摂南大学とプリメディカの共同研究 「腸活弁当」の継続摂取が腸内細菌叢に与える変化を検証
3人に2人が快便を実感!週4~5回 1食だけの腸活でも腸内フローラに変化が生じる可能性
摂南大学(学長:久保康之)農学部は、予防医療領域における検査サービスを展開しているプリメディカ(代表取締役社長兼CEO:富永 朋)と腸内環境改善を目的とした共同研究「食物繊維豊富な『腸活弁当』による腸内細菌叢改善効果の検討(研究承認番号:2024-019)」を実施しました。 本研究では、食事内容の変化が腸内フローラ(エンテロタイプ)に及ぼす影響を明らかにすることを目的としております。

研究の目的
本研究は「日常的に取り組みやすい腸活」を提案することを目的とし、以下の2点に着目しました。
●1食だけでも食物繊維量を高めた食事に置き換えることで腸内フローラは変化するのか
●腸活は毎日行わなくても、平日のみの実施でも効果があるのか
従来の腸活は「毎日・毎食続けること」が前提とされることが多いですが、継続が難しい人も少なくありません。本研究では、昼食を食物繊維が豊富な「腸活弁当」に置き換えることによる腸内フローラへの影響を検証しました。
なお、腸内フローラの解析はプリメディカの腸内フローラ検査サービス「Flora Scan®」を用いて実施しました。
研究概要
●研究課題名:食物繊維豊富な「腸活弁当」による腸内細菌叢改善効果の検討
●実施期間 :2024年11月11日~12月20日(6週間)
●対象者 :摂南大学職員・大学院生(男性25人/女性26人、22歳~68歳)
●参加者数 :50人
●調査方法 :腸内フローラ検査・食事記録・体感アンケートなど
●研究承認番号:2024-019
内容:食物繊維を豊富(7~9g)に含む12種類の腸活弁当を提供し、平日週5回×6週間にわたり摂取。摂取前後に腸内細菌叢を測定し、食物摂取頻度調査票(FFQ)および体調変化に関するアンケートを実施。
なお、研究の信頼性を担保するため、以下のいずれかに該当する場合はドロップアウト(研究対象から除外)としました。
●週5回の摂取のうち、2回以上を無断で食べなかった週がある場合
●週5回の摂取のうち、1回食べなかった週が2回発生した場合
●検体の提出がなかった場合
≪参考情報~腸活弁当のラインナップ~≫

研究結果
1.体感的な変化
腸活弁当の摂取後、アンケート調査の結果、49人のうち、41件の体感的な変化が報告されました(複数回答可)。

快便(便秘・下痢の改善を含む):25件
快眠:8件
肌質の改善:4件
疲労感の軽減:4件
研究に参加された方からは、
「腸活弁当を食べ始めてから2週間程度で効果を実感し始め、以前より快便になったと感じています。もち麦や十穀をプラスして食物繊維がとれると知ったので、家でも続けたいです」
「腸活弁当は味が薄くて美味しくないというイメージがありましたが、実際に食べてみると想像していたものと違ってとても美味しかったので、今後も腸活弁当を参考に食物繊維の摂取を意識したいと思います」といったコメントがありました。
2.エンテロタイプの変化

●健康なエンテロタイプ(TypeB・E)の被験者97%は、摂取後も健康なエンテロタイプを維持。
●腸内フローラの改善が求められる被験者(TypeA・C・D)7人のうち、5人が健康なエンテロタイプ(TypeB・E)へと変化。

3.新たに得られた示唆
・1食だけでも腸内フローラ(エンテロタイプ)に変化が生じる可能性
食物繊維を意識的に摂取することで、腸内フローラ(エンテロタイプ)の変化が確認されました。
・腸活の継続により、良い腸内フローラは維持され、改善が求められる腸内フローラは変化する
腸活の実施状況によって、個々人の腸内フローラの変化に差が生じました。
・毎日でなくとも、週4~5日(1食)でも腸内フローラの変化が見られる
厳格な腸活でなくても、定期的に腸に良い食材を摂取することで腸内フローラを良好に保つことができる可能性があります。
・腸活を見直すべきタイミングは約2週間
腸内フローラの変化を感じるまでの期間には個人差がありますが、多くの被験者は2週間程度で変化を実感しています。もし2週間で変化を感じられない場合は、腸活の内容を見直してもよいかもしれません。
共同研究者からのコメント
摂南大学 農学部応用生物科学科 動物機能科学研究室 教授 井上 亮
※腸内細菌叢測定ノウハウを考案。プリメディカと共同で摂南大学発のベンチャー企業「フローラディスカバリー」を設立。同社学術顧問。
「今回の研究を通して、1食を意識するだけでも腸活に一定の効果があることを証明できたことは、非常に意義深いと思います。今後は、よりエンテロタイプに応じた食生活が提案できるよう、更なる解析を実施していこうと考えています」
摂南大学 農学部 食品栄養学科 助教 織田 奈央子
※本研究における腸活弁当のレシピ(12種類)を考案
「参加者の方から『おいしく続けられた』というフィードバックをいただいたことはもちろん、本研究を通して、野菜の種類を増やすようになったなど、今後の食生活における気づきを与えることができた点は、非常に良かったと感じています」
今後の解析
本研究成果を学術論文として発表することを目指し、下記内容について解析を進めます。
●エンテロタイプ以外の指標(有用菌の変化など)の評価
●TypeB内での変動の詳細解析(サブタイプ化・評価基準のアップデート)
●食物摂取頻度調査票(FFQ)との関連評価
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