コネクテッドカーグローバル市場は引き続き堅調。5G搭載車が世界中で展開。

2021年にコネクテッドカー全体の9割が4Gを採用し、2025年には5Gを採用した車両が1/4を占めると予想される。

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、コネクテッドカーグローバル市場[1]は、半導体不足、生産量低下、コスト上昇、物流の停滞といった、現在も継続する問題に直面したにも関わらず、2021年も堅調であり、米国、中国、ドイツ、英国などの先進国では4G対応の車両は市場の成熟期に達しているという調査結果を含むSmart Automotive Service サービスによる最新調査を発表致しました。
4G対応車両による市場の成熟期と並行し、5G対応のTCU(テレマティクス・コントロール・ユニット)が、リアルタイムデータ転送、クラウドと車の高速通信や、他の機能改善とともに市場に登場しています。

半導体の供給問題は自動車産業全体に悪影響を及ぼし、General MotorsやFordなどの完成車メーカーが受けた打撃は深刻となり、何千もの車両がチップの納品を待つという状況となりました。こうしたメーカーは、「ビルド・シャイ戦略(Build-Shy Strategy)」を採用しており、手に入る部品で組み立てられるだけ組み立てたら、必要な部品が全部そろうまでいったん脇に置くといった生産方式を採用しています。この方式は、生産を止めずに済むため、短期的には有効な方法ではあるものの、いつまで車を完成させずに置くかは保証されていません。そのため、部品不足を受け、自動車メーカーは、損失の最小化と生産中断回避のために、入手したチップや在庫を利益率の高い車種へ転用、一部の機能を外す、車両価格を上げるといった手法を使わざるを得ませんでした。その一例ですが、BMWとRenault(ルノー)は車種によってはデジタルスクリーン無しで販売し、同様に日産やFordはカーナビ無しで販売しました。

コネクテッドカーグローバル市場の状況に関して、カウンターポイント社シニアアナリストSoumen Mandal氏は次の通りコメントしています。
「車のデジタル化は速いスピードで進んでおり、それは世界中のコネクテッドカーの普及率が右肩上がりで伸びていることからも見て取れる。世界の国々が、4Gネットワークのカバーをさらに隅々にまで広げ、次世代セルラー技術普及も進めている。それに付随して、先進の安全性能や快適性を提供するコネクテッドカーがさらに多数市場に出回るだろう。米国のコネクテッドカー市場は2021年に前年比16%成長し、General Motorsを除く各社でコネクテッドカーの出荷が前年を上回った。GMのコネクテッド化のペースが落ちたのは、販売全体の不振と、一部のスマート機能を装備のラインナップから削ったこととによる。GMは、同社のフラグシップ車種であるEscalade SUVに搭載する、ハンズフリーでの高速道路走行が可能な ’Super Cruise’ 機構の提供を一時停止した。他にも、Chevrolet SilveradoやGMCのSierraに搭載されていた、自動発進・停止機構、燃料管理ソフト、ワイヤレス給電、シートヒーター、HD Radio(米国の地上デジタル放送規格。従来のAM/FM放送の周波数を用いてデジタル伝送し、高音質を実現する)といった機能が取りやめとなった。こうした部品供給問題や半導体不足にも関わらず、GMは、2021年に売上で3.7%、利益で47%、成長した。それでも、サプライチェインが分断されたことや在庫不足が原因となって、GMは第2位に転落し、トヨタが米国自動車市場で初めて海外メーカーとして首位となった。」

2025年までのコネクテッドカー市場シェア(予測) – 車メーカー別

出典: カウンターポイント社Global Connected Car Tracker (2019-2025F)

Mandal氏は、次の通り付け加えています。
「中国は、コネクテッドカーの出荷で2021年に米国を抜き、今後も2025年にかけて市場に影響力があるだろう。他の地域で注目すべきは欧州、特にドイツ、英国、フランスである。電気自動車の登録台数が欧州で増えていることが、コネクテッドカーの普及をよく表している。2021年の欧州において、バッテリー駆動の電気自動車(BEV)のトップはTeslaで、VWとRenaultがそれに続いた。他のメーカー、例えばHyundaiやFiatも、すでにラインナップの中に売れ筋のBEV車を持っており、今後EV化が進むなかで車種が増え、市場はさらに細分化されていくだろう。」

自動車産業にとって、2021年は、5G搭載車種であるBMWのiXモデルが初めて全世界展開された年となり、11月にドイツで先行販売され、その後世界中に出荷開始されました。5G化が進む通信技術に関して、カウンターポイント社リサーチバイスプレジデントのNeil Shah氏は次の通りコメントしています。
「無線ネットワークインフラがよく整備され、手厚い政府の支援もある中国は、すでに5Gコネクテッドカーのリーダーである。その中国では2022年にもChevrolet、Geely(吉利汽車)、Buick、Ford、BMWから新車種が投入される。加えて、既に2020年に投入されている5G搭載車種である、Arcfox Alpha T、Roewe Marvel R、Great Wall 3rd Gen Haval H6の人気も続く。私たちは、さらに2023年以降、もっと規模の大きいSAIC(上海汽車)やBAIC(北京汽車)も参入するだろうと見ている。」

Shah氏は次の通り付け加えています。
「しかし、2025年には、グローバル自動車メーカーが次世代製品を普及させる頃のため、5G搭載車の市場はがらりと変化するはずだ。2025年には、4台に1台は5G化するだろうと予測しています。」


[1]ここでのコネクテッドカーとは、純正の通信機能を搭載した乗用車を指します。

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Global Connected Car Tracker, 2019-2025F:
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【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/

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URL
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業種
情報通信
本社所在地
20F Central Tower, 28 Queen’s Road Central, Hong Kong
電話番号
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代表者名
Kyungsoo Kang
上場
未上場
資本金
550万円
設立
2012年05月