Z世代のイマ~子どもと親の価値観ギャップ~比較を通して見えてくる、世代ごとの価値観の違いを受け入れともに歩んでいく
Z世代と親世代の価値観の違いを比較調査!多様性への意識が世代間でどう異なるかを分析します。

総合マーケティングリサーチ会社の日本インフォメーション株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:斎藤啓太)は、インターネットリサーチで全国の16~69歳 男女1,015名を対象に、「Z世代のイマ~子どもと親の価値観ギャップ~」の調査を実施いたしました。調査期間は2025年4月18日~4月21日です。
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【調査概要】
調査地域:日本全国
調査対象:16~69才男女
調査実施期間:2025年4月18日~4月21日
調査手法:インターネットリサーチ
サンプルサイズ:有効回収計 1,015サンプル

多様性を尊重するZ世代

価値観やライフスタイルの多様化が進む現代において、Z世代は特に多様性を尊重する意識が高い世代として注目されています。今回の調査では、Z世代とその親世代を比較することで、親子間で価値観の違いを感じているか、またその違いがどのような領域に現れているかを明らかにしました。
■調査結果から得られたファインディングス
1.Z世代よりも親の方が価値観の違いを感じているが、親は違いの受容性も高く子どもの価値観を尊重する姿勢が窺える。Z世代は母親よりも父親と違いを感じる人がやや多いが、親子間のギャップは母子間で差が開く。
Z世代の子どもと価値観の違いを感じる父親は67.0%、母親は64.4%とやや父親の方が感じている一方、父親と価値観の違いを感じるZ世代は60.3%、対母親は55.4%と子どもは父親との方が価値観の違いを感じており、母子間でギャップが見られる。
2.価値観の違いを感じる項目は親子いずれも「ライフスタイル・日々の過ごし方について」がトップ。次いで「お金の使い方について」「時間の使い方について」と日常的な事柄で違いを感じやすく受容性も比較的低め。
特に親はZ世代の子どもの進路、キャリア、結婚、子育て等の将来の話よりもライフスタイル、お金・時間の使い方といった日常生活において価値観の違いを感じており、「時間の使い方」ではZ世代とのギャップが最も大きい。一方、Z世代は親と比較すると多様性・ジェンダーについての考えで価値観の違いを感じている人が多く、また親よりもスコアが高い項目としてはギャップが最も大きく、多様性を尊重するZ世代の特徴が見える。 またいずれの項目もZ世代よりも親の方が価値観の違いの受容性が高く、子どもの価値観を尊重する考えが見えるものの、価値観の違いを感じている人が多かった時間・お金の使い方についての考えでは比較的受容性が低め。
3.親子の表面的な関係性については親の方が良好に感じており、日常での交流を深めたいと感じている。Z世代は親の自覚よりも親に対して情緒的な感情を抱いている。
親子の関係性について、Z世代よりも親の方がコミュニケーションが取れていて仲が良いと思っており7割以上が関係性について良好な認識で、親子間のギャップは10pt前後。Z世代は4割が喧嘩や衝突が多いと感じていて、喧嘩・衝突の多さに関する親子間のギャップは16.8ptと最も大きい。しかし、Z世代は6割以上が自身の考え方や行動について親から影響を受けていると考え、親のことを尊敬しており、親の自覚以上に情緒的な感情を抱いている様子。また親の願望と比較すると相談事は親にしたい、親の老後は近くにいたいと思う人がやや多い。一方、親では6割以上がこまめなコミュニケーションや離れて暮らしても定期的に会うことを求めているが、Z世代は消極的で、こまめな連絡では19.5pt、離れて暮らした際に定期的に顔を合わせることについては10.3ptと親子間でのギャップが大きく開いた。
4.親の願望に反して、Z世代の恋愛経験の多さ・結婚・子育て願望はいずれも半数以下。恋愛・結婚におけるジェンダーや多様性についても親子間でギャップが出た。
恋愛観・結婚観・子育てについての考えで親子間で最もギャップがあったのは「恋愛経験の有無」で29.2pt。次いで「子有無」で25.7pt、「結婚有無」の24.4ptとZ世代はいずれに対しても消極的。恋愛における性別や人種・国籍、婚姻関係にこだわらない結婚等でも親子間でギャップがあり、Z世代の方がライフイベントに関してステレオタイプに縛られず、柔軟な考えをしている。
5.仕事・キャリアについての考えは他のテーマと比較して親子間のギャップが少ないが、Z世代の就職意識は親の期待よりも地元志向で、業務外の交流にはやや慎重。
一社勤めや昇進・キャリアアップ、仕事よりもプライベートを優先することについては親子間のギャップは少なく、いずれも2pt台以下。ギャップが大きかったのは勤務地についてで、Z世代は海外勤務に興味がある人は3割程度にとどまり、実家(地元)近くで働きたい人が6割以上と就職意識に関して地元志向である様子。社内外の人との会食の必要性でも親子間でのギャップが出ており、Z世代は業務外の交流と捉え、慎重な姿勢が見られる。
6.男性メイク、男性の剃毛・脱毛はZ世代の実態よりも親の理解の方が進んでいる。美容整形やタトゥーといった永続的に影響が出るものはまだ親子ともに抵抗感が強い様子。
Z世代の男性では、メイクをしている・興味がある人は3割にとどまるものの、親の男性メイクの受容率は4割強。また、Z世代男性で剃毛・脱毛している・したい人は5割程度なのに対し、親の受容率は6割強と男性の美意識に関しては実態よりも親の理解の方が進んでいる様子。美容整形やタトゥー等、永続的に影響が出るものについては男性のメイクや剃毛・脱毛と比較して親子とも抵抗感を抱く人が多い。
※今回の発表にあたり実施した自主調査クロス集計データ(属性別分析を含める)、報告書を無料にて配布しております。資料をご希望の方は以下のリンクよりお気軽にお問い合わせください。
【主な調査結果】
お互いの価値観の違いの認識

まず初めに、Z世代とZ世代の子どもを持つ親で、お互いに価値観の違いを感じているか、違いを感じる価値観は何か、その違いを受け容れられるのかを聴取し、父親・母親⇔Z世代の子どもでお互いにどのように感じているかを分析しました。
■Z世代よりも親の方が価値観の違いの実感値が高め
父親⇔Z世代の子ども、母親⇔Z世代の子どものいずれも、子どもよりも親の方が価値観のギャップを感じており、父親・母親とも「感じる計」は6割を超え、父親と母親間ではほとんど差がありませんでした。Z世代の子どもが価値観の違いを感じているかどうかについては、対母親は「感じる計」が6割を切っており、対父親の方が約5ptスコアが高く、父親との方が価値観の違いを強く感じている様子が窺えましたが、親子間のギャップは母親⇔Z世代の子どもで8.9pt、父親⇔Z世代の子どもで6.6ptと、お互いの価値観のギャップとしては母親⇔Z世代の子ども間の方がやや開きがある結果となりました。

■価値観の違いを感じているのは、ライフスタイル・お金や時間の使い方
具体的に親⇔Z世代の子どもで違いを感じる価値観としては、Z世代の子ども⇒親では「ライフスタイル・日々の過ごし方についての考え」が44.3%でトップ。次いで「お金の使い方についての考え」が37.6%、「時間の使い方についての考え方」が28.3%と続きます。上位4つは親⇒Z世代の子どもでも同様の項目が並んでいますが、「時間の使い方について」では親子間のギャップは17.6ptと差が開きました。「多様性についての考え」「ジェンダーについての考え」はZ世代のスコアは2割程度であるものの、親とのギャップは17pt前後と大きく、多様性やジェンダーを尊重するZ世代の特徴が見られました。

■親の方が価値観の違いの受容性が高め
テーマ別の価値観の違いの受容性では、Z世代の子ども⇒親ではいずれの項目もTOP2が5割以下と内容を問わず親との価値観の違いを受け容れ難いと感じている様子でした。特に「結婚観」については5割がBOTTOM2を選択しています。一方親⇒Z世代の子どもではTOP2が過半数の項目も多く、「恋愛観」で71.2%と最もスコアが高くなりました。BOTTOM2のスコアが最も高かった項目でも「お金の使い方についての考え」の25.8%と、Z世代の子どもの価値観を尊重する姿勢が見えました。いずれも参考値ですが、受容性で最も親子間のギャップが出たのは「子育てについての考え」「多様性についての考え」でいずれも30pt前後の差でZ世代の子どもの方が受け容れ難いと感じています。

親子それぞれの価値観とそのギャップ

ここからは、Z世代とZ世代の子どもを持つ親に、親子の関係性や恋愛観、仕事観などテーマ別にそれぞれ自身がどのような価値観を持っているかを聴取し、そのギャップを分析しました。
■親の方が親子の関係性を良好に感じていて、Z世代の方が喧嘩・衝突が多いと感じている
親子の関係性についての考えにおいて、Z世代の子どもと親で最もギャップが出たのは16.8pt差の「喧嘩や衝突の有無」で、Z世代の子どもは4割が多いと感じているのに対し、親は2割強にとどまりました。親は「仲が良いと思う」 「コミュニケーションが取れていると思う」で7割以上のスコアであることからも、Z世代の子どもとの親密性を感じている様子ですが、いずれの項目でもZ世代の子どもとのスコア差は10pt前後と価値観のギャップがあります。一方「子どもの行動や考え方に影響を与えている」「子どもに尊敬されている」という点では親の方が消極的で、Z世代の子どもの「影響を受けている」「尊敬している」スコアよりも下回り、親子のギャップは10pt前後の結果となっています。

■親の願望に反して、Z世代の恋愛経験の多さ・結婚/子育て願望はいずれも半数以下
恋愛観において親子で最もギャップが出たのは29.2pt差の「恋愛経験の有無」で、親は8割以上が少なからず恋愛経験をしてほしいと思っているのに対し、Z世代の子どもで恋愛を少なからず経験したいと回答したのは5割強にとどまりました。「恋愛経験の豊富さ」に関する項目でも親は過半数がたくさん経験してほしいと回答しているのに対し、恋愛をたくさんしたいZ世代の子どもは3割強にとどまり、20.4pt差と親子間のギャップが大きく「若者の恋愛離れ」の傾向が色濃く出ています。また「恋愛に性別は関係ない」では14.8pt差、「恋愛に人種や国籍は関係ない」では9.4pt差と恋愛における多様性・ジェンダーに関する項目でもギャップが見られ、Z世代の方が尊重する考えが強いです。デート代については親子ともに「割り勘がよい」と回答する人が6割前後でしたが、親の方がやや「男性が出すべき」と回答する人が多い結果でした。「マッチングアプリでの出会い」では親子間のギャップは見られませんでしたが、親子とも自身が使うのは抵抗がある・子に使ってほしくないと回答する人が過半数でした。また「結婚前提ではない同棲」の受容性でも親子間でほとんどギャップが見られませんでした。

結婚観・子育てに関する考え方について最もギャップが出たのは25.7pt差の「結婚後の子どもの有無」で、親は6割以上が子どもがいた方がよいと思っているのに対し、Z世代の子どもで子どもがほしいと回答したのは4割にとどまり、過半数が結婚したとしても子どもはいなくてもよいと考えています。また24.4pt差と僅差で「結婚の有無」でも親子で大きくスコアに差が出ており、親は7割が子に結婚してほしいと考えているのに対し、結婚したいZ世代は5割以下でした。「婚姻関係」や「子どもの人数」についても親子間で15pt以上ギャップがあり、Z世代では親と比較して家族の形の柔軟性、ライフスタイルの多様化が窺えます。

■Z世代は国内・地元勤務志向で業務時間外の交流はやや慎重
仕事・キャリアについての考えで最もギャップが出たのは19.0pt差の「海外での仕事」で、親は5割程度が子が海外で働くのもよいと考えているのに対し、Z世代の子どもで海外で働くことに興味があるのは3割強にとどまりました。また「国内での勤務地」の項目でも親子でスコアに17.4ptの差があり、親よりもZ世代の子どもで実家(地元)の近くで働きたいと考えている人が多く、親の方が柔軟性が高く、Z世代の子どもの方が保守的な姿勢が見えました。「仕事をする上での社内外の人との会食の必要性」では、親の方がZ世代の子どもよりも必要だと感じている人が11.0pt多く、仕事の延長/業務外の負担といった「会食」に対する捉え方の違いが見えます。

■男性の美容行動はZ世代の実態よりも親の理解の方が先行している
美容・ファッションについての考えで最もギャップが出たのは14.3pt差の「男性のメイク」で、親は4割以上が男性がメイクをすることに対してネガティブな感情を抱いていませんが、Z世代の男性の子どもは自身がメイクをすることへの抵抗感、男性がメイクをすることへの違和感を感じる人が7割弱の結果でした。メディアで男性メイクについて取り上げられることも多いためか親の男性メイクへの理解度は深まっているものの、Z世代の男性の実態としてはまだ少数派であることがわかります。「男性の剃毛・脱毛」でも13.7ptと親子間のギャップが大きく、Z世代の子どもの方が抵抗感が強い結果となりました。「美容整形」でも同様の傾向が見られますが、親子ともに男性のメイクや剃毛・脱毛よりも抵抗感が強く、「タトゥー」については親子ともさらに抵抗感が強いです。永続的に影響が出るものに関しては、多様化の中でも価値観のアップデートが進みにくいと考えられます。

価値観の違いを受け入れて共生していく

本調査を通じて、Z世代とその親との間には、価値観における様々な違いが見られました。特に、恋愛観や結婚・子育てに対する意識では親子間のギャップが顕著で、Z世代はステレオタイプにとらわれず、「自分らしく生きたい」という願望が表れています。一方で、価値観の違いを感じながらも、互いにその違いを受け入れようとする姿勢も見られました。コミュニケーションを通じてお互いを尊重し合い、誰もが生きやすい社会の実現につながることが期待されます。
以上、「Z世代のイマ~子どもと親の価値観ギャップ~」として結果のレポートをお伝えしました。
日本インフォメーションでは、今後もZ世代の持つ特徴をテーマ別にレポートし、変化の激しいZ世代の動向をウォッチしてまいります。
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https://www.n-info.co.jp/report/0081
【会社概要】
会社名:日本インフォメーション株式会社
所在地:東京都中央区銀座3丁目15-10JRE銀座三丁目ビル4F
代表取締役社長:斎藤啓太
資本金:5,500万円
設立:1969年12月1日
URL:https://www.n-info.co.jp/
事業内容:マーケティング・リサーチ事業、マーケティングコンサルティング 他
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