と 考えている経営者が脱炭素経営に取り組 むためには、国や地方自治体からの補助金や各種情報等の支援のさらなる拡充に加え、脱炭素 経営の重要性や中小企業が取り組むメリットに ついて助言できるような外部の専門家の存在が必要であると考えます。
調査期間:2023年10月16日~11月15日
回答企業数:478
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