M&A総合研究所、『上場企業M&A動向調査レポート(東海版)』を発表
調査結果サマリー
●調査期間中における東海エリアのM&A成約件数は合計189件であり、コロナ禍の影響で全国的にM&Aが減少した2021年も、前年の34件から41%増加となる48件のM&Aが成約し、期間中では最多となった。2022年のM&A成約件数は前年より8件減少した40件であったが、東海エリアのM&A成約件数はおおむね増加傾向にあるといえる。
●調査期間中の県別件数は愛知県が98件、静岡県55件、岐阜県22件、三重県14件であり、譲渡側・譲受側いずれかが愛知県の企業であるM&Aが全体の52%を占めた。そのうち、2023年のM&A成約件数は16件であり、内訳は愛知県が7件、静岡県5件、岐阜県2件、三重県2件であった。
●東海エリアでは、運輸・倉庫業の人手不足が高水準との調査結果もあり、間近に迫る2024年問題への対応に向け、人材確保目的でのM&Aが増加すると考えられる。
調査概要
調査対象期間:2018年〜2022年および2023年1月~5月
調査対象:調査対象期間中に公表された、東海エリア(譲渡側・譲受側いずれかの所在地)を対象にした東証の適時開示
調査方法:東証適時開示の情報を集計
東海エリアのM&Aは増加傾向、県別では愛知県がトップで全体の過半数を占める
2018年から2022年および2023年1月から5月における東海エリア(譲渡側・譲受側いずれかの所在地による分類)のM&A成約件数は189件であり、コロナ禍で全国的にM&Aが減少した2021年も、前年の34件から41%増加となる48件のM&Aが成約し、調査期間中で最多となりました。
2022年のM&A成約件数は40件と前年より8件減少しましたが、東海エリアのM&A成約件数はおおむね増加傾向にあるといえます。
県別件数は愛知県が98件、静岡県55件、岐阜県22件、三重県14件であり、譲渡側・譲受側いずれかが愛知県の企業であるM&Aが全体の52%を占めました。
そのうち、2023年のM&A成約件数は16件であり、内訳は愛知県が7件、静岡県5件、岐阜県2件、三重県2件となっています。
また、調査期間中のM&A成約件数のうち、98件は東京や大阪など東海エリア外の企業と行われたものであり、事業拡大を目的としたM&Aが多くみられました。
コロナによる行動制限が解除されたことで本格的に経済活動が再開されるなか、人材不足に悩む企業も増加しており、特にインバウンドや観光需要が急拡大したホテル・旅館業では人材不足の割合が急速に高まっている状況です。
帝国データバンクが行った調査(東海4県に本社を置く3,056社を対象として2023年7月実施)では、正社員が不足していると回答した企業は全体の48.7%(前年同月比2.3%)であり、全国平均の51.4%を下回るものの、7月時点では過去最高だった2018年の52.5%に次ぐ高い水準まで上昇しました。
県別では三重県が50.8%、愛知県と岐阜県がそれぞれ48.8%となっており、業種別では旅館・ホテルが83.3%(前年同月比43.3%)であるほか、飲食店75.0%(前年同月比11.4%)、運輸・倉庫71.4%(前年同月比10.7%)と7割を超えています。
なかでも、運輸・倉庫業における正社員不足は急上昇しており、2021年7月時点は43.2%だったものが2022年7月は60.7%、さらに2023年は71.4%まで上がっており、間近に迫る2024問題の対応に向け人材確保が急務な状況です。
そのような背景により、今後は人材確保目的でのM&AやDX化による業務効率向上目的でのM&Aが増えるものと考えられます。
取引事例
●アシードホールディングスによる静岡ローストシステムおよびマルサン萩間茶の子会社化
2023年4月、アシードホールディングス株式会社は、静岡ローストシステム株式会社およびマルサン萩間茶株式会社を子会社化しました。
静岡ローストシステムについては2023年4月3日にアシードが静岡ローストシステムの株式77.4%を取得した後、4月12日付で残りの株式22.6%を株式交換によって取得し完全子会社化、マルサン萩間茶については2023年4月3日に全株式を取得しています。
アシードホールディングスは、自動販売機による飲料・食品の販売や清涼飲料・酒類の製造販売などをグループで展開する企業です。
子会社となった静岡ローストシステムは茶の受託加工を手掛けており、ほうじ茶や健康茶など幅広い種類の異物処理や殺菌加工など高い技術を有しています。
また、マルサン萩間茶は静岡ローストシステムの兄弟会社であり、ウーロン茶・紅茶・健康茶などの店舗・ネット通販を手掛ける企業です。
本M&Aにより、アシードホールディングスは飲料の共同研究・開発を促進し、ASEEDブランド商品の拡充を図るとしています。なお、本M&Aの株式取得日は2023年4月3日、株式交換効力発生日は2023年4月12日、取得価額は10億3100万円です。
●ハークスレイによる稲葉ピーナツおよびアイファクトリーの子会社化
2022年11月、持ち帰り弁当「ほっかほっか亭」を展開する株式会社ハークスレイは、岐阜県の稲葉ピーナツ株式会社および株式会社アイファクトリーを子会社化しました。
子会社となった稲葉ピーナツは落花生や豆菓子などの製造販売、アイファクトリーは菓子や珍味類の販売を手掛けています。稲葉ピーナツおよびアイファクトリーは、東京都の合同会社稲葉ピーナツホールディングスの傘下企業です。ハークスレイは新中期経営計画「Resilient 2021」において「自己変革型企業群の構築」を挙げており、本M&Aはその一環によるものでグループ拡大による多事業化を図るとしています。
なお、本M&Aの株式譲渡実行日は2022年11月30日、取得価額は43億5000万円(両社合計)です。
株式会社M&A総合研究所について
会社名:株式会社M&A総合研究所
事業内容:M&A仲介事業
本社:東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館 18階
代表者:代表取締役社長 佐上 峻作
参考
「M&A総合研究所」ではM&Aを分かりやすく解説した記事を公開しております。
M&Aとは?:https://masouken.com/M&A
事業承継とは?:https://ma-s.jp/x/xzwnq
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