Indeed、男性育休に関する求人動向を調査。「男性育休」に言及する求人割合、「改正育児・介護休業法」成立の2021年6月から2.4倍に増加

「介護」「ドライバー」「看護」など人手不足感の強い職種の求人で高い割合

Indeed Japan株式会社

世界No.1求人検索エンジン* 「Indeed (インディード)」の日本法人であるIndeed Japan株式会社(本社: 東京都港区、代表取締役:大八木 紘之、https://jp.indeed.com 以下Indeed)は、2022年10月の「産後パパ育休(出生時育児休業)」の創設から1年を前に、「男性育休※1」に言及する求人動向の調査を行いました。

2023年7月時点の「男性育休」に言及している求人割合(3カ月移動平均)について、次の3つの時期を基点として調査しました。

(1)2021年6月:「改正育児・介護休業法」成立

(2)2022年10月:「産後パパ育休」創設

(3)2023年4月:男性の育児休業等取得状況の公表義務化※2開始


その結果、2023年7月の「男性育休」に言及する求人割合は、改正育児・介護休業法が成立した2021年6月と比較すると2.4倍の増加が見られました。また、雇用形態別※3では、正社員以外よりも正社員でより「男性育休」に言及する求人割合が増加しており、2021年6月と比較し2023年7月は2.3倍となりました。さらに職種別では、介護やドライバー、看護など、人手不足感の強い職種の求人において「男性育休」に言及した求人割合が高くなっていました。採用企業において「男性育休」取得促進に向けた取り組みが広がり、それを求人上で求職者にアピールする動きが広がっていると見られます。


※1:男性育休:「男性」及び「パパ」と、「育休」「育児休業」「育児休暇」を組み合わせたキーワード、及び「パパ休暇」いずれかの文言を含む求人を指す(例「男性育休」「男性の育児休業」「パパ育休」「パパも育児休暇」など)

※2:常時雇用する従業員が1,000人を超える事業主に、男性労働者の育児休業等取得の状況を1年に1回公表することが義務付けられたことを指す

※3:「正社員」とは無期雇用、「正社員以外」とは有期雇用の雇用形態を指す


  • 調査実施の背景

政府は、男性の育児休業取得率を2025年度までに50%、2030年度までに85%に引き上げることを目標に掲げています。2021年6月には「育児・介護休業法」が改正され2022年4月から段階的に施行されました。2022年10月に「産後パパ育休」が創設され、さらに2023年4月には男性の育児休業取得促進のため、常時雇用する従業員が1,000人を超える事業主は、男性労働者の育児休業等取得の状況を1年に1回公表することが義務付けられました。これを受けて厚生労働省が7月末に発表した「令和4年度雇用均等基本調査」の結果によると、男性の育児休業取得者の割合は17.13%で過去最高水準となりましたが、目標の50%までには32pt以上の開きがあります。さらに同日公開された、厚生労働省「イクメンプロジェクト」による「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」では、大手企業(従業員1,000人超の企業)における男性育休等取得率は46.2%で、大手企業においては取得率が比較的高いことがうかがえます。


政府は、男性の育児休業取得状況の公表を義務付ける対象企業を従業員数300人超の規模まで広げる方向で調整しており、対象企業は現行の約4,400社から17,000~18,000社程度に増える見込みのため、男性の育児休業取得を推奨・訴求する企業が今後さらに増加していくことが予想されます。


そこでこのたび、Indeed上に掲載される求人のうち、「男性育休」について言及する求人割合について、2019年7月から2023年7月までの直近4年間を対象とし、その中で政府の「男性育休」取得促進に関する法改正の動きを基点とした動向を調査しました。


「We help people get jobs.」をミッションとするIndeedでは、あらゆる人々が公平に自分に合った仕事を見つけられる社会を実現するためのさまざまな取り組みを行っています。今後も、Indeedに蓄積されたデータや知見を活かした調査を行い、求職者や採用企業にとって役立つ情報を提供してまいります。


  • 調査結果

1.「男性育休」に言及する求人の動向:「男性育休」の言及割合が2021年6月から2.4倍に増加。

●Indeed上に掲載された求人のうち、「育休※4」に言及する求人割合は、「改正育児・介護休業法」が可決・成立した2021年6月の4.62%と比較して、2023年7月は25.06%と5.4倍に増加しています。

●2021年6月の「改正育児・介護休業法」の成立以降、段階的な施行に伴い、求人において「男性育休」に言及する採用企業が増加していると言えます。

 ➤2021年6月の0.17%と比較して、2023年7月は0.40%と2.4倍の増加となりました。

 ➤2022年6月(0.19%)から急激に増加し、「産後パパ育休」が創設された2022年10月(0.35%)を経て2022年12月にピーク(0.43%)となりました。その後減少が見られましたが、男性育休の公表義務化の2023年4月を境に直近では再び増加傾向となっています。

 ➤育児休業等の取得状況公表義務化が開始した2023年4月(0.32%)と比較して、3ヶ月間で2023年7月(0.40%)は1.2倍に増加しました。


※4:育休:「育休」「育児休業」「育児休暇」など育休に関連するキーワードを含む求人を指す


2. 雇用形態別の「男性育休」に言及する求人動向:正社員は改正法成立の2021年6月から2.3倍に。

●2023年4月以降、正社員以外の育児休業取得要件が緩和され、正社員と同様の育休取得条件となりました。しかし雇用形態別に見ると、正社員と正社員以外それぞれの求人全体に占める「男性育休」に言及する求人割合は、2023年7月は正社員では0.69%、正社員以外では0.16%となり、正社員以外の求人では言及割合が低い状況です。

●「男性育休」に言及している正社員の求人割合は、2021年6月(0.30%)と比較すると、2023年7月(0.69%)は2.3倍に増加しました。2022年10月の「産後パパ育休」創設を前に2022年6月(0.34%)から急激に増加し2022年12月にピーク(0.85%)となりました。その後減少が見られましたが、男性育休の公表義務化の2023年4月を境に直近では再び増加傾向となっています。

●「男性育休」に言及している正社員以外の求人割合は、2021年6月(0.15%)から減少しその後横ばいでしたが、2022年10月(0.10%)から徐々に増加し、2023年2月(0.19%)にピークとなりました。2022年10月(0.10%)と比較し、2023年7月(0.16%)は 1.7倍の増加となりました。

●法改正により、特に正社員において「男性育休」の取得促進の動きが広がり、求人内で言及する割合も増加していることがうかがえます。正社員以外の求人における「男性育休」の言及割合はまだ小さく、ここ数年間の推移で見ると増加率も大きくはないものの、2022年10月以降は正社員以外の求人においても「男性育休」の言及が少しずつ見られます。


3.職種別の「男性育休」に言及する求人動向:「介護」「ドライバー」など人手不足感の強い職種で割合が多い。

●Indeedで定めている職種カテゴリごとに、「男性育休」に言及した求人割合を確認、比較しました。2023年7月時点では「介護」が最も多く1.41%、次いで「ドライバー」1.15%、「看護」1.11%となりました。人手不足感※5の強い介護・看護職、ドライバー職の採用において、「男性育休」の取得しやすさを求人でも訴求することで、採用企業が求職者にワークライフバランスをとりやすい職場環境をアピールするなど、求人の魅力づけをしていると考えられます。

●「男性育休」に言及する求人割合が多い上位の職種を見てみると、介護や看護など女性が多い職種※6においても言及が多く、特に男性が多い職種のみであるという傾向はないことが分かります。

●2023年7月に「男性育休」に言及する求人割合が多い上位10職種の中で、「改正育児・介護休業法」が成立した2021年6月時点で「男性育休」に言及する割合が比較的多かったのは「経営」(0.86%)、「介護」(0.30%)、「コンサルティング」(0.24%)でした。これらは他の職種と比べて早い時期から求人内で「男性育休」が言及されていることがわかりました。


※5:「人手不足」の職種については、厚生労働省「労働経済動向調査(令和5年5月)の概況」の「2.労働者の過不足状況」を参照

※6:総務省 2022年「労働力調査」を参照


  • 調査結果に対するIndeedエコノミスト青木雄介のコメント

Indeed Hiring Lab エコノミスト 青木 雄介Indeed Hiring Lab エコノミスト 青木 雄介

政府は、「男性育休」の取得促進に向け、段階的に改正育児休業法の施行を行ってきましたが、それに伴い大企業を中心に「男性育休」の取得を推進する取り組みが進んでいます。取り組みと連動する形で、企業の採用活動においても、求職者に対して自社の男性育休制度を訴求する動きが出ています。特に直近では2023年4月の大規模企業における育休等取得率の公表義務化を受けて、「男性育休」に言及する求人割合はさらに増加傾向にあります。雇用形態別に見ると、正社員においてより増加していることが分かります。

また、職種別に見ると、介護やドライバー、看護など人手不足感の強い職種において、求人における男性育休の言及割合が高いこともわかりました。採用企業側が求人の中で、男性育休の取得を推奨している姿勢をアピールすることが、求職者の関心につながると考えられていることがわかります。社会的に男性育休の取得促進の動きが進む中で、採用企業においても男性従業員が育児休業を取得しやすい環境を作り、それを求職者に発信することが、今後より採用における競争力に繋がっていくと考えられます。


  • 調査概要

・調査主体:Indeed Japan株式会社

・調査対象期間:2019年7月〜2023年7月

・調査方法:

 対象期間において、日本のIndeed上に掲載されている求人における「育休」または「男性育休」について言及する求人割合を算出。(3カ月移動平均)

 *「育休」に言及する求人:「育休」「育児休業」「育児休暇」など育休に関連するキーワードを含む求人を指す

 *「男性育休」に言及する求人:「男性」及び「パパ」と、「育休」「育児休業」「育児休暇」を組み合わせたキーワード、または「パパ休暇」いずれかの文言を含む求人を指す(例「男性育休」「男性の育児休業」「パパ育休」「パパも育児休暇」など)

 *求人割合(%)は少数第三位で四捨五入しているため、実際の増加率の数値と異なって見えるものがあります


Indeed (インディード)について

Indeedは、最も多くの人が仕事を見つけている世界No.1求人検索エンジン*です。現在60ヵ国以上、28の言語でサービスを展開し、求職者は何百万もの求人情報を検索することができます。 300万以上の企業がIndeedを利用して従業員を見つけ、採用しています。また、月間3億人以上のユニークビジター**が、Indeedで求人検索や履歴書の登録、企業の情報検索を行っています。詳細はhttps://jp.indeed.comをご覧ください。

*出典:Comscore 2023年6月総訪問数

**出典:Indeed社内データ 2022年4~9月

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会社概要

Indeed Japan株式会社

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業種
情報通信
本社所在地
東京都港区三田1-4-1 住友不動産麻布十番ビル6階
電話番号
-
代表者名
大八木 紘之
上場
未上場
資本金
-
設立
2013年10月