汗や皮脂に反応し肌を改善する成分を放出する化粧膜

製剤の安定性を損なわずに有機酸を配合 カプセルに閉じ込め、化粧水などへ

 この度、ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:釘丸和也)は、有機酸の一種であるグリコール酸をカプセルに閉じ込めることにより製剤の安定性を損なわず配合することに成功しました(図1)。​さらに肌表面の成分と反応し徐々に有機酸を放出するため、効果を持続的に発揮することが期待できます。有機酸には、うるおってなめらかな角層に整えたり、表皮を活性化したりする作用があります。本技術は今後ポーラ・オルビスグループの商品に活用される予定です。

 
  • 有機酸 : 角層・表皮の状態を良化してくれるものの、処方開発者泣かせのくせもの
 有機酸には、角層の細胞間脂質を整え保水力を上げる、柔軟性を高める、さらには角層細胞の接着剥離を促し不要な角層を排出するといった作用が報告されています※1。これらの作用により、有機酸は、ローション、ミルク、クリームなどの水分や油分を角層中に導き、ハリ弾力のある角層へ導く土台を作ることが期待されます。また、ポーラ化成工業では、グリコール酸に、表皮細胞の活性化に関わる遺伝子※2の発現を高めることを見出しました。しかし、肌には外部環境の変化に耐えられるよう中和機能が備わっており、グリコール酸を肌に塗ってもしばらくすると中和され、働きが失われてしまいます。一方、化粧膜※3自身は、洗い流すまでは肌の上に存在し続けます。そこで、常にグリコール酸を新しく供給することで長時間作用を発揮させればよいと考えました。
 しかし、グリコール酸は、他の成分を析出させたり製剤の安定性を損なわせたりすることから化粧水などへの配合が困難でした。これは、酸が他の成分と反応しやすいためです。そこで、グリコール酸をカプセルに閉じ込め、肌に触れることで放出する製剤の実現を目指しました。

※1 肌の水分中に水素イオンなどを放出しイオンバランスを変えるといったメカニズムが考えられる。
  例えば水素イオンが少ないと肌のpHが高まり、細胞間脂質の状態や酵素活性が影響を受ける。
※2 2020年6月30日発行のリリース 「『がらくた』と考えられていたジャンクDNA領域に宝」 と同じ遺伝子。
※3 化粧品を塗ったときに肌の上にできる膜。
 
  • 肌上の汗や皮脂に反応してグリコール酸を放出しつづける化粧膜を実現 

 製剤中で安定ながらも汗や皮脂では変化する成分でグリコール酸をコーティングした新カプセルを開発しました。肌上でグリコール酸が放出されるか確かめるため、カプセル水溶液に人工汗液を少しずつ添加し、pHの変化を調べました。すると汗の添加に伴い少しずつ酸性になったことから、徐々にグリコール酸がカプセル外に出てくることが示されました(図2)。このことから、この化粧膜は数時間にわたりグリコール酸を肌に供給し続け、角層・表皮を良い状態に保つことが期待できます。
 
  • 化粧膜の機能を広げた本技術
 以上より、製剤の安定性を損なわずグリコール酸の化粧品への配合が可能となりました。これは他の酸性成分への応用も可能です。また、数時間にわたって肌に成分を届けることにも成功しました。今後も、成分と肌との相互関係や化粧膜に注目し、新たな機能を持った化粧品をお届けしたいと考えています。
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