【2022年4月以降の大学院生生活状況調査】対面授業により大学院生の研究は活発化の一方で、友人関係構築に戸惑い。金銭面では、半数の大学院生が公的機関の援助に頼るも、慢性的な生活費不足
技術者・研究者のキャリア支援に特化した事業を15年にわたって続けている株式会社アカリク(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山田諒、以下 アカリク)は、大学院生105名を対象に、大学院の授業形式および経済状況に関する実態調査を実施いたしましたので、お知らせいたします。
技術者・研究者のキャリア支援に特化した事業を15年にわたって続けている株式会社アカリク(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山田諒、以下 アカリク)は、大学院生105名を対象に、大学院の授業形式および経済状況に関する実態調査を実施いたしましたので、お知らせいたします。
【調査概要】
調査目的:大学院生の生活状況の実態把握
調査方法:インターネット調査(クラウドソーシングサービス登録者およびアカリク登録者に対して調査)
調査期間:2022年6月16日~6月28日、7月28日~8月1日
調査対象:大学院生
有効回答数:105件(修士:64名、博士:41名)
「大学での授業は現在対面で行われていますか」
・一部対面式:65.7%
・全て対面式:25.7%
・全て非対面式(オンライン):7.6%
・その他:1%
一方で、「友人関係の構築に戸惑うことが増えた」と答えた方は、「友人関係の構築に戸惑うことが減った」と答えた方の約2.6倍の16件であり、対面で過ごす機会が増えたことにより、リモート時には感じにくかった孤独や人間関係の難しさを認識するようになったと考えられます。
「2022年4月以降、あなたの生活で変わったことはありましたか。あてはまるものすべてを選択してください」
・研究室に行くことが増えた:43
・研究に充てる時間が増えた:37
・この中にあてはまるものはない:17
・友人関係の構築に戸惑うことが増えた:16
・研究室に行くことが減った:16
・積極的に授業に参加するようになった:14
・研究に充てる時間が減った:14
・授業に参加するのに消極的になった:13
・授業を受けるのが楽しくなった:10
・授業を受けるのがつらくなった:10
・友人関係の構築に戸惑うことが減った:6
「対面での授業とオンライン授業では、どちらが自分に合っていると思いますか。」と質問したところ、「オンライン授業」が43.8%、「対面授業」が40%となりました。オンライン授業と対面授業それぞれに対して、自身に合った授業形式であると感じており、個人特性や受講環境など、その他の要因を調査する必要があると考えられます。
「対面での授業とオンライン授業では、どちらが自分に合っていると思いますか。」
・オンライン授業 43.8%
・対面授業 40%
・どちらでもない 12.4%
・その他:3.8%
「大学院に在学するにあたり、大学や国・公的機関が提供する経済的な支援を受けていますか。(日本学術振興会特別研究員研究奨励費、助成金、奨学金など)」と質問したところ、「はい」が47.6%、「いいえ」が43.8%となりました。半数近い大学院生が、公的機関から経済的支援を受けています。
「大学院に在学するにあたり、大学や国・公的機関が提供する経済的な支援を受けていますか。(日本学術振興会特別研究員研究奨励費、助成金、奨学金など)」
・はい:47.6%
・いいえ:43.8%
・過去に受けていたが今は受けていない:8.6%
「普段の生活費はどのように賄っていますか。当てはまるものをすべて選択してください。」と質問したところ、最も多いのは「アルバイト」で58件、次いで「親や親族からの仕送り」が49件、「奨学金」が29件、「研究奨励金(学振)」が14件となりました。親族の金銭的な援助に頼るのではなく、アルバイトで自身の生活費を確保する自立した大学院生の姿が明らかになりました。
「普段の生活費はどのように賄っていますか。当てはまるものをすべて選択してください。」
・ アルバイト:58
・親や親族からの仕送り:49
・奨学金:29
・研究奨励金(学振):14
・配偶者の給料:1
・社会人大学院生のため、ある程度収入がある:1
・実家暮らし:1
・自己資金:1
・研究奨励金(JST次世代挑戦的研究者育成プロジェクト):1
・学内のリサーチアシスタント:1
・リサーチアシスタントの報酬:1
「生活費が足りないと感じることはありますか」と質問したところ、「はい」が54.3%、「いいえ」が45.7%となりました。半数以上の大学院生が、日常的に生活費が足りないと感じているようです。
「生活費が足りないと感じることはありますか」
・「はい」:54.3%
・「いいえ」:45.7%
「月にどの程度生活費が不足していると感じますか(月ごとに異なる場合は、平均的な額を選択ください)」と質問したところ、「0-1万円未満」が34.3%、「1万円以上-3万円未満」が26.7%となりました。割合は少ないですが1.9%の大学院生は「19万円以上」と回答しています。半数以上が月々3万円程度の不足を常に感じていることがわかりました。
「月にどの程度生活費が不足していると感じますか(月ごとに異なる場合は、平均的な額を選択ください)」
・0-1万円未満:34.3%
・1万円以上-3万円未満:26.7%
・3万円以上-5万円未満:20%
・5万円以上-7万円未満:6.7%
・7万円-9万円未満:1%
・9万円-11万円未満:1%
・11万円-13万円未満:1.9%
・19万円以上:1.9%
・未回答:6.7%
1)「4月から多くの大学で再開した対面授業がどの程度浸透しているのか、それによる影響はどの程度あるのか」
2)「大学院生の金銭面の課題はどのような状況なのか」
を把握する目的で、アカリク登録車を中心とする大学院生105名に対し、大学院での生活状況について調査を実施しました。その結果、およそ4分の1の大学院生は全ての授業が対面式で行われており、研究室に行く機会が増え、研究に充てる時間が増えています。そのような状況下でも「オンライン授業」「対面授業」のどちらとも同程度の割合で好まれているようです。また、半数以上の大学院生は「生活費が足りない」と感じており、普段の生活費を「アルバイト」「仕送り」などで賄っている学生の割合が高いことが分かりました。
学会大会も一部現地・オンラインのハイブリッド開催を行ったり、研究活動を目的とした海外渡航が比較的行いやすくなった現在では、大学の様々な活動も新型コロナウイルス感染症と共存しながら、徐々に対面で行われ始めています。大学院生は大学で過ごす期間が約2-3年間と極めて短く、コロナ禍の影響を大きく受けやすい存在であるため、コロナ禍に入学した大学院生が対面状況下におかれることで、人間関係の構築に悩む現状が明らかになったといえます。また、生活費に関しては支援を受けている割合が高いものの、まだ不足していると感じる大学院生が多い結果となりました。アルバイトで生活費を補う自立した大学院生が多い一方、コロナ禍によって失われたアルバイト求人数がどの程度回復しているのか、についても分析の余地があると言えそうです。
会社名:株式会社アカリク(https://acaric.co.jp/)
創業 :2006年11月
代表者:代表取締役社長 山田諒
所在地:東京都渋谷区渋谷2-1-5 青山第一田中ビル2階
資本金:1億1500万円
事業 :大学院生・ポスドク向け就活情報サイト「アカリク」の運営、研究分野・業種・職種別イベントの企画開催、大学等でのキャリアセミナーの実施、新卒大学院生・若手研究者・大学院出身者の人材紹介、オンラインLaTeXエディター「Cloud LaTeX」の運営など。
- サマリー
- 25.7%の大学院生は全ての授業が対面式で行われており、研究室に行く機会が増え、研究に充てる時間が増加している。一方で、「友人関係の構築に戸惑うことが増えた」と回答した人が、「友人関係の構築に戸惑うことが減った」の約2.6倍に上る。
- 自身に合っていると思う授業形式は、「オンライン授業」が43.8%、「対面授業」が40%とどちらとも同程度の割合で需要がある。
- 54.3%の大学院生が「生活費が足りない」と回答しており、47.6%は公的機関から経済支援を受けているが、半数以上が月々3万円程度の生活費不足を常時感じている。
【調査概要】
調査目的:大学院生の生活状況の実態把握
調査方法:インターネット調査(クラウドソーシングサービス登録者およびアカリク登録者に対して調査)
調査期間:2022年6月16日~6月28日、7月28日~8月1日
調査対象:大学院生
有効回答数:105件(修士:64名、博士:41名)
- およそ4分の1の大学院生は、全ての授業が対面式
「大学での授業は現在対面で行われいますか」と質問したところ、「一部対面式」が65.7%、「全て対面式」が25.7%、「全て非対面式(オンライン)が」7.6%という回答となりました。約4分の1の大学院生は、全ての授業が対面式で行われています。
「大学での授業は現在対面で行われていますか」
・一部対面式:65.7%
・全て対面式:25.7%
・全て非対面式(オンライン):7.6%
・その他:1%
- 研究室に行く機会が増え、研究に充てる時間が増えている
「2022年4月以降、あなたの生活で変わったことはありましたか。(複数回答)」と質問したところ、最も多かったのは「研究室に行くことが増えた」の43件、次いで「研究に充てる時間が増えた」が37件となりました。4月以降、研究室に行く機会が増え、研究に充てる時間が増えはじめているようです。
一方で、「友人関係の構築に戸惑うことが増えた」と答えた方は、「友人関係の構築に戸惑うことが減った」と答えた方の約2.6倍の16件であり、対面で過ごす機会が増えたことにより、リモート時には感じにくかった孤独や人間関係の難しさを認識するようになったと考えられます。
「2022年4月以降、あなたの生活で変わったことはありましたか。あてはまるものすべてを選択してください」
・研究室に行くことが増えた:43
・研究に充てる時間が増えた:37
・この中にあてはまるものはない:17
・友人関係の構築に戸惑うことが増えた:16
・研究室に行くことが減った:16
・積極的に授業に参加するようになった:14
・研究に充てる時間が減った:14
・授業に参加するのに消極的になった:13
・授業を受けるのが楽しくなった:10
・授業を受けるのがつらくなった:10
・友人関係の構築に戸惑うことが減った:6
- 自身との適性は「オンライン授業」「対面授業」同程度
「対面での授業とオンライン授業では、どちらが自分に合っていると思いますか。」と質問したところ、「オンライン授業」が43.8%、「対面授業」が40%となりました。オンライン授業と対面授業それぞれに対して、自身に合った授業形式であると感じており、個人特性や受講環境など、その他の要因を調査する必要があると考えられます。
「対面での授業とオンライン授業では、どちらが自分に合っていると思いますか。」
・オンライン授業 43.8%
・対面授業 40%
・どちらでもない 12.4%
・その他:3.8%
- 半数近い大学院生が、大学や国・公的機関から経済的支援を受けている
「大学院に在学するにあたり、大学や国・公的機関が提供する経済的な支援を受けていますか。(日本学術振興会特別研究員研究奨励費、助成金、奨学金など)」と質問したところ、「はい」が47.6%、「いいえ」が43.8%となりました。半数近い大学院生が、公的機関から経済的支援を受けています。
「大学院に在学するにあたり、大学や国・公的機関が提供する経済的な支援を受けていますか。(日本学術振興会特別研究員研究奨励費、助成金、奨学金など)」
・はい:47.6%
・いいえ:43.8%
・過去に受けていたが今は受けていない:8.6%
- 生活費は「アルバイト」「仕送り」「奨学金」「研究奨励金」で賄う
「普段の生活費はどのように賄っていますか。当てはまるものをすべて選択してください。」と質問したところ、最も多いのは「アルバイト」で58件、次いで「親や親族からの仕送り」が49件、「奨学金」が29件、「研究奨励金(学振)」が14件となりました。親族の金銭的な援助に頼るのではなく、アルバイトで自身の生活費を確保する自立した大学院生の姿が明らかになりました。
「普段の生活費はどのように賄っていますか。当てはまるものをすべて選択してください。」
・ アルバイト:58
・親や親族からの仕送り:49
・奨学金:29
・研究奨励金(学振):14
・配偶者の給料:1
・社会人大学院生のため、ある程度収入がある:1
・実家暮らし:1
・自己資金:1
・研究奨励金(JST次世代挑戦的研究者育成プロジェクト):1
・学内のリサーチアシスタント:1
・リサーチアシスタントの報酬:1
- 半数以上の大学院生が、「生活費が足りない」と感じている
「生活費が足りないと感じることはありますか」と質問したところ、「はい」が54.3%、「いいえ」が45.7%となりました。半数以上の大学院生が、日常的に生活費が足りないと感じているようです。
「生活費が足りないと感じることはありますか」
・「はい」:54.3%
・「いいえ」:45.7%
- 19万以上生活費が足りないと感じる大学院生も
「月にどの程度生活費が不足していると感じますか(月ごとに異なる場合は、平均的な額を選択ください)」と質問したところ、「0-1万円未満」が34.3%、「1万円以上-3万円未満」が26.7%となりました。割合は少ないですが1.9%の大学院生は「19万円以上」と回答しています。半数以上が月々3万円程度の不足を常に感じていることがわかりました。
「月にどの程度生活費が不足していると感じますか(月ごとに異なる場合は、平均的な額を選択ください)」
・0-1万円未満:34.3%
・1万円以上-3万円未満:26.7%
・3万円以上-5万円未満:20%
・5万円以上-7万円未満:6.7%
・7万円-9万円未満:1%
・9万円-11万円未満:1%
・11万円-13万円未満:1.9%
・19万円以上:1.9%
・未回答:6.7%
- まとめ
1)「4月から多くの大学で再開した対面授業がどの程度浸透しているのか、それによる影響はどの程度あるのか」
2)「大学院生の金銭面の課題はどのような状況なのか」
を把握する目的で、アカリク登録車を中心とする大学院生105名に対し、大学院での生活状況について調査を実施しました。その結果、およそ4分の1の大学院生は全ての授業が対面式で行われており、研究室に行く機会が増え、研究に充てる時間が増えています。そのような状況下でも「オンライン授業」「対面授業」のどちらとも同程度の割合で好まれているようです。また、半数以上の大学院生は「生活費が足りない」と感じており、普段の生活費を「アルバイト」「仕送り」などで賄っている学生の割合が高いことが分かりました。
学会大会も一部現地・オンラインのハイブリッド開催を行ったり、研究活動を目的とした海外渡航が比較的行いやすくなった現在では、大学の様々な活動も新型コロナウイルス感染症と共存しながら、徐々に対面で行われ始めています。大学院生は大学で過ごす期間が約2-3年間と極めて短く、コロナ禍の影響を大きく受けやすい存在であるため、コロナ禍に入学した大学院生が対面状況下におかれることで、人間関係の構築に悩む現状が明らかになったといえます。また、生活費に関しては支援を受けている割合が高いものの、まだ不足していると感じる大学院生が多い結果となりました。アルバイトで生活費を補う自立した大学院生が多い一方、コロナ禍によって失われたアルバイト求人数がどの程度回復しているのか、についても分析の余地があると言えそうです。
- アカリクについて
会社名:株式会社アカリク(https://acaric.co.jp/)
創業 :2006年11月
代表者:代表取締役社長 山田諒
所在地:東京都渋谷区渋谷2-1-5 青山第一田中ビル2階
資本金:1億1500万円
事業 :大学院生・ポスドク向け就活情報サイト「アカリク」の運営、研究分野・業種・職種別イベントの企画開催、大学等でのキャリアセミナーの実施、新卒大学院生・若手研究者・大学院出身者の人材紹介、オンラインLaTeXエディター「Cloud LaTeX」の運営など。
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