Z世代のファッションに関する意識調査
遊びに行く場所から“逆算コーデ” Z世代の約70%がファッションテイストをシーンに合わせて使い分け。トレンドよりも「自分に似合うか」を重視。骨格やカラー診断への注目が高まる
【Z世代のファッションに関する意識調査トピックス】
【1】体験から逆算してファッションを楽しむ。ファッションはコミュニケーションツールに。
コーディネートやファッションテイストの決め方に関して、約70%のZ世代が「遊びに行く場所に合わせる」と回答しています。Z世代にとってファッションは、自己表現ツールからコミュニケーションツールとして、人や場所などに合わせて変えるものとなっているようです。
【2】女性の約40%、男性の約30%が3つ以上のファッションテイストを着回す。
約70%がブランドよりもファッションテイストを重視。
好きなブランドは特になく、ブランドに対する意識は低い様子がうかがえました。様々なファッションテイストを着回すからこそ、ブランドよりテイストを重視しているようです。
【3】服を買うときはトレンドより「自分に似合うか」を重視。
骨格診断、パーソナルカラーなどを通じて「似合う」の精度を高める。
服の購入重視点は、 1位「デザインの良さ(63.9%)」、2位「サイズ感(55.1%)」、3位「着回しがしやすい(44.9%)」。インタビューでは骨格診断やパーソナルカラーを参考にするといった意見が多く、本当に自分に似合うアイテムを選定し、お買い物の精度を更に上げたいという気持ちが見られました。
【4】ファッションの情報収集も検索も1位はInstagram。ネット通販は検索ツールとしても利用。
店舗は友達との買い物を楽しむ場となり、ファッションの買い物はエンタメ化。
「普段から情報をストックし、欲しくなったら詳細を検索する」といった声が多く聞かれました。Z世代は事前の情報収集と検索を念入りに行い、店舗と通販も使い分けながら、失敗しないように買い物を楽しんでいるようです。
【5】所長が分析!体験から逆算してファッションを選ぶZ世代。
「コミュニケーションの円滑化」がモチベーション
SNSのアカウントを複数持ち、アカウントごとにコミュニケーションを変化させているZ世代。ファッションもSNSアカウントと同様に、遊ぶ相手や行く場所に合わせて変えることで「相手との関係性をより彩るツール」として活用されています。
【1】体験から逆算してファッションを楽しむ。ファッションはコミュニケーションツールに。
まず、遊ぶときのコーディネートやファッションテイストの決め方※図1を聞いたところ、「遊びに行く場所に合わせる(67.3%)」、「遊ぶことに合わせる(53.7%)」、「遊ぶ人のファッションテイストに合わせる(30.7%)」と、遊ぶ場所やこと、人に合わせてコーディネートをしていることが分かりました。
図1 あなたは遊ぶときに、どのようにコーディネートやファッションテイストを決めますか。(複数回答)
n=205 (男性85/女性120)
グループインタビューでは、「相手の服装に合わせることが多い。女子がいるときに全部モード系で決めると引かれそうなのでシンプルめのコーデにする。逆におしゃれな男友達と買い物に行くときは自分の中でもお気に入りの攻めたコーデをする。(男子大学生)」、「友達と遊ぶ場所が決まったら、事前にどんなコーデにするか相談する。例えば、カフェだから淡色コーデ(ベージュなど淡い色でまとめたコーデ)にしようみたいな感じ。似たコーデの方が仲良く見えるし、写真を撮った時も場所とコーデが合うと統一感が出て良い。(女子大学生)」といった声が聞かれました。
Z世代にとってファッションは、自己表現ツールというよりは、コミュニケーションツールであり、人や場所などに合わせて使い分けるものとなっています。特に、女性の方がその傾向が強くみられており、SNSに投稿する写真や動画を撮ることを前提に、当日のコーディネートを決めています。撮りたい写真や動画から逆算したファッションを楽しんでいるのは、今のZ世代の特徴と言えます。
【2】女性の約40%、男性の約30%が3つ以上のファッションテイストを着回す。
約70%がブランドよりもファッションテイストを重視。
ファッションがコミュニケーションツールと化したZ世代は、どのようなファッションテイストを着ているのでしょうか。ファッションテイスト※図2を聞いたところ、男性は1位「カジュアル(58.8%)」、2位「キレイ目(24.7%)」、3位「ストリート(22.4%)」となり、1位と2位以降に大きな差が生まれました。
一方、女性は1位「カジュアルガーリー(30.0%)」、2位「カジュアルボーイッシュ(27.5%)」、3位「キレイ目(25.0%)」となり、1~3位は僅差の結果となりました。また、ファッションテイストを3つ以上選択した割合を確認したところ、男性は28.2%、女性は44.2%となり、男性より女性の方が一人で複数のファッションテイストを楽しんでいる人が多いことが分かりました。
図2 あなたのファッションテイストを教えてください。(複数回答)
n=205 (男性85/女性120)
続いて、ファッションの楽しみ方※図3について聞いたところ、「ファッションについてブランドよりテイストを重視する」という項目について、「とてもあてはまる(28.3%)」、「ややあてはまる(42.9%)」と計71.2%があてはまると回答しました。
図3 ファッションはブランドよりテイストを重視しますか。(単一回答)
n=205 (男性85/女性120)
グループインタビューでは、「好きなブランドは特にないが、GUやユニクロを着ることが多い。ZOZOTOWNでも買うがブランド名は分からない。(男子大学生)」、「韓国が好きで韓国っぽいテイストを着ることが多いが、通販で買っているのでブランド名は覚えていない。スポーティなテイストも着たり、色々な服のテイストを持っているのでブランドにこだわりはない。(女子大学生)」といった声が聞かれ、好きなブランドは特になく、ブランドに対する意識は低い様子がうかがえました。総合通販サイトで購入すると、ブランド名ではなくアイテムから探すことが多いためか、どのブランドの服を買っているかをあまり意識しておらず、「好きなブランドは特になし」の方が増えています。また、様々なファッションテイストを着回すからこそ、ブランドよりテイストを重視しているようです。
骨格診断、パーソナルカラーなどを通じて「似合う」の精度を高める。
次に、服を購入するときに重視する点※図4を聞いたところ、1位「デザインの良さ(63.9%)」、2位「サイズ感(55.1%)」、3位「着回しがしやすい(44.9%)」となりました。一方、「トレンドである(18.0%)」は全体の11位となり、トレンドよりも「自分に似合うか」を重視しているようです。
グループインタビューでは、「Instagramや動画配信サービスで見た骨格診断※図5を参考に自己診断をした。骨格ウェーブであることが分かったので、その骨格に似合うファッションを探すようになった。全身で写真を撮ることが多いので、スタイルが良く見えるようにしたい。(女子大学生)」、「パーソナルカラーと骨格診断を参考にしている。失敗せずに自分に似合うものを選ぶために、情報収集を念入りに行う。(女子大学生)」といった声が聞かれました。Z世代の消費価値観の特徴として「間違えたくない消費」がありますが、ファッションにおいてもお買い物の精度を高めるために、自身の骨格やパーソナルカラーなどの診断を活用することが増えています。またそのモチベーションとして、写真や動画で全身を撮影する際に、自分のベストのスタイルが実現できることを重視する人が多いと考えられます。
図4 Q. あなたが服を購入するときに重視する点を教えてください。(複数回答)
n=205 (男性85/女性120)
図5 骨格診断
骨格診断とは、生まれ持った体のラインに合わせて、自分に似合う服や着こなしを診断する方法です。
2020年12月に発表した「SHIBUYA109 lab.トレンド予測2021」の「モノ・コト部門」でも骨格診断が選ばれました。
参照:https://shibuya109lab.jp/article/201208.html
【4】ファッションの情報収集も検索も1位はInstagram。ネット通販は検索ツールとしても利用。
店舗は友達との買い物を楽しむ場となり、ファッションの買い物はエンタメ化。
「自分に似合うかどうか」を重視するZ世代は、どのようにファッションの情報収集をしているのでしょうか。ファッションに関する普段の情報収集とファッションアイテム購入時の検索方法※図6について聞いたところ、普段の情報収集では、1位「Instagram(83.4%)」、2位は同率で「動画配信サービス(40.5%)」、「友達・家族(40.5%)」、3位「TikTok(33.7%)」となりました。
一方、購入時の検索方法では、1位「Instagram(47.8%)」、2位「通販サイト(45.9%)」、3位「ブランド公式HP・SNS(41.5%)」となりました。Instagramは情報収集でも検索でも使われていますが、情報収集では日常的によく見るSNSが多く上がり、購入検討における検索となると通販サイトやブランド公式HP・SNSなど、より商品の詳細情報を取得できる媒体が上がり、普段の情報収集と購入時の検索でフェーズに合わせてツールを使い分けていることが分かります。
図6 Q.あなたはファッションに関して、普段からどのように情報収集をしていますか。
また、ファッションアイテムを購入する時はどのように検索していますか。 (複数回答)
n=205 (男性85/女性120)
グループインタビューでは、「普段からよく見るInstagram、TikTok、動画配信サービスなどで、気になったものは保存機能やスクリーンショットを使ってストックしている。遊びに行く時もそのストックを見ながら、『この服を着てここに遊びに行こう』と友達と相談する。服が欲しくなった時は、Instagramの発見タブ(虫眼鏡欄)で探すことが多い。あとは通販サイトでいいと思ったらとりあえず保存をして、後から見返してやはりいいなと思ったものを買う。(女子大学生)」と、普段から情報をストックし、欲しくなれば詳細を検索するといった声が多く聞かれました。
また、店舗とネット通販の利用目的※図7についてそれぞれ聞いたところ、店舗は、1位「友達と買い物(75.1%)」、2位「一人で買い物(63.4%)」、3位「試着をする(41.0%)」となり、友達との買い物で店舗を利用する人が多いことが分かり、試着をするなど購入前の確認のためにも利用していることが分かりました。
図7 Q.あなたは店舗を、どのような目的でファッションに関するショッピングなどに利用していますか。(複数回答)
n=205 (男性85/女性120)
ネット通販について※図8は、1位「一人で買い物(65.4%)」、2位「一人でネット通販サイトを見る(40.5%)」、3位「新しい商品の発見(33.7%)」を利用目的としており、一人で買い物をするだけではなく、商品を検索したり口コミを確認するなど情報収集ツールとしても使用されていました。
図8 Q.あなたはネット通販を、どのような目的でファッションに関するショッピングなどに利用していますか。(複数回答)
n=205 (男性85/女性120)
グループインタビューでは、「普段から事前にブランド通販サイトやSNSなどで欲しい商品を探し、カメラフォルダーやInstagramの保存機能で欲しいものリストを作っている。その中から本当に欲しいものを店舗で確認して買う。(女子大学生)」、「服を買うのは店舗が8割、通販が2割。まず、サイズ感や色合いを確認したいので店舗に行く。店舗の場合、友達と話しながら買い物をしたり、店員と話すことでその服のバッググラウンドなども知ることができ、愛着も沸くので好き。確認した商品が通販で安く売っていれば通販で買う。」「通販の方が探しやすく、買いに行く手間も省けるので1人で買う時は通販を使うことが多い。しかし、友達と買い物をするために店舗も行く。友達と買い物に行くとアドバイスも聞けるので良い。(男子大学生)」といった声が聞かれました。店舗は商品を実際に確認する、試すといっただけではなく、友達と遊びに行くなどの買い物体験を楽しむといったエンタメとしての利用も見られました。
通販は価格の安さや買いに行く手間を軽減出来るといった購入のしやすさだけではなく、情報量の多さや検索のしやすさといった検索ツールとしての役割でも利用されています。Z世代は事前の情報収集や検索を念入りに行い、店舗と通販も使い分けながら、失敗しないように買い物を楽しんでいるようです。
【5】所長が分析!体験から逆算してファッションを選ぶZ世代。
「コミュニケーションの円滑化」がモチベーション
グループインタビューで聞かれた、「過去にSNSで投稿した服装と被っていないかを確認する」「ファッション系統を合わせると、写真を撮影したときに仲良さそうに見える」といった回答からは、Z世代にとってファッションとSNS上でのコミュニケーションの結びつきが強いことを改めて確認できました。
SNSネイティブである彼らは、SNSのアカウントを複数持ち、各アカウントで繋がっているフォロワーとの関係性に合わせてコミュニケーション(投稿内容等)を変化させています。
ファッションもSNSアカウントと同様に、遊ぶ相手や行く場所に合わせて変えることで「相手との関係性をより彩るツール」として活用されています。SNSによって自己表現方法が細分化・多様化し、ファッションの位置づけも変化していることから、今後企業は「Z世代がどのような体験に価値を感じているか」から逆算したアプローチが必要となるでしょう。
■アンケート調査概要
①WEB調査
調査期間:2021年8月
対象:SHIBUYA109 lab.独自ネットワーク所属者
年齢:15~24歳
回答者数:205名(男性85名/女性120名)
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。
②SHIBUYA109 lab.による定性調査
・グループインタビュー
対象者条件: 大学生 男子3名、女子4名 2G 合計7名
※その他過去定性調査をもとに考察
※公開データの引用・転載の際は、『SHIBUYA109 lab.調べ』と明記いただきますようお願い申し上げます。
SHIBUYA109 lab./https://shibuya109lab.jp
※本リリースに記載の会社名、製品名、サービス名等は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
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■SHIBUYA109 lab.概要
株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する新しい世代に特化した若者調査機関。SHIBUYA109のターゲットである「around20(15~24歳)」を中心に彼らの実態を調査し、SHIBUYA109独自の視点から分析している。
設立:2018年5月17日
所長:長田麻衣(株式会社SHIBUYA109エンタテイメント所属)
ホームページ:https://shibuya109lab.jp
■SHIBUYA109 lab.所長 長田麻衣(おさだ・まい)
総合マーケティング会社にて、主に化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発・ブランディング・ターゲット設定のための調査やPRサポートを経て、2017年に株式会社SHIBUYA109エンタテイメントに入社。
SHIBUYA109マーケティング担当としてマーケティング部の立ち上げを行い、2018年5月に若者研究機関「SHIBUYA109 lab.」を設立。現在は毎月200人の「around20」と接する毎日を過ごしている。
■株式会社SHIBUYA109エンタテイメント概要
SHIBUYA109渋谷店(東京都・渋谷区)を中心とした4つの施設を展開。「Making You SHINE!-新しい世代の“今”を輝かせ、夢や願いを叶える-」の企業理念を掲げ、これからを担う新しい世代の今を輝かせ、夢や願いを叶えるため、商業施設運営に留まらないエンタテイメント事業展開を行う。
設立:2017年4月3日
代表取締役:石川 あゆみ
ホームページ:https://www.shibuya109.co.jp/
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