カタリバ、全国の10代の居場所支援事業において地域全体で子どもを支える「地域エコシステム構築プロジェクト」を始動
-プロジェクト第1弾として、サントリーの支援を受け2団体を助成-
認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都中野区、代表理事:今村久美、以下カタリバ)は、日本全国で10代の居場所を運営する、または立ち上げたい団体や個人を支援する事業「ユースセンター起業塾」を運営しています。
この度、ユースセンター起業塾は新たに「地域エコシステム構築プロジェクト」を始動し、サントリーホールディングス株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:鳥井信宏、以下サントリー)からの寄付を活用し、2団体への助成を行うことが決定しましたのでお知らせします。

■年々高まる居場所づくりの重要性とは裏腹に、地方では担い手不足が課題
2023年4月にこども家庭庁が発足し、「子どもの居場所づくり」が政策の一つとして掲げられるなど、子どもたちが学校や家庭以外で安心して過ごせる「居場所」の重要性が社会に広まりつつあります。しかし、こども家庭庁の調査(*1)によれば、地域における居場所の担い手や支援者の不足、居場所運営者の精神面のケア不足など、多くの課題が指摘されています。中でも地方部では、人口減少や高齢化の影響により、「居場所づくり」の担い手不足がより深刻な課題となっています。
こうした社会の動きの中で、カタリバでは、10代の居場所づくりに取り組む全国各地の団体を支援しようと、2021年に「ユースセンター起業塾」を立ち上げました。カタリバが20年以上にわたり培ってきた居場所運営の知見をもとに、これまで全国で30以上の団体の居場所の立ち上げを、資金・運営の両面からサポートをしています。
さらにユースセンター起業塾は、2024年4月よりサントリーとの連携を開始し、同年10月からは、サントリーが推進する次世代エンパワメント活動「君は未知数」の取り組みの一環として、図書館などの既存公共施設を活用した10代の居場所づくりなどにもサントリーより寄付を受け取り組んでいます。
*1:こども家庭庁 こどもの居場所づくりに関する調査研究 報告書概要
■地域全体で10代を支えるための新プロジェクト始動―第1弾としてサントリーからの寄付を受け
ユースセンター起業塾は今年で4年目を迎え、これまでに支援してきた団体は10代のための居場所や関連事業を継続し、それぞれの地域で着実に活動を続けています。
その一方で、団体への伴走支援を通して見えてきたのが、「地域にあるひとつの居場所だけで10代の多様なニーズに応え続けるのには限界がある」ということでした。こうした気づきから、地域全体で子どもを支える環境づくりの重要性をあらためて考えるようになりました。
そこで私たちが立ち上げたのは、地域の居場所が起点となり、行政や学校、地域住民などのさまざまな立場の人たちと連携しながら子どもたちの課題やニーズに応える仕組みづくりを応援する「地域エコシステム構築プロジェクト」です。その第一弾として、既に地域で居場所運営に取り組む2団体への助成を決定。この助成は、サントリーが推進する次世代エンパワメント活動「君は未知数」からの寄付を活用して実施します。
このプロジェクトを通じて、私たちは助成対象の2団体が、「地域における10代への支援の重要性の発信」や「子ども支援の担い手が地域で生まれる土壌づくり」、具体的には10代の抱える課題や居場所の価値について理解を深めるための地域住民・行政職員向けの勉強会の実施や、新たに居場所を立ち上げたい団体への研修・視察受け入れなど、10代と地域がより良く関わり合える環境づくりに関する取り組みを支援していきます。
<プロジェクト概要>
助成期間:2025年5月~2027年3月(2025年度から2026年度までの2か年)
助成金額:1団体当たり最大1,000万円(2か年合計)
支援内容:支援チーム(カタリバスタッフおよび外部パートナーで編成)による伴走支援
・10代の子どもを対象とした学びの機会や居場所づくりに関する研修及び助言の提供
・経営面に関する研修及び助言の提供
・連携候補となる他のNPOや企業、自治体・官公庁関係者、研究者等の紹介
・人材採用支援
・資金調達支援
・事務機能の整備・強化に対する支援
・採択団体同士のネットワーキング・ノウハウ共有
<採択団体一覧>

「子どもたちがミライに無限の可能性を思い描ける地域へ」をビジョンに、10代の居場所「INBase」を運営しながら、地域と連携した高校生のプロジェクトへの伴走など、子どもたちが地域の方々と交流しながら多様な学びを得られる機会を提供してきました。
より多様な10代が自分のニーズに合った選択肢を選べる地域づくりを目指し、放課後児童クラブ併設型のユースセンターや不登校の子向けの居場所などを展開し、町内に複数のユースの居場所がある状態の確立と、居場所の見える化、居場所とその運営を担う人材とのマッチングのしくみづくりに挑戦します。
●NPO法人こおりやま子ども若者ネットワーク(福島県郡山市)

子ども若者の社会的排除を解決するために、教育・労働・医療・障害福祉など様々な分野で活動する団体・個人が集まったネットワーク組織です。子ども若者も大人と対等に権利の主体として保障される地域を目指し、彼らとともにユースセンター「ゆ~くる」の運営や、近隣高校での校内居場所カフェを展開してきました。
さらに子ども若者の社会的包摂と地域参画を進めるため、別拠点や校内ユースセンターの展開等、多様な声と出会い発信していく活動を行いながら、これから子ども若者に関わる活動や居場所づくりを始める団体・個人向けのユースワーカー養成研修(こわかネット版)の提供や相談窓口の設置による伴走サポートなどにも挑戦します。
ユースセンター起業塾では、こうした担い手が持続的に活動できるよう、ノウハウ提供や資金調達支援、ネットワークづくり、研修機会の提供などを通じて、引き続き伴走支援を行っていきます。
■サントリー次世代エンパワメント活動「君は未知数」

子どもたちの可能性は未知数。生まれ育つ環境や状態にかかわらず、その可能性を全ての子どもたちがひらくことができる社会を実現する。それが私たちの想いです。思春期世代を主な対象として、この分野で先駆的・継続的に取り組んできたNPOなどと協働しながら、子どもたちが未知や他者と出会う機会をつくります
■【事業紹介】ユースセンター起業塾

「意欲と創造性をすべての10代へ」というカタリバのミッションを共にする団体を支援することで、今までカタリバ単体では届けることができなかった日本全国の子どもたちへ学びの機会を届けるためのインキュベーション事業です。各地での10代の居場所づくりを応援する事業「ユースセンター起業塾」を運営し、カタリバが創立から20年以上にわたり蓄積してきた子ども支援や関係者との連携、団体の基盤整備などのノウハウをもとに、活動をサポートします。
■【団体紹介】認定特定非営利活動法人カタリバ

どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
設立 : 2001年11月1日
代表 : 代表理事 今村久美
本部所在地 : 東京都中野区中野5-15‐2 カタリバ中野事務所
事業内容 : 高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(岩手県大槌町・福島県広野町)/災害緊急支援(全国)/地域に密着した教育支援(東京都文京区・島根県雲南市)/家庭の事情で居場所を求めている子どもに対する支援(東京都足立区)/外国ルーツの高校生支援(東京都)/不登校児童・生徒に対する支援(島根県雲南市・全国)/子どもの居場所立ち上げ支援(全国)
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